強い絆で結ばれた人々に起きた悲劇を描く映画まとめ!『母なる証明』など

ここでは強い絆で結ばれた人々に起きた悲劇を描く映画をまとめた。心に深い傷を負った父娘のすれ違いが生んだ悲劇を描いた『父の秘密』、息子を盲目的なまでに愛する母親の狂気を語る『母なる証明』などを紹介している。

▼『父の秘密』

”心に深い傷を負った父娘の、互いへの思いやりが生んだ余りにも痛切な悲劇”

メキシコの新鋭マイケル・フランコ監督・脚本・製作、テッサ・イア、ヘルナン・メンドーサ主演による2012年のメキシコ映画。最愛の妻ルシアを自動車事故で失ったロベルトは、娘のアレハンドラとふたりで新しい土地でやり直すために引っ越す。悲しみから立ち直れない父を気にかける娘、妻を亡くしたショックから立ち直ろうとするが、中々うまくいかない父親。娘は学校で凄惨ないじめに遭い、ある日行方不明になり、イジメの実態が明らかになる。それを知ったロベルトの怒りは頂点に達し、ある行動に出る...。

互いを思いやる父と娘、その思いがすれ違いを生み、魂の孤独と悲劇を生んでしまう、あまりにも痛切で残酷なストーリー。

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妻を亡くした喪失感から抜け出せず、事故に関する秘密を抱えて心を閉ざしたままになってしまっている父親。その不安定な精神状態は、仕事にも影響を及ぼしてしまう。表面上はうまくやっている様に見える娘との関係もそうだった。そして、娘が行方不明になったとき、彼女が受けていた凄惨なイジメの実態を初めて知り、激昂した父親。そして更なる悲劇が起こる...。

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ある事をきっかけに学校で凄惨なイジメを受けていた娘。しかし、いまだに心を閉ざしたままの父に心配をかけまいと、彼女はひとりで耐えていたが、更にイジメと暴力がエスカレート、悲劇が起こってしまう。娘のアレハンドラを演じたのはテッサ・イア。2009年の『あの日、欲望の大地で』でデビューして、本作が長篇2作目。彼女を取り巻くクラスメートのほとんどが演技経験のない、実際のイアの友人が起用された。

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観客にショックと緊張を強いるこの作品を手がけたのは、これが長編第2作となるメキシコの新鋭マイケル・フランコ監督。喪失後の精神を淡々と描き、そこに秘密と嘘と悲劇を盛り込み、あまりにも残酷で現実的な人間ドラマを作り出した。第65回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門のグランプリに輝いた。

『父の秘密』予告編

二人は互いに気を遣っているせいもあり、できるだけ平静を装う。殊に娘は母親の代わりをしようとけなげにキッチンに立ったり母の服を着たりする。彼女は最後まで涙を見せない。

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監督が訴えたいのが、人間関係のスレ違いとか、普通の人間も状況とタイミングで暴力的になってしまうこととかだってことも、うっすらとはわかります

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妻の死のこともあるから仕方ないかもしれんけど、ロベルトは鈍い。この映画は一見仲の良い親子でも、壁があることを描いています。

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▼『母なる証明』

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”狂信的なまでに息子を愛する母親が、息子を守るために起こした悲劇...。”

ポン・ジュノ監督、キム・ヘジャ、ウォンビン主演による2009年の作品。漢方薬店で働く母は、一人息子のトジュンふたりで暮らしていた。ある日、息子が交通事故に遭い、友人と共に加害者へ報復したため警察に連行されるが、ほどなく釈放された。ある日、酔ってぱらっていた彼は、女子高生に出会って声を掛けるが、邪険にされていまう。翌朝、その女子高生の遺体が発見され、殺人事件として捜査される。トジュンは、彼の名前が書かれたゴルフボールが現場に落ちていたため、容疑者として逮捕される。

息子のためにわが身を顧みずに行動する母を描いた感動のドラマ...と思ったら大違い!ラストの衝撃は忘れられないものになるかも!

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息子を思う母は、無実を警察に訴えるが、相手にされず追い返されてしまう。彼女は、自分で真相を突き止めようと独自に行動を開始する。息子との会話から、遺体の発見状況がおかしく、被害者の女子高生の素行にも問題があった事に気づき、遺体発見現場で独自に調査をする。そして、事実を知った時の彼女の行動が悲劇を招く。

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母は、一人息子のトジュンを生きがいにしていた。精神薄弱児ではあるが、純粋な心を持った息子を溺愛していた。それは母の強さであり、狂信的に息子を信じる母の悲しさ。迫真の演技を見せた母親役はキム・ヘジャ、息子は兵役を終えて復帰したウォンビンが演じている。

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韓国出身の鬼才監督ポン・ジュノ。大学卒業後、韓国映画アカデミーを卒業した。1995年から自主制作で映画を撮り始め、『ほえる犬は噛まない』で長編デビュー。『殺人の追憶』と『グエムル-漢江の怪物-』は、韓国の歴代観客動員記録を塗り替えるヒット。映画というエンタテイメントに、静かに狂気や皮肉を込める映像作家。最新作は2014年に日本公開予定、アメリカ人俳優を起用した『スノーピアサー』。

www.snowpiercer.jp

母なる証明 Trailers - YouTube

事件の真相が語られ始めると、驚愕と共に猛烈な空虚感に苛まれる。その落とされた穴のあまりの深さに改めて気づき、ポン・ジュノ監督恐るべしとなるのはエンドロール後に館内が明るくなってからだ。

出典: gogonyanta.jugem.jp

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