死役所(漫画・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『死役所』とは、あずみきしが2013年11月号から『月刊コミック@バンチ』(新潮社)にて連載中の漫画、およびそれを原作としたテレビドラマ作品。主人公の死役所職員『シ村』が毎日途切れる事なく迎える相手、それは死者。シ村は死者をお客様と呼び死後の手続きを進める。作り笑いと辛辣な物言いに顰蹙を買う主人公だが交流を重ねる内にお客様との心の距離を縮めていき、それぞれの死後の世界へ見送りする。死後だからこそ知る真実や生前からの思いや行動、様々な人間関係が交錯するヒューマンドラマ作品である。
『死役所』の概要
『死役所』とは、あずみきしが2013年11月号から『月刊コミック@バンチ』(新潮社)にて連載中の漫画、およびそれを原作としたテレビドラマ作品。2017年3月8日付の週間マンガランキングにて【マンガランキング】8位。2017年8月8日付日刊ビビビにて、2017年上半期マンガランキング1位。その他第1話目から各方面から高い評価を得ており、著名人からも人気の高い作品である。
「死役所」は、死後に自らの死の手続きをするために訪れるあの世とこの世の狭間にある場所。死因はさまざまであれ(自殺、他殺、病死、事故死、寿命等)死を迎えた人が必ず一度は立ち寄る場所である。生前である過去、死役所にいる今現在、自らが選ぶ今後歩む死後の未来、訪れる死人の数だけある人生について描かれている。また、ここで働く死役所職員も全員死亡した人間であるが、何故死んでなお就労しているのか、他訪問者と違い死後の世界へと行かずに「死役所」(狭間)に留まっているのか、職員の人間模様や過去も徐々に明らかになっていくヒューマンドラマ作品である。2020年11月現在コミック17巻既刊。売上累計部数は2019年8月時点で300万部を突破している人気作品(紙、電子合わせ)。またテレビドラマとして2019年10月から12月までテレビ東京にて、TOKIOの松岡昌宏主演で放送された。
『死役所』のあらすじ・ストーリー
本作は、主人公シ村及び死役所職員の一部に関しては物語が徐々に明らかになっていくものもあるが、基本的には一話完結のストーリーとなっている。
『あしたのわたし』(コミック1巻収録)
総合案内シ村の元へは今日もたくさんの死人が訪れる。一人一人のお客様にシ村は変わらない笑顔を浮かべて対応していた。そんなシ村に職員のイシ間が声を掛ける。一言話しをする間にも訪れる客に愛想よく対応するシ村。お客様は引っ切り無しに訪れ総合案内は多忙を極めた。
ちょうど通りかかった職員ニシ川が来たタイミングでイシ間もその場を離れる。シ村が働いている姿を見ながら二人は大変そうだと話す。階段を昇りながらイシ間とニシ川の会話は続く。ニシ川の所属する自殺課に小学生が一人来たと聞き落ち込むイシ間。イシ間の所属課は子供の死と縁遠い他殺課だった。
とある幼稚園にいた「凛」は、くりくりとした可愛らしい目つきの女の子だった。ある雪の日、外へ行こうと走り出した男の子が凛を転ばせてしまう。謝る男の子と心配する先生。そんな二人に凛は大丈夫だよと明るく返事をした。先生は、転んだ凛の傷の手当をしている際に凛の首に痣があることに気づく。凛に尋ねても煮え切らない返事しかなかった。虐待を疑った先生は、他の先生と相談し、凛の家に家庭訪問すると決めた。
凛がアパートに帰ると、ゴミが部屋中に散乱していた。凛が絵本を朗読していると、部屋で寝ていた母親が音に気づきうるさい、と怒鳴りつけた。その後、目覚まし時計を凛に投げつけると、凛から絵本を取り上げた。必死に謝り本を返してくれるよう懇願する凛。母親は何も言わずにベランダの外へ凛を放り出し、絵本を投げつけ鍵をかけた。そこに先生たちがやってきて呼び鈴を鳴らした。凛は寒さに震える自分よりも母親が責められる事を気にかけジッと身を潜めていた。しばらくすると、先生たちは不在と諦め帰って行った。
その後外の寒さに耐えかねた凛はおもらしをしてしまう。母親は外出前に凛を家の中に入れようとしたが、おもらしをした凛に腹を立て、鍵をかけたまま出かけてしまう。
他殺課のイシ間の所にシ村がやってくる。挨拶の後シ村が尋ねる。「今日はお子様は来られましたか?」「来てねーよ」子供が来る所じゃないと返すイシ間に年寄りはどんどん来いという事ですねとシ村。呆れるイシ間は不慣れなパソコン作業にも愚痴る。シ村はイシ間に代わってパソコンを操作していたが、モニターを見ながら「このごろ多いですね、虐待死」と言った。
凛は寒いベランダで震えていた。おもらししたタイツはすでに凍り付いている。寒さに震えながら絵本を開く凛。
母親と男が酒に酔い笑っている。母親は凛を心配する様子もなく、二人は朝まで楽しもうと建物へ入っていった。
凛の記憶が走馬灯のように流れる。思い出すのは優しい母親の姿ばかり。
「おいしいね、凛」「凛、お風呂行くよ」「絵本欲しいの?いいよ。もうすぐ誕生日だから特別」
「お母さん大好き」
それが凛の最期の言葉だった。
降り続く雪。先生は暖かい部屋でコーヒーを飲みながら続きの本を読み、マンションでは母親と男が裸で抱き合っている。翌朝、心配した先生は凛のアパートを訪ねた。呼び鈴を押しても、声をかけても、既にベランダで冷たくなっていた凛の耳には届かなかった。
総合案内のシ村が他殺課来客に気付きイシ間に伝える。課の入口にいた小さな女の子の姿を見て、イシ間は悲痛な面持ちになった。
手続きが終わり成仏許可証を手渡すイシ間。悪い事してなければ天国に行けると優しい笑顔で言うイシ間。だが、凛は自分はお母さんを怒らせてしまった悪い子だから、天国に行けないかもしれないと呟く。自分が虐待され、殺されたことに気づいていない凛は、母が如何に自分に良くしてくれたのかを嬉々として語る。そんな凛の姿を見てイシ間は耐えきれずに凛の前で泣き出してしまう。
早く成仏すればまた母親に会えるかもしれない。イシ間のその言葉を聞いた凛は嬉しそうに成仏課の方へ走って行った。
やるせない気持ちのイシ間は、これだから子供は嫌だと溜息をつく。シ村が老衰課への異動を勧めたが、同じフロアに「死産課」があるから嫌だと言うイシ間。今度は本気で愛してくれる母親に会えるといいな、と凛の行く末を案じていた。
現世では凛の葬式が行われている。お荷物がなくなった、と笑っている母親の様子に業を煮やした先生は母親を平手打ちした。激昂した母親が先生に掴み掛かろうとしたその時、二人の刑事が母親の前に立ち塞がった。二人に逮捕状を突き付けられた母親は、葬儀場から連行された。
他殺課のイシ間はシ村相手に愚痴っていた。あの子の母親が職員になったらと危惧するイシ間。だが、死刑にならないとここの職員にはなれないからその可能性は低い。そう答えたシ村の顔はいつもと変わらない薄い笑顔だった。
『堕ちる』(コミック4巻収録)
ニシ川がシ村相手にボヤいている。ニシ川が手を焼いている相手、それはミチルという女子大生だ。ミチルはコンパ中の急性アルコール中毒で命を落とした。だが、死因が気に入らない事に加え、好奇心旺盛な性格の為に49日の成仏猶予期間を死役所内で好き勝手に散策していた。(「成仏しません」コミック3巻収録)
死役所を訪れた死人に勝手に声を掛けるミチル。すぐにニシ川に止められ説教をされるも、当の本人はどこ吹く風であった。シ村は改めて目の前にいる、眼鏡が割れ顔中血だらけの女性に話しかけた。
日曜日の夜、千裕は娘に羨ましがられ、旦那には嫌味を言われながら誘われたホームパーティーへ向かうため家を出た。会場へ向かう車の中でも家の事で頭が一杯の千裕は、道中自分の生き方に虚しさを感じていた。車が止まり、着いたのは映画に出てくるような大豪邸。そこに、千裕をパーティーに誘った蘭子が上機嫌で飛び出してきてきた。自分の認識と桁外れのホームパーティーに居心地の悪い千裕だったが、突然芸能人のような綺麗な顔をした若い男に声を掛けられる。男は瀬斗という名前で、蘭子曰くペットの様な存在だという。
瀬斗とソファで話す千裕。自分とは違い華やかな人生を歩んでいる蘭子に驚いたと言う千裕。そんな千裕の頬にキスをして微笑む瀬斗。驚愕し、赤面していた千裕だったが、瀬斗が見慣れないパイプを持っていることに気づく。瀬斗は、爽やかな笑顔で自分が薬をやっていると答え、千裕もどうかと誘ってきた。動揺と恐怖に襲われた千裕はその場から離れようとするが、蘭子につかまってしまう。
蘭子と瀬斗に両脇から挟まれ逃げ場を失った千裕は、パイプから煙を吸った。煙を吸うほどにホワンといい気分に満たされていく。蘭子は千裕に今セックスするともっと気持ちがいい、と囁いた。千裕は、瀬斗に誘われてベッドルームへと向かった。
帰宅しまだ薬で朦朧としている千裕。体の疼きが治まらず旦那に抱き着くが、旦那は千裕を怒鳴りつけ、気持ち悪いと振りほどいた。翌日すっかり正気に戻った千裕は、昨日の事を忘れようと主婦業に専念していたが、蘭子から再び誘いのメールが届く。
はまらなければ大丈夫。もうしない。もう一回だけ。日々頭の中で言い訳を繰り返しながら堕ちていく千裕。廃人同然の千裕の耳には、心配する子供の声も、旦那の叱る声も届かなかった。
そんなある日、子供二人を連れて外出した千裕。そこで、蘭子が覚せい剤所持の疑いで逮捕されたというニュースが入る。
千裕の顔から滝の様に流れる汗。車を運転しながら無意識にパイプを口に咥える。子供達は母を心配し声をかけたが、千裕の目には子供ではなく、二人の警察官が恐ろしい顔で迫ってくる幻が映っていた。驚いてアクセルを一杯に踏み込む千裕。運転する車は電柱に突っ込み千裕は35歳の生涯を終えた。
死役所の廊下に座り込む千裕を労うシ村。だが、残された子供を不憫に思うニシ川は千裕に辛らつな言葉を投げかける。ニシ川の言葉にショックを受けた千裕は、憔悴したままフラフラとその場を離れて行った。
階段の踊り場に座り込み泣きながら子供の無事を祈る千裕。もう死んでいる彼女は、子供の無事を伝えるラジオ放送すら聞く事も叶わなかった。
『夜ノ目町爆弾事件』(コミック12巻収録)
町の小さな牛乳配達店「アサダヨ牛乳」では今日も怒鳴り声が鳴り響く。店主が息子である行亮の酷い仕事ぶりを叱責していたのだ。しかし、当の本人は悪びれる様子もなかった。そこへ二人の警官がやってきた。数日前に行亮が起こした喧嘩の件で訪れたという。パトカーで連行されていく息子に父は溜息をついた。
そこへもう一人の息子、長男の茂がやってきた。行亮が警察につれていかれたことを父から聞いた茂はまたか、と返す。行亮の素行の悪さは日常的な事だったのだ。
警察署で喧嘩の件の尋問を一通り終えた後、刑事は行亮に別の件で尋問を始める。行亮の家の近所で起きた爆弾事件、通称「夜ノ目(よのめ)爆弾事件」の犯人として行亮が疑われていたのだ。
驚き否定する行亮に刑事はお前がやったのだと怒鳴りつける。知らない、自分ではないと言う行亮に更に大声で怒鳴り返す刑事。刑事たちは行亮が犯人だと決めつけ、何を言っても聞く耳を持たない。
犯行を認めろ、の一点張りに行亮は馬鹿馬鹿しくなり帰ろうと立ち上がった。しかし体はしっかりと押さえ付けられ椅子へと戻される。やった、やっていないの問答が続きその日は結局留置場に泊まる事になった。翌日もその翌日も尋問は続き、毎日同じやりとりが繰り返される。
その中で刑事は家族も自首を望んでいると言い始めた。死んだ母も、父も姉も妹も、そして兄も。兄の話題が出た時に行亮は初めて反応を見せたが、それでも返事はやっていない、の一点張りだった。それからいくつもの季節が過ぎた。毎日同じ繰り返しを聞かされる中で、行亮はとうとう自分がやったと自供してしまう。
裁判が始まり法廷で行亮の自供を録音したテープが流される。短気な性格から会社を辞め、実家の家業を手伝い始めたが嫌々やっていた事。そんな時に被害者の鈴原さんから注意された事で腹を立て、殺そうと思いついた事。自分は工業高校出身の為に爆弾作りの知識があり、それを凶器に使用した事。事件の朝、牛乳と一緒に玄関先に爆弾を置き、配達中に爆発音が聞こえたため成功したと思った事。行亮の自供がテープから聞こえてくる。
判決は無期懲役。その後上告も退けられ刑が確定し行亮は刑務所に収監された。
しかし行亮の刑期中の真面目な態度が認められ、ある日突然仮釈放が言い渡される。迎えに来てくれたのは兄の茂。すっかり年を取ってしまった兄と自分の姿。長い長い年月を経てようやく兄弟は再会できたのだ。
社会復帰してからも真面目に生きるようになった行亮。ある晩茂に誘われて居酒屋へ行った。酒を飲みながら話す内、行亮は鈴原さんの墓参りに行こうと思っていることを兄に伝える。それを聞いた茂は同行を申し出た。一旦は断った行亮だが、やはり一緒に行って欲しいと素直に頼むと茂は嬉しそうに応えた。何気ないやり取りだったが、二人は本当に嬉しそうに笑っている。行亮は、ようやく人並みに笑える生活を送れるようになった事を実感していた。
死役所の廊下に立ち尽くすパジャマの人物。年老いた行亮だ。そんな行亮にシ村が声をかける。行亮の死因は肺炎だった為「肺炎死課」へ案内するシ村だが、彼の過去データに目を通した時に目つきが変わった。実は金子は冤罪だったのだ。
「肺炎死課」のテーブルで話す行亮とシ村。長い取り調べが続き頭がおかしくなりそうだった行亮。警察は交代で尋問に当たるが行亮は一人きり。体も心も疲弊し、その内に本当に自分がやったのではないか、とさえ思うことがあったと言う。本当は何もしていないのに、と呟く行亮をシ村は労った。
夜の留置場で横になる行亮。疲れているのに眠れない。警察に聞かされた、兄に早く認めて償えと言われた事が頭の中にちらつく。行亮にとって兄にそう言われる事は他の何よりショックだった。しかしやっていない事を認めるのもおかしい。しかし認めれば楽になるだろう。葛藤する中で次の日もまた尋問が始まる。刑事の怒鳴り声を聞いた行亮の中に、認めれば楽になれるという思いが浮かぶ。それでも行亮はやっていない、と答えた。強情な行亮に対し、以前兄を引き合いに出した刑事があることを告げる。
「じゃあ、お前の兄さんがやったんだな」
その言葉を聞いて行亮はキレた。兄貴がそんな事をするわけがない。馬鹿な事を言うなと否定する行亮に対し、刑事は行亮と茂が共犯だと決めつけて話を進める。兄貴は関係ないと叫ぶ行亮だが、刑事二人が待っていたのはその言葉だった。ならばお前が一人でやったのかと言う刑事。行亮は当然否定するが、弱みが兄である事を知った刑事二人は兄を取り調べると言い出した。
優しい兄が自分と同じ尋問を受ける様が行亮の頭に浮かぶ。優しい兄なら自分の為に犯人になってしまう事も十分あり得る。人が一人死んでいる事件、死刑になるかもしれない。あの優しい兄が。
兄が容疑者にされるかもしれない。そんな中で改めて「お前がやったのか?」と問われた行亮は、ついに自分がやったと自供したのだ。その後拘置所に移送されやっと兄と面会した行亮は、警察の尋問中の発言が嘘だったと知る。
茂は罪を認めろ、などと言っていなかったのだ。これから裁判で戦うと告げる行亮に茂は自分も共に戦うと誓う。街頭で冤罪事件だと演説し署名を集める兄茂、そして拘置所内から新聞社や弁護士に手紙を送り無実を訴えた弟行亮。しかしその努力も空しく、有罪が確定してしまう。
「肺炎死課」のテーブルで行亮は自分史をシ村に語り終えた。兄弟仲が良かったのかと笑顔で言うシ村に、兄貴は誰とでも仲の良い好人物だった事と行亮が答えた。続いてシ村は真犯人に対してどう思うか聞く。すると行亮は、許せはしない、とだけ曖昧に答えた。行亮の中ではあくまで憎い相手は権力であり、冤罪=真犯人がいるという事実はあまり重要ではないらしい。
シ村は過去データを読みながら兄茂の功績を称えた。行亮の為に本当に頑張って活動をしていた記録が残されている。兄貴の為にも無実を証明したかった。そう語る行亮にシ村は心から労わりの言葉を掛ける。行亮はそんなシ村に対し、何がわかるのかと突っぱねた。しかしシ村はいつになく真剣な顔でわかります、と言うのだった。
手続きが終わりまた廊下で再会する行亮とシ村。そこで行亮は、シ村も冤罪被害者なのではと尋ねた。肯定したシ村に詳しく話して欲しいと頼む行亮。はじめはやんわりと断っていたシ村だが、行亮の真剣な様子に根負けし、自らの過去を語り始めた。
『死役所』の登場人物・キャラクター
死役所職員について
死役所職員は全員元刑執行後の死刑囚である。苗字あるいは名前に必ず「シ」が入っており、その部分はカタカナで表記される。死刑囚は成仏はせず強制的に職員採用試験を受けなければならない事が条例に定められている。(冤罪の場合申請すれば成仏可能)。採用試験を辞退すると真っ暗闇を永久に彷徨う『冥途の道』行きとなる。採用後任期満了の辞令が下りれば成仏できる。辞令が下りても49日以内に成仏しなかったり、辞令を拒否すれば『冥途の道』行きになると言われる。なお、職員であれお客様であれ成仏=天国行きとは限らず死刑囚は地獄行きの可能性が高い為、必ずしも任期満了を望む職員ばかりではない。
主要人物
シ村 / 市村正道(しむら まさみち) 演:松岡昌宏
部署:総合案内
長身で眼鏡に七三分け。常に張り付いたような笑顔を浮かべる男性職員。見た目は真面目な公務員そのものだが、生前のシ村も公務員だったようだ。(生前のシ村の過去について4、13、15巻に収録されている)「お客様は仏様です」が彼のモットーだが空気を読まずに嫌味を言う事でしばしば人を不愉快にさせる。死刑となった罪は自分の娘を殺した殺人罪であるが実は冤罪である。しかしシ村は刑を受け入れそのまま処刑された。申請すれば成仏できる数少ない職員だが何かの目的があるのか「成仏申請書」を出さずに死役所職員として留まっている。作中しばしば登場する「加護の会」というカルト集団の情報を入手しようとする姿が本編初期から見て取れる。少し変わった性格の美人であるシ村の妻「幸子」は一人娘の「美幸」の成長に不安を抱え、ある日加護の会というカルト集団の道場に一家で相談に出向く。後日美幸を連れ一人で道場に出向いた幸子。帰りの遅い妻と娘を心配したシ村が翌日迎えに出向くが加護の会の代表蓮田の息子に幸子は今は帰らないと一方的に告げられる。話にならない中道場の庭で一人遊んでいた美幸を見つけたシ村。美幸を抱え上げ家へ逃げ帰ったシ村だが、その後何度道場へ行っても幸子の行方は分からず仕舞になってしまった。仕事が終わった後加護の会へ出向くシ村。結局この日も話は平行線に終わる。美幸を預けた近所の家へ迎えにいく途中草むらで死んでいる美幸を発見しその後子殺しの犯人として死刑が確定する。現在既刊済の17巻まででは幸子のその後の動向や加護の会についていまだ謎に包まれている。
ニシ川 / 西川実和子(にしかわ みわこ) 演:松本まりか
部署:自殺課
女性職員の中でもとりわけ若く美人である。ショートヘアで颯爽とした雰囲気だが笑顔や愛想はなく思った事をそのまま口に出す辛口な人物。仕事は真面目に熟すと(仕事は)同職員からも定評がある。生前は美容師を職業としていた。そのため死役所内でもその技術を求められる場面があるが本人は生前の話や自分の話をするのを極端に嫌がる。死刑となった罪は3人の不倫相手を殺害しハサミで口を裂いた連続殺人である。(6巻に殺されたニシ川の不倫相手の妻が死後、死役所にやってきた話が収録されている。妻は職員として働くニシ川の姿を見かけ激しく動揺するが結局ニシ川に面と向かって会う事なく成仏していく)
イシ間 / 石間徳治(いしま とくじ) 演:でんでん
部署:他殺課
見た目は強面だが人情に厚く涙もろい。子供が不幸な死に方をする事に耐えられない優しい気持ちの持ち主。子供の死がテーマとなっている話においてイシ間は心を痛めしばしば泣く場面がある。生前は妻に先立たれたイシ間は姪のミチを娘のように可愛がっていたが、帰りが遅くなった日に家の裏の畑でミチを強姦している少年2人を殺害してしまう。裁判では事実を隠し「畑を荒らされたから殺した」と主張し、死刑となった。イシ間が職員として働いている中老婆になったミチがシ村に連れられやってくる。過去の辛い記憶に悩まされながらも幸せな結婚をし天寿を全うしたミチはイシ間との再会を喜びながら無事に成仏していく。(2巻収録話)その後暫くして新入職員ハシ本と交代するかのようにイシ間に任期満了の辞令が交付される。49日の猶予期間中、成仏する事に悩みながら過ごすも病死で死役所を訪れた男児と共に成仏への扉を開き旅立っていった。(8巻収録話)
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目次 - Contents
- 『死役所』の概要
- 『死役所』のあらすじ・ストーリー
- 『あしたのわたし』(コミック1巻収録)
- 『堕ちる』(コミック4巻収録)
- 『夜ノ目町爆弾事件』(コミック12巻収録)
- 『死役所』の登場人物・キャラクター
- 死役所職員について
- 主要人物
- シ村 / 市村正道(しむら まさみち) 演:松岡昌宏
- ニシ川 / 西川実和子(にしかわ みわこ) 演:松本まりか
- イシ間 / 石間徳治(いしま とくじ) 演:でんでん
- ハヤシ / 林晴也(はやし はるなり) 演:清原翔
- ハシ本 / 端本(はしもと)
- その他の職員
- 岩シ水 / 岩清水直樹(いわしみず なおき)
- 松シゲ / 松重謙三(まつしげ けんぞう)
- シラ神 / 白神靜佳(しらがみ しずか)
- フシ見(フシみ)
- 竹シタ(たけシタ)
- シン宮(シンぐう) 演:余貴美子
- 加賀シロ(かがシロ)
- シノ塚(シノづか)
- ホシ野(ホシの)
- イガラシ(イガラシ) 部署 - 自然災害死課
- 真シバ(まシバ) 部署 - 心臓病死課
- 沼シリ / 沼尻努(ぬましり つとむ) 部署 - 癌死課
- 『死役所』の用語
- 死役所
- 総合案内
- 自殺課
- 他殺課
- 交通事故死課
- 生活事故死課
- 人為災害死課
- 病死課
- 巻添嘱託死課
- 死産課
- 成仏課
- 死刑課
- 冥土の道
- 『死役所』の名言・名セリフ
- シ村「お客様は仏様です」
- ニシ川「馬鹿ですか?」
- 『死役所』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 死役所コミックの巻末にある「業務報告書」で作者あずみきし自身の作品エピソードが紹介されている
- テレビドラマ『死役所』の主題歌・挿入歌
- 挿入歌:Oasis『Don't Look Back In Anger』(第6話)