SAINT LAURENT/サンローラン(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『SAINT LAURENT/サンローラン』とは、20世紀の「モードの帝王」と呼ばれるフランスのファッションデザイナー、「イヴ・サン=ローラン」の栄光と転落の約10年間を描いた伝記映画作品である。“フランスのアカデミー賞”と呼ばれるセザール賞では、最多10部門をノミネートしている。また日本では、本作品にむけて日本のモデル「栗原類」がヌードを披露したことで話題を呼んだ。「イヴ・サン=ローラン」の10年間にはなにがあったのか?イヴの成功の裏側にある、苦悩や愛人などの真相に迫った作品となっている。

『SAINT LAURENT/サンローラン』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

イヴが裸でカメラの前に座るシーン

受け売り上げが低迷しイヴの自殺が囁かれ始めた頃、イヴは新しい男性用香水の広告として自身のヌードを世間に見せつけた。「イヴ・サンローラン」をどんな形でも残したいという、イヴの反逆的でスキャンダラスな内面が映し出されるシーンだ。

ピエール・ベルジュ「我々は“イヴ・サンローラン”を売るべきだ」

「イヴ・サンローラン」の取引先との会議が難航する中で出たセリフ。売り上げの低迷によりオートクチュールとプレタポルテを一体化させようと考える取引先に対して、ピエールが耐え忍ぶシーン。他者ブランドは服を売るだけだが、「イヴ・サンローラン」は同じように並ぶべきではないという強い思いが現れている。

イヴ復帰後のショー

イヴが退院し、復帰後初めてのショー。観客からの大きな拍手を受け、「イヴ・サンローラン」のモデルたちと共に姿を現したイヴの姿。恥ずかしそうに笑顔を浮かべながらも、その表情はどこか誇らしげだ。

『SAINT LAURENT/サンローラン』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

モデル栗原類がイヴ・サン=ローランのヌードを再現

映画『SAINT LAURENT/サンローラン』の公開に合わせて、日本のファッションモデルである「栗原類」が、イヴ・サン=ローランのポートレートを再現した。また栗原類自身、「イヴ・サンローラン」のブランドを愛用しており、ヌード撮影の当日も「イヴ・サンローラン」のスーツに身を包んで登場した。完成した自身のヌードを見て、「サンローランにすごい似ててびっくりした」と話している。

ギャスパー・ウリエルとモード界の親交

俳優として活躍中のギャスパー・ウリエルだが、身長180センチと高身長で均等な体型をしていることから、「ディオール」のコレクションでモデルを務めたことがあった。また「シャネル」のCMにも出演しており、「シャネル」の「2016年リゾートコレクション」にも参加していた。ギャスパー自身、ファッションに興味があると話しており、元来モード界との親交も深いようだ。

イヴとベティは、ルル以上に親交が深い

本作品ではルルの登場シーンの方が多く見られるが、実際のところイヴとベティはルル以上に親交が深かった。“親友”以上の関係であり、双子のような深い繋がりがあったと関係者が語っている。ベティ自身も2011年の『GQ JAPAN』のインタビューで、イヴと深い関係であったことを証言した。また、インタビュー中にイヴがベティに毎日電話をかけていたという話も出た。ベティに電話をかけたイヴは、「僕の人生なんて最低だ。もう耐えられない。どうやって耐えていったらいいんだ?」と嘆いていたようだ。

ジャック・ド・バシャールはカール・ラガーフェルドの恋人

作中で、ジャックが男たちと行為に及ぶシーンがある。所謂、乱交だ。その内の1人がイヴであったわけだが、実はジャックには本命とも呼べる男が他にいた。それが「カール・ラガーフェルド」である。カールはイヴと同じ時期に活躍した有名なファッションデザイナーだ。ジャックとカールは約18年間の交際を続け、ジャックが亡くなるその日まで傍にいたと言われている。しかもジャックとカールは、約18年間の中で1度も肉体関係を持たなかったというから、驚きだ。“本命”であると語られてはいるが、ジャックはイヴに対して特別な感情を抱いていたようにも見える。エイズで亡くなってしまったジャックが最期に想った人物は一体誰だったのか、気になるところだ。

『SAINT LAURENT/サンローラン』の主題歌・挿入歌

挿入歌:Patti Austin「Didn't Say A Word」

イヴがナイトクラブでジャックと会う時に流れている曲が、パティ・オースティンの「Didn't Say A Word」だ。パティ・オースティンはアメリカのR&B、ジャズ歌手である。日本では「Do You Love Me」が有名。また歌手である松田聖子の「赤いスイートピー」を「Red Sweet Pea」と英語カバーしており、日本との親交の深さがうかがえる。本作中に流れる「Didn't Say A Word」は、和訳すると「一言も喋らなかった」という意味だが、挑発するような刺激的なリズムは、ナイトクラブで言葉を交わすことなく見つめ合うイヴとジャックのシーンにピッタリだ。

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