ベイブ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ベイブ』とは、ユニバーサル・ピクチャー製作のもと、1995年にアメリカで公開された子豚が主人公のファミリー向け映画。のどかな農村を舞台に、主人公ベイブが農場の動物たちと絆を作りながら、牧羊犬ならぬ牧羊豚を目指すストーリー。奮闘する子豚の愛くるしい姿に思わず心が揺さぶられる癒し度マックスのこの作品は、動物達が演じる俳優顔負けの熱のこもった表情や、コミカルな動きなどを撮影した技術が評価され、第68回アカデミー視覚効果賞ほか、第53回ゴールデングローブ賞では作品賞を受賞している。

レックスから教えてもらった暗号を唱えるベイブ

コンテスト会場の羊達を手なずけるシーンでのセリフが、「バー・ラム・ユー バー・ラム・ユー 群れと仲間たちに変わらぬ忠誠を 裏切るなかれ」である。バー(baa)はアメリカでの羊の鳴き声を表現する言葉で、ラム(ram)はオスの羊、ユー(ewe)はメスの羊を意味する。ベイブのために、レックスが農場の羊達から聞き出した秘密の暗号のようなもので、本来は羊のしか知らないはずの言葉だった。これを聞いたコンテストの羊達はベイブの指示に従い、見事な動きを見せてベイブを優勝へと導いた。

ホゲット「よくやった」

ラストシーンでベイブに賞賛の言葉を送るホゲット

コンテストにて審査を終え、会場中が沸き立つ中、ホゲットがベイブへ送った賞賛の一言が「よくやった」である。あまり多くを語らない無口なホゲットらしさが感じられる、最大の誉め言葉。ベイブに対する敬意が感じられる優しい眼差しも印象的。

ベイブにコミュニケーションをとることを諭すメー

レックスたちと同じように威嚇をしながら羊達を誘導しようとするベイブに対し、その方法ではだめだとメーが諭す場面。ちゃんとお願いをすれば動くというメーのアドバイスのもと、ベイブは牧羊犬の仕事をこなしていくようになる。上手に誘導を行うベイブに、フライがどのような方法をとったのかを訊ね、その後、レックスやフライも羊達と会話をするようになった。

ベイブが歌うジングルベル

クリスマスシーズンになり、食卓のメインディッシュにされそうになっていることはつゆ知らず、ベイブが上機嫌でジングルベルのサビの一節を歌うシーン。歌詞はなく、「ラララ」だけで歌うベイブの可愛らしい歌声が印象に残る場面。

ベイブへ励ましの歌を送るホゲット

気が滅入り伏せてしまったベイブに、ホゲットが曲を贈るシーン。優しく自分の子供をあやすように歌うホゲットから、動物たちに対する温かい愛情が感じられる。気分があがり、カントリー調なリズムで子気味よくステップを踏むホゲットの踊りにも注目。

『ベイブ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

主人公ベイブの撮影秘話

動物達のシーンには、CG等に加えて本物の動物も撮影に参加した。主人公のベイブ役は、ランドレース種という種類の生後1ヶ月位の子ブタで、子ブタは成長が早いため、本作1本を撮り終えるまでに延べ200匹以上が使用された。

ミニーマウスの声も務めた豪華な俳優陣

動物達の声を務めた俳優には、誰もが一度は耳にしたことがある作品に出演している実力派のキャストが顔を連ねている。中でも、猫のダッチェス役のルシー・テイラーという声優は、TVアニメやOVAを中心にミッキーマウスの声を33年間担当していた。他にも母犬のフライ役に、『ハリー・ポッター』シリーズにも登場した俳優のミリアム・マーゴリーズなど、著名なキャストが参加している。

ジェームズ・クローウェルの生き方に大きな影響を与えた作品

農場の主人・ホゲット役を務めたジェームズ・クロムウェルは、『ベイブ』をきっかけに俳優として広く知られるようになった。また、この映画を通して厳格なベジタリアンになり、私生活で動物の権利を主張する愛護運動を積極的に行うようになった。体を張った抗議活動で何度か逮捕された経歴も持っている。

www.cinematoday.jp

『ベイブ』の主題歌・挿入歌

主題歌:サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付き』

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