魔神伝(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『魔神伝』(まじんでん)は、来留間慎一(くるましんいち)原作による独特な世界観のSF伝奇アクション漫画作品。1986年、『月刊少年キャプテン』18号にて連載を開始してOVA化されるほどのヒットとなった。主人公・兵頭は異世界より現れた魔導士ビョウドと戦い、彼を体内に取り込んでしまう。強力な魔術が使えるようになった兵頭は付き合いの長い涼と念法使いや宇宙からの執行官たち、さらにふたりの子供たちと共に、邪悪な魔獣や宇宙人やゲームの魔王などと戦う。

『魔神伝』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

兵頭「だまれーっお おれの体を支配するのはおれだーっ貴様なんぞに自由にされるほどやわなきたえ方はしちゃいねーっ」

実は兵頭がビョウドの力の一部で意思のある分身だと発覚。ビョウドは兵頭に憑いて強制的に同化しようとする。その時にビョウドに乗っ取られまいと兵頭が叫ぶ。
「だまれーっお おれの体を支配するのはおれだーっ貴様なんぞに自由にされるほどやわなきたえ方はしちゃいねーっ」
ビョウドを逆に取り込んでしまう兵頭の精神力の強さがよく現れたシーン。
この後、涼に「でどっちなの?力?」と問われて答えとしてプロレスラー・ハルク・ホーガンのセリフの「いちばーん!!」と叫んでいる。

結城「そ そうか貴様完全ではないな!!」

次元の扉内で優位性が逆転しビョウドが表面化して結城を攻撃していたが、涼が現れた途端に攻撃が緩む。
「そ そうか貴様完全ではないな!!」結城がそれに気づいた時のセリフ。
普段、色恋の片鱗も見せない兵頭と涼だが、このセリフで兵頭にとって涼がいかに大切なのかがほんのり分かるシーン。

兵頭「少しは驚いてもらえたかな さっきのは易筋行の技 非力な人間が戦うために考えた技」

ジオスクーガとの試武で兵頭は脇腹を切りつけたジオスクーガの剣を易筋行の技で弾いた。「少しは驚いてもらえたかな さっきのは易筋行の技 非力な人間が戦うために考えた技」。
結果出来た隙をついてジオスクーガの後ろ手を固めてそのまま裏投げで勝利する。魔術や超能力じゃない技で勝利を収めるなんとも爽快なシーン。

『魔神伝』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

オリジナルの外字

『魔神伝』の「神」は正式には"神"の下に"人"を書いて一文字に合体させた外字で表記される。「神+人」の文字は来留間慎一作品以外でも見られる。
萩原一至の漫画『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』のニンジャマスター・ガラの必殺剣「魔神剣」の「神」も「神+人」文字表記である。
またゲーム『CAPCOM VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001』で登場する豪鬼も背に「神+人」の文字が書かれている。

映画『ヘルレイザー』からの影響

映画『ヘルレイザー』からの影響を諸所で見る事が出来る。
後輩の小山恵を蘇らせる際の、血の塊から骨格、内臓、皮膚とだんだんに復元していく描写やクイーンラミアという怪物が火を噴く前に口元の皮膚を裏返しにする描写などを代表にデザイン面での影響を受けている。

『餓狼伝』シリーズなどの格闘技描写への影響

兵頭の格闘アクションについては格闘技小説の『餓狼伝』シリーズなどの多くの格闘技作品の影響を受けている。
ビョウドの出した傀儡との戦いではプロレス技のダイナマイト・キット流ブレーンバスター、タイガー流ローリング・ソバットを使っている。
斬奸との道場での試合では兵頭がおよそ空手ではない中国拳法系の動きからはいり、浴びせ蹴りを放っている。これは骨法やプロレスで見られる技。
ジオスクーガとの試武の際に易筋行で剣を弾いた。
タロスクーガとの戦いでは最後に肘技を使っている。これはコマの外に「全次郎直伝(ウソ)もーここうはざーーんんんん」と書かれている事から八極拳の猛虎硬爬山の事。
著者が夢枕獏原作の小説『闇狩り師』を漫画化している事もあり、同氏の作品を参考にしている。

斬奸の元ネタは『宇宙刑事』シリーズ

斬奸が装着するコンバットスーツは『宇宙刑事』シリーズがモチーフになっている。
学校での戦闘の際、瞬時に転移装着される時に、兵頭が「たとえ1ミリ秒でも黙ってみてると思うなよ」と言っている。これは『宇宙刑事シャリバン』でコンバットスーツを装着する時間と同一。
また武装がレーザーブレードやビームガンというのも『宇宙刑事』シリーズと一緒である。
違いは斬奸のスーツ自体に空間転移機能があること。

結城の木刀の元ネタは『魔界都市・新宿』

結城が木刀を使って戦うのは、霊力のある木刀を使っての戦いを描いた菊池秀幸原作『魔界都市・新宿』が元ネタ。

電脳魔境戦記編のゲーム機がファミコンとそっくり

電脳魔境戦記編で、浩二、大海、宏の3人が遊んでいたゲーム機のデザインは1983年7月15日に任天堂より発売されたファミリーコンピュータが元ネタ。

『魔獣結社』とのつながり

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