強い絆で結ばれた人々に起きた悲劇を描く映画まとめ!『母なる証明』など

ここでは強い絆で結ばれた人々に起きた悲劇を描く映画をまとめた。心に深い傷を負った父娘のすれ違いが生んだ悲劇を描いた『父の秘密』、息子を盲目的なまでに愛する母親の狂気を語る『母なる証明』などを紹介している。

腐敗への執着。誕生は腐敗の始まりなのか、腐敗が誕生のはじまりなのか。美と醜を隔てるものは何なのか。シマウマは白に黒縞なのか、黒に白縞なのか。なぜ動物園はZOOなのか。

出典: www.kanshin.com

アルファベットのA~Zをストーリーに絡ませ、結合双生児の分離と再結合、そして両性具有のカタツムリのフィーチャー、肉体欠損の異常性的嗜好などなど、非常に多くの主題やメタファを映像の中に絡み合わせて全体を構築しています。

出典: yone6812.cocolog-nifty.com

狂った方へ動いていく人間。死と腐敗に取りつかれた動物園の管理人。行き着いた究極の死と腐敗。形容する言葉はおぞましいとしか思い浮かばない。

出典: www1.m-net.ne.jp

▼『ゆれる』

”お互いを思いやりながらも、正反対に生きる兄弟の心の葛藤、そして悲劇が”

西川美和監督・脚本・原案、オダギリジョー、香川照之、真木よう子主演による作品。東京で写真家として成功した弟の猛が、久しぶりに帰郷する。父とは折り合いが悪かったが、兄の稔は優しく迎える。兄弟の幼なじみの智恵子と再会した猛は、その晩、彼女と関係を持つ。翌日、兄弟と智恵子は近くにある渓谷を訪れた。弟は、吊り橋の上で兄と智恵子が揉み合っているのを目撃し、智恵子は渓流へ落下してしまう。殺人犯として逮捕された兄のために、弟は有能な弁護士を付けるて裁判に臨むが、兄の証言は弟の記憶とズレが生じはじめ、弟は兄の証言に対して疑念を抱く様になる。そして、弟は自分の知らなかった兄の心の葛藤と対峙しはじめる。

東京へ出て成功して自由奔放に生きる写真家の弟。一方、長男だからと不本意ながらも家業を継がなければいけなかった兄。そんな二人だったが、互いに思いやる気持ちを持っていた。しかし、幼馴染の女性を巡る心の葛藤から、微妙に感情がズレはじめる。兄を香川照之が、弟をオダギリジョーが演じた。このふたりの見事な演技も見どころ。

出典: lmaga.jp

本作の原案から脚本、監督まで手掛けた西川美和女史。2002年の『蛇イチゴ』で映画監督デビュー。2006年の本作がカンヌ国際映画祭に正式出品、キネマ旬報ベストテンで2位、そして国内の映画賞を総なめにした。2009年に『ディア・ドクター』、2012年には『夢売るふたり』を発表している。人間関係の深さや絆の不確かさを痛烈に、緻密な表現で見事に具現化する類い稀なる映画作家である。

ja.wikipedia.org

『ゆれる』 予告 - YouTube

兄が智恵子に対して想いを抱いている事に気付き 彼女と間をおこうとするが、関係を持った途端、智恵子は弟への想いを再燃してしまっており、弟はそれに戸惑っていた。

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「兄ちゃん!」という弟の、必死の、必死の呼びかけに応えたように見えた笑顔の後に、兄は、なんと弟に語りかけるのでしょうか。観客には示されません。この最高のEDへの切り方。その果てに、この兄弟の幸せがあることを願わずにはいられません。

出典: eigamove.blog.fc2.com

兄弟でなければ、結ぶ必要もないし、お互いを支点に「ゆれる」ことなくいられる。そんな兄弟の複雑で深い心象心理を「ゆれる橋」を通じて描いているあたり秀逸。

出典: www.soan.jp

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