悪趣味・狂気・悪意の天才な映画監督まとめ!ラース・フォン・トリアーなど

ここでは作品に悪趣味・狂気・悪意をこめて視聴者を最悪の気分にさせる映画監督をまとめた。胸クソ映画の傑作『ファニーゲーム』を生み出したミヒャエル・ハネケや、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』『ドッグヴィル』などで視聴者のメンタルをズタズタにしてきたラース・フォン・トリアーなどを紹介している。

[監督作品]
π(パイ)(1997)
レクイエム・フォー・ドリーム(2000)
ビロウ(2002)
ファウンテン 永遠につづく愛(2006)
レスラー(2008)
ブラック・スワン(2010)

『レクイエム・フォー・ドリーム』

『世界一気が滅入る』映画という評価が為される作品ですが、それは誤解。本来醜悪である人間の弱さを、悪夢の様な転落によってスタイリッシュに映像化した名作!しかし、だからといって彼の悪意や挑発は消えない。かの『ブラック・スワン』だって、ねえ。

頭よくて性格悪くて人を追い込むのが大好きというダーレン・アロノフスキーも相当いやなヤツに違いない。

出典: bekkantebichi.blog36.fc2.com

背中から首筋にかけてがゾクゾクする感覚に襲われた方も多いはず。これこそが、まさにアロノフスキー演出の真骨頂。

出典: cinemahimitsukichi.blogspot.jp

▼デヴィッド・リンチ

出典: www.cdjournal.com

米国ワシントン出身、美術や絵画を学んだ天才肌。フィラデルフィアの治安の悪い場所に住み、そのインスピレーションから絵画や映像作りに没頭する。1976年から4年の歳月をかけ『イレイザーヘッド』を自主制作し、長編映画監督としてデビューする。その後の『エレファント・マン』『ブルーベルベット』『ツイン・ピークス』『マルホランド・ドライヴ』等、その圧倒的なアート表現と、常に醜悪なものを折り混ぜた悪意のある作風と難解なストーリーは、常に観客を圧倒し、挑発する。狂気の映画作家はダテじゃない。

[監督作品]
イレイザーヘッド(1976年)
エレファント・マン(1980年)
デューン/砂の惑星(1984年)
ブルーベルベット(1986年)
ワイルド・アット・ハート(1990年)
ツイン・ピークス-ローラ・パーマー最期の7日間 (1992年)
ナディア (1994年)
デューン/スーパープレミアム[砂の惑星・特別篇](1994年)
ロスト・ハイウェイ(1997年)
ストレイト・ストーリー(1999年)
マルホランド・ドライブ (2001年)
インランド・エンパイア(2006年)

『イレイザーヘッド』予告編

監督、脚本、製作、編集を自身が手掛け、数人の協力者と共に自主制作にて作り上げたデビュー作。シュールでグロテスクな映像表現が顕著。子供のプロットは、当時の彼の心情と畏れが表出したとされる。

映画史に黒く黒く輝き続けるこの“リンチ ・ブラック”と形容されたフィルムは、耳を劈くノイズ音とともに悪趣味でグロテスクな映像 を次から次へと描いていく。

出典: search.yahoo.co.jp

他にはない肝を抜くスピード感と悪趣味さ、それと空間表現や普段の生活では得られない刺激性とそれを観終わった後の妙な後味がたまらなく好きだ。

出典: eigazukin.blogspot.jp

▼スティーヴン・スピルバーグ

出典: www.cinematoday.jp

1970年代から一線で活躍し、『ジョーズ』『未知との遭遇』『E.T.』『ジュラシック・パーク』『シンドラーのリスト』といった数々の名作やヒット作を生み出したアメリカきっての巨匠映画監督。ではあるが、彼の露骨な悪趣味志向は、様々な作品の細かいシーンで見ることが出来る。

[主な監督作品]
激突!(1971年)
続・激突! カージャック(1974年)
ジョーズ(1975年)
未知との遭遇(1977年)
1941(1979年)
レイダース/失われたアーク《聖櫃》(1981年)
E.T.( 1982年)
トワイライトゾーン/超次元の体験(1983年)オムニバス作品
インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説(1984年)
世にも不思議なアメージング・ストーリー(1985年)
カラー・パープル(1985年)
太陽の帝国(1987年)
インディ・ジョーンズ/最後の聖戦(1989年)
オールウェイズ(1989年)
フック(1991年)
ジュラシック・パーク(1993年)
シンドラーのリスト(1993年)
ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク(1997年)
アミスタッド(1997年)
プライベート・ライアン(1998年)
A.I.(2001年)
マイノリティ・リポート(2002年)
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(2002年)
ターミナル(2004年)
宇宙戦争(2005年)
ミュンヘン(2005年)
インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国(2008年)
タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密(2011年)
戦火の馬(2011年)
リンカーン(2012年)

『レイダース/失われたアーク』

この作品でも色々あります。ミイラや虫の大群、人の死で笑いを取ったりと、ある意味悪趣味でけしからん映像がそこかしこに盛り込まれている。

『プライベート・ライアン』予告編

冒頭の23分に渡る地獄の戦場シーンで、釘づけになった人、ドン引きした人、色々な観方がありそうですが、あまりにも執拗で必要以上に悪趣味な映像である事は間違いない。

ゲテモノ料理のシーンや虫のシーンなどが評判が悪いが、この悪趣味さこそがスピルバーグの真骨頂である。彼は決してファミリー向け健全娯楽映画の作り手ではないのだ。

心優しいファンタジーの人のイメージがついてしまったが、残虐さもスピルバーグの資質の一つであるのだ。

出典: members.jcom.home.ne.jp

トビー・フーパーに監督させた『ポルターガイスト』は、今までやりたくても自身のキャリアが邪魔してできなかったスピルバーグの悪趣味的な要素がギッチリ詰まっていて、それを探して突くのが一番面白い見方だ。

出典: karyang.dreamlog.jp

▼アレハンドロ・ホドロフスキー

南米チリ出身の異才の映画監督。心理学や哲学を学んだ後、芝居の世界に没頭、1967年の『ファンド・アンド・リス』 。映画監督デビュー。その後、『エル・トポ』『ホーリー・マウンテン』『サンタ・サングレ/聖なる血』という血生臭くてグロテスクで醜悪で芸術的な作品を送り出し、カルト映画監督として多方面より尊敬を集めている。現在はタロット・カードのリーディングをボランティアで行い、人々の尊敬を集めている。

[監督作品]
ファンドとリス(1967年)
エル・トポ(1969年)
ホーリー・マウンテン(1973年)
Tusk(1978年)
サンタ・サングレ/聖なる血(1989年)
The Rainbow Thief(1990年)

『ホーリー・マウンテン』予告編

一応ウェスタン映画の体を取りながら、グロテスクで醜悪な幻覚的トリップ映像と、殆どカルトな信仰や極悪非道な登場人物など、非常にフツーじゃない映像が正にカルトな名作。

『エル・トポ』予告編

いわゆるカルト映画の筆頭格と言える作品。背徳的で残酷で宗教的で哲学的、圧巻の映像美を醜悪なセンスでグロテスクに、しかし荘厳に描く、何だか分からないけど凄い映画!

強烈な美しさ、激しいまでの想像力、溢れ出すユーモア、人間性、愛の豊かさ、光に向かって行く力強さ、型にはまったことやアートを殺す映画産業の商業主義に対する反発などなど、アーチストとして、人間として見習うべき事がたくさんあります。

出典: www.jodorowsky.be

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