王家の紋章（漫画）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

2023.10.05

『王家の紋章』とは、細川智栄子あんど芙～みんにより、1976年『月刊プリンセス』にて連載が開始されたタイムトラベル少女漫画である。物語の舞台は、古代エジプト。タイムスリップしたヒロイン・キャロルは若きファラオ・メンフィスに見初められる。可憐で英知あるキャロルと、富と名声を併せ持つメンフィスは数々の事件や謀略に巻き込まれるが、二人はそのたびに危機を乗り越えて互いの愛と絆を深めていく。波瀾万丈のストーリーや入り乱れる恋模様が魅力の作品。

『王家の紋章』の用語

古代アテネ

ミノアのさらに北の強国として知られるも物語にはほとんど登場しない。

『王家の紋章』の名言・名セリフ／名シーン・名場面

古代エジプトでのキャロルの決意

タイムススリップして古代エジプトに来たキャロルはメンフィスに求婚されるこれを断る。不安定な気持ちのキャロルの隙を付いて誘拐した隣国イズミル王子からキャロルを取り戻すために、メンフィスは軍勢を率いてイズミル王子のヒッタイト国に進む。迫るイズミル王子から逃げ出し、いつのまにかメンフィスに救いを求めている自分にキャロルは気が付く。そして脱出に失敗したキャロルは自分の救出のためにエジプト兵が犠牲になるのを目にし、エジプトを守るために自分も闘うことを決意。さらにメンフィスが襲われ生死がわからなくなってしまい、メンフィスへの愛に気が付くキャロル。キャロルはメンフィスが生きて再度自分を助けるためにヒッタイト城攻略を計画していることを知り、捕らわれの身であることを利用し、内部からエジプト軍を手引きした結果ヒッタイト城は落ちる。キャロル救出に成功するがキャロルは傷を負い目覚めない。エジプトで目覚めたキャロルはメンフィスとの結婚を決意し、これをメンフィスに伝えるのだった。現代に残してきた家族と婚約者に済まないと思いながら、エジプト王妃として生きる運命を受け入れる瞬間だ。

失われるメンフィスへの愛

婚儀を済ませたキャロルとメンフィスに再び大きな危機が忍び寄る。エジプト大神官カプターがリビア王女のカーフラにそそのかされて一計を案じてしまう。それはメンフィスの第二妃にカーフラを迎える計画である。計画はメンフィスとキャロルには知らされずに進み、そうとは知らずにメンフィスはカーフラが滞在する宮殿で遠征の一夜を過ごす。これをカプターが誤解を招く表現でキャロルに進言し、キャロルはメンフィスが自分を裏切ったと思い込む。メンフィスのただ一つの愛を受け入れてきたキャロルは絶望のあまりナイル河に身を投げる。たった1人で迷い込んだ古代のエジプトで受け入れた愛が、いともたやすく失われていく。キャロルの胸の内を考えると切なさで胸がいっぱいになるシーンである。

『王家の紋章』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

ファン必見のイラスト集やファンブックなどが刊行

ドラマCDが付いたコミックス60巻の限定特装版

40年以上に渡り、ファンに愛される作品となった『王家の紋章』。
1982年7月に秋田書店から、イラスト集『プリンセスロマンデラックス・細川智栄子イラスト集「王家の紋章」永久保存版』が刊行された。細川智栄子による油彩や2色で描かれた複製原画のほか、登場人物の紹介や『王家の紋章』名場面集などが収録されている。また、2000年6月に近代映画社から発売された書籍『キャロルの秘密キャロルはなぜ愛されるのか？』では、『王家の紋章』に隠された数々の謎が207ページに渡り、徹底検証された内容を楽しむことが出来る。2007年7月、連載30周年を記念して秋田書店より『王家の紋章公式ファンブック』が、2016年7月には連載40周年を記念して『王家の紋章アニバーサリーブック』が刊行された。どちらも歴史上の逸話などを基に、作中のイベントや人物像を紐解くガイドブック的な内容になっている。また、2015年7月発売の『王家の紋章』第60巻には、ドラマCDの付いた特装版が刊行された。キャストはキャロル・リード役を沢城みゆき、メンフィス役を梶裕貴、イズミル役を櫻井孝宏、アイシス役を朴璐美が演じている。さらに、2016年12月ドラマCD第2弾が付いた『王家の紋章』第62巻限定特装版が発売された。

海のエジプト展とのタイアップ

2009年にパシフィコ横浜で開催された「海のエジプト展～海底からよみがえる、古代都市アレクサンドリアの至宝～」の会場内で、タイアップ企画として描き下ろしイラストをあしらったポスターやクリアファイルなど、『王家の紋章』関係のグッズが販売。描き下ろしイラスト入りの前売りチケット「『王家の紋章』ペアチケット」も発売された。