お玉（ONE PIECE）とは【徹底解説・考察まとめ】

お玉の概要

お玉（おたま）とは、集英社の発刊する『週刊少年ジャンプ』の大人気海賊漫画『ONE PIECE（ワンピース）』の登場人物。
ワノ国の九里（くり）という地方にある編笠村（あみがさむら）で暮らす少女であり、毎日笠を編んでは町へ売りに行き日銭を稼いでいる。どこにでもいる普通の少女だが、実は悪魔の実「キビキビの実」の能力者。自身の頬をちぎってきびだんごを作り出し、それを食べた動物、動物系の能力者を自分に従順な家来にすることができる。

4年前にワノ国にやってきた主人公モンキー・D・ルフィの義兄ポートガス・D・エースと出会い、懐いていた。その時外海へ連れて行ってほしいと頼み込むが、年齢が幼すぎるという理由で断れている。ただエースはまたワノ国に来た時にお玉が妖艶なくの一になり強くなっていればワノ国へ一緒につれていくという約束をしてくれた。それ以来お玉は妖艶なくの一になるために修行をしている。後にルフィに出会い、エースの死を聞かされた時はショックで気を失ってしまうほどエースを慕っていた。

幼いながら侍の心得を持っており、義理人情に厚い。また震えるほど怖いと感じる戦場に自ら身を投じる度胸を持ち合わせている。四皇”百獣のカイドウ”の居城・鬼ヶ島での戦いに”サムライ”として参戦し、悪魔の実「キビキビの実」の能力で侍軍団が劣勢だった戦局を大きく変える。

プロフィール・人物像

本名：たま
愛称：お玉
年齢：8歳
身長：108cm
星座：うお座
悪魔の実：キビキビの実
出身地：ワノ国 九里 編笠村
誕生日：3月3日
血液型：F型
好物：おしるこ、りんご

CV：潘めぐみ

容姿

いろんな生地でところどころツギハギされた黄緑色の着物を着ている。帯は黄色。4年前にエースが尋ねてきた際に着ていた着物にはツギハギがなく、着物の丈も長かった。長年同じものを繕って着た結果、登場した時に着ているようなツギハギだらけで膝丈の着物になったと思われる。

すみれ色の髪の毛を高いところでお団子にしており、櫛形や花の控えめな簪で飾っている。髪の毛をおろすとちょうど肩にかかるかかからないぐらいの長さ。短めの前髪とクリっとした大きな目がかわいらしく、活発な雰囲気を醸し出している。

性格

自身の生まれ育った村・編笠村が滅ぼされても前向きに生きる強さを持つ。日々笠を編み、町へと売りに出かけ、稼いだわずかな日銭でヒエを食べるという貧しい生活をしていた。年に2回、正月と誕生日にだけ食べられる米を、助けてもらった礼とは言えルフィに何も言わずに差し出す様は健気で義理堅さも伺える。しかし強情な面もあり、おこぼれ町（おこぼれまち）でお鶴（おつる）から出された食事をただで食べるわけにはいかないと突き返した。腹の虫は盛大に鳴っているにも関わらず断固として食事を拒否し続けたが、結局お鶴に半ば脅されて食べることになる。

好奇心も旺盛で強くなろうとする確固たる意志を持っている。お玉は外国からやってきたエースに自分も海に連れて行ってほしいと願い出たことがある。その際は年齢を理由にエースに断られたが、エースと別れた後「妖艶なくの一になれるぐらい強くなれば連れて行く」という約束を信じ修行に明け暮れた。

火祭りの夜には自身の悪魔の実「キビキビの能力」を使って光月モモの助やルフィの手助けがしたいと、きびだんごを食べさせて家来になった百獣海賊団の”真打ち（しんうち）”と呼ばれる幹部達と共にカイドウの居城・鬼ヶ島に乗り込む度胸を見せる。

お玉の能力

悪魔の実：キビキビの実

お玉は齢8歳にして悪魔の実「キビキビの実」の能力者である。いつ、どのように悪魔の実を食べたのかは描かれておらず不明。

「キビキビの実」は超人（パラミシア）系悪魔の実の一つ。自身の頬をちぎって作り出したきびだんごを動物に食べさせることによって、その動物を自分の家来にしてしまうという能力を持っている。きびだんごを作る時の掛け声は「きーびーだん」「ごっ！」。人間が食べても効果はないが、動物の力を得ることができる人工悪魔の実「SMILE」の能力者には有効。食べさせられた者に無理やり従わされているといった雰囲気はなく、心から能力者であるお玉に付き従うようになる。お玉を「ご主人様」と呼びその身を気遣うし、お玉がお願い（命令）をすればどんなことでも笑顔でイエスと答える。効力は約1ヶ月持続し、1ヶ月経った時にそのまま野生へ戻るものもいれば、お玉のそばの居心地が良くて残るものもいるという。

きびだんごは自身で作り出す必要があり、他人が無理やりきびだんごを作ろうと頬をつねっても何もできない。ただお玉本人が痛いだけである。またきびだんごは食べても腹にたまることはないようで、空腹時にきびだんごによって飢えを凌ぐことはできない。

超人系悪魔の実を始めとする外部に影響を及ぼすタイプの悪魔の実の能力は、能力者が死亡したり、また外的要因によって能力者が気を失ったりすると解除されることが多い。しかしお玉の持つ「キビキビの実」の能力はお玉が気を失っても能力が持続して、家来になった動物は家来のままである。悪魔の実には自然（ロギア）系、動物（ゾオン）系、超人系の3種があり、自然系の悪魔の実が最も希少で、超人系などに比べて能力が高いとされるが、お玉が食べた悪魔の実「キビキビの実」はその序列を無視した破格の能力を持っていると言える。

お玉の武器

お玉自身に戦闘能力はなく、武器も持たない。しいてあげるなら前述した悪魔の実「キビキビの実」の能力で作り出したきびだんごが武器と言える。

お玉の必殺技

お玉自身に戦闘能力はなく、これといった技もない。ただ前述した悪魔の実「キビキビの実」の能力で作り出したきびだんごを食べさせて味方を無限に増やすことがお玉の必殺技といえる。

お玉の来歴・活躍

初登場・ワノ国編

偉大なる航路（グランドライン）の後半の海・新世界にある鎖国国家ワノ国。そのワノ国を治める将軍家の正統な跡取り・光月モモの助（こうづき もものすけ）から助力を請われたモンキー・D・ルフィ率いる麦わら海賊団は、それぞれワノ国へと入国した。ルフィは四皇”ビッグ・マム”シャーロット・リンリンの元へと去ったコックであるヴィンスモーク・サンジを連れ戻し、ワノ国を目指す。

ルフィは一味の仲間、航海士のナミ、サンジ、船医のトニートニー・チョッパー、音楽家のブルック、そして勝手に幻の島ゾウから着いてきたうさぎのミンク族のキャロットの六人でワノ国の入口前辿り着いた。ワノ国への入国の仕方は特殊なため、先に入国した赤鞘九人男の一人・錦えもん（きんえもん）から詳しい方法を聞く予定だったが連絡が取れない。ルフィ達は仕方がなくワノ国への入国を開始した。

ワノ国に入国するための海には巨大な鯉がたくさん泳いでいた。そしてその鯉達は一様に轟音を響かせる滝へと登っていく。鯉は淡水魚であることから、ナミは鯉が向かう滝の上にワノ国があると推測する。それを聞いたルフィは滝のぼりをする鯉に無理やり捕まってサウザンド・サニー号を引いてもらおうと考えた。思惑通り鯉達に船を引いてもらったことで滝の上に辿り着くことはできたが、その先に待っていたのは流れの早い逆流や渦潮。

気がつけばルフィは浜辺にサウザンド・サニー号と共に打ち上げられていた。

初登場・第911話「侍の国の冒険」

浜辺に打ち上げられていたルフィはカニに鼻を挟まれて目を覚ました。そこにはサウザンド・サニー号しかなく、一緒に船に乗っていた仲間の姿は見えない。ここがどこでどうして自分がここにいるのか思い出そうとするルフィ。すると森の奥から獣の叫び声が聞こえ、巨大な狛犬が飛び出してきてサウザンド・サニー号に激突する。ルフィが狛犬に船を壊すなと怒っていると、森の奥から今度は刀を持った巨大な狒々が現れた。その異様な光景を見て、ルフィはとりあえず自分がワノ国に入国できたのだと知った。

そのまま狛犬と狒々は戦いを始めるが、ルフィには関係ないことだ。「船にぶつかるなよ！？」と一言添えて、入国した過程を思い出す。サンジは他のメンバーを抱えて先に上陸。ルフィも脱出しその後サウザンド・サニー号を探すはずだったが、何故だか居合わせたタコに引き止められて船と一緒に浜に打ち上げられたのだ。

するとそこへ名もない百獣海賊団のメンバーの二人がやってきた。不法入国の船を探す任務でやってきたらしいその二人はルフィに麻酔銃を向ける。しかしルフィがそんなものでやられるはずもなく、二人は一瞬でルフィにやられてしまう。そこで自分達の用心棒である狒々にルフィを倒すように命じた。狒々は命令に従い、ルフィに襲いかかろうとしたが、ルフィが「何だよ」と一睨みしただけできちんと正座をしておとなしくなってしまう。それに驚きを見せる百獣海賊団のメンバーは、突然後ろから殴られて気を失ってしまう。殴ったのは百獣海賊団の二人に捕まっていたお玉だった。

お玉はルフィが敵かどうかわからず両手を挙げて降参のポーズを取る。しかしルフィが何もしていないお玉に何かするはずもない。ルフィが何もしないことがわかったお玉は、「きーびーだん」「ごっ！」という掛け声と共に自らの頬をちぎってきびだんごを作り出した。お玉はそれを狒々に差し出すが、狒々は怒って暴れだす。しかしお玉はめげずにきびだんごを狒々の口の中に投げ込んだ。途端に狒々はおとなしくなり、お玉の「お手」という命令にも従順に従うようになった。これが本編で悪魔の実「キビキビの実」の能力を登場した瞬間である。お玉の能力に驚きながら、ルフィはお玉にここがワノ国かどうかを尋ねた。お玉は笑顔で「はい！！ここは『ワノ国』の九里でやんす アニキ！！」と答えた。

お玉はルフィに自分が何故百獣海賊団のメンバーに捕らえられていたかを説明した。町に買い物に出かけたお玉は帰り道で百獣海賊団の二人に遭遇。お玉を守るために先程狒々と戦っていた狛犬・狛ちよ（こまちよ）が狒々に飛びかかった。その際にお玉は持っていた荷物を全て奪われたのが悔しく、ワノ国では禁忌とされている「光月」の名を叫んでしまったのだ。危うく二度と家に帰ることができなくなるところだったが、ルフィのおかげで助かったというわけだ。お玉はルフィに恩返しをさせてほしいと言う。ルフィは聞きたいことが山程あるからちょうどいいと嬉しそうに言いながら、盛大に腹の虫を鳴らした。そのあまりに豪快な腹の音に、お玉は「了解 食べ物でやんすね！！！」と言うのだった。