Sia(シーア)の徹底解説まとめ

Sia(シーア)とはオーストラリア出身のシンガーソングライター。顔を隠して歌う”覆面シンガー"で2014年リリースのアルバム『1000 Forms of Fear』が世界中で大ヒットして、同アルバム収録の「Chandelier」はYouTubeの再生回数は約23億回を誇るなど一躍トップアーティストになった。大物アーティストらに楽曲提供しヒット曲を連発させており、楽曲提供者としての評価も高い。音楽活動以外にもチャリティ活動、映画監督などマルチな活躍を見せている。

Siaの概要

Sia(シーア)は、1975年12月18日にオーストラリアの南オーストラリア州アデレードで生まれた。1990年代半ばに、地元のアシッドジャズバンド「Crisp(クリスプ)」のボーカルとしてキャリアを始めた。 1997年同バンドは解散して、1stアルバム『OnlySee』を発売してソローシンガーとなる。1stアルバム『OnlySee』では、彼女の後のアルバムとは異なり、彼女のフルネームである "Sia Furler(シーア ファーラー)"名義で販売されていた。その後、イギリスのデュオ「Zero 7」のリードボーカルとして参加する。

2000年にソニー・ミュージック傘下のダンス・プールと契約し、翌年に2枚目のスタジオ・アルバム『Healing Is Difficult』を発表。

レコード会社の宣伝に不満を持った彼女はGO! Beatと契約を結び、2004年に3枚目のスタジオ・アルバム『Colour the Small One』を発表。

2012年に「Ne-Yo(ニーヨ)」と共作した『Let Me Love You (Until You Learn to Love Yourself)」が全英シングルチャートで1位を獲得し、イギリスで史上49番目に売れたシングルとなった。

2014年に発表した6枚目のスタジオ・アルバム『1000 Forms・Of・Fear』を発売。その中に収録されている『Chandelier(シャンデリア)」は、YouTubeの再生回数が約23億回を記録するなど世界的なヒット曲になった。
同作は、その年度のグラミー賞において最優秀レコード賞を含む4部門にノミネートされた。また、ダンサーのマディー・ジーグラーをフィーチャーしたミュージック・ビデオも、MTV Video Music Awardsの最優秀ビデオ賞と最優秀振付賞にノミネートされる(後者を受賞)など話題になった。

彼女の音楽はヒップホップ、ファンク、ソウルをベースにしている。
子供の頃はAretha Franklin(アレンサ・フランクリン)やStevie Wonder(スティーヴィー・ワンダー)、Sting(スティング)などのアーティストを好み、これらのアーティストは彼女の初期の頃の影響として挙げている。
2014年にBRW誌が発表した個人資産リストで、彼女は40歳未満のオーストラリア人で97番目の資産家にランク付けされた。

2016年、日本映画『秘密 THE TOP SECRET』の主題歌に「Alive」が採用される。日本版ミュージック・ビデオに女優の土屋太鳳(公式バージョンは空手家の高野万優)がダンサーとして出演している。当楽曲は2018年に、Honda「オデッセイ」のCMソングに起用された。

同年、劇場アニメ『ファインディング・ドリー』のエンディングテーマに「 Unforgettable(アンフォゲッタブル)」が起用される。

以前は顔を公表していたが、インターネットでのルックスの批評や有名になることの息苦しさ、精神の安定など様々な理由から2014年頃より、顔をウィッグで隠した姿で活動するようになる。
ケイティ・ペリー、マルーン5、リアーナなどビッグアーティスト達に提供した楽曲がヒットを連発するなど楽曲提供者としての評価も高い。

圧倒的な歌唱力、音楽シーンでトップクラスのソングライティング力、絶望を知っているからこそ書くことができる生々しい歌詞、顔をウィッグで覆ったミステリアスな風貌などシーアの魅力を挙げれば枚挙にいとまがない。そんな才能に満ちあふれる彼女だが、シンガーとしてブレイクを果たしたのが39歳と遅咲きである。だが、辛酸を舐める長い下積み生活があったからこそ「Chandelier」や「Alive」のようなとんでもない名曲が生まれ、辛い過去やトラウマを基にした歌詞に多くの人が勇気づけられたのだ。
またチャリティ活動、映画監督など音楽活動以外でも活躍を見せている。

Siaの活動経歴

鳴かず飛ばずの不遇時代

2006年Zero 6とのライブの様子。

1997年にオーストラリアのレコード会社よりソロデビューアルバム『Only See』をリリース。
2000年に活動拠点をイギリスに移して2001年に2ndaアルバム『Healing Difficult』をリリース。
2004年に3rdアルバム『Colour the Small One』、2008年に4thアルバム『Some People Have Real Problems』をそれぞれリリース。
2010年5thアルバム『We Are Born』のリリース後、アルコール依存症や薬物依存、双極性障害などの精神疾患の併発、自分が有名になることへの不安などを理由にステージに立つことを休止する。その間、様々な大物アーティストたちに楽曲提供しヒットソングを連発させたことで、ソングライターとして高い評価を獲得していく。
この時期までは顔は隠しておらず、素顔のままで音楽活動していた。

名曲「Chandelier」誕生、一気にスターダムにのし上がる

2016年の夏にNYで行われたPanoramaフェスでのライブの様子。

楽曲提供以外の音楽活動をセーブしていたシーアだが、2014年頃から覆面シンガーとして再びステージの上で歌うようになる。
音楽活動再開後、初のアルバムである『1000 Forms of Fear』は全米チャート1位を記録するなど、ソロ・シンガーとしても成功を収める。
同アルバム収録の「Chandelier」は当時11才の少女が表現豊かに踊るMVの評価も相まってYouTubeの再生回数は約23億回を記録している。
2016年には7thアルバム『This Is Acting』をリリース。リード曲「Alive」の日本版MVには女優・土屋太鳳がダンサーとして出演し、日本でも大きな話題を呼ぶ。
2014~2016年の2年間で一気にトップ・アーティストの仲間入りを果たし、世界中の人々がシーアの楽曲を聴くようになっていく。

チャリティ活動、映画監督など幅広く活動を展開させていく

2019年フジロックフェスティバルのヘッドライナーを務めた際のライブ。

2017年にグラミー賞受賞プロデューサーであるグレッグ・カースティンと共作したクリスマス・アルバム『Everyday Is Christmas』をリリース。
2018年にはUK出身のシンガーソングライターであるラビリンス、グラミー賞3冠受賞の鬼才プロデューサー=ディプロと結成したウルトラグループ「LSD」としても活動を開始する。
2019年は日本初来日となるフジロックフェスティバルにてヘッドライナーを務める。雨降りしきる悪天候での出演だったが、圧巻のパフォーマンスを見せつけライブは大盛況で幕を閉じた。2021年には自身の小説を基に作られた初の監督映画作品『MUSIC』が公開。同年2月に9thアルバム『Music - Songs From and Inspired By the Motion Picture』をリリース。
音楽活動以外にチャリティ活動や映画制作などマルチな活躍を見せている。

Siaのプロフィール・人物像

本名はSia Kate Isobelle Furler(シーア・ケイト・イゾベル・ファーラ―)。
1975年12月18日生まれでオーストラリア出身。
顔は公表しておらず、メディアやライブではウィッグで顔全体を隠して出演する。
2014年にBRW誌が発表した40歳未満の個人資産リストでオーストラリア人の中で97位にランクイン。
2019年より2人の10代男性を養子に迎え入れ、翌年には息子の1人に女児が誕生しお祖母ちゃんになったことをメディアで発表した。

Siaのディスコグラフィー

シングル

『Taken for Granted』

1. Taken For Granted (Radio Edit)
2. Taken For Granted (Desert Eagle Discs Mix)
3. Taken For Granted (M.V.P. Mix)
4. Taken For Granted (Groove Chronicles MIx)

シーアのデビューシングルであり、UKチャートでは最高10位を記録。
名曲「ロミオとジュリエット」がサンプリングで使われている。

『Little Man』

1. Little Man (Exemen Works)
2. Little Man (Exemen Instrumental)
3. Little Man (Album Version)
4. Little Man (Sean's Brother Works)

音数の少ない静観なビートがシーアの美声を最大限に際立たせている。
ライブハウスやスタジアムではなく、ブルーノートのようなジャズクラブにマッチする楽曲が多い。

『Drink to Get Drunk』

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