フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』とは「Annapurna Interactive」から発売されたゲーム作品。変死や蒸発など、奇怪な事件に彩られたある一族の歴史を紐解いていく重層的なストーリーが高く評価され、数々の名誉ある賞を獲得している。主人公の少女エディス・フィンチはフィンチ家の末裔にして唯一の生き残りだ。彼女は6年前に去った、ワシントン州オルカス島の実家に再び足を運び、屋敷を探検する中で不審死を遂げた親族たちの秘密を知る事になる。

声優クレジットなし。
『デッドフルストーリーズ』に登場する、ハロウィンの晩にオルカス島を徘徊していた殺人鬼。顔に包帯を巻き、鉤爪を手に装着した異形の外見の男。18年前に家族を惨殺し刑務所に収監されていたが、ハロウィンの晩に脱獄し、フィンチ家を襲撃する。バーバラの松葉杖の一撃で階下に突き落とされ昏倒するが、彼女が1階に下りると既に行方をくらましていた。
なおフックマンは『デッドフルストーリーズ』の創作の可能性が高く、彼もまた架空の人物とされている。

エミリー・ニッチ

CV:Julia Farino
ルイスの精神科医だった女性。彼に薬物依存の治療を勧め、鬱病の診察をしていた。定期的なカウンセリングにおいてルイスの妄想のエスカレートを危惧し彼の上司に相談するも、取り合ってもらえず引き下がる。
ルイスの死後、ルイスの死因を知りたがるドーンの問い合わせの手紙に真摯に答えていた。

『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』の用語

フィンチ一族

アメリカ合衆国ワシントン州オルカス島の屋敷に住む風変わりな一族。一族の人間は総じて薄命で、蒸発や変死が多い。唯一の例外としてイーディのみ大往生した。
もとはノルウェーで500年続いた家系だが、イーディの父オーディンが妻と息子を亡くしたのをきっかけにアメリカへの移住を決意し、屋敷を引っ張って海を渡ってきた。しかしオルカス島の沖合で高波に呑まれ座礁し、屋敷もろともオーディンは海に沈む。
現在のフィンチ家の屋敷はイーディの夫、スヴェンが設計した物。大工仕事が趣味で、パズルや秘密の通路を作るのが好きだったスヴェンによって屋敷の至る所に抜け道や隠し部屋が用意された。

オルカス島

本作の舞台となるフィンチ家の屋敷が存在する島。アメリカ合衆国ワシントン州サンファン郡に実在しており、サンファン郡で最大の人口を誇る。広大な州立公園も存在し、狩猟のメッカとして愛されている。なお作中の日本語字幕ではオルカス島と表記されるが、オーカス島が公式の名称である。

オーディン・フィンチ国立公園

サムがドーンを連れて狩りにでかけた公園。広大な森林があり、野生の鹿やウサギが生息している。サムはこの公園でキャンプしドーンに狩猟やサバイバルの知恵を教えたが、牡鹿に崖から突き落とされて命を落とす。
公園の名前はイーディの父親のオーディンからとられている。
なお現実のオーカス島には存在せず、作中にのみ存在する架空の公園である。

ルイストピア

ルイスの空想上の街。彼はこの街を出発点にして冒険を繰り広げる。

ルイスバーグ

ルイスの冒険のゴールとなった架空の国。彼はここの女王と結ばれ、王冠を授与される。

『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「たぶん彼はすでにそうと決めていたんだと思う。双子の兄をそういう風に覚えておきたい」

カルビンがブラコンを漕ぐシーン。

サムがカルビンへ捧げた手紙の中に出てくる言葉。サムの双子の兄カルビンはブランコから転落死したが、サムはそれを不幸な事故で片付けるのを是とせず、カルビンは空を飛ぶ夢を叶えたのだと結論付ける。事実はどうあれカルビンが空を飛ぼうと決め、それを勇敢に実行したのだとサムが信じる事で、夢を叶えたカルビンの最期は少しだけ報われた。サムの兄への愛情が伝わる言葉。

「漫画はばかげていたけどイーディはハッピーエンドを見たのかも」

エディスはイーディが『デッドフルストーリーズ』をバーバラの肖像画に手向けた理由を、イーディとバーバラにとってはこの漫画の結末こそハッピーエンドだったからではないかと空想する。

『デッドフルストーリーズ』を読み終えたエディスが、何故イーディがこの漫画をバーバラの肖像画に手向けたのか考えた末に出した結論。『デッドフルストーリーズ』は荒唐無稽なホラ話にすぎず、フックマンをはじめとする怪物も現実には存在しなかったが、生前大衆に忘れ去られるのを何より恐れていたバーバラにとっては、フィクションとして皆の記憶に残る事こそハッピーエンドだったのかもしれない。
イーディもそう思えばこそ、バーバラが主人公として活躍する漫画をとっておいたのではないかとエディスは空想する。イーディがバーバラに捧げた哀悼の念が伝わる言葉。

「新たな日、一日で幸せだ」

地下室のシェルターに30年間ひきこもっていたウォルターが、家族への置手紙に残した言葉。ウォルターはバーバラを殺した怪物に怯え、30年間もシェルターに籠城していたが、そんな生活に嫌気がさして地下道から脱出を図る。万一これが罠で外に怪物が待ち構えていようとも、太陽の光と新鮮な空気への憧れがウォルターを突き動かした。地下室での単調な30年に終止符を打ち、全く新しい1日が始まるはずと生命力を漲らせたウォルターの希望が伝わる言葉。

「僕たちに教えてほしかった、どんな世界を見ていたのか」

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