グッドモーニング・キス(GMK)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『グッドモーニング・キス』とは高須賀由枝の漫画であり、1997年から連載された『グッドモーニング・コール(GMC)』の続編として2009年から『りぼんマスコットコミックスCookie』にて連載された。中3の頃にひょんなことがきっかけで同居をしていた主人公の吉川菜緒と上原久志が、大学生になり進路に悩む姿や社会人として様々な困難に立ち向かう姿が描かれている。大人としての恋愛の悩みや不安と葛藤する人間模様に多くの人が共感し夢中になれる作品である。2017年にはドラマ化もされている。

『グッドモーニング・キス』の概要

『グッドモーニング・キス』とは、1997年9月号から2002年4月号まで『りぼん』にて連載されていた『グッドモーニング・コール』の続編の漫画である。『グッドモーニング・コール』連載終了後の2006年に『Cookie BOX』6月号と9月号にて掲載されたのをきっかけに、2009年から『Cookie』本誌にて連載されていた。

また、2016年に放送されていたドラマ『グッドモーニング・コール』の続編として、2017年からNetflixにて『グッドモーニング・コール2 our campus days』が配信された。フジテレビでは2018年には深夜枠にて放送されていた。ドラマには、主役である福原遥と白石隼也をはじめ豪華俳優陣が脇を固めている。

同じ中学に通っていた主人公の吉川菜緒(よしかわなお)と上原久志(うえはらひさし)は、中学3年生の頃にそれぞれ家庭の事情から一人暮らしをすることになる。そんな2人は引っ越し当日に悪徳不動産屋に引っかかりダブルブッキングしてしまったことを知る。絶望する2人だったが、菜緒の提案から同居することになる。それから月日は経ち、高校入学前に晴れて恋人同士となる。
同居から5年近く経ち菜緒と久志は大学生になっていた。高校入学頃から同居を解消し、隣同士の部屋で半同棲生活を送っていた菜緒と久志はいつものように菜緒の部屋で過ごしていた。その時、突然訪ねてきた菜緒の父に、菜緒と久志は以前同居していたことがバレてしまう。怒った菜緒の父は無理やり菜緒を実家に連れ戻してしまう。菜緒を迎えに行った久志は菜緒にプロポーズをし、菜緒の父に許しを得ようとする。2人揃って菜緒の実家から追い出された菜緒と久志は、いつも通りの大学生活に戻る。しかし、目の前に立ちはだかる結婚や就職という大きな壁を乗り越えようと菜緒と久志は奮闘することになるのだった。

『グッドモーニング・キス』のあらすじ

大学編

大学生にも色々あるんです

別の大学に進学したはずの久志(左)が自分の大学に学食を食べに来ていたことを知り驚く菜緒(右)。

大学生になった吉川菜緒(よしかわなお)と上原久志(うえはらひさし)は、同じマンションの401号室と402号室で半同棲生活を送っていた。新しい友人もでき、菜緒と久志はそれぞれの大学でキャンパスライフを満喫していた。そんなある日突然菜緒を訪ねてきた菜緒の父親は、中学生時代に菜緒と久志が同居していたことを知ってしまう。激怒した菜緒の父親は、無理やり菜緒を実家に連れて行ってしまう。菜緒が連れて行かれるのを目の当たりにした久志は、数日後菜緒の実家に菜緒を迎えに行くことを決意する。久志のおかげで菜緒は、何とか大学生活に戻ることができた。

それから月日が過ぎ、大学2年の冬、アルバイトと大学の勉強で慌ただしい日々を送っていた久志は倒れてしまった。実家に帰省していた菜緒は、久志の義理の姉の上原百合(うえはらゆり)から連絡をもらい久志のもとに急いだ。久志の部屋で着替えを準備をしていた菜緒は、百合から久志が東京の大学院に行きたがっていたことを聞く。入院中の久志は、菜緒に大学院には行かないと伝えるが、なぜか菜緒に避けられるようになってしまう。退院後、久志は友人の阿部順(あべじゅん)から菜緒に大学院のことを相談しなかったことを注意されてしまう。久志は菜緒に謝り、東京の大学院に進みたいと素直に話す。久志の気持ちを聞いた菜緒は久志の背中を押した。

菜緒が実家に連れ戻されてしまった際に、菜緒を迎え行った久志は菜緒にプロポーズをしていた。菜緒の父親に猛反対された二人だったが、年末年始に久志が菜緒の実家に帰省するなど久志は少しずつ菜緒の家族との交流を深めていた。すでに菜緒の母親から気に入られていた久志は、以前同居していたマンションで同居してはどうかと提案される。引っ越し費用の面で悩んでいた久志は、すでに事故で亡くなっている両親の遺産を元手に引っ越しすることを決める。友人たちの力を借りて無事引っ越しを済ませた菜緒と久志は、これからは婚約者としての新しい同居生活が始まるのだった。

大人になるって大変なんだね

卒業旅行で恋バナをする駒沢(右)と太田(中)と阿部(左)。

大学3年生になった菜緒は、東京の大学院に進学を希望している久志に合わせて東京での就職を希望する。久志も菜緒の就職活動のために、東京の大学院一本の受験に絞ると腹をくくる。友人のまりなが東京の企業に内定が決まり、周囲も徐々に進路が決まり始める。しかし、菜緒は翌年の秋になっても1社からも採用通知を受け取ることができなかった。
そんな中、久志は無事東京の大学院に合格する。焦る菜緒のもとに、父親から地元役場の臨時職員募集の話が舞い込んでくる。断る余地などないとわかっていた菜緒だったが、久志と遠距離恋愛になってしまうことに悩み続けていた。
両親や紹介者と話すために帰省した菜緒は、父親が「菜緒と暮らせるのはこれが最後だから」と知人に頼み込んだものだと母親から聞き、臨時職員の話を受けることに決めた。親孝行を理由に臨時職員の話を受けたと菜緒から聞いた久志も納得し、菜緒の背中を押したのだった。

いよいよ大学も卒業シーズンに突入したある日、久志と菜緒は友人たちと貸別荘を利用した卒業旅行を計画する。バーベキューや恋バナで盛り上がる中、太田は阿部のことが好きだと菜緒とまりなに打ち明ける。翌日、皆がそれぞれショッピングを楽しんでいる中、太田にとって阿部に告白をする絶好のタイミングが訪れた。しかし、太田は告白をする勇気が出ないまま時間だけが過ぎてしまった。
一方、以前駒沢から「臨職さんてモテるらしいぞ」と言われ内心落ち着かずにいた久志は、ショッピング途中で合流した菜緒をジュエリー店へ連れて行く。臨時職員として役場で働くことになった菜緒に、久志は「男除けに」と指輪をプレゼントするのだった。

社会人編

初めての遠距離恋愛

菜緒(右)が同僚の尾形(左)に東京での就職活動について相談する。

4月になり、菜緒は家族がいる田舎に戻って臨時職員として役場で働き始める。生活課に配属された菜緒の仕事はお茶くみや食器洗いなどの雑用ばかり。さらに上司からのセクハラや同僚からの嫌味などが重なり、菜緒は徐々にストレスが溜り始めていた。

一方、東京の大学院に進学した久志は不動産会社の不手際で、伊賀上ひろし(いがうえひろし)という大学1年生とダブルブッキングしてしまい、同居することになった。突然のことに動揺する伊賀上だったが、冷静で決断力の早い久志に憧れ始めていた。

遠距離恋愛になって初めての大型連休に久志の元を訪れた菜緒は、久志がまたダブルブッキングしたことに呆れてしまう。東京で就職したまりなと久しぶりのショッピングを楽しんだ菜緒だったが、東京の物価の高さに驚いていた。その日の夜、東京の都心部で食事を堪能した菜緒と久志は、有名な高級ホテルに宿泊することにした。この日は、二人にとって忘れられない夜になった。

それから時は過ぎ、菜緒は母親の知り合いでもある同僚からお見合い写真を押し付けられてしまう。様子がおかしい菜緒を心配した菜緒の母親は、久志にお見合いの話をする。慌てて菜緒の実家にやってきた久志は、将来苦労させないことを菜緒に誓う。東京へ行ったことで結婚へ不安を感じていた菜緒は、久志を信じて改めて東京での就職先を探し始めた。
そんな菜緒に、高校時代のアルバイト先だったラーメン店の「一番星」から正社員雇用のオファーが舞い込んできた。突然の話に驚く菜緒だったが、二つ返事で引き受けた。来春から東京で一番星2号店の社員として働くことが決まった菜緒は大喜びで久志に報告する。

その年の年末年始、突然菜緒の実家を訪ねてきた一星は、春から菜緒を預かる店の責任者として菜緒の父親に挨拶をする。一星に「娘をよろしくお願いします」と頭を下げる菜緒の父親の姿を見た久志は、一星に先を越された気分になるのだった。

菜緒の東京進出

出典: twicomi.com

店長の一星(左)が浅草に2号店をオープンしたことに納得がいかない菜緒(右)。

4月になり菜緒は一星とともに上京した。浅草に一番星の2号店を出店した理由を、観光地で観光客も多く安定して店を継続できると一星から聞いた菜緒は、経営者としての一星に感動する。少しずつ顧客が増えてきた頃、アルバイトとして入ってきた20歳の横田(よこた)が出勤初日から有名人が来店したことをSNSで発信しようとしてしまう。一星に大激怒された横田はた経った一日でアルバイトを辞めてしまった。しかし、どうしても自分のラーメン屋を構えるという夢が諦められなかった横田は、無給で働きたいと一星に頼み込んできた。横田に振り回された菜緒と一星は、呆れながらも横田の熱意を受け入れたのだった。

その頃久志は、内定していた企業が研究室を九州に移転すると聞き、動揺していた。そんな時、通っている大学出身の研究者である岡玉実(おかだまみのる)の講義に感銘を受け、翌年できるという岡玉の研究室に入るために大学に残り、博士課程に進みたいと考え始めていた。しかし久志は、岡玉から3年ある博士課程に進まずに内定している企業への就職を勧められる。

久志が進路のことで悩んでいるとは知らない菜緒は、久志と一緒に九州に行くために店を辞める意志を一星に伝える。店からの帰りにたまたま会った伊賀上から、久志が進路で悩んでいると聞いた菜緒は、慌てて久志のマンションに向かう。突然の菜緒の訪問に驚く久志だったが、菜緒に博士課程に進み岡玉の研究室に入りたいと正直に話す。マンションからの帰り道、菜緒は「あたし待ってるよ」と久志が博士課程に進むことを後押しした。

それから連日のように岡玉に直談判する久志だったが、岡玉は久志がイケメンという理由で断り続けた。そんなある日、岡玉の教え子の梶原(かじわら)という女性が研究室を訪ねてくる。久志の研究データなどを見た梶原は、久志の研究室入りを後押しする。実は教授は研究室に入りたい学生を拒否する権利はなかったのだ。
晴れて岡玉研究室に入れることになった久志は、岡玉と梶原との食事の席で海外に行ったことがないと話した。驚いた岡玉は、梶原が勤めるフランスの研究室へ研修に行くよう久志に伝えるのだった。

二人に訪れる転機

出典: twitter.com

また菜緒(右)と一緒に住むことになった久志(左)が考え事をしていて朝食を焦がしてしまう。

無事博士課程に進むことができた久志は、新学期早々フランスへと飛び発った。言葉の壁や研究所にいる人たちとのレベルの違いに落ち込む久志は、Skypeで話す菜緒に「会いたいな」と呟いた。もともとまりなと一緒にフランスに遊びに行く予定だった菜緒は、元気がない久志のために一足先にフランスへ向かうことを決意する。
菜緒がフランスに到着した翌日、研究所で働く梶原・羽鳥(はとり)・ソフィーの3人が菜緒の歓迎会を開いてくれた。しかし、久志が研究の話題を振ってしまったことがきっかけで菜緒と久志はケンカになってしまう。次の日、久志とケンカしたままパリにやってくるまりなのもとに向かう菜緒だった。

パリへ向かう飛行機で偶然、知り合いのIT社長の佐藤達也(さとうたつや)と会ったまりなはパリで食事の約束をする。その日の夜、達也と食事をしていたまりなと菜緒は、達也から「君たちずっと時間が止まったままじゃん」と言われてしまう。達也に良い印象がない菜緒は激怒するが、まりなはことがきっかけで恋人の光石(みついし)との別れを決断していた。
菜緒よりも一足先に東京に戻ったまりなは、光石に別れを切り出した。しかしまりなと別れたくない光石はその場でプロポーズしてしまう。驚きながらもまりなはプロポーズを受けるのだった。

菜緒からまりなが結婚すると聞いた久志は「結婚したい?」と菜緒に問いかけた。しかし、菜緒は久志のタイミングで結婚したいと答える。まりなの結婚式場の下見に合わせて菜緒と一緒に帰省した際、久志は菜緒がまりなとのルームシェアを解消した際に「また一緒に暮らしたい」と菜緒の父親にお願いしていた。学生でもある久志と生活費の話をしっかりとした菜緒の父親は、二人の同居を前向きに考える。
それから少し経ち、菜緒と久志は新しい部屋を見つけ二人で住み始める。久志が同じ分野の研究者を目指していることを知った同級生の北浦希(きたうらのぞみ)は、知学会参加などを通して交流するうちに久志を好きになってしまう。近所に引っ越してきた菜緒と久志の姿を見るたびに落ち込む希は、参加したクリスマスパーティで岡玉に久志への気持ちをバラされてしまう。希の気持ちへの対応を悩む久志は、心労から菜緒の目の前で倒れてしまう。久志は、岡玉から気付かないふりをすればいいとアドバイスを受け、そっと心の中にしまうことにした。

希の久志への気持ちには全く気付いていない菜緒は、設備故障で店の休業に追い込まれていた。一番星の状況を聞いた達也は、期間限定で菜緒を自分の会社で働かせることにする。IT企業にも関わらずほとんどパソコンが使えない菜緒は、女性社員たちから冷たくあしらわれていた。それでも必死に食らいつこうとする菜緒に達也は感心する。
社会人としての洗礼を受け続けていた菜緒は、突然達也から船上パーティーへの同行を求められる。この出来事をきっかけに女性社員から無視し始められた菜緒は、仕事にも支障が出るなど落ち込んでいた。
そんなある日、一星からリニューアルオープンに向けての新商品開発の相談が来る。菜緒の提案で、船上パーティーで知り合った食品関係の会社を経営している水野(みずの)や岡玉などを招いて試食会を行った。パーティーで菜緒に一目ぼれしていた水野は大喜びで一番星にやってきた。
実際に一番星の店や一星の雰囲気に触れた水野は、一番星で子ども食堂をして欲しいと一星に提案する。しかし一星は、店の工事などで収入がなかったことから子ども食堂の話を断ってしまう。落ち込む水野に、菜緒は何とか一星を説得できるよう協力すると話していた。そんな菜緒と水野の姿を陰から岡玉が眺めていた。

『グッドモーニング・キス』の登場人物・キャラクター

主要人物

吉川 菜緒(よしかわ なお/演:福原遥)

出典: www.suruga-ya.jp

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