ジュリア・ライカート / Julia Reichert

ジュリア・ライカート / Julia Reichert

ジュリア・ライカート(Julia Reichert)は、アメリカのドキュメンタリー映画監督、プロデューサー、教育者。1970年代初頭からアメリカ初期のフェミニズム運動の映像化に取り組み、代表作となる『Growing Up Female』を発表。この作品は、アメリカで女性の社会的役割や固定観念を批判的に描いた初のドキュメンタリーの一つとされ、後にアメリカ国立フィルム登録簿に選定されている。その後は労働者階級や社会運動の記録などを中心に活動し、2000年代に入るとスティーヴン・ボグナーと共に、地域社会の変化や経済格差をテーマにした作品を数多く制作する。2019年に『American Factory』でアカデミー賞を受賞し、グローバル資本主義と労働者の尊厳というテーマを鋭く描いた同作は世界的に称賛を集める。ボグナーとの共同監督として世界的に名を知らしめるようになった。晩年は映画制作と並行してアントリオク大学で教鞭を執り、後進のドキュメンタリー作家を育成するなど、教育者としても活動していた。2022年に癌のため76歳で死去。死後もアメリカの映画界では「労働者と女性の声を映し続けた、最も誠実な記録者」として評価され続けている。

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