アメリカン・ファクトリー(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『アメリカン・ファクトリー』とは、アメリカ合衆国のドキュメンタリー映画。ゼネラルモーターズ工場跡を買収した中国企業フーヤオが経営する米オハイオ州デイトン市の車用ガラス製造工場を題材としている。バラク・オバマとミシェル夫人の製作会社であるハイヤー・グラウンド・プロダクションズの第1作であり、Netflixにより配信された。閉鎖された工場跡に中国企業が進出し工場を再開させるが、現地採用のアメリカ人と中国から来た本社従業員との文化の違いや価値観の違いから様々な問題が浮き彫りとなる。

初期社長のジョン

ホンダからの視察団が来る日、お客様の信頼を失うことのないように誠心誠意を尽くして業務を遂行するようにと伝えた時の一言。 「中国産だろうがアメリカ産だろうが、お客様にとっては一枚のガラスなんだ、信頼を裏切らないような商品を作るように」と従業員に話す初期社長のジョン。

会長「我々は生粋の中国人だ。どこで死んでもどこで埋葬されても中国人であることに変わりはない」

会長のツァオが中国人従業員に向けて話をしている。

目標達成できなかったと中国人従業員に報告するツァオ会長が、従業員がよりやる気を出すために「中国ではなくアメリカで仕事をしていたとしても中国人であることの誇りを忘れてはいけない。我々が工場を軌道に乗せ成功することでアメリカ人の中国人への見方、中国という国への考えが変わるということが重要なんだ。」と諭す。

ジョン・ラピエール「私たちは一つの大きな惑星の一員なんだ。何らかの理由で別れているが世界は一つだよ。」

スーパーバイザーのジョン・ラピエール

アメリカ・フーヤオから中国工場を訪問中のジョン・ラピエールは、実際に中国人同僚と共に時間を過ごし、工場内の様子を見て、社内で行われた中国旧正月イベントに参加し大きな文化の違いはあっても根底にあるものは一つ「我々は人種こそ違っても同じ星の下に生まれ、生活する人なんだ」と肌で感じて発する一言。

『アメリカン・ファクトリー』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

オバマ夫妻とスティーヴン・ボグナー&ジュリア・ライカート監督の対談

まさにこの映画は普通の映画では画面に映らない人々を描いたものだ。また、製作のスタンスとして「先入観を捨てる」「お互いの話を聞く」「恥をかかせようとしない」「暴露映画は作らない」ことを重視だ。『アメリカン・ファクトリー』はフェアで真摯な映画だ。などと対談で話している。

本作のオバマのインスタグラムのツイート

www.instagram.com

オバマのインスタグラムには、オスカーのノミネートが発表された日、コメントがツイートされた。「アメリカンファクトリーが最優秀ドキュメンタリーにノミネートされたことをうれしく思います」と綴り、また、「実生活の中で変化する世界経済を率直に描写しているこの映画が私は好きだ。実際の人々の暮らしや、頻繁に目にすることがないストーリを垣間見る機会である。これは、まさにミシェルと私が達成したいと思っていたことだった。素晴らしい映画監督のジュリア・ライカートとスティーブン・ボーグナー、そしてチームみんなおめでとう!」と締めくくった。

製作について

2015年2月から2017年末まで撮影は続いた。ライカートとボグナーはフーヤオからオハイオ州の工場と中国の工場両方の撮影許可を取ることができ本作の撮影が完結した。彼らは2009年の短編ドキュメンタリー『The Last Truck: Closing of a GM Plant』でゼネラルモーターズが所有していた撮影現場となった工場を先に撮影していた。

ドキュメンタリー映画撮影の苦労

現場の撮影許可を得ることはできたものの、従業員の信頼を得るまでには数か月かかった。先入観などを捨てて進捗な気持ちで向き合いようやくインタビューや従業員の撮影も実現することができた。
作中では中国人が中国語でアメリカ人についてのセミナーをしており、大統領を批判することもできるなどと話しているが、実際撮影中には通訳がいなかったため、すべての撮影を終了した後にセミナーの内容を知ったのだった。

LK1686
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