アカメが斬る!(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『アカメが斬る!』とは、タカヒロ原作・田代哲也作画による漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。『月間ガンガンJOKER』で2010年から2017年まで連載。2014年にはアニメが放送された。圧政下にある帝国を舞台に、剣士の少年・タツミが妖刀を持つ少女・アカメやアカメが所属する殺し屋集団「ナイトレイド」の仲間たちと、腐敗した帝国に反逆するダークファンタジー作品である。登場人物たちの凄惨な背景や、腐敗政治を断つために武器を握る彼らのストーリーは日本のみならず海外からも厚い支持を受けている。

『アカメが斬る!』の概要

『アカメが斬る!』とは、2010年4月号から2017年1月号まで、タカヒロ原作・田代哲也作画により『月間ガンガンJOKER』(スクウェア・エニックス)で連載された漫画、およびそれを原作としたアニメ作品である。また、2013年から2019年まで、その前日談として描かれた『アカメが斬る!零』がタカヒロ原作・戸流ケイ作画により『月間ビッグガンガン』で連載されていた。単行本のシリーズ累計発行部数は350万部を突破する人気作品となっている。2014年7月より2クールに渡ってテレビアニメも放送され、大きな反響を呼んだ。ただし、このテレビアニメ版は原作が終わる前の作品のため、19話以降はアニメオリジナルストーリーとなっている。そのほか、原作とアニメ版ではタツミとマインの死やアカメの帝具「村雨」の仕様など多少ストーリー展開に違いがある。
ある帝国の圧政により、国民の多くは恐れ苦しんでいた。主人公の少年・タツミもそのような圧政の中で苦しむ貧困の村の出身であった。帝都に憧れを持ち、帝国で出世して故郷を貧困から救うため、幼馴染の少女・サヨと少年・イエヤスと共に帝都へ旅に出る。しかし、夢にみた帝都で、タツミは道中はぐれてしまったサヨとイエヤスの死を目の当たりにする。帝都はタツミの想像を絶するほどに、富裕層や権力を持った者たちが、移民や平民を虐げ快楽を得る、腐敗した世界だったのだ。そんな中、タツミは黒髪に赤い瞳の少女・アカメと、その仲間である殺し屋集団「ナイトレイド」と出会うのだった。
弱者が虐げられ命を落とす描写や、凄惨な暴力描写も多く、仲間の死など物語においても残酷なシーンも多いのだが、命や抗う者の強さなどメッセージ性も多く描かれている。「天が裁けぬその悪を、闇の中で始末する」という前口上が冒頭に入っており、必殺仕事人シリーズを連想させる。仲間を失い、その仲間の死という重みを背負いながら、強くなっていく主人公とその仲間たち、そして圧倒的な力の前にもひるまず諦めない精神、そういったものが命の重さと共に描かれており、心を動かされる作品となっている。シリアスなストーリー展開の中にも、コメディ要素を散りばめ、鬱々とした雰囲気や重苦しく感じすぎない作風も魅力である。

『アカメが斬る!』のあらすじ・ストーリー

腐敗した帝国

主人公の少年・タツミは圧政に苦しむ小さな村で育ち、幼馴染の少女・サヨと少年・イエヤスと共に、帝国で出世して故郷を貧困から救うべく、帝都へと旅に出る。しかし道中で2人とはぐれてしまい、タツミは一人で帝都に到着する。そこで軍隊での出世には長い年月がかかると知り、さらにレオーネという女に路銀をだまし取られ、途方に暮れる。
通りかかった貴族の少女・アリアに拾われ、タツミは彼女の護衛となる。ある夜、タツミが不穏な空気を感じ起きると、アリアの邸宅に殺し屋集団「ナイトレイド」が現れた。タツミはアリアを守ろうと、黒髪に赤い瞳をした少女・アカメを迎え撃つ。そこにレオーネが現れ、アリアという少女の本性を告げた。

アリアとその家族は帝都にやってくる田舎者などを騙し、拷問や投薬をして楽しむという一家だったのだ。その被害者には、タツミの幼馴染のサヨとイエヤスも含まれていた。2人の無残な姿を目にしたタツミは、アリアを自らの剣で葬った。その姿を見てレオーネがタツミを「ナイトレイド」へ勧誘する。こうしてタツミは天が裁けぬその悪を闇の中で始末する暗殺集団「ナイトレイド」への就職が決まった。

ナイトレイド

ナイトレイドのアジトでタツミは組織を指揮するボス・ナジェンダと会う。彼女からナイトレイドが腐りきった帝国への反乱を企てる革命軍の汚れ役であることを聞かされる。ナイトレイドに入団したタツミはアカメの下につくよう指示を受けた。アカメは幼いころ姉妹そろって帝国に買われ、暗殺のエリートとして育てられたのだという。その中で帝国の闇を知り、ナジェンダに説得されてナイトレイドに加わったのだ。

ある日、帝都警備隊のオーガ暗殺の依頼が組織に舞い込んだ。その依頼を、顔がばれていないタツミが担当することに。無事任務を終え帰還したタツミを迎えるナイトレイドの仲間たち。そっけなく見えたアカメも、彼の無事を喜んでいた。ナジェンダはタツミに、次はマインという少女の下につくように言った。

マインとの交流

マインは勝気な性格でタツミの力量も認めていなかった。そのためタツミも彼女のことを苦手としている。だが帝都の調査という名のショッピングの中で、マインの強い信念を目にして彼女に対する見方を変える。そしてマインの方も、自分を信じて背中を預けてくれるタツミを見て、思いを改める。

「帝具」の力

アジトでナジェンダのもとに集まるメンバーたち。今回の標的は辻斬りザンクである。彼が始皇帝が作った48の魔装武器「帝具」使いであるという情報もあり、一同は気を引き締める。「帝具」にはそれぞれ様々な特性があり、どれも強力な力を有している。アカメが持つ刀やマインが持つ銃がそうだ。
ザンクの暗殺にはアカメとタツミが選ばれた。その調査中、タツミは亡くなったはずのサヨの姿を見る。タツミは一人でサヨを追いかけるが、その正体は今回の標的・ザンクだった。
ザンクは情報通り帝具を所持していた。その帝具の力でタツミにサヨの幻影を見せおびき寄せたのだ。

容赦なく襲い来るザンクにタツミも必死に応戦、そこにアカメが駆けつける。ザンクは再び幻視を使い、アカメの妹であるクロメの幻影を見せる。しかし、アカメは躊躇なく、クロメの姿をしたザンクを斬りつける。ザンクが見せたのは最愛の人の幻だ。しかしアカメは「最愛だからこそ早く殺してやりたい」と言い、ザンクの首を切り落とした。

最強の帝具とエスデス

タツミはナジェンダから、ザンクが使用していた帝具「五視万能・スペクテッド」を渡された。しかしいざ使用してみると、拒絶反応が起こって倒れてしまう。
タツミは帝具をまとめた書物を読んで、「最強の帝具はなんなんだ?」と尋ねた。ナジェンダはあくまで相性次第としながらも、「氷の帝具」だと答える。氷の帝具を使う者は軍に所属しており、現在は北方討伐に行っているとのことだった。
またタツミは帝具の超常的な能力を目にしたことで、死者蘇生を可能とするものもあるかもしれないと考えた。しかし組織のメンバーは「それはない」と断言する。悪人であろうと命を奪う汚れ仕事をしている彼らは、誰よりも命の重みを知っているのだ。

その夜、タツミはサヨとイエヤスの墓の前にいた。タツミは未だに彼らの死を消化できていない。そこにやってきた同僚のシェーレは、優しく抱きしめて彼を慰めた。

シェーレ

続いてタツミはレオーネの部下となった。彼女の生まれ育った貧民街へと向かうも、レオーネと因縁のある人たちに追いかけまわされ、タツミははぐれてしまう。1人で困っていると、帝都警備隊の少女セリューが声をかけてきた。彼女は以前タツミが討ったオーガの部下で、生物型帝具「ヘカトンケイル」に適応した者だった。

タツミとレオーネが貧民街の女性たちを薬漬けにして色街で働かせていた悪党の討伐を行っていたころ、別動隊であるマインとシェーレは薬の供給源を叩きに行っていた。
その帰り道でセリューと生物型帝具「ヘカトンケイル」に遭遇する。セリューは押され始めると、奥の手であるヘカトンケイルの狂化を使った。より狂暴化したヘカトンケイルに握りつぶされるマイン。シェーレはマインを助け出したものの、セリューの銃によって致命傷を負ってしまい、そのままヘカトンケイルに喰われてしまう。
ナイトレイドの仲間たちは、アジトに戻ったマインからシェーレの死を聞かされる。タツミとマインは悔し涙を抑え切れずにいた。

インクルシオ

帝国に氷の帝具使いエスデス将軍が帰還した。エスデスは皇帝から褒美をやると言われ、「私は恋がしたい」という頓狂なことを言い出す。その後、対ナイトレイドとして大臣からある提案をされる。それを受け入れたエスデス将軍は、配下である三獣士を招集し、任務を命ずるのであった。

エスデスの配下の三獣士は、大臣の提案によりナイトレイドを騙って高官を襲っていた。三獣士の1人であるリヴァは、タツミが「兄貴」と慕うブラートの恩師だ。ナイトレイドはタツミとブラート、アカメとお調子者の少年ラバックの2人1組で次の標的になりそうな高官の護衛をすることとなった。

三獣士はタツミとブラートが守る方に現れる。ブラートは早々に三獣士の1人を倒し、恩師のリヴァと一騎打ちになる。タツミは残る1人、ニャウと対峙した。
ブラートと対峙するリヴァの帝具は水を操る「水龍憑依・ブラックマリン」であった。戦場が船の上ということもあり、ブラートは苦戦を強いられる。
やがてブラートの鎧型の帝具「インクルシオ」が一定のダメージを受けたことで機能停止、リヴァも帝具の反動で傷だらけとなり使用ができなくなる。互いの帝具が使用できなくなったことで剣での戦闘に移行する。
ブラートはリヴァに致命傷を与えるものの、猛毒を仕込まれた血を浴びたことでダウンする。そこでニャウが「奥の手」を使い、自身の体を鬼人化させた。タツミはブラートから帝具「インクルシオ」を受け継ぎ、ニャウを葬った。しかしブラートはタツミの前で息を引き取ってしまった。

タツミ奪還

エスデスが帝都に招集した6名がそろう。特務部隊「イェーガーズ」の結成だ。その中にはアカメの妹・クロメも含まれていた。
一方、ナイトレイドは顔がばれていないタツミ、レオーネ、ラバックの3人で帝都偵察を行っていた。レオーネ、ラバックからエスデスの話を聞いたタツミは、彼女主催の都民武芸試合の参加を決める。その試合で見事勝利したタツミは、エスデスの恋人としての条件を満たしてしまう。彼女に気に入られたタツミはそのまま連れていかれた。
一部始終を見ていたレオーネとラバックから、タツミが連れ去られたことを聞くアカメ。ナジェンダ不在の組織を任されていた彼女は、タツミの奪還を決意する。

ナイトレイドの面々がタツミを案じるなか、タツミはエスデスにイェーガーズの初任務に連れてこられた。その夜、タツミはエスデスの説得を試みるものの、話は平行線となる。
次の日、タツミは任務に乗じて脱走を試みる。タツミは「インクルシオ」を使うことができなくなるほどのダメージを負うが、アカメが駆けつけたことで無事に帰還することができた。

Dr. スタイリッシュのアジト奇襲作戦

ナイトレイドのアジトはタツミの残り香を追ってきたイェーガーズのDr. スタイリッシュと、彼の作った強化兵たちの奇襲を受ける。ナイトレイドはアカメを中心にそれを迎え撃つ。
そんな中、タツミはシェーレの帝具であった「エクスダス」の使い手に苦戦していた。そこにマインが現れると激昂し、敵を消し飛ばしてシェーレの形見を取り戻した。だがタツミたちは大量の強化兵に囲まれてしまう。そこでナジェンダが人間型帝具「電光石火・スサノオ」を放った。スサノオの活躍によりついにDr. スタイリッシュを前線に引きずり出した。

Dr. スタイリッシュは奥の手として自身に新薬を投与、巨大な生物兵器となり暴れまわる。Dr. スタイリッシュの強固なボディにダメージを与えられないナイトレイドだったが、タツミとアカメが頭部が弱点だと気づく。そして2人の連携により、Dr. スタイリッシュを葬った。

新加入

ナイトレイドに2人の新入りがやってきた。1人は先の戦いで活躍したスサノオ、もう1人は棒付きキャンディーをいつも加えたチェルシーだ。彼女もまた帝具使いで、自身の姿を自在に変えることができた。

帝都近辺では、人間ベースの危険種が多く報告されていた。これにはイェーガーズだけでなくナイトレイドも討伐に乗り出す。偶然にもそこでタツミはエスデスと遭遇する。そこに危険種を世に解き放った帝具使いシュラが現れ、タツミとエスデスと2人はシュラの力で南西の無人島へ飛ばされてしまった。

2人はその無人島で巨大な危険種を、力を合わせて討伐する。そのあとで再びエスデスを説得しようとするものの、タツミは彼女の話から説得は不可能だと判断した。やがて開いたゲートを通って元の場所に戻ると、タツミは「インクルシオ」の透明化を使い、エスデスと別れた。

チェルシーの最期

0130317989ysc7
0130317989ysc7
@0130317989ysc7

Related Articles関連記事

目次 - Contents