ココ・アヴァン・シャネル(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ココ・アヴァン・シャネル』とは、2009年に公開されたパリオートクチュール界を席巻する伝説のデザイナーにまで登り詰めたココ・シャネルの半生を描いたフランス映画である。ココ・シャネルはフランスの孤児院で育ったあと、キャバレーの歌手やお針子として働いていた。そこで将校エティエンヌ・バルザンに見初められ何不自由ない生活を手に入れるが、ありのままの自分を受け入れてくれるボーイ・カペルと運命的な恋に落ちる。試行錯誤しながら伝説のデザイナーにまで登り詰めたココ・シャネルの半生を描いた物語。

『ココ・アヴァン・シャネル』の概要

『ココ・アヴァン・シャネル』とは、2009年に公開されたフランスの伝記映画で、パリオートクチュール界を席巻する伝説のデザイナーにまで登り詰めたココ・シャネルの半生を描いた物語である。
監督はアンヌ・フォンテーヌ、主演をオドレイ・トトゥが務めた。この作品の主演のオドレイ・トトゥは、1976年生まれのフランス女優。代表作に2001年に公開された主演映画『アメリ』。日本を始めフランス国内外で大ヒットを記録し、307劇場で公開された。興行収入は国内で6,113,834ドル、世界全体では50,812,934ドルとなった。その他、2010年に第82回アカデミー賞を受賞し、今作の衣装デザインを担当したカトリーヌ・ルテリエが衣装デザイン賞を受賞した。

人脈も財産も教育もない孤児院育ちの少女が、パリオートクチュール界を席巻する世界のシャネルになるまでを描いた実話に基づく物語。ココ・シャネルは、フランスの田舎にある孤児院で姉と一緒に生活しており、毎週日曜日、決して来ることのない父親の迎えをひたすら待ち続けた。孤児院を出た後、お針子として働く傍らキャバレーの歌手として酔った兵士を相手に歌い、チップをもらっていた。キャバレーにてエティエンヌ・バルザンという将校と出会い、ココ・シャネルはエティエンヌ・バルザンの愛人となりパリ郊外のロワイヤリューにて暮らし始める。そこでボーイ・カペルと恋に落ちる。しかしボーイ・カペルとの結婚さえかなわず、自分が生涯、誰の妻にもならないことを悟っていた。ココ・シャネルは、自分が生きる時代のしきたりを息苦しく感じ、男性たちの服を身にまとった。また当時の女性を窮屈なコルセットから解放し、動きやすい服装と共に自由に考え生きることを身をもって伝えた。いろいろな経験を重ねながら、やがて伝説のファッション・デザイナーとなる。

本名はガブリエル・シャネルであるが、キャバレーで「ココの歌」を歌うことから、ココ・シャネルと呼ばれるようになった。

『ココ・アヴァン・シャネル』のあらすじ・ストーリー

孤児のシャネル姉妹

1897年、幼くして母親を亡くし渡米した父親に置き去りにされたガブリエル・シャネルと姉のアドリエンヌ・シャネルの姉妹は、フランスの田舎にある孤児院で生活していた。シャネル姉妹は毎週日曜日決して来ることのない父親の迎えをひたすら待ち続けた。孤児院を出た後シャネル姉妹は昼間は仕立屋のお針子として働き、夜は2人で自作した衣装を着てキャバレーの歌手として酔った兵士を相手に歌い、チップをもらっていた。ガブリエルは「ココの歌」を歌うことから、ココ・シャネルと呼ばれるようになった。アドリエンヌは客の男爵と交際し結婚間近ではあったが、身分の違いからなかなか話が進まずにいた。一方ガブリエルは、男爵の友人エティエンヌ・バルザンという将校と出会い、バルザンに劇場を紹介してもらいパリで働くことを夢見ていた。アドリエンヌの結婚を期にガブリエルは1人で歌うため別のキャバレーのオーディションを受けたが結果は悪く、バルザンの愛人となってパリ郊外のロワイヤリューにて暮らし始めた。

他の来賓に見つからないようにと言われ、バルザンの屋敷にガブリエルは住まわせてもらえるようになった。競馬場に連れて行ってもらう事があってもバルザンはボックス席へ行ってしまい、ガブリエルを隣には置かなかった。競馬場でのガブリエルは貴婦人たちの洋服に興味を抱き観察していると、偶然姉のアドリエンヌに再会した。アドリエンヌもボックス席へ行ってしまった男爵に残されていた。

屋敷に戻ると、バルザンは馬車を呼んでガブリエルを帰らせようとした。バルザンは女優のエミリエンヌ・ダランソン達と遊びに出かける。ガブリエルは馬車に乗らず男性のような洋服を身にまとい、馬でバルザンと貴婦人達がピクニックをしている場所に乗り込んだ。ピクニックに来ていた女優のエミリエンヌはガブリエルの着用している洋服の斬新なセンスをとても気に入った。そしてガブリエルはエミリエンヌに自身が制作した帽子をあげた。

そんななかバルザンの屋敷でパーティーが開催され、ガブリエルも呼ばれることになった。ガブリエルはバルザンに買ってもらったパーティードレスでなく、自分で作り直したシンプルなドレスを着用し、皆を驚かせた。

ボーイとの出会い

読書家でバルザンの書庫を借りていたガブリエルは、サロンでピアノを弾くイギリスからの客人のボーイ・カペルと出会った。ボーイ・カペルはガブリエルの革新的なセンスを気に入り、二人の仲は急接近していった。バルザンの家でエミリエンヌから帽子の注文を受けるガブリエルは、屋敷を出て働きたいと思い始める。エミリエンヌに仕事を紹介してもらおうとしたが、バルザンに屋敷にとどまるよう勧められる。

ある夜仮装パーティーが開かれて、ガブリエルは自分とエミリエンヌの衣装を作り、エミリエンヌは仮装パーティーに参加している客から衣装を褒められてとても喜んだ。

その頃ガブリエルとボーイは、皆が隠れんぼをしている間に2人きりになり親密な関係になった。その後ボーイはバルザンに二日間のガブリエルとの旅行を了承してもらい、ガブリエルとボーイは海へ旅行に行った。
ガブリエルは自分用にドレスを製作し、そのドレスを着てボーイと旅先のパーティーに参加した。ガブリエルのドレスの斬新さと美しさにガブリエルはパーティー参加者の注目の的となる。

ガブリエルがボーイと結婚したいとアドリエンヌに報告しに訪ねると、アドリエンヌは孤児だったという理由で男爵の両親に会ってもらえず結婚できずにいた。

屋敷に戻ったガブリエルは、ボーイと2日間海へ旅行に行ったことを嫉妬しているバルザンから求婚される。ガブリエルの反応でボーイに恋していることをバルザンは感づいていた。そしてバルザンはガブリエルにボーイとの結婚は叶わないと伝えた。なんとバルザンはボーイが近々別の女性と結婚することを知っていたのだ。

ボーイの結婚相手は富豪の娘だった。ボーイは次に会った時に結婚することをガブリエルに言うつもりだった。

ココ・シャネルとして

ガブリエルはエミリエンヌから帽子の注文を引き続き受けており、パリで帽子のデザインをする事を諦めていなかった。

そしてガブリエルはバルザンに求婚され、ボーイには結婚と恋は別だと言われ、誰の妻にもなりたくないとバルザンとボーイの前で宣言した。
その後愛人関係が続いていたボーイの資金援助でパリにお店を出し、アドリエンヌやお針子たちと共に仕事に励んだ。そこへお店の様子を見にやってきたボーイとガブリエルは2か月間の旅に一緒に出る約束をし、ガブリエルはボーイを見送った。

ある日ガブリエルは、エミリエンヌの芝居をバルザンと観に行った。観終わった後、アドリエンヌからボーイが交通事故に遭い亡くなったと知らされた。急いで事故現場に向かったガブリエルは、とても憔悴しきっていた。

それから仕事に没頭したガブリエルはパリのお店でファッションショーを開き、モデルや客から盛大な拍手がガブリエルに贈られた。だがガブリエルの目はどこか寂しげであった。
その後も精力的に男性社会に最初に踏み込んでいき、現代女性の服装を生み出した。生涯結婚はせず、亡くなる直前まで仕事をした。

『ココ・アヴァン・シャネル』の登場人物・キャラクター

主人公

ココ・シャネル (演:オドレイ・トトゥ)

日本語吹替:小林沙苗
本作の主人公でデザイナー。幼い頃に母親を亡くし渡米した父親に置き去りにされた。フランスの孤児院で育ったあとキャバレーの歌手やお針子として働き、生活費を稼いでいた。そこで貴族エティエンヌ・バルザンに見初められ何不自由ない生活を手に入れるが、ありのままの自分を受け入れてくれるボーイ・カペルと運命的な恋に落ちる。その後愛人関係が続いていたボーイの資金援助でパリにお店を出し商売繁盛していたが、ボーイが交通事故に遭い亡くなってしまう。今まで以上に仕事に精を出し、紆余曲折を経て伝説のデザイナーにまで登り詰める。

愛人

エティエンヌ・バルザン(演:ブノワ・ポールヴールド)

画像左がエティエンヌ・バルザン

日本語吹替:後藤哲夫
フランスの将校。頻繁に通っていたキャバレーでガブリエル(ココ)と出会う。ガブリエルをとても気に入り、愛人としてパリ郊外のロワイヤリューに住まわせる。馬が大好きで、よく競馬場に出掛けた。初めはガブリエルを愛人として接し1度は屋敷から追い出そうとするが、次第にガブリエルに恋愛感情を抱き求婚する。しかし誰の妻にもなりたくないとガブリエルに宣言され、深く傷つく。

ボーイ・カペル (演:アレッサンドロ・ニヴォラ)

画像左がボーイ・カペル

日本語吹替:咲野俊介
イギリスからの客人。ガブリエルの革新的なセンスを気に入り、ガブリエルとボーイは急接近していく。ある夜バルザンの屋敷で仮装パーティーが開かれて、ガブリエルと2人きりになり、親密な関係になった。その後ボーイはバルザンに二日間のガブリエルとの旅行を了承してもらい、ガブリエルとボーイは海へ旅行に行った。だがボーイは富豪の娘との結婚が決まっていた。しかし恋に落ちたガブリエルとボーイはその後も愛人関係になり、ボーイの資金援助でパリにガブリエルのお店を出す。そしてボーイとガブリエルは2か月間の旅に一緒に出る約束をしたが、間もなくしてボーイは交通事故に遭い、亡くなってしまう。

姉妹

アドリエンヌ・シャネル(演:マリー・ジラン)

手前右がアドリエンヌ・シャネル

pcv090g9
pcv090g9
@pcv090g9

Related Articles関連記事

アメリ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

アメリ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『アメリ』とは、2001年に公開されたフランス映画。監督は『エイリアン4』のジャン=ピエール・ジュネ。アメリ役は『ダ・ヴィンチコード』出演のオドレイ・トトゥ、相手役のニノは『アサシン』に出演したマチュー・カソヴィッツである。22歳のアメリはアパートで一人暮らししながらカフェで働く。ある日、40年前に自分の部屋に住んでいた男のタイムカプセルを偶然見つけ、男に返してあげるという挑戦に成功。その後、スピード写真の撮影機の前で不思議な青年ニノに出会う。2001年カルロヴィヴァリ国際映画祭グランプリ受賞。

Read Article

ダ・ヴィンチ・コード(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

ダ・ヴィンチ・コード(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ダ・ヴィンチ・コード』とはダン・ブラウンの小説を原作に、2006年に公開されたアメリカの映画。監督はロン・ハワードで、脚本は原作者のブラウンとアキヴァ・ゴールズマンである。2006年の映画興行収入は2番目に高いが、批評家からは酷評も目立つ話題作。大学教授のロバート・ラングドンは、友人でルーブル美術館館長のソニエールが死体で見つかったことから警察に呼び出される。ロバートが追っ手を避けながらソニエールの孫娘と一緒に、ダ・ヴィンチの絵画に秘められたキリストの謎に近付いていくミステリーサスペンス映画。

Read Article

【アメリ】その映画を観てる自分に満足できる「自己陶酔系」洋画まとめ【レオン】

【アメリ】その映画を観てる自分に満足できる「自己陶酔系」洋画まとめ【レオン】

映画のストーリーや登場人物が素晴らしかったり、使われている音楽がカッコよかったりすると、なんだかその映画を観ている自分までカッコイイなという気持ちになったことはありませんか?この記事では、そんな自己陶酔に浸れる洋画についてまとめました。自分に酔っちゃってる人って周囲から見たら単なるイタい人だけど、別に迷惑かけてるわけでもないんだし、そんなの気にしたらいけません!

Read Article

目次 - Contents