ミッドナイト・サン 〜タイヨウのうた〜(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ミッドナイト・サン 〜タイヨウのうた〜』とは日本映画『タイヨウのうた』をハリウッド・リメイクし、2018年にアメリカで公開された青春ラブストーリー映画である。幼い頃から日光を浴びると重度の神経症を引き起こすケイティは、毎日家の前を通るチャーリーに恋をしてしまう。高校を卒業した日のパーティーで2人は出会い、チャーリーはケイティに一目ぼれをする。ケイティの病気にチャーリーも向き合い、2人で支え合い、乗り超えていくとことが見どころである。
『ミッドナイト・サン 〜タイヨウのうた〜』の概要
『ミッドナイト・サン 〜タイヨウのうた〜』とは日本で大ヒットした映画『タイヨウのうた』をハリウッド・リメイクし、2018年にアメリカで公開された青春ラブストーリー映画である。アメリカでは公開した週に興行収入400万ドルを出した。これは予測されていた500万ドルよりもはるかに低く、批評家からの評価も厳しい。アメリカの映画評論サイトである『Rotten Tomatoes(ラトゥン・トメイト)』では批評家支持率が21%、平均点は10点満点で4.2点と出されている。多くの批評家が本作品を「作為的なティーン・ロマンス映画としては典型的なものである」と過小評価をした。
幼い頃から日光を浴びると重度の神経症を引き起こすケイティは、家の外に出ることができなかった。学校にも通うことができなかったため、友達が少なかった。しかし、ある日家の外でスケートボードをしているチャーリーに一目ぼれをする。高校を卒業した日のパーティーで2人は出会い、恋に落ちていく。2人はデートを重ねるうちにどんどん好きになっていくが、ある日ケイティが日光を浴びてしまった日を境に2人のデートの回数は減ってしまう。
水泳として強化選手になる夢を諦めかけていたチャーリーと、病気に立ち向かうケイティはお互いに支え合い、愛し合っていく。信頼関係を築きながら、2人で苦しみを乗り越えていくとことが一番の見どころである。
『ミッドナイト・サン 〜タイヨウのうた〜』のあらすじ・ストーリー
ケイティとチャーリーの出会い
ケイティは幼いころから日光を浴びると神経症を引き起こす難病・色素性乾皮症(XP)を患っていた。そのせいで外に出て遊ぶことができず、学校にも行けなかったため友達ができなかった。そんなケイティを父親のジャックは1人で見守ってきた。母親はケイティが幼い頃に交通事故で亡くなっている。ケイティにとって関わる人が少なかったが、近所に住むモーガンはケイティを積極的に遊びに誘った。ケイティにとって一番頼れる親友である。
ある日、家の窓から外を見た時にスケートボードで歩道を通るチャーリーに一目ぼれする。チャーリーが毎日ケイティの家の前を通って通学するのを見るのが、ケイティの日課になる。また、ケイティはこの頃から家で暇つぶしとしてギターを始める。ケイティは「チャーリーの歌」としてオリジナルの歌を書き始めていた。
ずっと家でオンライン学習をしていたケイティも、高校を卒業する年になる。モーガンとチャーリーは同じ高校に通っており、卒業式の日は2人とも学校で卒業式に出席する。学校の卒業式に出席できなかったケイティに、ジャックは自宅でオリジナル卒業式をしてくれた。卒業祝いに、母親が使っていたギターをプレゼントするのだった。ケイティは大喜びし、すぐにでも演奏したかった。卒業したその日の夜、ケイティは「近くの駅前で演奏してもいいかな?」とジャックにねだった。門限を守ることを条件に、ジャックは許可する。ケイティの病気は成長するにつれて進行するため、ジャックはケイティの様子を心配していた。治験にも申し込んでおり、定期的に担当医師のポーラに治験を受け入れてくれるか確認をしに、病院を訪れていた。ポーラから「100万人に1人の病気だから、研究費がかけられないの」と聞かされた時にジャックは、「100万人に1人だなんてラッキーだ」と前向きに返事をするのだった。
駅に着き、ケイティは弾き語りを始めた。そこに卒業パーティーから帰るチャーリーが通りかかる。チャーリーはケイティの演奏の上手さに思わず目を向け、「やあ」と話しかける。ケイティはずっと窓の外からでしか見ることができなかったチャーリーに話しかけられたことが信じられなかった。突然のことに緊張してしまい、ケイティはその場を去ってしまう。その時に作曲した曲の歌詞を書いたノートを落としてしまい、チャーリーがそれを拾っていた。
翌日、ずっと好きだったチャーリーに会えたことに興奮していたケイティはモーガンを家に呼び、チャーリーに会えてうれしかったことを伝えた。モーガンと話している時、ふとノートのことが気になり、探したが見当たらないことに気付く。ケイティは駅に忘れたと思いモーガンに探してきてもらえないか頼んだ。モーガンはすぐに駅に向かい、チャーリーがケイティのノートを持って立っているところを見つける。モーガンはケイティとチャーリーを再会させるため、ケイティにメールで「駅員に渡した」と伝え、チャーリーに駅で待ち伏せさせた。
ケイティは部屋着姿で駅に向かうと、チャーリーが立っていることにびっくりした。ノートをもらったらすぐに帰る予定だったが、チャーリーに「送ってもいい?」と聞かれて家の近くまで送ってもらう。別れ際、チャーリーに「また遊ばない?」と聞かれたが、ケイティは迷いながら「昼間は忙しいけど、夜なら大丈夫」と伝えた。連絡先を、この時交換する。病気を持っていることは言えなかった。
次の日、ケイティはモーガンにチャーリーと連絡先を交換したことなどを話す。2人の距離をもっと近づけるため、モーガンは高校の同級生が集まるパーティーに誘う。ジャックから了承をもらうと、ケイティはモーガンにメイクをしてもらい、チャーリーとパーティーに参加する。チャーリーとケイティは2人でダンスやゲームに夢中になり、惹かれ合っていく。この日、初めてキスを交わした。
ケイティの病を知る
パーティーが終わり、チャーリーはケイティを家に送り届けた。チャーリーは「明日の予定は?」と聞き、ケイティをデートに誘った。ケイティは「昼間は忙しいけど、夜なら」と伝えた。その後、夜に遊ぶ頻度が増えていく。その度にジャックに許可をもらっていたが、ジャックも回数が多くなるにつれて心配していた。
ある日、ケイティはチャーリーに再びデートに誘われるが「父に会ってもらわないと」と話し、ジャックにチャーリーが好きであることを知ってもらおうとした。チャーリーはデートの夜、ジャックと初めて会って門限や逮捕歴など、問題児でないか見定めようとしていた。しかし、ケイティが好きな相手だったため信用し、チャーリーを信じて2人を送り出した。その夜はチャーリーは行先は伝えず、ケイティをシアトルに連れていく。チャーリーはケイティをライブハウスに連れていったり、ケイティに人が大勢集まる中で弾き語りを披露させたり、2人で湖で泳いだりするなど、ケイティが初めてやることを経験させた。ケイティも楽しくて興奮していた。
時間を忘れてデートを楽しんでいると、すぐに日の出の時間になっていた。日光がもうすぐで出てくることに焦ったケイティは、チャーリーに「とにかく急いで!」と車を出してもらう。チャーリーは、なぜケイティが焦っているのか分からなかったが、すぐにケイティの家に向かった。家に着いたときはちょうど日の出の時間になっており、ケイティは少しの時間であるが日光を浴びてしまった。その時、ケイティを探しに行っていたジャックとモーガンも到着する。チャーリーはモーガンから「XPなの。日光が命とりになる。」と伝えられる。チャーリーはXPをネットで調べ、今は治療法がなく癌になる可能性もあることを知り、病気の恐ろしさを知った。
ケイティは検査をし、ポーラから「神経障害は何かが引き金となって発症する。今回のことは検査結果が出ないとわからない」と伝えられる。しばらくは安静にしておくため、チャーリーと会うことを避けるようになる。
最高の思い出
ケイティはチャーリーに病人であることを知られたくなかったため、病気のことを伝えずにいた。しかし、知られてしまった以上は「先の長い自分とは付き合うことはできない。彼を悲しませたくない」と思い、メールの返信もしないでいた。
日光を浴びた日からケイティは手の震えが出て、少しずつ影響が体に出始めていた。ギターも弾けなくなり、先が短くないことを覚悟した。たった1人の家族であるジャックにも、悲しい思いをさせたくなかったため、再婚を勧める。ケイティは「父さんは私を失うから。奇跡を待つより、準備をしなきゃ。私と同じくらい幸せになって」と伝える。ケイティはジャックの好きな旅をしてほしかったし、趣味の写真も楽しんでほしかったのだ。
一方でジャックも、チャーリーを失って毎日やつれていくケイティを見ていられなかった。ケイティにも幸せになってほしかったため、チャーリーにデリバリーの夕飯を届けてもらうように、こっそりと頼んだ。それを知らなかったケイティはドアを開けて目の前にチャーリーが立っていることに驚く。ケイティは「あなたと私は幸せになれない。だから別れる。さよなら」と伝えたが、チャーリーは簡単には諦めなかった。「大丈夫だ。無理なのは、君と別れることだ」と、ケイティに伝える。チャーリーは「ケイティを支えたい」という意思を伝えた。
チャーリーも自分の夢に再び挑戦しようとしていた。肩を怪我し、一度UCバークレーの水泳の強化選手として、奨学生の資格を失っていた。しかし、UCバークレーに奨学生候補として決まっていた学生が他大学に移ることになったため、奨学生の枠が1人空いていた。それに立候補できるか決まる水泳の競技大会で、チャーリーは泳ぎ切り、1位を取ったのだ。ケイティはジャック、モーガン付き添われながらチャーリーの様子を見ていた。チャーリーの姿に、ケイティも勇気をもらっていた。
そして、チャーリーもケイティが病気と闘う姿に勇気をもらい、その恩返しをしたかった。ケイティに内緒で、ラジオ放送に出させてくれないか頼んでいた。ケイティはギターを弾けなかったが、「チャーリーの歌」をそこで歌った。チャーリーはその様子をスマートフォンで撮影し、動画サイトに出していた。
ケイティが日光を浴びた日から、チャーリーはケイティの家で過ごすようになっていた。時にはモーガン、ジャックも一緒になってゲームをして過ごすようになった。
ある日、チャーリーは「船の点検に行ってくる。1時間くらいで戻るよ」と言ってケイティの家を出ようとする。ケイティは「一度でいいから、チャーリーと船に乗って夕日を浴びたい」と思っていた。ジャックに必死で「今から彼と船に乗りたい。どうしても行きたい」とねだるのだった。ジャックは心配したが、最後の思い出づくりとして許可をした。
船に乗ると、ケイティとチャーリーは船で海を走った。ケイティは日光を避けるためにフードを被っていたが、途中から病気のことを着にせず、フードをとって日光を思い切り浴びるのだった。「日光をずっと肌で感じたいと思っていた」と話すケイティは、最高の思い出を作ることができた。
数日後、ケイティは症状が悪化して亡くなってしまう。チャーリーはUCバークレーから再度奨学生としての資格をもらい、入学が決まった。再び夢を与えてくれたケイティに感謝をした。実家を離れて暮らすことになっていたため、その前にジャックにあいさつに向かう。ジャックからケイティから預かっていたノートを渡された。そこにはチャーリーへあてたラブレターが書いてあったのだ。それを預かり、新しく住む家に向かう。車に乗り、ラジオをつけるとチャーリーが前に動画サイトにアップした「チャーリーの歌」が流れ始めた。2週間で200万回再生された、そのケイティの歌が流れると、チャーリーは思わず笑顔になった。急いでジャックにも連絡をすると、同僚に「おい!私の娘だ!」と勧めるのだった。
ケイティは最高の思い出をつくり、短い間だったが幸せな人生を過ごしたのだった。
『ミッドナイト・サン 〜タイヨウのうた〜』の登場人物・キャラクター
ケイティ・プライス(演: ベラ・ソーン)
吹き替え:坂本真綾
幼い頃から日光に当たると神経症を引き起こし、死に至る危険性がある難病・色素性乾皮症(XP)を患っていた。そのため、昼間に外出はできず学校に通うことができなかった。普通の子は昼間に外で元気に遊ぶのに、ケイティは制限され、我慢しなければいけなかった。本当は外で遊ぶことが大好きな、活発な少女である。
家では母親がギターを弾いていたことに憧れて、趣味でギターをしている。作詞・作曲もでき、チャりーを好きになってからは「チャーリーの歌」という曲を作っていた。病気である自分のことを支えてくれる父親のジャックが大好きである。
チャーリー・リード(演: パトリック・シュワルツェネッガー)
吹き替え:浪川大輔
成績優秀で、高校では女子からモテていた。スポーツも得意で、水泳部での成績も優秀だった。しかし、友人の家で遊んでいた時にふざけて屋根から庭のプールへ飛び込み、肩を怪我してしまう。UCバークレーへ水泳の強化選手として奨学生入学を狙っていたが、ケガをきっかけにその資格を取り消されてしまう。好きな女の子には一途で、真っすぐに尽くすタイプである。ケイティと出会ってからはケイティの楽しむようなことを積極的にしていた。
ジャック・プライス(演:ロブ・リグル)
吹き替え:堀内賢雄
ケイティの父親である。娘思いで、心配性な性格である。しかし、ケイティのお願いには甘く、何度か「夜に外出したい」と言われた時は結局許してしまう。ドライブで遠くに旅をすることと、写真をとることが趣味。亡くなった母親の写真も大事にとってあり、妻が亡くなった後も一途に好きだった。そのため、ケイティに勧められるまでは再婚を考えていなかった。
モーガン(演: クイン・シェパード)
吹き替え:小若和郁那
ケイティの1番の親友である。幼い頃に、同級生は家にこもるケイティに近づきたがらないでいたが、モーガンだけは積極的にケイティに遊びに誘った。遊びに行く回数が増えるにつれて、父親のジャックとも仲良くなり、本当の子供のような関係になるほど仲良くなる。ケイティの1番の相談相手であり、ケイティがチャーリーを好きであることを1番最初に知らされた。ケイティとチャーリーが何度かデートをするようになったのは、モーガンが2人を引き合わせたおかげである。
ポーラ・フレミング医師 (演:スレイカ・マシュー)
吹き替え:仲村かおり
ケイティが幼いころから病気の進行、状態を見てきた。XPに有効な治験を探し続けるが、ケイティが亡くなる前に申請許可をもらうことができなかった。ケイティが日光を浴びた後の検査を受けた時、脳が委縮していると分かった。
それをジャックに伝えた時は「こんな思いをさせたかったんじゃない」と弱音を吐かれる。そんなジャックを「ケイティほど父親を慕う10代を知らない」と励ました。精神面のサポートも丁寧であるためジャックからの信頼は厚い。
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目次 - Contents
- 『ミッドナイト・サン 〜タイヨウのうた〜』の概要
- 『ミッドナイト・サン 〜タイヨウのうた〜』のあらすじ・ストーリー
- ケイティとチャーリーの出会い
- ケイティの病を知る
- 最高の思い出
- 『ミッドナイト・サン 〜タイヨウのうた〜』の登場人物・キャラクター
- ケイティ・プライス(演: ベラ・ソーン)
- チャーリー・リード(演: パトリック・シュワルツェネッガー)
- ジャック・プライス(演:ロブ・リグル)
- モーガン(演: クイン・シェパード)
- ポーラ・フレミング医師 (演:スレイカ・マシュー)
- 『ミッドナイト・サン 〜タイヨウのうた〜』の用語
- 色素性乾皮症(XP)
- UCバークレー
- 『ミッドナイト・サン 〜タイヨウのうた〜』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- ジャック「100万人に1人だなんてラッキーだ」
- ケイティ「父さんは私を失うから。奇跡を待つより、準備をしなきゃ。私と同じくらい幸せになって」
- 港で初ライブ
- ケイティの歌声がラジオでオンエア
- 『ミッドナイト・サン 〜タイヨウのうた〜』の裏話・トリビア/小ネタ・エピソード
- ベラ・ソーンの才能
- 水泳を猛練習
- 『ミッドナイト・サン 〜タイヨウのうた〜』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:Bella Thorne(ベラ・ソーン)「Burn So Bright」
- 挿入歌:Bella Thorne(ベラ・ソーン)「Reaching」
- 挿入歌:Bella Thorne(ベラ・ソーン)「Sweetest Feeling」
- 挿入歌:Bella Thorne(ベラ・ソーン)「Walk With Me」