カンフー・パンダ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『カンフー・パンダ』とは2008年に公開されたドリームワークス・アニメーションSKGのアニメ映画。ジョン・スティーブンソンとマーク・オズボーンが監督を務めた。古代の中国を舞台としてカンフーを題材にし、6億ドルを超える興行収入を叩き出した大ヒット映画である。大のカンフー好きであるポーはカンフーをやったことがないにも関わらず、「龍の戦士」に選ばれる。ポーはカンフーへの熱意と共に、カンフーの達人であるシーフー老師に弟子入りすることになる。作画にこだわった圧巻のカンフーアクションを楽しめる映画である。
CV:ダン・フォグラー /(日本語吹き替え)高木 渉(たかぎ わたる)
鳥のゼン。シーフー老師の使者としてチョーゴン刑務所へ向かい、1枚の羽根を落とし、それによってタイ・ランは拘束を解いてしまう。
マスター・サイ/ヴァチール所長
CV:マイケル・クラーク・ダンカン /(日本語吹き替え)郷里 大輔(ごうり だいすけ)
チョーゴン刑務所の所長のサイ。シーフー老師から警備を倍にしろという知らせが届き、刑務所の警備に自信を持っていたので、それを受け入れなかったが、タイ・ラン脱獄する時にはそれを後悔することとなった。
『カンフー・パンダ』の用語
カンフー
この作品にはCGアクションとして、棒、鈍器、箸、杖、さらには手に炎を灯して攻撃するといった非現実的な攻撃すらある。
よってこの作品におけるカンフーとは単なる格闘術の流派というより、古代中国が舞台ということもあり、闘争に関する武術全てのことをいっていると解釈されている。
翡翠城
ウーグウェイ導師を始めとした、シーフー老師やマスター・ファイブなどのカンフー使いたちが過ごしている城。様々な歴代のカンフー使いたちの武具や資料などもここにある。
ポーも龍の戦士に選ばれてからここに住むことになった。
龍の戦士
古くから伝わる村の平和を守る伝説の戦士。龍の戦士ならば、タイ・ランから龍の巻物を守れると信じられていたが、選ばれたのはぶよぶよパンダのポーだった。昔タイ・ランは龍の戦士になろうとしたが、ウーグウェイ導師に心の中に潜む闇を見抜かれ選ばれなかった。そのためタイ・ランは逆恨みし村を襲い始めた。しかしポーを選んだとき、ウーグウェイ導師は初めから「この世に偶然などない」と龍の戦士としてポーがふさわしいと確信していた。実際、龍の巻物を見た時タイ・ランは納得できずにいたが、ポーは初めこそ疑問を持ったものの心から納得しており、自分から「僕は、龍の戦士だ」と言っている。
龍の巻物
強さの秘密が隠されているとされている巻物。読めば絶大な力を手に入れられるとされていた。しかし、中には何も書いておらずただ金属の反射で自分が映るだけだった。
その真意は、この作品のキャッチコピーでもある「自分を信じろ!」というメッセージだったのだ。それを理解してポーはタイ・ランに勝利する。
マスター・ファイブ
翡翠城にて、シーフー老師の弟子として修行を積んでいる5人のカンフーマスター。中国屈指の強さを誇る5人組であり、誰もがこの中の誰かが龍の戦士に選ばれると思っていた。
ポーが選ばれたことで当初こそマスター・ファイブはポーをあまり快く思わなかったが、マスター・タイガー以外はポーのカンフーへの熱意やラーメンの腕を見た時に素直に感心していた。
この5人は長い間一緒にいたこともあり、マスター・タイガーがタイ・ランを討とうと夜中に密かに翡翠城を出た時も、他の4人はマスター・タイガーについて行って共に戦った。
ウーシーの指固め
ウーグウェイ導師が編み出した技。指をつまんで小指を下ろすことで相手を魂の世界へ追いやるという技。
初めてポーとシーフー老師が会った際に、シーフー老師がポーの指をつまんで脅していたが、シリーズ全作を通じてポー以外に使う人物がいないため、シーフー老師がこの技を使えるのかは不明。またウーグウェイ導師が編み出した技ではあるが、ポーは作中でウーグウェイ導師と2回しか会っておらず、タイ・ランの指をつまんだときには「ハッタリだ」と言われた。ポーはウーグウェイ導師に習ったのではなく独学でこの技を編み出したのだ。
『カンフー・パンダ3』でも、この技は使われておりポーは魂の世界に行くのだが『カンフー・パンダ3』でタイ・ランは1度も出てこないので、魂の世界へ葬られた後タイ・ランがどうなったのかは分からない。
『カンフー・パンダ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
ウーグウェイ導師「昨日とは過去のもの。明日とは未知のもの。今日の日はもうけもの。それは天からの贈りもの」
龍の戦士に選ばれたポーが、特訓でうまくいかずに憧れだったマスター・ファイブともうまくいかずに、もう諦めようかと迷っているときに現れたウーグウェイ導師の言葉。
ウーグウェイ導師はポーが今までの失敗やこれからの失敗に対して恐れるのではなく、今この一瞬に集中すればいいというメッセージを伝えようとしていた。
これはアリス・モース・アールという作家の言葉である「昨日までは歴史。明日のことは神秘。今日という日は贈り物。ゆえにプレゼントと呼ばれる」からとっていると思われる。「present」という単語は「贈り物」の他に「現在」という意味があるのでそれを掛けたフレーズ。
ウーグウェイ導師「この世に偶然などありません」
龍の戦士にポーが選ばれたことを受け入れられなかったシーフー老師に言ったウーグウェイ導師の言葉。
この世には偶然などなく、ポーが選ばれたことにも何かしら意味があるのだという、ウーグウェイ導師の信条にも則った言葉であり、ポーの潜在能力を見抜いていたからこその言葉とも言える。
また、この時点でこの作品のキャッチコピーでもある「自分を信じろ!」を訴えていたのかもしれない。
Related Articles関連記事
キング・コング(King Kong)のネタバレ解説・考察まとめ
映画史に残る1933年制作の怪獣映画の古典「キング・コング」を「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソン監督がSFXを駆使してリメイクしたのが、この2005年版「キング・コング」。映画撮影のため南海に浮かぶ海図には乗らない神秘の島・髑髏(どくろ)島に到着した撮影隊がキング・コングを初め様々な怪獣や恐竜たちと遭遇する、ラブロマンスとホラー要素もある痛快アクション・アドベンチャー。
Read Article
スクール・オブ・ロック(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『スクール・オブ・ロック』とは、リチャード・リンクレイター監督によるアメリカの映画。日本では2004年に公開。脚本は出演もしているネッド役のマイク・ホワイト手がける。バンドをクビになってしまい途方にくれていたギタリストのデューイが、一本の電話をきっかけに教師の友人ネッドになりすまして名門小学校の臨時教師となり、子どもたちと共にバンドバトルを目指すコメディである。
Read Article
クレイマー、クレイマー(Kramer vs. Kramer)のネタバレ解説・考察まとめ
『クレイマー、クレイマー』とは、1979年に公開されたアメリカ映画。突然訪れた離婚をきっかけに、父親が息子との関係を見直すヒューマンドラマ。ホームドラマの名作とも言われており、その中でも父と子に焦点を当て、幼い子供を一人で育てる事や仕事の両立がいかに難しいかも表現され、現代に通じる内容になっている。また、当時アメリカで問題視されていた離婚や養育権の社会問題を描いた事で高く評価された。 内容だけではなく子役を含むキャスト全員の演技が高い評価を受けた作品でもある。
Read Article
17歳のカルテ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『17歳のカルテ』とはアメリカの映画。原題は、『Girl, interrupted』。青年期に精神疾患と診断された主人公スザンナ・ケイセンの精神病棟での成長を描いている。ベトナム戦争の長期化や貧困・人種差別による社会分断の深刻化、主要人物の暗殺など情勢が不安定だった60年代アメリカを舞台に、病棟の内と外、パーソナリティーの正常と異常、自己存在への疑問と確信、それらとは一体何なのかを「境界性パーソナリティー障害」と診断されたスザンナ・ケイセンの視点を通して描いていく。1999年公開。
Read Article
レインマン(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『レインマン』とは、1988年にアメリカで公開された、自由奔放な弟と自閉症の兄の心の繋がりを描いたロード・ムービーである。高級車のディーラーの仕事をしているチャーリーの元に疎遠だった父親の訃報が届き、そこで初めて自分に兄がいるという事実を知る。事業が上手くいかず四苦八苦していたチャーリーは遺産目当てに故郷に戻るが、遺産の300万ドルが兄のレイモンドに相続されることを知り、施設にいたレイモンドを半ば強引に連れ去るのだった。
Read Article
チェンジリング(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
ある日突然姿を消した息子が、5か月後に保護された。しかし息子として保護された少年は、彼女の本当の息子ではなかった。1920年代に実際に起きた「ゴードン・ノースコット事件」と呼ばれる連続少年誘拐殺人事件を、アンジェリーナ・ジョリー主演、クリント・イーストウッド監督により映画化したミステリー・ドラマ。
Read Article
Mr.&Mrs. スミス(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『Mr.&Mrs. スミス』とは、ダグ・リーマン監督による2005年公開のアクションムービーである。脚本を手掛けたのはサイモン・キンバーグ。主役となる夫婦の夫「ジョン・スミス」をブラッド・ピットが演じ、妻「ジェーン・スミス」をアンジェリーナ・ジョリーが演じている。本作はお互いに暗殺者という身分を隠して結婚したスミス夫妻の壮大な夫婦喧嘩の物語であり、2人の関係性の変化が見どころとなっている。 ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーは本作での共演がきっかけで親しくなり、2014年に結婚した。
Read Article
シェフ 三ツ星フードトラック始めました(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』とは、2014年にアメリカで製作された、コメディドラマ映画である。『アベンジャーズ』シリーズなどで知られるジョン・ファブローが監督から主演まで務めている。一流レストランでシェフを務めていたカールは、オーナーと意見が合わないだけでなく、ネットの晒し者となり店を辞めてしまう。そこで心機一転、フードトラックで移動販売を始め、旧友のマーティンや息子パーシーと共にアメリカを縦断することになる。料理を通して、家族の絆の再生を描く心温まる作品。
Read Article
日本アニメが大好きな海外セレブまとめ!キアヌ・リーブスやアンジェリーナ・ジョリーも
海外セレブの中には、日本のアニメが大好きだと公言している人たちがたくさんいます。アンジェリーナ・ジョリーやキアヌ・リーブスなど、錚々たる人物がジャパニメーションを認めてくれているなんてなんだかすごく嬉しいですし、親近感が持てますよね!誰がどんなアニメが好きなのかこの記事でまとめたので、ハリウッドファンの方は必見です!
Read Article
ハリウッド女優の人気ランキングトップ10!アンジェリーナ・ジョリーやジェシカ・アルバなど
様々な映画で活躍するハリウッド女優。この記事ではハリウッド女優人気ランキングのトップ10を紹介する。数々の人気映画に出演するベテランから注目の若手、日本でも有名な人物まで、幅広くランクインしている。
Read Article
【アンジェリーナ・ジョリー】ハリウッドスターが愛用する薬物・コカインのアメリカでの状況まとめ【ホイットニー・ヒューストン】
危険ドラッグの1つであるコカイン。強い多幸感を得られることから依存性が高く、日本だけではなく海外でも規制の対象になっているのは周知のことですよね。そんなコカインはアメリカで愛用者が多く、ハリウッドスターの間でも浸透しているようです。この記事では、アメリカにおけるコカイン事情についてまとめました。危険と知りながら、なぜ人は薬物に手を出してしまうのか…。この記事を読んでいるあなたが薬物に手を出そうとしているわけではないことを祈ります。
Read Article
ブラッド・ピット&アンジェリーナ・ジョリーの双子画像まとめ!まるで天使のようなかわいさ!【ブラピ&アンジー】
人気俳優ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーの間に産まれた双子、ノックス・レオンとヴィヴィアン・マーシェリンの画像を集めました。生まれたばかりの赤ちゃん2人とブラピ&アンジーのショットや、家族の仲の良さが伝わる画像が満載です。
Read Article
【タイタニック】今すぐ見るべき「名作映画」ランキングTOP30!【ゴッド・ファーザー など】
これだけ観ておけば話の種に困ることはない、名作だけに絞った映画ランキングを作りました!タイタニックやゴッド・ファーザーなど、映画好きなら全て観ておいて当たり前の作品ばかりです!もしまだ観たことがない映画があれば、この機会に是非鑑賞してみてください!
Read Article
【レインマン】トム・クルーズ出演映画30選!50歳を超えても魅力がいっぱい!【トップガン】
トム・クルーズが出演している映画を30作品紹介する。 兄弟の絆や主人公たちの感情の変化が細かく描かれた感動作「レインマン」やトム・クルーズのカッコよさが際立つ愛と青春の名作「トップガン」など。50歳を超えても魅力に溢れた彼の様々な演技を楽しめる作品ばかりとなっている。
Read Article
タグ - Tags
目次 - Contents
- 『カンフー・パンダ』の概要
- 『カンフー・パンダ』のあらすじ・ストーリー
- ウーグウェイの予言と演武会
- タイ・ランの脱獄とポーの修行
- タイ・ランとの決戦
- 『カンフー・パンダ』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- ポー
- ウーグウェイ導師
- シーフー老師
- タイ・ラン
- ピン
- マスター・ファイブ
- マスター・タイガー
- マスター・モンキー
- マスター・ツル
- マスター・ヘビ
- マスター・カマキリ
- その他のキャラクター
- ゼン
- マスター・サイ/ヴァチール所長
- 『カンフー・パンダ』の用語
- カンフー
- 翡翠城
- 龍の戦士
- 龍の巻物
- マスター・ファイブ
- ウーシーの指固め
- 『カンフー・パンダ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- ウーグウェイ導師「昨日とは過去のもの。明日とは未知のもの。今日の日はもうけもの。それは天からの贈りもの」
- ウーグウェイ導師「この世に偶然などありません」
- ポー「ここに来る前の、何者でもない自分のほうがもっと嫌だった」
- 『カンフー・パンダ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 当初はパロディ映画を想定
- ジャッキー・チェンをオマージュ
- ポーとピンは義理の親子
- 『カンフー・パンダ』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:Cee-lo Green & Jack Black 『Kung Fu Fighting』
- 挿入歌:ハンス・ジマー、ジョン・パウエル 『HERO』
- 挿入歌:ハンス・ジマー、ジョン・パウエル 『Let The Tournament Begin』
- 挿入歌:ハンス・ジマー、ジョン・パウエル 『Dragon Warrior Is Among Us』
- 挿入歌:ハンス・ジマー、ジョン・パウエル『Tai Lung Escapes』
- 挿入歌:ハンス・ジマー、ジョン・パウエル『Peach Tree Of Wisdom』
- 挿入歌:ハンス・ジマー、ジョン・パウエル『Accu-flashback』
- 挿入歌:ハンス・ジマー、ジョン・パウエル 『Impersonating Shifu』
- 挿入歌:ハンス・ジマー、ジョン・パウエル 『Sacred Pool Of Tears』
- 挿入歌:ハンス・ジマー、ジョン・パウエル 『Training Po』
- 挿入歌:ハンス・ジマー、ジョン・パウエル 『the bridge』
- 挿入歌:ハンス・ジマー、ジョン・パウエル 『Shifu Faces Tai Lung』
- 挿入歌:ハンス・ジマー、ジョン・パウエル 『The Dragon Scroll』
- 挿入歌:ハンス・ジマー、ジョン・パウエル 『Po vs Tai Lung』
- 挿入歌:ハンス・ジマー、ジョン・パウエル 『Dragon Warrior Rises』
- 挿入歌:ハンス・ジマー、ジョン・パウエル 『Panda Po』
- 挿入歌:ハンス・ジマー、ジョン・パウエル 『Oogway Ascends』
- 『カンフー・パンダ』の予告動画