天官賜福(小説・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『天官賜福(てんかんしふく)』は墨香銅臭によって書かれた中国のWeb小説作品。2017年から2018年まで晋江文学城にて連載されていた。2020年に中国ではbilibiliにてアニメが配信され、日本では2021年7月から9月まで放送された。仙楽国の太子だった謝憐は、修行を積み17歳で飛昇して武神になる。しかし2度も天界を追放され、3度目の飛昇を果たすも彼に祈りを捧げる者はいなかった。そんな謝憐の前に謎の少年が現れる。天界、人間界、鬼界の領域を擁する古代中国世界を舞台に、壮大な物語が描かれる。

太子と三郎

バンユエを堂の外に残して、太子はそっと中に戻る。三郎と太子は体を休めることにした。「さっきの言葉は良かった」と、三郎は万人を救う夢を語った太子に言った。再び頭を抱えて「口だけだ」と言う太子だが、「難しくてもやろうとする。その方が尊い」と三郎は心から尊敬の気持ちを伝えた。それを聞いて、昔もっと馬鹿げた話をしたことを太子は話した。ある人に「もう生きられない。生きるとはなんのためなのか」と問われた太子は、「生きる意味が分からなければ、私のために生きなさい」と言ったという。そう三郎に話しながら、太子は思わずその大袈裟な言葉に笑い出す。しかし三郎の表情は変わらず、真剣なまま「万人を救うと言うのは愚かだけど、勇気がある」と言った。そして、自分を強力な鬼だと知っても何も言わずにそばに置く太子に、「僕の素顔が醜くても、それでも見たいか」と三郎は詰め寄る。太子は「友には誠実でいたい。どんな姿でも受け入れる」とすぐに答えた。その言葉に思わず笑ってしまう三郎に、いじけて背を向けたまま眠ってしまった太子。その背中に三郎は手を伸ばすが太子には触れず、心の中で「僕は誰よりもあなたに誠実だ」と呟いた。翌朝、目覚めた太子のそばに三郎はおらず、代わりに太子の首には三郎の骨灰で作られた指輪がかかっていた。

太子は800年前、まだ仙楽国の太子だった頃に祭りで建物から落ちてきた子供を救った。その子供は太子のために生きることを決心する。片目を負傷したその子供は後のホワチョンであり、数百年の時を経て三郎となり太子の前へ再び姿を現したのだった。

『天官賜福』の登場人物・キャラクター

主要人物

謝憐(シェ・リェン)

出典: twitter.com

声:神谷浩史
もとは仙楽国の太子で、修行を積み、17歳の時に祭礼行列中に城壁から落ちた子供を救った。その年に飛昇を果たしたため、年格好は17歳。白い衣を着て、手首や首に自在に操ることのできる布を巻いている。物腰が柔らかく、自身を悪く言う者にも強く出ることができない。2度にわたって天界から追放され、800年ほど下界にいたが3度目の飛昇を果たす。しかし追放を繰り返す彼に信者は定着せず、祈りを集めるために再び下界で一から出直そうとしていた。仙楽太子の像は片手に剣、片手に花を持っており、「花冠武神」と呼ばれている。その姿は武神だが、しなやかで美しい風貌をしている。

三郎(サンラン)

出典: twitter.com

声:福山潤
3度目の飛昇後、下界に降りてきた太子の前に現れた16、7歳の年頃で色白の美少年。楓よりも紅い衣を着ており、博識だが野生的な一面も持ち合わせる。いつも飄々として、どんな場面でも動揺せず冷静に太子に助言や手助けを行う。その本当の姿は、別名「花城(ホワチョウ)」と呼ばれる強力な鬼界の王。三郎は仮の姿だが、手相や髪など変化の綻びが一切ない。太子とは過去に関わりがあったとされる。

神官

霊文(リンウェン)

出典: twitter.com

声:日笠陽子
文神の長で人事を司る女性神官。有能で手際がよく、彼女の殿内はいつも未処理の公文書でいっぱいである。太子の888万の功徳を集めるためのきっかけとなる事件を教えたり、下界の太子に天界の情報を伝えたりしている。

南風(ナンフォン)

出典: twitter.com

左から扶揺、南風。

声:古川慎
武官で、南陽将軍・風信の配下。器量の良い少年で、自ら志願して謝憐の与君山の調査の手助けにやってきた。扶揺とは仲が悪く、口喧嘩をよくしている。

扶揺(フーヤオ)

出典: twitter.com

声:小林千晃
武官で、玄真将軍・慕情の配下。色白で品のある少年で、南風とは仲が悪い。自ら志願し、謝憐の与君山の調査の手助けにやってきた。口がよく回り、三郎に突っかかっていがみ合うこともある。

その他の登場人物

シャオイン

出典: twitter.com

声:沖佳苗
与君山の麓の村に暮らす娘。孤児に食べ物を与えたり、鬼花婿に殺されるためゴロツキに入山しないよう注意したりと優しい性格。最期はシュエンジーに突き飛ばされて頭を打ち、出血が止まらず死亡した。

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