母なる証明

母なる証明

『母なる証明』(原題:마더)とは、2009年に公開された韓国のサスペンス・ドラマ映画である。監督はポン・ジュノ。『殺人の追憶』や『グエムル 漢江の怪物』に続く長編映画として製作された。主演には“韓国の母”と称される国民的女優のキム・ヘジャを迎え、5年ぶりの映画出演となったウォンビンが知的障害のある息子役を演じている。第62回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門で上映されたほか、第30回青龍賞で最優秀作品賞を受賞するなど、国内外で高い評価を獲得した。
静かな田舎町を舞台に、漢方薬店を営みながら知的障害を持つ一人息子であるトジュンを女手一つで育てる母親の姿を描く。子どものような純粋無垢な心を持つトジュンは、悪友のジンテとのトラブルに巻き込まれがちでありながらも、母親にとって人生の全てであった。ある日、町で女子高生が惨殺される事件が発生し、トジュンが容疑者として警察に逮捕されてしまう。警察や弁護士がまともに取り合わない中、息子の無実を頑なに信じる母親は、悲しみに暮れる間もなく自らの手で真犯人を見つけ出すために奔走し、驚愕の真実と狂気に満ちた領域へと足を踏み入れていく。
韓国では2009年に公開され、第82回米アカデミー賞外国語映画賞部門の韓国代表作品にも選出された。日本国内では2009年10月31日にビターズ・エンドの配給により劇場公開され、母の深い愛と狂気を描いた重厚なサスペンスストーリーが大きな反響を呼んだ。

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母なる証明のレビュー・評価・感想

母なる証明
7

母と子の関係性が問題。

息子の無実を信じて母が奮闘みたいな話は、よくあると思いますが、この映画は一味違うと思いました。また、真犯人についても最後までわかりませんでした。この親子自体にも問題があり、母は知的障害がある息子を過剰に庇護しています。そしてそんな母に囚われている息子。たしかに、母からしたら、子どものためになんでもしたいというのはわかります。でも、この母は異常です。息子の犯罪だと分かったあと、息子のために自身も殺人を犯すのです。いや、異常ではないのかもしれません。それが母というものなのかもしれないです。私自身、息子が犯罪を犯したとき、自分がどうなるかなんて、想像つきません。いろいろと考えさせられました。とはいえ、やはり、べったりはよくないですね。結局、母からの一人の人間として扱ってもらえないことが息子を追い詰めたのかもしれません。ちよっと息子離れを考えないとなと思いました。映画の感想に戻りますが、母の演技はすごかったです。あの疲れた目、息子への愛情がわかりました。カメラワークもすごくて、さすが、ポン・ジュノ監督だなと思いました。韓国社会的なところもあり、わからない箇所もありますが、恐ろしくて面白い作品だったと思います。

母なる証明
8

母親という狂気的な愛のかたまり

知的障害を持った青年とその母親の物語。
主人公の青年がある女子高生殺人事件の容疑者として疑われてしまうのだが、母親は自分の一人息子を信じ、自らの手で息子の冤罪を晴らしていくために真犯人を探し出すという韓国のサスペンス映画。
ポンジュノ監督らしい独特な暗い雰囲気の演出で、母親という存在の強さ、そして子供のためならときには殺人をも犯してしまう狂気的な愛が描かれている。
とくにラストのシーンは冒頭のシーンとも繋がっており、観る人によっては後味が悪いと感じるのではないか。
婦人会のバスツアーの最中、殺人を犯してまで息子を庇った母親が、その他大勢の母親が踊り狂う輪の中に混ざって見えなくなる。カメラは大勢の「母親」という人間を写してエンドロールへ。いったいこのシーンで何を伝えたかったのだろう。
どこにでもいる母親も、主人公の母親と同じように狂気的な愛情を子供に持っている、ということだろうか。
ポンジュノ監督の他作品でも普遍的なテーマに対して訴えているメッセージ性があるが、本作品でもそれが感じられ、忘れられない作品となった。
自分の母親も、この作品の母親と同じなのだろうか。
そんなことを考えると恐ろしくもあり、母親とは本来そういう存在なのかもしれないとも思う。