天官賜福(小説・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ
『天官賜福(てんかんしふく)』は墨香銅臭によって書かれた中国のWeb小説作品。2017年から2018年まで晋江文学城にて連載されていた。2020年に中国ではbilibiliにてアニメが配信され、日本では2021年7月から9月まで放送された。仙楽国の太子だった謝憐は、修行を積み17歳で飛昇して武神になる。しかし2度も天界を追放され、3度目の飛昇を果たすも彼に祈りを捧げる者はいなかった。そんな謝憐の前に謎の少年が現れる。天界、人間界、鬼界の領域を擁する古代中国世界を舞台に、壮大な物語が描かれる。
プロデューサーの黒崎静佳は、アフレコ時に太子を演じた神谷にさまざまな質問をされたという。日本とは違う中国の宗教観や、原作の小説から物語の背景を伝えたという。また、アフレコでの過剰なディレクションはしておらず、海外映画の吹き替えのような感覚で声を入れてもらっているため全体的に落ち着いた印象になっている。吹き替えでは収録時に原音の中国版の声も聞きながら行うので、原音のテンションも踏襲された演技になっている。
中国のファン文化が生んだ人気作品
日本では女性向けの限られたターゲット層がファンに多い『天官賜福』だが、中国では幅広い世代に知られる作品である。中国は本を出版するのに国の審査が必要であるため、制限の少ないウェブ小説が盛んに書かれている。また、中国で配信された『陳情怜(ちんじょうれい)』というブロマンスドラマが2019年に一大ブームを引き起こしていたため、その影響でBLやブロマンスもより市民権を得る様になったとプロデューサーの黒崎は語る。ちなみに、黒崎は『天官賜福』を「ダークファンタジーを被ったラブロマンス」と表現している。
進化した中国アニメーション
日本の少し後ろを走っていた中国アニメだが、『天官賜福』のアニメーションは洗練された技術をふんだんに盛り込んで作られている。できるだけ線を減らし、影には紫や青の寒色が使われており、女性受けする美しいデザインに仕上げられているのだ。背景や美術は、デジタル要素を取り入れつつシンプルさも忘れないスマートな作り。「神様の昔話」を絵本の様な幻想的な雰囲気を保ちつつ、生き生きと描いている。
『天官賜福』の主題歌・挿入歌
OP(オープニング):シド「慈雨のくちづけ」
古代中国を舞台にしたファンタジックなアニメの世界に寄り添いつつも、ファンを大切にするシドの思いが込められた優しいバラードに仕上がっている。作曲を担当した明希は特に出だしのメロディにこだわって、中国っぽさを出せるように作ったという。また、「花」「紅色」など作品の中で印象的なキーワードも見られ、それを歌詞に盛り込むことで、アニメファンが聴いて納得してもらえる曲になっている。
ED(エンディング):雨宮天「フリイジア」
始まりは小さくつぶやくイメージで、サビに入ると世界が開くように壮大な雰囲気へと変わる二面性を持った曲だと雨宮は語る。サビは壮大で力強いが、声をぶつけないように柔らかく丁寧に歌い上げられている。
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目次 - Contents
- 『天官賜福』の概要
- 『天官賜福』のあらすじ・ストーリー
- 太子の飛昇
- 花嫁失踪事件
- ミンガン廟の花嫁たち
- 女将軍の怨念
- 三郎との出会い
- 半月関の失踪事件
- 蠍尾蛇の毒
- 半月国の兵士たち
- 三郎の真の姿
- ペイシュウとバンユエ
- 太子と三郎
- 『天官賜福』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- 謝憐(シェ・リェン)
- 三郎(サンラン)
- 神官
- 霊文(リンウェン)
- 南風(ナンフォン)
- 扶揺(フーヤオ)
- その他の登場人物
- シャオイン
- シュエンジー
- ミンガン将軍
- ペイシュウ
- バンユエ
- 将軍
- 『天官賜福』の用語
- 飛昇(ひしょう)
- 功徳(くどく)
- 血雨探花(けつうたんか)
- 半月関(はんげつかん)
- 蠍尾蛇(かつびじゃ)
- 善月草(ぜんげつそう)
- 『天官賜福』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 太子「天官賜福、恐れるものなし」
- 太子を輿から誘い出すホワチョン
- 太子を抱き留めるホワチョン
- 太子「私は万人を救いたい」
- 太子「生きる意味がわからないのなら、私のために生きなさい」
- 『天官賜福』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 中国アニメの世界観を声で表現
- 中国のファン文化が生んだ人気作品
- 進化した中国アニメーション
- 『天官賜福』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):シド「慈雨のくちづけ」
- ED(エンディング):雨宮天「フリイジア」