ZORN(ZONE THE DARKNESS)とは【徹底解説まとめ】

ZORN(ZONE THE DARKNESS)とは、1989年生まれの東京都葛飾区のヒップホップMC、ラッパー。日本で最も人気のあるラッパーの一人であり、2004年にZONE THE DARKNESSとして活動を開始。その後2014年に昭和レコードに移籍、活動名義をZORNと改める。代表曲は「Walk This Way feat.AKLO」、「家庭の事情」、「My Life」など。日常を等身大に歌ったリリック、複雑で硬い韻で紡がれる楽曲は多くのリスナーを魅了している。

ZORN(ZONE THE DARKNESS)の概要

ZORN(ZONE THE DARKNESS)とは、東京都葛飾区出身のヒップホップMC、ラッパーである。2004年からZONE THE DARKNESSとして活動を開始。2009年には1stアルバム『心象スケッチ』を自主制作でリリース。その後もアルバム・シングルのリリース、ライブ活動を継続。2014年にアーティスト名を「ZORN」に改名。
リリックでは日常を等身大に歌い、その中で複雑に韻を重ねていく。彼の楽曲はまるで彼の人生そのもののようなものであり、幼いころの複雑な家庭環境、少年院での経験、そして父親になった日のこと。すべての経験を受け入れ音楽と向き合うZORNから放たれる数々のパンチラインが彼を唯一無二のスタイルである。
一見「HIPHOPっぽくない」ように見えるZORNの楽曲。しかし日常の中での歓び、そして苦しみをさらけ出した彼のラップは誰よりも「HIPHOP」であり、男女問わず多くのリスナーを魅了している。

ZORN(ZONE THE DARKNESS)の活動経歴

数々のMCバトルに出場

地元でMCバトルに出場していたころのZORN。貴重な金髪姿である。

2004年からZONE THE DARKNESS名義で活動を始める。ZONE THE DARKNESSの由来は、彼が当時好きだったバンド『ZONE』から。のちに「このMCネームを付けたときはアングラなマインドだった」と語っている。
数々のMCバトルに出場し、『B BOY PARK UNDER20 MC BATTLE』、『UNTIMATE MC BATTLE』などで好成績を残す。そして『THE 罵倒』で3連覇を果たし、バトルラッパーとしても話題になった。

ZONE THE DARKNESSとしてアルバム『心象スケッチ』・ミニアルバム『ロンリー論理』などをリリース

「奮エテ眠レ」のMVより。若さ故の尖った雰囲気を感じさせる。

2009年には自主制作で1stアルバム『心象スケッチ』をリリース。1000枚限定で販売された。
2010年にZONE THE DARKNESS名義での代表曲、「奮エテ眠レ」が収録された2ndアルバム『THE N.E.X.T.』をリリース。2011年にミニアルバム『ロンリー論理』、2012年には3rdアルバム『DARK SIDE』をリリースするなど、活発に活動を続けていた。

ZORNに改名、昭和レコードに移籍

2022年9月のZORN。

2014年に人気ラッパー般若の率いる『昭和レコード』に移籍。般若、SHINGO☆西成に続く第三の男として加入した。そしてZORN名義では初めてのアルバム、『サードチルドレン』をリリース。その後渋谷wwwで行った初のワンマンライブを成功させる。2015年に5thアルバム『The Downtown』、2016年に6thアルバム『生活日和』をリリース。『生活日和』には二人の娘へ向けて歌った楽曲「Letter」も収録されている。そして2度目のワンマンライブも成功させる。
2017年には初のLIVE DVD『おゆうぎかい ワンマンライブ 2016.12.18 @SHIBUYA WWW X』、9月に7thアルバム『柴又日記』をリリース、着実に人気を獲得していった。
2018年、般若×ZORN×SHINGO☆西成名義で昭和レコードより『MAX』をリリース。シングルではAKLOとともに「Walk This Way feat.AKLO」を配信リリースした。
2019年に大阪でのライブで昭和レコードを脱退することを発表。理由については「30歳になり、新しいスタートを切るため」だと語った。般若、SHINGO☆西成も彼の決断を応援するとしている。8thアルバム『LOVE』、配信シングルとして「Rep feat.MACCHO」、「Don't Look Back」を発表。
2020年に9thアルバム『新小岩』、2022年に10thアルバム『RAP』をリリースした。

ZORN(ZONE THE DARKNESS)のプロフィール・人物像

1989年2月16日、東京都葛飾区新小岩に生まれた。本名は杉山雄基。幼稚園のカバンから注射器が出てくる、母親が父親を刺し殺そうとするなど壮絶な家庭環境で育つ。彼の育った家庭環境については、楽曲「家庭の事情」で赤裸々に歌われている。
中学時代に周囲でミクスチャーが流行り、それをきっかけにバンドでラップをすることにあこがれたが、楽器をできる仲間がいなかったため断念した。同時期に、雷家族やTHA BLUE HERBに影響を受け、次第にHIPHOPにのめりこむようになっていく。地元である葛飾区で開催されていたフリースタイルのラップバトルでは上位入賞を重ね、スキルを磨いていった。
メディア系の高校でダンスやHIPHOPを学んでいたが、彼は筋金入りの不良であったため1年たたず中退してしまう。その後は2年ほど少年院で過ごしているが、当時からずば抜けた文才を持ち、少年院内で開催された作文コンクールで最優秀賞を受賞したというエピソードもある。のちに出演したラジオ番組『Creepy Nutsのオールナイトニッポン0』の中では「少年院を首席で卒業した」と語っている。
プライベートでは3人の娘の父親であり、そのうち2人は2015年に結婚した妻の連れ子である。妻とは2年ほど付き合ったのちに結婚。デートの際も子供たちと一緒に行っていたと語っており、楽曲「Letter」は連れ子である2人に向けて書いた曲である。インスタグラム、ミュージックビデオなどに妻や3人の娘たちも時々出演しており、家族仲が良好なことがうかがえる。また、ライブで楽曲Letterを歌う際には娘たちに「彼氏ができたら紹介しろよ、俺より韻が踏めたら認めてやる」と発言したことがある。

ZORN(ZONE THE DARKNESS)のディスコグラフィー

アルバム

心象スケッチ

01. プロローグ
02. 一番線ホーム
03. 降り止まない雨
04. 思い出
05. 眠れない街
06. ラビリンス
07. 間奏曲
08. 痛みと鎖
09. 自由
10. 秒数
11. 戸を閉じた心
12. 赤い靴の少女
13. エピローグ

2009年にリリースされた1stアルバム。名義はZONE THE DARKNESS。1000枚限定で発売されたためほとんど流通していない。彼自身の思想、ストリートで感じた現実などをうたった楽曲が多い。リリックの内容は違えど、固く複雑な韻でリスナーの心をひきつける彼のスタイルが確立されていた。1stアルバムにして既に東京のアンダーグラウンドでは注目される存在となっていた。

THE N.E.X.T.

01. 『The N.E.X.T.』Produced by Yakkle
02. 『Butterfly’s Faction』Produced by Fragment
03. 『Tokyo 25世紀』Produced by Eccy
04. 『奮エテ眠レ』Produced by Michita
05. 『PM 09:00-Skit-』
06. 『これがLife Style…』Produced by LOST FACE
07. 『誰だ』Produced by PUNPEE
08. 『PM 09:05-Skit-』
09. 『Bird In The Cage』Produced by STUTS
10. 『Parallel World-Skit-』Produced by fanfan
11. 『Alice In Underground』Produced by Eccy
12. 『静寂でしか聞こえない』Produced by fanfan
13. 『You&Me』Produced by Michita

2010年にリリースされた2ndアルバム。初期の代表曲である「奮エテ眠レ」や「誰だ」が収録されている。ラッパーとしての彼自身の苦悩、それでも希望を見つけ出したいという気持ちが感じられる。YakkleやPUNPPEなどの豪華なプロデューサー陣を迎えて制作されたアルバムである。

ロンリー論理

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