賢者の孫(第1話『世間知らず、王都に立つ』)のあらすじと感想・考察まとめ

交通事故で死んだはずだったサラリーマンは、赤ん坊として異世界に転生する。彼は賢者・マーリンに拾われ「シン」と名付けられ育てられる。規格外の魔法能力を身に着けて成長したシンであったが、何と賢者は常識を教えていなかった。シンは常識を身に着けるため、そして友人を得るために王都の高等魔法学院に入学することに。王都に向かった彼は、チンピラ三人に囲まれている女の子二人に遭遇。二人を華麗に助けるのだった。
今回は「賢者の孫」第1話『世間知らず、王都に立つ』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。
「賢者の孫」第1話『世間知らず、王都に立つ』のあらすじ・ストーリー
社畜、交通事故、死

残業している主人公。
ごく普通のサラリーマンの主人公は、今日も会社の残業に勤しんでいた。
主人公「この地球には俺みたいなやついっぱいいるんだよな…」
自分の存在意義がわからなくなった彼は、自暴自棄になっていた。

跳ねられた主人公。
通行人「おい、アンタ。…危ないぞ!」
ドガシャァ(ぶつかる音)
残業疲れで注意力散漫になっていた主人公は、信号を無視して横断歩道を渡ってしまい、車に跳ねられて死んでしまう。
転生、賢者に育てられる

赤ん坊の状態で転生した主人公。馬車が横転しており、事故現場と思しき場所である。
交通事故で死んでしまった主人公は、赤ん坊として異世界に転生する。異世界で賢者と呼ばれる男・マーリン=ウォルフォードに拾われた彼は「シン=ウォルフォード」と名付けられた。「社畜」改め「シン」は、賢者・マーリンの孫として成長する。

8歳になった「シン」。
やがて時は過ぎ、シンは8歳になった。彼は賢者・マーリンと二人で暮らしている。
シンには前世の記憶があった。それは地球という星の、日本という国で育った記憶だったが、何故死んだのかは思い出せないでいる。

マーリン=ウォルフォード。赤ん坊だったシンを拾って育てた、命の恩人である。
この世界には魔法が存在している。マーリンは魔法に造詣が深く、シンはマーリンに様々な魔法を学んだ。
マーリン「炎はどうじゃな。シン、火をつけてみい」
シン「この世界の魔法は無詠唱で成立する。ようは、イメージさえしっかりしていればいい」
そう言ってシンは無詠唱で火の玉を放つ。
マーリン「おぉ!」
シン(正直これには助かった。向こうの記憶があるだけに、呪文の詠唱とか、魔法名を叫ぶとか、ちょっと抵抗あるもんな)

シンは転生前の記憶の影響で、呪文詠唱や魔法名を叫ぶことに抵抗があった。

メリダ=ボーウェン。マーリンの古い知り合いで、よく家に訪ねてくる。
シンとマーリンは常に二人だけでいるわけではない。マーリンの家には客人も多く、よく人が訪れる。彼女もそのうちの一人で、メリダ=ボーウェンという。シンはマーリンのことを「じいちゃん」と呼ぶが、彼女のことは「ばあちゃん」と呼んでいる。

マーリン「シンも10歳になったことじゃし、そろそろ経験しておいてもいいじゃろ」
2年後。10歳になったシンは、マーリンに連れられ初めての魔物狩りに来ていた。マーリンは魔物の成り立ちについて話す。
マーリン「この世界に充満する魔力。全ての生き物は、その恩恵を受けることが出来る。だが制御に失敗すると、生き物は凶暴になり、あたり構わず攻撃するようになる。それが魔物じゃ。人も例外ではないぞ」
この世界では、動物だけでなく人も魔物化する。
シン「昔一度、人が魔物化して、国が一つ滅びかけた。それを救ったのがじーちゃんなんだよね。今でもその国では英雄なんでしょ?」
マーリン「ほほほほ。ではそろそろ始めようかの。まずは魔物を探すんじゃ」
シン「どうやって?」

索敵魔法。
マーリン「魔力を周囲に薄く広げていくんじゃ。そこに別の魔力が触れると、その存在を感じられる。生き物は全て魔力を持っておるからどこに何がおるのかすぐにわかる。これを索敵魔法という。とはいえこれはある程度魔力を制御できんと難しいが。んっ?」
初めての索敵魔法だったが、シンは難なく成功させる。
マーリン「(予想はしとったが一回で成功しよるか)」
シン「(なんだ、この禍々しい…)」
マーリン「ほ、見つけたかの?それが魔物の魔力じゃよ」
シン「じいちゃん早く行こう! あんなもん放っといたら大変な事になる!」
マーリン「そうじゃのう、これはちと不味いかもしれん」

魔物。レッドグリズリーという種である。
索敵魔法に反応があった場所へ向かったシンたち。そこには見た目からして禍々しい、一匹の魔物がいた。
シン「これが魔物!こんなやつ放置してたら!」
シンは魔物に飛びかかる。
マーリン「待つんじゃ!」
マーリンが止める間もなく、シンは剣を抜き魔物に飛びかかる。付与魔法により、剣には超音波振動の効果が、ブーツには空気噴射の効果が付与されている。ブーツの空気噴射を用いて、確実に魔物との距離を詰めていくシン。次の瞬間、魔物の首は胴体から切り離されていた。
シン「これでよかった?失敗してないよね?」
マーリン「お、おおすまんちょっとボーっとしてしもうた。これ以上ないほど完璧に出来ておったぞ」
マーリン「しかし剣とブーツに何の魔法を付与しておるんじゃ?」
シン「これは…そのー」
シンは適当にごまかした。シンは付与魔法の言語に日本語(漢字)を用いており、説明しづらかったためである。付与魔法とは、道具や服に魔法効果を付与する魔法のことである。

ミッシェル=コーリング(右側の人物)。シンはミッシェルに武術を学んだ。
その日の夜。所変わってマーリンの家。マーリンとその客人たちメリダとミッシェルは、椅子に腰かけて歓談している。ミッシェル(ミッシェル=コーリング)はマーリンの友人で、シンの武術の先生である。
魔物化したレッドグリズリーを一人で仕留めたシンに、驚きの声をあげるミッシェルとメリダ。
メリダ「まったく、何者なんだろうねあの子は。魔法を習得するスピードは尋常じゃない。ミッシェルの武術だってついてこられる。付与魔法に至ってはオリジナルの言語だしねぇ。別の世界から来たって言われても信じられるよ」
マーリン「何物でも構わんよ。わしをじーちゃんと呼んで慕ってくれるあの子がかわゆーてしょうがない」
メリダ「あの子をかわいいと思ってるのは私も同じさ。こうしてたまにしか来られないけどあの子を本当の孫だと思ってる」
マーリンとメリダは、シンのことを本当の孫のように思っていた。
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