パパと親父のウチご飯(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ
『パパと親父のウチご飯』(パパとおやじのウチごはん)は、豊田悠によるハートフルフード漫画。『月刊コミック@バンチ』(新潮社)にて、2014年から2020年まで連載された。元カノから娘・愛莉を預けられた整体師の千石、妻と離婚し息子・清一郎を引き取った編集者の晴海。シングルファーザーとして子育てに奮闘する2人は、互いの利害の一致からルームシェアを選択した。全員が抱える様々な問題を、料理を通しながら子どもたちと心を通わせ、次第に家族になっていく心温まるストーリー。
『パパと親父のウチご飯』の概要
『パパと親父のウチご飯』(パパとおやじのウチごはん)とは、豊田悠が『月刊コミック@バンチ』(新潮社)にて、2014年6月号から連載を開始したハートフルフード漫画。同誌が『月刊コミックバンチ』にリニューアルした後も引き続き連載され、2020年9月号をもって完結した。単行本は全13巻である。
スピンオフとして、『パパと親父のウチ呑み』が『ゴーゴーバンチ』(同社刊)にてVol.11から連載を開始。同誌がVol.21で休刊した後に、同社のWEBコミックサイト『コミックバンチweb』に移籍して連載。その後、同社のWEBコミックサイト『くらげバンチ』に移籍し、2021年7月6日まで連載された。毎回のサブタイトルは、その回を象徴する料理名がつけられ、単行本にはレシピが掲載されている。
また『みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞2018』グルメ漫画部門2位にランクインした。
主人公である整体師・千石哲は元カノ・真希から娘・愛梨を預けられる。身に覚えがあった千石は了承し、愛梨を引き取るも初めての育児に行き詰まってしまう。そんな時、10年来の付き合いである友人・晴海も偶然、離婚して息子・清一郎を引き取ったという話を聞く。家事は出来るが短気ですぐに愛梨を泣かせてしまう千石と、おおらかではあるが家事が全く出来ない晴海。利害が一致したこと、そして2人で1人前の父親になろうと決意したこともあり、父2人子2人という不思議なルームシェアが始まった。
初めは慣れない育児に翻弄される千石と晴海だったが、食を通じて子供たちとも心を通わせていく。子供だけではなく、自分達の抱えている問題や過去のトラウマも乗り越え、人として父親として成長していく。子供たちもそんな2人を見て、純粋に育っていく姿が描かれている。次第に4人らしい家族になり絆を深め、子供たちが中学生になった6年後の話で最終話となっている。6年後も変わらず4人で食事をし、仲良く交流する様子が描かれた。
『パパと親父のウチご飯』のあらすじ・ストーリー
二人の父親
整体師・千石哲(せんごく てつ)は娘・愛梨(あいり)と、10年来の友人である晴海昌弘(はるみ まさひろ)とその息子・清一郎(せいいちろう)の4人で暮らしていた。
千石の元彼女である真希が、ハワイでエステ店を開くために「落ち着くまで」という事で愛理を預けたのだ。
心当たりのあった千石は真希を応援したい気持ちもあったため了承したが、育児経験もなく元ヤンの千石には荷が重い。そこで10年来の友人で、最近離婚し息子を引き取ったという晴海に助けを求めた。
晴海は穏やかな性格だが仕事一辺倒でこれまで家事をしておらず、折悪しくぎっくり腰になってしまう。結局千石が家事担当になり、晴海のぎっくり腰が治るまでの間の同居生活が始まった。暫くたって晴海の腰が治ったため千石が礼を言い出ていこうとすると、晴海からルームシェアの継続を提案される。1人での育児に行き詰まっていた千石は了承し、こうしてシングルファーザー同士の奇妙なルームシェアが始まったのだった。
千石は毎朝子供たちを起こして朝食を食べさせるという生活を送っていたが、子供たちはわがままを言ってなかなか食べず、元ヤンで短気な千石は二人をしかりつけて泣かせてしまう。
「たかが好き嫌いで厳しくしすぎです」と晴海に言われ、千石は「どうしたら食べてくれるのか」悩んでいた。
買い物に出かけた先でなじみ客を見つけた千石が相談していると、見知らぬ女性からアドバイスされ「料理教室にきませんか」とチラシを渡される。
最初は「勧誘か」と考えて相手にしていなかった千石だが、女性のアドバイス通り試しにカレーを作ってみると美味しそうに笑顔で初めて完食し、千石は笑顔で二人の事を褒める。
そして晴海に対して「二人で一緒に見守って子供を育てよう」と不器用に宣言する。晴美は笑顔で了承した。
料理教室
ある朝千石が卵焼きを失敗してスクランブルエッグを出したところ、子供たちからブーイングが巻き起こった。特に愛梨は「ふわふわのオムレツが良い」と言い出し、千石は「嫌なら食うな」と言ってしまう。一方おとなしい性格の清一郎は晴美が席を外した隙に、スクランブルエッグにイチゴジャムを掛けていた。そこで千石は「甘い卵焼きが良かったのか」と気づく。そこで千石はアドバイスをくれた女性の事を思い出し、料理教室に行ってみることを考えた。
4人で料理教室へ行くと見知らぬ女性は彼らを歓迎し、そして壇ゆかり(だん ゆかり)と名乗った。ゆかりは「実践してみましょう」と言うと、さっそくだし巻き卵やみそ汁など基本的な料理作りが始まる。
しかし晴美は包丁を握った途端、青ざめて包丁を落としてしまう。晴美は昔包丁で自殺を図った人を止めた際に相手の腕を傷つけてしまい、以降トラウマになっていたのだった。
事情を説明して千石に謝罪した晴海だが、千石は「気にするな」と返す。ゆかりにも説明したが「包丁を使わなくてもできるものはたくさんある」と言って、出来ることからやるよう勧めるのだった。卵焼きはそのまま晴海が担当し、それを食べた清一郎は「ママの味に似てる」と嬉しそうに呟く。その一言で家族のきずなは深まり、今後も4人でゆかりの教室に通うことになったのだった。
一方ゆかりの妹の茜は家庭の事情から料理をする男性に嫌悪感を持っており、千石や晴海のことを警戒していた。とある日曜日、仕事で不参加の晴海を除く三人は教室へとやって来る。
ゆかりの勧めで一緒に料理をすることとなった茜は、千石に対して痴漢のでっち上げをするほど嫌っていた。ゆかりから「店を潰す気なの?」と本気で怒られて頬を張られた茜は涙を流す。
一方の千石は造っていた餃子を半ば無理やり茜に食べさせた。茜はその餃子のおいしさと愛梨に向ける表情の優しさから、少しトラウマを克服することができたのだった。
千石の苛立ち
ある日愛梨が朝からパンケーキを食べたがったことで、千石と愛梨の関係が悪化してしまう出来事があった。
愛梨は「他のお友達は朝からパンケーキを食べている」と主張したが、千石は聞き入れない。そのまま幼稚園に向かった愛梨だが、同級の男の子から「パパが二人でママがいないなんて、二人の家は変だ」とからかわれてしまう。
清一郎は泣きそうな顔で黙っていたが、愛梨は耐え切れずに手を出してしまったのだ。お迎えの時相手の親から謝罪されるも、愛梨は納得せず口を開こうともしない。傷ついた愛梨は押し入れに閉じ籠って登園拒否するほどだった。
そんな愛梨の姿を見て千石は愛梨に共感を覚える。愛梨の母親である真紀も、周囲から「変だ」と言われても突っぱね、自分の進むべき道を堂々と歩いていたのである。
千石はパンケーキを作って愛梨に出すと、「確かにうちは変だ。だけどそれはお前が悪いんじゃなくて俺が悪いんだ。でも代わりにどこよりも楽しい家庭にしてやる。オレたちが。だから負けるな」と励ました。愛梨はその言葉を受け止めて、涙を流しながらパンケーキを食べる。翌日からまた幼稚園に行くと宣言し、男の子に謝ることができたのだった。
しかしイヤイヤ期真っただ中の愛梨は頻繁に母親と面会をしている清一郎を羨ましがるようになり、千石はままならない子育てにイライラを募らせていくのだった。
ある朝愛梨が「ママの卵焼きが食べたい」と言ったことで千石は我慢できなくなり、愛梨の朝食の皿をごみ箱に捨ててしまう。
幼稚園の迎えの時間になっても千石が現れなかったため、連絡を受けて迎えに行った晴海は子供達にご飯を作って食べさせた。
「自分が悪いことをした」と落ち込む愛梨を励ましていた頃、千石はガス欠を起こしてバイクを押して歩いていた。勢いで飛び出したもののどうすればいいか分からなくなり、とぼとぼ歩いているところで定食屋が目に入る。事情を話して電話を借りた千石は、晴海に謝罪した。店主はつみれ鍋を千石にご馳走して励ます。
愛梨と千石は仲直りすることができ、また一歩進むことができたのだった。
親と向き合う
晴海の母親は男二人で子供たちを見ている状況を心配して、観劇にかこつけ家を訪れていた。晴海と清一郎を実家に戻す目的である。
全員で食事をした後、千石は晴海と母親が喧嘩しているところを目撃する。「離婚も仕事も自分の意志でしてきたことだ」と強い口調で主張する晴海に、母はショックを受け「明日の便で宮崎に帰る」という。
そんな様子を観ていた千石は、母親に対して「僕たちも手探りながら一生懸命にやっている。だからもう少し見守ってやってください」と誠実に頼み込んだ。母は何処か納得した様子で「千石君って変わってるわね」と微笑む。
翌日帰ると言っていた母親だったが千石の計らいで一緒に観光することになり、晴海は母に言いすぎたことを謝罪する。母も謝罪したうえで「お父さんも私も味方だからね」と告げたが、実は晴海は父親と確執があり、顔がこわばる。母はその様子には気が付かなかった。
暫く経ったころ晴海の元に元妻の涼子から連絡が入り、再婚するから清一郎を返してほしいと告げられる。晴海は断ったが清一郎の気持ちが一番だという事は理解していた。
ある日子供たちが描いた絵の展覧会を見ている時に晴海の元妻・涼子が現れる。晴海が会おうとしなかったため自分で居場所を調べてきたのだ。涼子は不倫相手も連れてきており、「清一郎君を引き取らせてもらう」と宣言する。不倫相手は晴海たちの現在の家庭環境を調べ上げ、DVのでっち上げを企んでいた。そこへ幼稚園のママ友が通りかかって晴海たちを庇い、彼らはひとまず引き上げる。しかし翌日清一郎がいなくなってしまうという事件が起きたのだ。
そこへ涼子から連絡があり、「清一郎と一緒にいる。本人が帰らないと言っている」と伝えてきた。激しくショックを受ける晴海だったが、ふと清一郎が陶芸の絵を描いていたことを思い出すと、「清一郎を連れて食事を食べに来ないか」と誘う。晴海は清一郎が、両親が再び仲良く暮らすために行動していたという事を悟ったのである。
清一郎が好きなロールキャベツを食べた涼子は「美味しい」と一言呟き、清一郎は「これで仲直り?」と聞いてくる。清一郎は二人で一緒にご飯をつくれば仲直りできると考えていたのだ。しかし晴海は「パパとママが仲直りすることはできない。一緒には暮らせないんだ」と涙を流す。晴海が涼子を見送りに行っている間、千石が子供たちの寝かしつけをしていた。泣きはらした目で眠る清一郎を見つめながら晴海はやるせない思いを吐露したが、千石は「一緒に育てていこう」と励ましたのであった。
一方千石の元にも、愛梨を引き取りたいという真希からの連絡が入っていた。千石はあくまでも「愛梨は預かっている」という認識だった為、素直に引き渡すつもりだったのである。
しかしゆかりの料理教室で愛梨が苦手なニンジン入りのパスタを食べたのを見て、千石は笑顔で頭を撫でながら愛梨を褒める。同時にこの先こんなふうに成長を感じることができないのだと、どこか寂しさを覚えていた。
真希はまもなく帰国予定だったが、現地スタッフが急遽体調を崩しまたしばらくハワイにとどまることとなる。その背後で晴海は、宮崎行きの飛行機チケットを手にしていた。
幼稚園の春休み、晴海はみんなを連れて宮崎を訪れる。はしゃぐ愛梨だったが清一郎はどこか様子がおかしく、愛梨に意地悪をしてしまうのだった。心配した晴海は「何か言いたいけど、言葉に出すのが難しければパパをぎゅっとしてくれるかな?」と話しかけると、清一郎はそっと抱き着いてくる。晴海は清一郎が母親の事を想っているのだと悟り、「後で電話しようか」と優しく声を掛けたのだった。すっかり仲直りした愛梨と清一郎の様子を観ながら、二人は子供たちの成長を噛みしめる。そして晴海は父親との確執をどうにかしようと決心した。
昔から気難しい性格で晴海のやる事を否定してきた父親は、男二人で子供を育てている状況を良く思っていなかった。父親は晴海に再婚するよう見合いを勧める。何も理解しようとしていない父親に怒りを覚えながら、晴海は「とにかくそんな話をされても困る」と言い置いてその場を離れた。食事中スプーンが足りないことに気付いた千石は、探し物途中父親の書斎であるものを発見し、晴海に「後で父親の引書斎の押し入れを見てこい」と声を掛ける。訝しむ晴海だったが、そこで晴海が編集の担当をしているマンガ雑誌が大量にしまってあるのを見つける。言葉に出さずとも自分の事を気にかけてくれていたことを悟った晴海は、父親との和解を果たすのだった。
一方ネグレクト気味の母に育てられた千石とその母との確執は根が深かった。ある時晴海は、幼稚園で愛梨の様子を観ている一人の女性を見かける。それは酒浸りで、愛梨が生まれた時にも一目顔緒を見ただけですぐに帰った千石の母親だった。
晴海は一応連絡先を交換しており千石にも渡すが、千石は「いまさら会いたくもない」と破り捨ててしまう。晴海は「一度二人でしっかり話をするべきだ」と感じて、母を家に招いたのだった。
千石が子供たちが出かけている間に、晴海が母親と料理をしていると、帰宅した千石が母親の顔を見るなり激高し愛梨を連れて飛び出してしまう。財布も持たず勢いで飛び出したことに気付いた千石は、やむなく知人の元へ転がり込んだ。突然の事にも関わらず丁寧に対応してくれ、千石はやや落ち着きを取り戻す。そしてその知人は母親の事も知っており、ずっと千石の子と心配していたのだと話した。
千石は晴海や知人の勧めもあって母親と向き合う覚悟を決め、ようやくわだかまりがとける。そして「また一緒に出掛けよう」と声を掛けるのだった。
中学生の清一郎と愛梨
それから暫くたち、子供たちも様々な葛藤を抱えながら大きくなっていた。中学生になったことをきっかけにルームシェアは解消し、千石は愛梨と暮らしている。
ある日愛梨と清一郎は仕事で忙しい父に代わってそれぞれスーパーを訪れており、ばったり再会する。そして「一緒に作った方がはやいね」と言い合うと、晴海の家に向かった。
手際よくカレーを作っているところに千石と晴海が帰ってくる。二人は美味しそうにカレーをほおばる父親を見て、嬉しそうに微笑んでいた。
『パパと親父のウチご飯』の登場人物・キャラクター
主要人物
千石 哲(せんごく てつ)
整体師で愛梨の父親。商店街にある「千石整体院」を一人で切り盛りしている。身長は161センチメートル。性格は元ヤンだったこともあり、短気で喧嘩っ早い。
8歳の時、父のDVが原因で離婚。母は水商売をしながら女手一つで千石を育てた。しかしその分、母親は構ってやれず、千石はグレて高校生ほどから不良になる。このこともあり、性格は短気で喧嘩っ早い。
千石が高校生の時、整体院の前で他校の生徒と喧嘩をしていた。するとその当時、整体院を経営していた師匠に喧嘩を仲裁される。そして「喧嘩する体力があるならうちで働け」と雇われる。当初は厳しくも暖かい、感じたことのない師匠の優しさに戸惑い、短気なことから衝突も度々あった。しかし徐々に師匠を信頼し、不良をやめて整体師の専門学校にも通うようになる。師匠の死後、その整体院を継ぐ。
アパートで一人暮らしをしていたが、ある日元カノである真希から娘の愛梨を預けられ、突然シングルファーザーになる。
愛梨を引き取った当初は、母親を恋しがり我儘を言ったり、好き嫌いが多い愛梨と上手くいかなかった。自分も虐待されていた経験から、愛梨にも手を出してしまうのではと千石は不安になる。そんな時、幼稚園で偶然、10年来の友人である晴海と再会した。晴海もまた、妻と離婚し息子・清一郎を引き取っていた。
晴海とは、千石が高校生の時に出会っていた。きっかけは晴海が就活中の面接前にぎっくり腰になり、千石がバイクで面接会場まで送って行ったことだった。その後、晴海は無事に内定を獲得。そのお礼に、留年の危機であった千石に勉強を教えた。千石もそのお陰で高校を卒業することができ、2人の仲は深まっていった。
ある時、晴海がぎっくり腰で清一郎の迎えに来れなかった。千石が清一郎を引き取り、共に晴海の家へ帰ると家の中はゴミだらけだった。晴海は過去のトラウマや、今まで仕事一筋だったために家事が一切出来ないのだった。千石は放っておけず、しばらく愛梨と共に泊まり込みで晴海と清一郎の世話をすることにした。
お互い子育てには不安ばかりで、とても一人前とは言えない。しかし、2人で支え合っていけば、なんとかなるのではないか。晴海と千石はお互いにそう思い、この生活がきっかけでルームシェアに至った。
ネグレクト気味の家庭で育ったことや、母が料理の出来ないタイプだったこともあり家事全般が得意。
娘が作ったものは別腹と言い聞かせているが、甘いものが苦手。晴海とは性格も趣味も正反対だが、食に関しては気が合う。
晴海 昌弘(はるみ まさひろ)
真潮出版の編集者。清一郎の父親。青年向けの漫画雑誌『バンク』で複数の漫画家を担当している。身長は182センチメートル。酒は強い。
とにかく優しい性格で、当初は言いたいことを言わないまま我慢する性格であった。
妻の涼子とは大学で出会った。大学卒業後に結婚、清一郎が生まれる。その後、晴海の仕事が忙しく家庭に構えなかった。
その結果、妻の涼子が不倫したことがきっかけで離婚。涼子に対してもうまく怒れないまま、清一郎の親権だけはと主張し引き取った。しかし今まで家事をしてこなかった晴海に、子育ては至難の業だった。また包丁は、山代という漫画家の自殺未遂事件がきっかけで握れず自炊が出来なかった。
自身がぎっくり腰になり、千石にお世話になったことがきっかけでルームシェアを始める。そして千石と暮らすようになり「言いたいことは言わないと伝わらない」と千石に言われたことがきっかけで、自分の気持ちや思いも口にするようになる。
料理教室での練習や、「清一郎に美味しい料理を食べてもらいたい」という気持ちで練習を重ね、包丁も徐々に克服していった。
出身は宮崎で、父親は地元銀行の支店長、母親は東京出身。また、姉が1人いる。
頑固で無口な父親とは剃りが合わず、編集者の仕事を選びたいと話したときも衝突した。そのため半ば逃げるように、宮崎を出て東京の大学にやってきた。地元の銀行に就職する以外を認めない父をよそに、晴海は真潮出版に就職した。なお最終回では編集長になっている。
愛梨(あいり)
千石と真希の娘。無邪気で快活な性格。普段はツインテールにしている。将来の夢はお姫様とクレープ屋さんなど多彩。身長は、年長組に進級する春休みの5巻の時点で101センチメートル。
母親と二人暮らしだったが、愛梨が4歳の春に真希が海外勤務をすることになった。そのため、一切面識のなかった父親である千石のもとに預けられる。幼少期からいろいろな人に預けられていたせいか、人見知りもしない。
千石と暮らすことになった時も「ママはお仕事で海外行くんでしょ」とすんなり受け入れていた。言いたいことは言う、したいことはする子どもらしいタイプなので、周りと衝突することも多い。幼稚園でシングルファーザー同士でルームシェアをしていることをからかわれ、すぐ手が出てしまって喧嘩になることもあった。他の子が清一郎を揶揄って、清一郎の代わりに怒ったり喧嘩することも多かった。
しかし、成長と共に自分の気持ちと向き合うこと、周りと分かり合うことを学んでいく。
好き嫌いが多く、人参が食べられなかったが克服。それを千石に褒められた時は、本当に嬉しそうにしていた。その後、真希にも「にんじん食べられたんだよ!」と自慢げに報告していた。
食の好みは特に真希似、表情は千石に似ている。
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目次 - Contents
- 『パパと親父のウチご飯』の概要
- 『パパと親父のウチご飯』のあらすじ・ストーリー
- 二人の父親
- 料理教室
- 千石の苛立ち
- 親と向き合う
- 中学生の清一郎と愛梨
- 『パパと親父のウチご飯』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- 千石 哲(せんごく てつ)
- 晴海 昌弘(はるみ まさひろ)
- 愛梨(あいり)
- 晴海 清一郎(はるみ せいいちろう)
- 料理教室dan-dan
- 檀 ゆかり(だん ゆかり)
- 檀 茜(だん あかね)
- 千石の関係者
- 真希(まき)
- 千石の師匠
- 師匠の奥さん(杉田)
- 阿久津 竜也(あくつ たつや)
- 千石の母
- 晴海の関係者
- 涼子(りょうこ)
- 保岡
- 晴海の母
- 晴海の父
- 山代 尊(やましろ たける)
- 愛莉と清一郎の同級生
- 信行(のぶゆき)
- 中村 さくら(なかむら さくら)
- てぃあら
- 健(たける)
- その他
- 健ママ
- 春風(はるかぜ)
- 樹里(じゅり)
- ハル
- 『パパと親父のウチご飯』の用語
- 店・施設
- 千石整体院
- 真潮出版
- カフェ dan-dan
- 幼稚園
- 高千穂牧場
- cafeレストラン ゲスト
- 調理器具
- ブレンダー
- 型抜き
- 『パパと親父のウチご飯』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 千石哲「ウチは変だ」
- 愛梨「へんだけど、ちょーたのしーもん」
- 健ママ「晴海さんも千石さんも立派な父親です」
- 晴海昌弘「清一郎のこと世界で一番大好きだから」
- 晴海昌弘「僕は1人じゃないから」
- 真希「おかえり!」
- 千石哲「愛梨を産んでくれてありがとう」
- 『パパと親父のウチご飯』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 作者・豊田悠も燻製にハマる。
- 宮崎弁の監修は株式会社読書人の黒木重昭