疾風伝説 特攻の拓（ぶっこみのたく）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

「爆音小僧」のメンバー。通称「リョー」。「港葉中」出身。
中学時代から「“地獄”のリョー」を自称しているがそれも満更伊達ではなく、中学2年の時点で学校の頂点に立っていた。
爆音内でも喧嘩の腕はマー坊、アキオに次いで3番目の実力者ではあるが、ヒロシとキヨシを見かけた際に拓をその場に於いてトイレの窓から逃走したり、不意打ちとはいえ鬼雷党のケージに攫われたり等といった情けない描写も少なくない。
拓の転校初日に起こった「タイマンボクシング」でも率先して拓を殴りに行った人物の一人で、アキオが拓を認めた後でも一方的に目の敵にしていた。
だが自身が誘拐され、自分を助ける為に命懸けでケージと0～400mレース（ゼロヨンレース）に挑んだことから和解してからは高く評価し、拓の過去を知るが大勢の前で拓を罵り笑った際には率先して庇いに行くほどになった。
直情的で非常に好戦的な性格な上に思慮が浅く、爆音内のメンバーにすら（後にフォローを入れるとはいえ）理不尽な暴力を振るうこともある程で、よくトラブルを呼び込みやすく、最終的にその性格が決定的に災いして族同士の関係を危うくさせ、抗争を大きく発展する事態にもなった原因の一つにもなった。
そんな爆音きってのトラブルメーカーだが爆音内メンバーとは仲は良好で、中学時代からのミツオとはマブダチであり、同じく中学時代からの知り合いでもあるクラスメイトの京子とも友人以上の関係になっていく。
実家は姫政寿司という寿司屋で、拓の自宅に電話をかけた時は意外にも礼儀正しい言葉遣いを使っている。
ギター演奏が趣味。
愛車はSUZUKI GS400E（ジーエス） リーゼントスペシャル。

カズ

「爆音小僧」の旗持ち担当。フルネームは本編には登場していないが、小説版「Version29」で「今川一成（いまがわかずなり）」だと判明した。眼鏡をかけている。
根が優しく同じFZR乗りと言うこともあってか、拓が転校初日に一番最初に優しく対応した男子で、「タイマンボクシング」の際にも拓にできるだけ害が及ばないよう立ち回った。
旗持ちという立場も相まって、仲間や愛車が馬鹿にされると相手が誰であろうと立ち向かう根性はあるが、他の怪物クラスの不良たちと比べるとあまり喧嘩が強い方ではない。
ただそれでも拓との相撲の際には圧倒的な力の差を見せている描写もある。
同じ旗持ちであるジュンジとは仲が良く、集会以外でもよく彼を単車の後ろに乗せて行動している。
自宅で爆音のメンバーと電話している際は声を潜めていたことから、家族には族の活動をオープンにはしていない様子。
愛車はカウルレス仕様のYAMAHA FZR400RRでバラチョン（マフラーの集合管手前で切断し管をバラバラにした状態）仕様。

滝沢 ジュンジ（たきざわ ジュンジ）

「爆音小僧」の旗持ち。鵠沼南台中（初期設定では西浜中）出身。爆音内では珍しく湘南から通学している。ジャックナイフが得意。
物語中盤ごろから免許を取得し、自ら単車に乗るようになるまでは主に同じ旗持ちのカズの後ろに乗っていたが単車の操縦技術は元々高く、教習所の場面では大人しく初心者のようにふるまいつつも嫌味な教官に我慢がならずその場で高度な技術を見せつけ、（半ば「キレたヤンキー」の迫力に怯えていたとはいえ）圧倒させるなどといった描写がある。
また、後に拓に破られるまでは湘南の「悪霊の壁」チキンレースにおいてNo.1の記録保持者であった。
極悪蝶のメンバーである那智とは中学時代からの親友であり現在も内心は互いに友情を感じているが、立場上微妙な関係となってしまったため、その件で葛藤を抱いている。
それ故拓以外の爆音メンバーには、那智との関係を最後まで秘密にしていた。
カズと同様爆音内では比較的温厚な性格で拓が気安く会話できるメンバーの一人。
多少の嫌味や直接的な嫌がらせに対しても最初の内はそこそこ我慢するタイプではあるが、限界に来ると激しくキレてしまうため、入学式ではしつこくちょっかいをかけるリョーにブチ切れて周囲を巻き込む大乱闘を起こすきっかけとなった人物となる。
愛車はHONDA CBX400F。CBRのREVを組んだ4バルブエンジンを積んだ左出しの直管仕様となっている（後に規制前のRPM管に変更）。

ミツオ

「爆音小僧」のメンバー。港葉中出身。
前歯が欠けており、常にマスクをしている。シンナー中毒者。
リョーとは中学時代の親友ということもあって爆音内でも出番はそこそこある方だが、活躍の場は多くなく、寧ろ爆音で禁じられているシンナー遊びがバレてマー坊から制裁を受けたり、過去の話では入学初日にアキオの愛車を傷物にしたことで、「ワンパンのアキオ」の拳を味わう第一人者となったりと、敵対族どころか仲間内からも散々にやられる場面の方が印象深い。
愛車はHOMDA CB400TホークII。

真嶋 夏生（まじま なつお）

「爆音小僧」の六代目頭。アキオの実兄。
「音速の四天王」の内の1人で、「横浜（ハマ）の最速伝説」という異名を持つ。
現在は「爆音小僧」から引退しているものの、実弟も在籍している現爆音小僧のメンバーにとっては頼れる兄貴分となっており、彼が営んでいる自宅兼自動車解体業の「真嶋商会」では居心地のいい「爆音のたまり場」の一つとなっている。
鰐淵清美とは恋人関係にあった。
愛車はセリカ1600GTV、HONDA CB400FOUR→HONDA CB1100R（爆音スペシャル）。

半村 誠（はんむら まこと）

六代目「爆音小僧」の時代に活躍していた人物で、晶の実兄。故人。
「音速の四天王」の内の1人で、拓と同様正式な「爆音小僧」ではないが、（誠本人の死によって叶わなかったものの）当時の頭・ナツオによって「暴走りの特攻」に任命される思惑もあった。
争いを好まず誰にでも気さくな心優しい人物で、温和な風貌は拓によく似ていたが、ナツオより譲り受けた自らの愛車「CB400F（フォア）」を「無敵」と称して血の通った生き物のように表現し、「スピードの向こう側」にとり憑かれていた節があり、それが後の凄惨な交通事故による死を引き寄せた一因になったともいえる。
誠の死はバイク事故死の悲惨さや虚しさを知らしめ、周辺の近しい人物達の人生に大きな影響を及ぼした一方で、その死が良くも悪くも「走り屋」としての伝説となってしまった弊害も描かれている。
愛車はHONDA CB350F（バケヨン）→HONDA CB400FOUR（フォア）。
後にCB350Fは晶、CB400Fはマー坊に引き継がれている。

外道 （げどう）

横浜の暴走族。最も古い歴史を持つ族と言われる。
1970年代の初期から存在しており、最大3000人規模ものメンバーがいた時期もあるとされるが、現在は20人前後にとどまる。
他の族に見られるような襲名制度（～代目）や頭という概念がなく、特攻隊のような突出した役職や別働隊等も存在しないが、「走りの外道」と称される程「外道」のメンバーは単車の技術が非常に高く、「爆音小僧」とは交流こそ然程ないものの、代々暴走りで認め合ってきた仲であった。
主な看板…「THE KING OF STREET」
主な敵対族…「麓沙亜鵺」、「九尾の猫」
主な集合場所…カフェ「フェニックス」

鳴神 秀人（なるがみ ひでと）

「外道」のいちメンバーであるものの、「走りの外道」の中でも突出したバイクテクニックと速さを誇る上に喧嘩も強く男気も申し分ないため、「外道」内では絶対的な信頼を寄せられ、他の族や不良達には「外道の秀人」として恐れられるという、頭の存在しない「外道」のリーダー格として見られている。
拓が初めてできた族の友人で、私立横浜港ヶ丘高校への転校初日、学校の総番・天野を一方的に叩きのめしたところを拓に目撃されたことを切っ掛けに（一方的に付きまとわれる形とはいえ）交流を始める。
当初は拓を鬱陶しく思っていたものの、それが拓の「強くなりたい」「守ってなんてなんかくれなくていいから、強さってなんなのか知りたい」という純粋な気持ちからの行動であることを知り少しずつ心を動かされ、「九尾の猫」の学校襲撃事件に見せた拓の男気と友情に信頼を寄せるようになり晴れて「マブダチ」となった。
その後はお互いバラバラに転校し、族の主要人物のプロフィールや修羅場に遭遇した際の解決法が書かれたメモ帳を拓に渡して以降物語終盤まで二人が会うことはないものの秀人が拓を想う描写は度々見られ、「外道」と「爆音小僧」が敵対してしまったときは本格的な抗争になる前には友人として拓に会いに行った。
「麓沙亜鵺」の緋咲とは天敵同士であり、過去、彼の左拳を破壊した。
学校では所謂「不良っぽさ」が際立っていたものの、喧嘩や族が絡まない場面では意外に穏やかな表情が多く、緋咲との殺し合いに近い喧嘩で入院した際は一般人である看護師の女性に怪我の原因が族の喧嘩であることを疑われた上、密かに想いを寄せられている描写がある。
愛車はパールホワイトのKAWASAKI Z400FX-E4。

吉岡 義郎（よしおか よしろう）

「外道」のメンバー。常にサングラスをかけており、髭を生やしている。
気さくな人柄で秀人を含む他のメンバーよりも学年が一つ上の兄貴分ということもあり、まとめ役としても頼りがいのある人物だが、「外道」の象徴としては秀人が相応しいと本人は思っている。
一方で、単車の技術に関しては特別悪い訳ではないが、優秀な走り屋の集まりである「外道」内では今一つな描写もある。
拓については「秀人のダチ」として好意的に見ている。
愛車はSUZUKI GT380。

朧童幽霊（ロードスペクター）