僕といっしょ(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『僕といっしょ』とは1997年より古谷実が『週刊ヤングマガジン』で連載していた漫画作品。母親の死をきっかけに中学生と小学生の兄弟が家出してとりあえず東京へ。東京で出会った少年と居候生活を送る事になる。この物語は彼らと周囲のいろいろな境遇の同年代の少年少女や大人たちが巻き起こす物語である。ギャグ漫画という位置づけではあるが、「人生ってなに?」というテーマに時に情緒あり、時に涙ありの物語である。意外と重いキーワードを含んだドラマを展開する作品でもある。

『僕といっしょ』の概要

『僕といっしょ』とは1997年より古谷実が『週刊ヤングマガジン』で連載していた漫画作品。1997年35号から1998年44号まで連載。古谷実は1993年より同誌にて連載の『行け!稲中卓球部』でデビューし大ヒットした。アニメ化もされ話題となる。『僕といっしょ』はその次作となる作品で前作に比べストーリーを重視した作りになっていて、ギャグも控えめになっているのが特徴のひとつである。非常に明るいギャグ漫画ではあるが家庭崩壊、家出、セックス、同性愛者、学歴、逃避、売春、自殺などたくさんの社会的なキーワードが物語にちりばめられている。
10代から20代の若者の感性を刺激するテーマとなっていて、主に当時の若年層ファンを獲得した。
母親が亡くなってしまい、再婚相手の義理の父親に捨てられた先坂すぐ夫(さきさかすぐお)と弟のいく夫(いくお)は荷物をまとめ家出する事に。
東京に出れば雇ってもらい暮らしも何とかなるだろうと、ふたりは所持金を使い電車で東京へ向かった。東京、上野に着いてすぐに出会ったのが怪しげな男・伊藤茂(いとうしげる)通称イトキンだった。すぐ夫たちとイトキンは親のいない孤児であったために共感して行動を共にする事に。
そしてすぐ夫たちに声をかけてきた街の床屋の娘、吉田あや子(よしだあやこ)によって、床屋に居候させてもらいやっと生活が安定する。
ドロップアウトしてしまった未成年たちの貧困や、思春期の主人公たちが意識する事など、出会う人々との人間関係で巻き起こるドタバタ劇が物語の中心を占める。
また主人公たちが家族や友情のありがたさなどを感じながら成長していく姿をギャグを交えながら描いた作品でもある。

『僕といっしょ』のあらすじ・ストーリー

家出サバイバル

すぐ夫といく夫は上野行きの電車に乗っていた。
3日前に母親が亡くなってしまい、義理の父親から「お前らが死ねばよかったのによ」と言われてしまったためだ。
ふたりは荷物をまとめなけなしの所持金を使い東京を目指した。東京ならば雇ってもらい生活も何とかなるだろうと思ったからだ。

すぐ夫は上野に到着すると何も考えずに、上野動物園に行こうとするが道が分からない。道行く人に片っ端から声をかけるが無視される。
ひとりだけ反応したのが、辮髪(べんぱつ)の怪しげな少年だった。少年はすぐ夫といく夫を上野の西郷像を見せてから、上野動物園まで連れていった。
到着したところで少年は「ガイド料2千円です」とお金をすぐ夫に要求する。
そこにカップルが歩いてきて、辮髪の少年の事を「イトーしげる」と呼ぶ。
彼らの話によるとイトーしげるは彼らの金を使い込んでシンナーを買って吸っているところを、見つかってボコボコにされたことがあるらしかった。
しかも親のいない孤児であることが分かった。
カップルが親がいないという事をバカにしているのを目にして、すぐ夫は思わず辮髪の少年に、「イトキンくぅーん!!」と声をかけて、カップルがバカにしたことが悔しくないのかとケンカさせようとけしかける。
イトキンはその勢いに押されその気になり殴りかかるが、逆にボコボコにされてしまう。

その後公園で、イトキンからすぐ夫といく夫も家出人だろうから、イトキンの家に誘われる。
すぐ夫といく夫は行く当てもないのでイトキンに着いていってみる。
とあるアパートの一室に案内されるが、一目で空き家だという事が分かった。
鍵開けっ放しで、電気も水道も通っているという事で、どうにか暮らす事が出来そうだった。
3人はお互いに自己紹介し合う。
先坂すぐ夫、14歳。その弟のいく夫、小学校3年生。そして伊藤茂、たぶん14歳。

翌日、すぐ夫にイトキンは自分たちの年齢では雇ってくれるところなどないと、厳しい現実を突きつける。
それでも探さないわけにはいかないすぐ夫はコンビニでアルバイト募集雑誌を見てみたがやはりない。直接工事現場や新聞配達所や駐輪所などへ赴き聞いてみるがすべて断られてしまう。
イトキンは盗んだものを売って生活してきたという事だったが、すぐ夫はいく夫のために犯罪を犯す事は出来なかった。
公園ですぐ夫とイトキンが言い合っていると、少年が声をかけてきた。
自分も家出人であるという事だった。すぐ夫もイトキンも相手にせず帰れと促すが、彼の意思は固かった。
歳を聞いてみると15歳だった。
イトキンは家出少年の顔を見て美少年であることに気が付く。
そして何かを思いついた様子のイトキンはすぐ夫に声をかけ3人で新宿駅前へ。

そこでイトキンは男性のお尻のポケットに入っている携帯電話を盗んだ。
イトキンは会社を作ると言ってスピード写真を撮り、ペンと紙を購入した。
イトキンは紙とペンと写真で「出張ホストクラブホワイトぺニーズ」のチラシ広告を作った。
家出少年の名前を聞くと、進藤カズキ、15歳の高校生だという。
彼らはチラシをコピーし、大きな家やマンションなどに片っ端からチラシを入れた。

そして待つこと1時間。携帯が鳴った。
最初に指名を受けたのはカズだった、悲壮な思いを胸に彼は客との待ち合わせに向かう。
カズを車で迎えに来たのは美人なお姉さんであったが、シャワーを浴びた後に出て来た姿はボンデージファッションで目が血走っていた。
さらに電話がかかってきて指名ではなかったがすぐ夫が客のマンションに向かう。待っていた女性を生理的に受けつけずに殴ってしまうすぐ夫。
すぐ夫と女性は大乱闘に。
その間にイトキン宅ではまた携帯がなり、イトキンが待ち合わせ場所に向かう。
しかし、それは携帯の持ち主とその仲間からであった。
またもボコボコにされてしまうイトキン。
それぞれイトキン宅に帰ると、カズが落ち込んでいた。だがカズは客の女性から礼金として7万円渡されていた。
その金でみんなで銭湯に行き、さっぱりする。

翌日から、すぐ夫は多少なりともお金があるからか仕事探しもいいかげんになり、いく夫に無駄な夢を追いかけている事を説教されたりしていた。
カズはイトキン宅で不安から持参していた教科書やノートで勉強していた。ゆくゆくは社会福祉の仕事に就ければと夢を語る。
しかし、そこに入居希望者が部屋の見学に来てしまい、自分たちの事を目撃されてしまう。
不動産屋が押しかけてくる前に急遽引っ越すことに。
そして彼らは河原の橋の下に住むことにした。彼らは名実ともにホームレスとなったのである。

吉田家での生活

高校生の吉田あや子は通学の電車の中から河原の橋のたもとに住むホームレスの少年たち「ヤングホームレス」を見つける。
あや子は昨年母親が亡くなってから考え続けている事があった。「人生って何?」ということ。
しかし、友達に話すと引かれてしまう。
実際に「人生やり直せるとしたら する?」と友人の永松たちに聞いたところ引かれてしまう。
一応、永松たちからは「お金持ちの家に生まれたかった」とか「不満ない」との答えを返してもらったが、自分に当てはめて考えてみると悩んでしまう。
学校帰りに橋の下のヤングホームレスたちに会いに行く。
そこには地面で分数の計算をするいく夫しかいなかったが、すぐにカズが帰ってきた。
あやこはすぐ近くの自宅で何か食べないかと誘うと、カズがすぐ夫とイトキンが帰ってきてから行こうと言う。
ふたりが合流してから、あや子は自宅に案内する。自宅は床屋で店先に父親のケンジがいた。
とりあえず食事をしながら、あや子はすぐ夫たちの素性を父親に家出人で河原の橋の下に住んでいる事を話す。しかも親がいない事が分かる。

翌日、店の手伝いとゆくゆくは店を継ぐことを条件にすぐ夫・いく夫・イトキンは吉田家に住まわせてもらう事になった。
カズは本屋さんの西沢さん宅に引き取られる。
さらに翌日、ケンジが連絡してくれたおかげでいく夫は小学校に通わせてもらえることに。
吉田家の隣の子のあきひととも友達になる。

学校に通うようになり、友達も出来たいく夫はクラスメイトの保田みかこに告白される。
いく夫は女性に不信感を持っているすぐ夫にバレたら大変な目に合わされることが分かっていたので、みかこに誰にも秘密で付き合おうと提案する。
しかしそれを目撃していたあきひとが、すぐ夫に告げ口してバレてしまう。
すぐ夫は下校中のいく夫とみかこを見つけ、みかこを怒鳴りつけ泣かしてしまう。
いく夫はそんな兄を嫌いみかこと一緒にみかこ宅へ。
いく夫はみかこ宅から帰らないと言い張り、イトキンが迎えに行くも役に立たない。
そしてカズが迎えに行くと、その美少年っぷりにみかことその母親二人ともがカズに惚れてしまう。
豹変したふたりを目の当たりにしてショックを受けたいく夫はすぐ夫のもとに帰り泣きついた。

すぐ夫・いく夫とイトキンが吉田家に居候して早2ヶ月。
吉田家の床屋が属するオレンロン横丁の商店街のみんなが事情を聞いて吉田家にカンパしてくれた。
イトキンとすぐ夫は床屋の手伝いもそこそこにふざけてばかりの生活を送っていた。

3日後、西口商店街の草野球チームから来年の盆踊りの場所決めを条件にした試合の申し込みがあった。
ケンジは下手くそだという事を知らずにすぐ夫をあてにしてしまうが、まったく打てない事を知り愕然としてしまう。
試合当日。
オレンロン横丁チームはあや子の友人ユキが監督兼ピッチャーで、唯一まともにプレイできるのは彼女だけだった。
他のメンバーは全くの素人。
対して相手の西口商店街チームはピッチャーに甲子園出場常連校のU高校のピッチャー宮下太郎がいる。
彼のピッチングにまったく歯が立たないオレンロン横丁チーム。守備ではユキが見事なピッチングで西口商店街チームのバッティングを抑える。
そして2回表ユキがスリーベースヒットで出塁。得点のチャンス到来。そこでユキは代打にすぐ夫を指名。
偶然にもなんとすぐ夫はホームランを打った。
得点はオレンロン横丁チームに2点入った。しかしすぐ夫をバカにしていたオレンロン横丁チームのメンバーは、すぐ夫がホームランを打ったことに衝撃を受けて、みなその場で帰ってしまった。
試合放棄となり、西口商店街チームの勝利となった。
試合には負けてしまったが、オレンロン横丁商店街ではすぐ夫たちはバカにされることはなくなった。

思わぬ現実

ある日、イトキンが河原で釣りをしていると、シンナーの匂いがしてきた。ニオイをたどって橋の下に行くと女の子がひとりシンナーを吸っているのを見つける。
シンナーを吸う原因が寂しさにある事を知っていたイトキンは彼女を吉田家に連れ帰る。
彼女は村田マリコ、16歳。高校生だったが退学しアルバイトで生計を立てているらしかった。
イトキンは彼女に一緒に住もうと言われ、それを吉田家のみんなに相談する。
反対する者は誰もいなくてイトキンはマリコと一緒に暮らすことようになる。

翌朝、マリコの部屋でイトキンは目を覚ます。
マリコは仕事があると言い、なぜか高校の制服をきて出かける。
イトキンは吉田家にもどり、彼女が出来たのでテンション高く大騒ぎ。
夕刻。
大騒ぎしているイトキンをマリコが迎えに来た。
すぐ夫たちから離れたところで、急にマリコが「なんでいないの!!!」と絶叫して泣き始めた。
イトキンはマリコをなだめマリコの部屋に帰った。
翌日も急遽仕事になってしまったと制服を着て出かけていくマリコ。
マリコが出かけた後にイトキンはまた吉田家へ。
昨晩、マリコと話したところ、マリコは5人と援助交際しているとの事だった。
そんなマリコにイトキンは生活を合わせる事にしたのだが、すぐに窮屈で仕方なくなってしまう。
別の日。とうとう電話にでないイトキンにマリコが逆上して、包丁を手にしてイトキンを追いかけまわし、イトキンの尻を刺した。
イトキンは命からがら、吉田家に逃げ込んだ。
マリコはその日から吉田家の前の塀に張り付き、監視するようになる。
マリコは何日もほとんどの時間そこで過ごしていた。
雨の日でも構わずそこに居続ける。そこへ、近所の浪人生の8浪が通りかかり、マリコに声をかけ傘を差しだした。
マリコは8浪に笑顔を向けた。
それからマリコは姿を現さなくなった。

ある日、すぐ夫はケンジに頼まれてスーパーにお使いに来ていた。スーパーの敷地内に焼き鳥の屋台があったので1本買おうと店員に声をかけた。
ふと店員の顔を見ると、イトキンにそっくり。しかも胸のネームには「伊藤」と書かれている。驚きはしたもののすぐ夫はそのまま吉田家に帰った。
翌日、すぐ夫は学校帰りのあや子を駅前で呼び止め、昨日の焼き鳥屋に一緒に行く。あや子も店員の顔を見て驚愕する。
すぐ夫は「伊藤茂」という名前を出し、店員にイトキンの母親ではないのかと詰め寄ると店員は焼き鳥の道具をあや子とすぐ夫に持たせて逃げてしまった。
さらに翌日、すぐ夫がイトキンを焼き鳥屋に連れていくと、別の店員に変わってしまっていた。「伊藤」は突然やめたとのことだった。
しかし彼女は中学生くらいの子が訪ねて来たら渡すように手紙を残していた。
すぐ夫が手紙を開くと、女性器のマークが書かれていた。

またある日、イトキンがすぐ夫と街に出かけていると、通りで声をかけられる。
昔、一緒に施設を脱走したうちのひとりのまさとだった。
まさとは今は勉強して来年から高校に通えるようになったとの事だった。しかもミチコという彼女までいる。
さらに一緒に施設を脱走したもうひとりの仲間、竹内新(たけうちしん)はタレントになり雑誌やテレビをにぎわすスターになっていた。
同じ原点から始まったはずの3人のうちイトキンだけがなんだか差がついてしまっている事に「ついてないんだ」と悟るイトキン。
イトキンはすぐ夫に夢は「結婚」だと控えめに語る。

ふたりの家出

泳げないからと河で溺れてる少年を見捨てたイトキン。少年は助かったが、すぐ夫はイトキンの水泳の特訓を開始する。
しかしイトキンは溺れてしまい流され沈んでいく。薄れる意識の中、人生で何もできなかった事を悔いた。とその時起き上がるとそこは浅瀬で助かった。
イトキンは生まれ変わったつもりで何かを始めようとケンジの手伝いで部屋を掃除し始める。
すると箪笥の棚に頭をぶつけ日記を見つける。
日記をすぐ夫に見せ、近所の爺さんに読んでもらうと、床屋の客足が減り、あや子は小遣いをもらわなくなり、と吉田家の財政が危機的状況である事が分かる。
すぐ夫とイトキンはふたりで吉田家を出る事を決める。
いく夫も着いていくと泣くが、眠っているいく夫を置いて二人は家を出た。

翌朝、いく夫はすぐ夫とイトキンがケンジの日記を読んだから家を出たことをケンジとあや子にはなした。
一方すぐ夫とイトキンは電車で横浜、石川町山下公園に向かっていた。
山下公園に着くとカップルばかりいて、むかつくので一気に走り抜けコンテナ船のあるコンテナ置き場へ。
丁度コンテナ船が止まっていて、その巨大さに驚くすぐ夫とイトキン。
すぐ夫がコンテナ船に乗り込んで沖縄に行こうというが、なんだか怖くなり結局やめる。

夜になり、ふたりは街をぶらぶらと歩いていると、ビルの屋上に今にも飛び降りそうなOLを見つけた。
ふたりは屋上へ行きOLに声をかけた。
しかも自分たちは家出中でお金がないから、どうせ死んでしまうならお金をくれと非常識に頼み込む。
怒ったOLはとりあえず飛び降りるのをやめて、ふたりをファミレスに連れていきご飯を食べさせる。
その間、OLは2時間ほど非常識な要求について文句を言っていた。
最後に去り際にすぐ夫とイトキンに2万円渡して帰っていった。

ある日。公園で水浴びをしていたイトキンが着替えている時にすぐ夫は何かの本を読んでいた。
それは電話帳だった。電話帳で仕事を探してみたがやはり雇ってもらえるところはなかった。
だが、すぐ夫は児童相談所の番号を見つける。
助けてもらえるのかは半信半疑ではあったが、とりあえず公衆電話からその番号にかけてみる。
すると、あっさりと「横浜友愛の家」の「良川」という人を紹介される。
紹介された場所に行くと、良川渚(よしかわなぎさ)が出て来た。
ところが、今はひとり分しか空きがないという。相談所からはひとりだと聞かされていたというのだ。
そこですぐ夫はイトキンに施設入りを譲り、その場を離れた。
すぐ夫は吉田家に電話した。
あや子が出たのでいく夫を出してほしい旨伝えると、あや子はいく夫がすぐ夫たちを追いかけて出て行ってしまったと嘘をついた。
すぐ夫はいそいで吉田家に戻った。
するとそこにはいく夫がいて、出て行ってないと分かって一安心した。
吉田家で食事してまた出ていこうとするすぐ夫だったが、その場で力尽き眠ってしまう。
翌日、イトキンも施設から追い出されて帰ってきた。
ケンジ・あや子・いく夫はホッとする。

帰郷と決着

吉田家を出たところで住むところがない以上、ただ家出をしてしまってはまた同じことの繰り返しになってしまう。
だがひとつだけ、住むことが出来る場所があった。すぐ夫たちの実家である。
ただしそこにはすぐ夫といく夫が一番憎くて、一番恐れている義理の父親がいる。
すぐ夫・いく夫・イトキンの3人は翌日、すぐ夫たちの実家に向かった。

すぐ夫といく夫にとっては1年ぶりの帰郷であった。
町は何も変わっていなかった。
いく夫はそこにイトキンがいる事を少し不思議に思いながら歩いた。
すぐ夫が実家に電話すると、家に義父はいた。働かずに昼間から酒を飲んでいたことにすぐ夫は腹を立てていた。
実家の前に到着し、ドアを開けようか躊躇して騒いでいると、声を聞きつけ義父がドアを開ける。
すぐ夫は「出ていけ」と叫ぶが殴られてしまう。いく夫も号泣。いたたまれなくなったイトキンは義父を殴るが、返り討ちに合ってしまう。
そのまますぐ夫とイトキンはボコボコにされてしまった。

痛みと悔しさですぐ夫・いく夫・イトキンは泣いた。
そして、スッキリしたところで、いく夫が吉田家に電話してくると走っていった。

『僕といっしょ』の登場人物・キャラクター

主要人物

先坂すぐ夫(さきさかすぐお)

14歳。突然母親が亡くなり、母の再婚相手である義父に葬式後に「お前らが死ねばよかったのによ」と言われてしまう。
荷物をまとめて弟・いく夫とともに家出する。特に行く当てもなく、東京であれば雇ってもらい生活も出来るだろうという事で所持金(すぐ夫20円、いく夫は1050円)で東京に電車で上京。到着した上野で同い年の孤児・イトキンに出会い、共同生活を始めることに。
まじめな性格ではあるが、飽きっぽく自己中心的でこらえ性がない。
小学生時代のトラウマによって軽い女性不信でいく夫に「女は魔物だ」と言い続けている。
自称三つめの目イタイタイ病(先端恐怖症)でクラスの女子に気持ち悪がられたことがトラウマとなっている。
イトキンたちと開業したホワイトペニーズで向かった女性客との乱闘に勝つ。女性客は写真から実は女子プロレスラーらしい。その客に勝つほどの喧嘩の強さをもつ。
敵を気絶させるツボを心得ている。
あまりに的確で痛烈なことを言われると意識を宇宙に飛ばし現実逃避する。意識を宇宙に飛ばすことで指摘されたことなどを極小的だと思い込み、どうでもよい事だと自分に納得させる。
プロ野球選手になる事を夢見ているが、「グローブに一度も手を通さずプロ野球選手になる事」つまり全く守備をせずにプロになると宣言している。
守備をしないポジションとしてDH(指名打者)を希望している。
肝心の打撃の才能は本人は全く知らないが、「フォームはともかく背筋とリストの力が強く4番気質がたっぷり」とプロが認めている。
発言から広島東洋カープのファンだと思われる。
商店街の草野球の試合に代打で登板して甲子園出場校のU高校二年でピッチャーのエース宮下太郎からマグレながらもホームランを打った。

先坂いく夫(さきさかいくお)

小学三年生。すぐ夫の弟。兄とは違い、常識をもつ現実主義者である。
兄の事を慕ってはいるもののめちゃくちゃな言動で信用しきれないでいる。「父親代わりに全力でお前を守る」と言われるがその割に物事を考えていない兄に腹を立てたり、泣いてしまうことも少なくない。
同じクラスの保田みかこに告白され、一時的に恋人同士になる。だがカズが現れた途端にみかこが惚れてしまったのを見て、すぐ夫が言っていた「女は魔物」が正しかったと愕然としてすぐ夫に泣きついた。

伊藤茂(いとうしげる)

恐らく14歳。本人もはっきりとした誕生日を知らない。通称「イトキン」。
捨て子であり、児童養護施設で育てられた孤児で施設を脱走する。窃盗して盗んだものを売って生きてきた。孤独から逃避するためにシンナー中毒で喫煙もする。住処にしている勝手に入ったアパートの空き部屋もシンナー臭くなっている。
東京に出てきたすぐ夫といく夫から金を騙し取ろうとしたことをきっかけに、彼らと共同生活をするようになる。
髪型は長めの辮髪(べんぱつ)で高速で回転させれば飛べると思っている。肩や背中のタトゥーは睡眠薬を飲まされ寝ているうちに彫られたらしい。まったくのカナヅチで目の前で溺れた子供さえ助けようとしない。
ケンカは弱いが、物怖じしない性格で自分の快楽に貪欲でいい加減な性格。

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