残酷・悲惨でも観るべき名作映画まとめ!『U・ボート』など

ここでは残酷・悲惨な内容でも、観るべき価値のある名作映画をまとめた。すべてを失った男と体を売る女の愛を描いた『リービング・ラスベガス』、第二次世界大戦でドイツ軍の潜水艦に乗り込んだ若者たちの悲劇を描いた『U・ボート』などを紹介している。

▼『幸福』

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”「幸福」というものの意味に鋭く切り込んだ、美しくも余りに残酷な作品”

アニエス・ヴァルダ監督・脚本、ジャン・クロード・ドルオー、クレール・ドルオー、マリー・フランス・ボワイエ主演による1965年の作品。妻のテレーズと2人の子供と共に平凡に暮らしていた青年フランソワ。ある日、近くの町で働く娘と知り合った彼は、徐々に彼女に愛情を感じるようになる。しかし、彼には罪悪感は無かった。愛する女性が二人できても、それは幸福な事だと。妻にすべてを告白した後、妻は「あなたが幸せならば」と答えた。純粋に喜んだ彼だったが、そんな日に信じられない事が...。

一見すると幸福な家族を描いている、その奥には幸福というものの持っている残酷さを赤裸々に見せられる。本当にこれが幸福なのか?

アニエス・ヴァルダは、ベルギー生まれではあるが、フランスに渡って1950年代から活動する映画監督。「ヌーヴェルヴァーグの祖母」と呼ばれる事もある。夫は『シェルブールの雨傘』や『ロシュフォールの恋人たち』で知られる故ジャック・ドゥミ(写真右)。写真家でもある彼女が作り出す映像世界は、美しく儚い。そんな中に辛辣なメッセージや批判や提唱を込める映画作家である。

『幸福』

間違いなく幸福の風景で、間違いなく美しいハッピーエンドなのだが、身も凍るように恐ろしいラストシーンとしてトラウマになっています。フランソワのように幸福を求めることは、果たしてどんなに恐ろしいことなのか?

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誰もが幸せで、誰もが傷ついていないように描かれるので、それでもいいんじゃないか…と次第に思えてきてしまうのですよね。でもそれは…真実ではなかったのですよ。

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愛と呼ばれるものをえぐり出すように描いたこの残酷な映画が語るものはなにか。私の親しい友人は、「幸福」をみて、結婚するのをやめたという。それほどの力をもつ「幸福」は、女性たちの伝説となって今に生きている。

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▼『ひとりぼっちの青春』

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”大恐慌時代、喪失感に苛まれた人間の努力の結果がこれでは悲しすぎる!”

ホレース・マッコイの原作『彼らは廃馬を撃つ』を、巨匠シドニー・ポラックが監督、ジェーン・フォンダ、マイケル・サラザン主演により映画化した1970年の作品。1932年、世界恐慌時代のアメリカはハリウッド。この大きな町にも、失業者が溢れかえっていた。その中の1人である青年ロバート(マイケル・サラザン)は、あるダンスホールに足を踏み入れる。そこで行われていた、昼夜ぶっ通しで踊り続けて最後に残った者に賞金が与えられるというダンスマラソンに参加する事になるが...。

終わりの見えないダンスマラソンを通して、この時代の閉塞感と社会病理、そして勝利に執着する人々の狂気を描く!

失業者の青年が、賞金を懸けた夢を追いかけるストーリー..では決して無い!いつ終わるとも知れない悪夢のようなダンスマラソンを通して、恐慌時代という出口の見えない疲弊した時代の閉塞感と狂気を描いた秀作。この時代の絶望感をストレートに表現した残酷過ぎるラストには圧倒される!

『ひとりぼっちの青春』予告編

世界恐慌の時代を舞台に、不況で貧困にあえぐ人々を主人公にした内容であり、とてつもなくシニカルで残酷なクライマックスが待ち受けている映画なだけに、できる限り体調の良いときに、かなり覚悟を決めて観ることをオススメしたいと思います。

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悲惨なエンディングとなる。あっと驚く事実が判明する。これがタイトルの「廃馬を撃つ」につながる。暗い青春の話で鬱々とした気分になるが、この鬱々さが大恐慌時代を象徴していた。

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