パパと親父のウチご飯(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『パパと親父のウチご飯』(パパとおやじのウチごはん)は、豊田悠によるハートフルフード漫画。『月刊コミック@バンチ』(新潮社)にて、2014年から2020年まで連載された。元カノから娘・愛莉を預けられた整体師の千石、妻と離婚し息子・清一郎を引き取った編集者の晴海。シングルファーザーとして子育てに奮闘する2人は、互いの利害の一致からルームシェアを選択した。全員が抱える様々な問題を、料理を通しながら子どもたちと心を通わせ、次第に家族になっていく心温まるストーリー。

型抜き

子供用にハートや星で型抜きをして野菜を飾りつけた。

ハート型や星形などがある型抜き。子供用のお弁当に彩りと可愛さを与えるため、野菜などをこれでくり抜いて飾り付けをした。

『パパと親父のウチご飯』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

千石哲「ウチは変だ」

千石は愛梨に向かって「ウチは変だ」と宣言する。

幼稚園で信行に「パパだけの家はおかしい、ママがいないなんて可哀想」と言われた愛梨。愛梨はすっかり拗ねて「もう幼稚園に行かない」とふて寝していた。
翌日、腹を空かせて台所へ来た愛梨に、千石はハッキリと言い放つ。「ウチは変だ。よそのウチから見たらウチは変わっている、そして変わっているのはお前のせいじゃない俺のせいだ」と事実を伝える。他の家と同じようにや、他の家に追いつくようにではなく「ウチはウチ」と示した。
その上で千石は「変な分、楽しい家庭にできるよう頑張る。だからお前も頑張れ」と愛梨を励ました。愛梨はその言葉を聞いて、再び幼稚園へ行くことを決心する。

愛梨「へんだけど、ちょーたのしーもん」

友達の前で家庭のことを指摘され、愛梨は「へんだけど、ちょーたのしーもん」と言った。

2人の家に、愛梨や清一郎の友達を連れて遊びに来た。一緒にピザを作りながら、友達は悪気なく「愛梨ちゃんの家って変わってるよね」と発言する。そう言うのには、子供たちの親がそう思っていることに原因がある。子供たちの親が「愛梨ちゃんと清一郎くんの家は父親だけで変だから、何かあったらすぐ連絡するのよ」と言われていた。
それを聞いた愛梨は「おやじはちょーおこるし、おこるとちょーこわいし、でもへんだけどちょーたのしーもん」とハッキリ自分の意思で伝えた。清一郎も力強く頷く。
そこの言葉を聞いた千石は、約束通り楽しい家庭に出来ているのだと安心した。それと同時に、自分の口から言ってくれたことに嬉しさを感じていた。

健ママ「晴海さんも千石さんも立派な父親です」

ママ友は「晴海さんも千石さんも立派な父親です」と保岡に言った。

涼子の再婚相手である保岡は、晴海がちゃんと清一郎を育てられていないと難癖をつけ清一郎を取り戻そうとしてきた。探偵にも調査依頼し、千石と晴海を調べる保岡。
そこで千石の乱暴な部分を取り上げ「DVで通告する」と言ったり、晴海に対して「シングルファーザー同士でルームシェアなんて、今も将来も清一郎くんが変な見方をされますよ」と言ってくる。そして保岡は2人に対し「ちゃんと父親ができているんですか?」と問いかけた場面。

そこに健ママと他のママ友も現れ、保岡に対し「晴海さんも千石さんも立派な父親です」としっかり反論した。毎日幼稚園での様子を見ているママ友だからこそ、千石と晴海の父親らしさを分かっていた。過去に自分も偏見で2人を見ていたように、保岡も今偏見で2人を見ていることを指摘。健ママは「2人は頑張っている」と保岡に言い放ち、安岡を退散させた。
この出来事は「シングルファーザー同士のルームシェアなんて、子供たちが変な目で見られて肩身が狭い思いをしないか」と懸念していた晴海と千石にとっても、「分かってくれる人は分かってくれる」と大きな安心になる一件だった。

晴海昌弘「清一郎のこと世界で一番大好きだから」

「清一郎のこと世界で一番大好きだから」と清一郎を抱きしめて伝える晴海

涼子が不倫をしたために離婚した事実を知らない清一郎。涼子と晴海が2人で料理をすれば、喧嘩が終わりまた一緒に暮らせると考えていた。
しかし、晴海は「ごめんね、パパがママのこと許せなかったから一緒にはもう暮らせないんだ」と清一郎に説明する。清一郎は「なんで?」と仲直りが出来ないことを、納得できずに泣き出してしまう。涼子が事情を話して謝ろうとすると、晴海が制した。
そして晴海は「離れていても、ママもパパも清一郎のことを思っている」と説明し、愛情だけを伝えて抱きしめた。清一郎なりに考えた行動を、自分たちのせいで受け止めきれず、晴海は自分の不甲斐なさを感じていた。

晴海昌弘「僕は1人じゃないから」

自身の父親に対し「僕は1人じゃないから」と宣言する晴海。

宮崎に子供たちを連れて帰省した際のワンシーン。晴海の父は「母親がいない家庭」を心配し、勝手に晴海への見合い話を持ってきていた。それに漫画の編集や出版社に対しても「ふざけた仕事」という認識があり、晴海とは心がすれ違っていた。
しかし、父は人一倍晴海のことを心配しているための行動だった。晴海の仕事も、こっそり真潮出版の漫画を買うほど応援している。お見合いの話も「晴海と清一郎のことを思って」からきていた。その気持ちを知った晴海は「僕は1人じゃないから」と千石や愛梨、もちろん清一郎や両親のことも含めて父を安心させるように言った。
晴海は「仕事も離婚も清一郎のことも、自分で決めたことだ。最後まで覚悟を持っていく」と父に宣言する。父もその意思を受け止め、納得していた。
晴海は「宮崎にまた帰ってきていい?」と問いかけ、父は「当たり前だ」と返す。親子の絆がしっかりと出来た瞬間だった。

真希「おかえり!」

仕事を終えて帰ってきた千石に「おかえり!」と出迎える真希

同棲を始めた千石と真希。
ネグレクト気味の家庭で育った千石は、誰かに迎えられた経験がない。そのため真希が明るく「おかえり!」と出迎えてきて、驚きと照れを感じた。「ただいま」と言うのも気恥ずかしく千石は「お、おお」と返事してから「ただいま」と言っている。
真希と過ごすことで、家庭の暖かさや人の気遣いに触れていく。

千石哲「愛梨を産んでくれてありがとう」

真希に「愛梨を産んでくれてありがとう」とお礼を言う千石

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