サクライケンタの徹底解説まとめ

サクライケンタとは、作詞家・作曲家・編曲家・音楽プロデューサーであり、株式会社ekomsの代表取締役。彼が頭角を現したのは、いずこねこのプロデューサーとしてであり、その後はMaison book girlの総合プロデューサーとして活躍している。スティーヴ・ライヒなどの現代音楽家に影響を受け、ポピュラー音楽にその現代音楽をミックスさせた「現音ポップ」を提唱している。Maison book girlだけでなく、クマリデパートのプロデュースや開歌-かいか-、大森靖子との仕事などで知られている。

GOMESS

静岡県出身のラッパー。
第2回高校生ラップ選手権で準優勝。
自閉症と共に生きるラッパーとして注目を集めている。
サクライケンタとの出会いは、孤児院出身でミスiD2014受賞者でもあり、ラッパーでもある渡賀レイチェルの紹介によるとのこと。
GOMESSの2014年12月31日付のブログに以下のような記事がある。
「それから、渡賀レイチェルには本当にお世話になりました。
レイチェルないと出演から、ミスiDに関わるきっかけや、
サクライケンタさんを紹介してくれたのもレイチェルだ。
まさかこんな風に仕事仲間になるなんてね。ありがとう。
これからもよろしくだ。来年は共に大ブレイクしよう!」

また、2014年11月24日付のブログにはサクライケンタと食事をした旨の記事がある。
「じつは最近、なんだか嫌〜な雰囲気の業界人に遭遇してしまって、こんな人もいるんだな〜なんて少し落ち込んでいたのですが…。
ここのところずっと気になっていたサクライケンタ さんになんとお昼ごはんを誘っていただき、色々お話をさせて貰いました。そしたら、 なんだかすごく 元気になっちゃいました!(やったー!)
お互いに腹の底はそうやすやすと見せやしないぞって感じなんだけど、それも心地よくて。一緒にいるあいだ、なんとなくゆったりした時を感じたんだ。日常になくてはならない、そんな良い時間でした。ありがとうございました。
知らない人のために一応説明しておくと、 サクライケンタ さんは、作曲家であり作詞家であり…ざっくり言ってしまえば、プロデューサーの方です。
いずこねこ から始まり、最近では 元BiSメンバー・ コショージメグミ を擁する新しいアイドルグループ Maison book girl のプロデュースも話題ですね。以前にも僕のブログで 書い た 「 世界の終わりのいずこねこ 」という映画の企画、劇中の音楽監修 も手掛けています。
既存のアイドルソングとはまた違う、 サクライケンタ さんにしか書けない詞、書けない曲は希望と絶望を織り交ぜた、とても魅力的な曲ばかりです。まだ聴いたことのない人は、ぜひ聴いてみてください。
サクライケンタ さんと色々話してみて、何かと闘ってる人はやっぱりみんな孤独なんだって思いました。そういえば Paranel さんと出会った時にも同じような事を考えた気がします。孤独か。
あと 、最近はラップばかりで忙しくてすっかり忘れかけてたけど、僕の 本当の夢 も諦めたくないなって 思いました。絶対、叶えたいな。叶えよう。叶える。ありがとうございます。
そして実は。
12月4日、 蟲フェスティバルというイベントに サクライケンタ さんがプロデュースを勤める Maison book girlと、GOMESSも出演することが決定したので、もしよければ遊びにきてください!」

サクライケンタは2ndアルバム『し』と3rdアルバム『情景 -前編-』に参加。
2ndアルバム『し』は、サクライケンタにとって、いわゆるアイドル以外への楽曲提供でフィジカルメディアのリリースが行われた最初の作品となる。
サクライケンタとはかなり親密な交流を続けており、お互いの誕生日イベントに出演しあったりしている。
また、2016年12月14日リリースのアルバム『情景 -後篇-』の収録曲「最期の日」にはコショージメグミが参加している。

2015年3月18日:『し』

『し』

2. 笑わないで (with いな (QQIQ))(作詞:GOMESS、作曲・編曲:サクライケンタ)

2ndアルバム。
アルバムタイトルの『し』は、1stアルバム『あい』、5thアルバム『てる』を繋げることで「あい・し・てる」となることからきている。
サクライケンタは「笑わないで (with いな (QQIQ))」の作曲・編曲を担当している。

2016年4月27日:『情景 -前編-』

『情景 -前編-』

2. Fake(作詞:GOMESS、作曲・編曲:サクライケンタ)

3.rdアルバム。
サクライケンタは「Fake」の作曲・編曲を担当している。
この曲は東佳苗初監督映画『Heavy Shabby Girl』の劇中歌でもある。

GOMESS「Fake」

ずんね from JC-WC

左からサクライケンタ、ずんね from JC-WC(吉田凜音、蒼波純)、大森靖子。

ミスiD2014グランプリの蒼波純とシングル『恋のサンクチュアリ!』でメジャーデビューした吉田凜音による期間限定ユニット。
両者は共に白石和彌監督による映画『女子の事件は大抵、トイレで起こるのだ。』に出演しており、当時は14歳。
ユニット名の由来は蒼波純の「ずんたん」と吉田凜音の「りんね」からきている。
ユニットの作品としてはシングル『14才のおしえて』の1枚のみで、大森靖子作詞・作曲・プロデュース。
サクライケンタは大森靖子から依頼されて編曲を担当している。

サクライケンタは蒼波純に並々ならぬ思い入れがある。
蒼波純はいずこねこ主演映画『世界の終わりのいずこねこ』にも重要な役で出演しているが、サクライケンタは「大好きな蒼波純ちゃんのおかげで全部成し遂げられたようなものです。サントラの中には、廃墟での撮影の合間に1人で遊ぶ純ちゃんを見て作った曲もあります。何より精神的につらい時期だったので、純ちゃんと触れ合って癒されたおかげで制作に挑めました」と語っている。

2015年11月18日:『14才のおしえて』

『14才のおしえて』(初回限定女子トイレ盤)

『14才のおしえて』(初回限定おしえて盤)

『14才のおしえて』(通常盤)

1. 14才のおしえて(作詞・作曲:大森靖子、編曲:サクライケンタ)

ずんね from JC-WCによる唯一のシングル。
初回限定女子トイレ盤には「14才のおしえて(ずんたんVer.)が、初回限定おしえて盤には「14才のおしえて(りんねVer.)が同時収録されている。
カップリング曲はあみんの大ヒット曲「待つわ」。

サクライケンタは大森靖子から直々に編曲のオファーを依頼されたと語っている。
以下、Tokyo Loco magazineのインタビューより抜粋。
――編曲の仕事としては、大森靖子さんが作詞作曲されている ずんね from JC-WC の「14才のおしえて」に参加されていますが、これはどういったキッカケからだったのでしょうか?
サクライ:蒼波純ちゃんと吉田凛音ちゃんのユニットに大森さんが曲を提供するというところがまずあって、この曲のアレンジは大森さん的に僕しかいないということで直々にオファーをもらいました。大森さんとは、いずこねこの頃から共演することがあってお互い面識もあったんですけど、仲良くなり始めたのはこの2年くらいかな。(注:このインタビューは2015年10月頃に行われている)。
――サクライさんから見た大森さんの魅力はどういうところですか?
サクライ:自己プロデュース能力がすごいと思いますし、ひとつの音とか言葉でその場の空気を全部持っていくようなところですね。あと、やりたいこととか音に妥協していないと思うし、そこは僕もそうありたいと思っています。

ずんね from JC-WC『14才のおしえて』音楽特報

ずんねfromJC-WC「14才のおしえて」
作詞・作曲が大森靖子、編曲をサクライケンタが担当している。
「現音ポップ」の特徴である変拍子やドラム、マリンバの音などを聴くことができる。

大森靖子

左からサクライケンタ、大森靖子。

愛媛県出身のシンガーソングライター。
夫は凛として時雨のピエール中野。
2012年4月15日、シングル『PINK』でインディーズでデビュー。
2014年9月18日、シングル『きゅるきゅる』で、AVEXよりメジャーデビュー。
2018年には自身も「共犯者」として参加しているアイドルグループ「ZOC」を結成。

2014年3月14日。この日、サクライケンタは恵比寿LIQUIDROOMで開催された大森靖子「絶対少女が夢見るBBa'14ツアー」を観に行っている。精神的に不安定な中でのライブ観覧だったが、この日のライブで歌われた「呪いは水色」という楽曲に「命が救われた」と語っている。そしてこれがきっかけで大森靖子と仲良くなり、大森の友人であるコショージメグミとの交流も始まった。
つまりこの日、サクライケンタが大森靖子のライブを観に行かなければのちのMaison book girlも存在しなかったかもしれないのだ。まさに運命の日となった。
ちなみに「呪いは水色」はこの日のライブの11曲目に披露されている。

大森靖子「呪いは水色」
クソカワPARTYツアーからの映像。
このツアーにはサクライケンタもギター、キーボード、パーカションで参加している。

サクライケンタと大森靖子の初の共同作業はずんね from JC-WC(映画「女子の事件は大抵、トイレで起こるのだ。」で共演した蒼波純と吉田凜音のユニット)の「14才のおしえて」である(作詞・作曲:大森靖子、編曲:サクライケンタ)。プロデュースを担当した大森から編曲は「あの人に頼むしかない」ということで直接サクライケンタに依頼があったという。
サクライケンタはその後、大森靖子のバックバンドに参加したり、大森の楽曲「ピンクメトセラ」のプロデュースをしたり、大森が「共犯者」として参加しているアイドルグループ「ZOC」がekomsに在籍したり(2020年7月8日に契約終了)と交流を続けている。

以下、トレンドニュースの大森靖子のインタビューより抜粋。
■ サクライさんの変拍子と私の変拍子っぽい譜割を、ミックスしたらどうなるんだろう?って。
ーー『TOKYO BLACK HOLE』が3月にリリースされたばかりで、早くもシングル、しかも三カ月連続リリースとなります。この経緯は?
大森:アルバムを出してライブをやって、結構聞くのが「あ、もう活動再開してるんだ」っていう声だったんです。まだ産休を取っていると思っている人が意外に多くて(2015年10月に出産)。業界の人からも「やってるって言ってくれてたら、フェスにも誘ったのに」って言われたりして(笑)。なのでとにかく、「やってるぞ」感を出したいと思ったのがキッカケですね。あとは、今回の連続リリースのタイトルが【ワンダーロマンス三連福】っていって、競馬の「3連複」にかけているように「当たればラッキー」と。
ーー(笑)。1曲目「ピンクメトセラ」は、サクライケンタさんがプロデュースを務めています。これまでにも大森さんの楽曲を手がけていますが、もともとはどんなキッカケでタッグを組むようになったのですか?
大森:私がメジャー前に恵比寿LIQUIDROOMでライブをやったときに、サクライさんが、大阪から私のライブ見に来てくれたのがキッカケです。
ーー大森さんはサクライさんのことを知っていました?
大森:はい。「いずこねこ」のトラックとか大好きでよく聞いていたんですけど、友人のコショージメグミちゃん(元BiS)が、サクライさんのプロデュースするMaison book girlのメンバーになったことで、サクライさんともよく会うようになって。「自分がサクライさんの音で歌ったらどうなるんだろう?」とか、「サクライさんの特徴である変拍子と私の変拍子っぽい譜割を、ミックスしたらどうなるんだろう?」とか思うようになったんです。
それに、根本的な価値観やセンスが同じだったりするので、影響し合ったら面白くなるんじゃないかなと。あと、彼の歌詞が面白いんですよ。「許さない 許さない 許さない」って歌詞(Maison book girl「snow irony」)、なかなか書けないと思いません?(笑)てか、あの人が書いているのかと思うと「怖い!」ってなりますよね。
ーー確かに(笑)。
大森:よく、サクライさんの曲は「無機質っぽい」って言われるけど、あれだけ歌詞がエグイとサウンドは無機質にせざるを得ないんじゃないかなって思ったりして(笑)。
ーーそれにしても、めちゃくちゃ情報量が多い曲ですよね。
大森:今回は私もサクライさんも作り込み過ぎて、何が正解なのか最後の方はよく分からなくなりました(笑)。歌詞は、『逃猫ジュレ』の世界観をちりばめながら自分に落とし込んでいます。作品自体、ちょっと哲学的で難しい話なんですけど、それをかなりわかりやすく噛(か)み砕いて、自分なりの表現に落とし込んでいます。

8gfujiteru_1015
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