スカイ・クロラ The Sky Crawlers(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』とは、『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』で有名な押井守監督による作品である。声優陣に加瀬亮や菊地凛子、竹中直人を迎える。完全な平和が成立している時代。戦争はショーとして存在している。ショーは空でのみ繰り広げられ、殺し合いを成立させているのは年を取らない子供たち「キルドレ」である。彼らは毎日同じ日々を過ごす。戦争を仕事としてこなしながら、死なない限り、毎日同じ日々がやってくる。何かを変えたくても変えられない人々の日常。

クスミ(くすみ)

フーコと同じ館で働く娼婦。一番の馴染み客は土岐野で「尚史〜」と名前で呼んでいる。土岐野の危険を察知すると基地まで様子を見に来るほどの仲。また、いつもフーコと一緒に行動している。土岐野が函南を気にかけているからなのか、クスミも函南のことを気にかけているようにみえる。もしくは、函南がジンロウの後任であることをフーコ同様に理解しているのかもしれない。

本田(ほんだ)

草薙が文句を言うために訪れたレーダー基地の基地要員。文句を言いに来た草薙に、最初はしたたかな態度で自分の上司への面会を拒否するが、それ以上草薙を止めると、自分に危害が及ぶと考えたのか、すぐに道を開けてしまう。その際に「大人げない」と発言したが、すぐに函南が一緒に来ていたことに気づく。函南に何か弁解をしようとしたが、「明日死ぬかもしれない人間が、大人になる必要なんてあるんですか?」と函南に尋ねられ、怪訝な顔をしただけで特に反論をするわけではなかった。

山極麦朗(やまぎわむぎろう)

函南たちが都市での大規模プロジェクトの作戦前に立ち寄った基地の司令官。特に熱心なわけでもなく、淡々と作戦を説明する。大規模作戦前の会議においても、基地周辺の子供たちのためのパーティーは中止かという三ツ矢の質問に対して、機密のために中止にはしていないとだけ告げる。

フーコとクスミが働いている館の娼婦たち

函南優一が草薙が司令官をしている基地に着任した次の日、函南が土岐野に連れていかれたクスミたちが働いている館の娼婦たち。函南優一の顔を初めて見たはずなのに、函南を見て「水素(すいと)さんは―。」と言っている。フーコは草薙が自分たちの職場に来たことを函南に告げており、私の客に会うために来たのだとも言っている。娼婦たちにとって、客に会うために娼婦以外の女性が館にやってきたいう事柄は印象的だった。その客であるジンロウについても娼婦たちの記憶に残っていた。その記憶のジンロウに函南はよく似ているようで、彼女たちは函南をジンロウと勘違いして草薙の名前を出したようだ。

整備員(せいびいん)

函南たちが所属している基地の飛行機の整備員たち。笹倉の教育が善いのか、常に迅速な動きを見せる。

バスガイド(ばすがいど)

『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』は日本テレビ開局55周年記念作品である。そのためなのか日本テレビアナウンサーである、西尾 由佳理(にしお ゆかり)が声優を務めるバスガイドが一瞬登場する。

マスター(ますたー)

土岐野が函南に紹介した行きつけの店、ダイナーの店主。押井守監督のアニメ映画作品には、必ずと言っていいほど竹中直人が声優を務めるキャラクターが登場する。マスターもその一人である。

ユリ(ゆり)

ダイナーの女将。函南に気を付けてと告げるが、「何に?」と返されたことで複雑な表情を浮かべる。女将が心から気を付けてと発言しているのに対し、函南は気を付けたところで死ぬときは死ぬという程度の認識であり、両者の感覚の違いを表している。女将にとって、キルドレたちに死というものが日常化していることが悲しいのかもしれない。

キルドレの子供(きるどれのこども)

草薙瑞季(くさなぎみずき)

世間的には、草薙瑞季は草薙水素の妹とされている。実際には草薙水素の娘である。草薙水素もそれを認めるような発言をしている。娘だとしたら、だれ父親なのかということを函南は気にしている。瑞季は現時点で草薙水素より体系も含めて年下だが、水素は瑞季が自分よりも大人になることを想像して恐れているようにも見える。瑞季自身はそれらのことを気にしていない様子で、自由奔放に過ごしている。

『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』の用語

キルドレ

キルドレとは、永遠に年を取らず、思春期の子供の姿で生き続ける人間のこと。劇中では、もともと新薬の名前であったことが語られている。どこで生まれどこから来ているのか、キルドレたち自身も分かっておらず、劇中でもはっきりとは語られてはいない。自分の姿形が変わらないことと、今より以前の記憶が希薄なことから、同じような日常が永遠に続くと考え、不安定になる者も多いようである。ほとんどのキルドレが民間軍事会社に入り、毎日同じように飛行機に乗り戦っている。

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