ぐらんぶる(第1話『ディープブルー』)のあらすじと感想・考察まとめ

主人公の北原伊織は大学進学を機に、叔父の古手川登志夫が経営するダイビングショップ『グランブルー』で暮らすことになる。新生活への期待に胸を膨らませながら店の扉を開けると、中に居たのは裸で騒ぐ筋骨隆々の男たちだった。伊織は、その男たちが属するダイビングサークル『ピーカブー』に半ば無理やり入会させられてしまう。
今回は「ぐらんぶる」第1話『ディープブルー』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。
「ぐらんぶる」第1話『ディープブルー』のあらすじ・ストーリー

伊織の新生活が始まる
北原伊織は大学進学を機に、ダイビングショップ『グランブルー』を経営する叔父・古手川登志夫の家で暮らすことになる。太陽が照りつける広大な海、そして岩礁でウエットスーツを脱いでいる女の子、それらを眺めつつ、10年ぶりにやって来た海沿いの町での新生活に胸を躍らせる伊織だったが、いざ店の門戸を開けてみると、中に居たのは裸で大騒ぎする筋骨隆々の男たちだった。

伊織を追いかける時田(右)と寿(左)
男たちの裸騒ぎがいつもの光景であると聞いた伊織は、「実家に帰らせていただきます!」と言い、たまらず店から逃げ出す。その様子を見ていたダイビングサークル『ピーカブー』の会長・時田およびメンバーの寿は、伊織が自分たちと同じ伊豆大に入学することを知るや否や、新メンバーに引き入れるため服も着ないまま伊織を追いかけ始めた。
時田「待て、新人! 何故逃げる!?」
伊織「逃げるに決まってるでしょ!」
寿「さてはお前、人見知りのシャイボーイだな!」
伊織「自分の格好分かってます!?」
時田「そんなことはどうでもいい!」
伊織「いいわけあるかーっ!」
寿「とにかく俺達の話を聞くんだ!」
伊織「ひいっ、いーやーだー!」

伊織をダイビングサークル『ピーカブー』に勧誘する寿
時田たちが裸で騒いでいたのは、ダイビング機材の準備役を決めるためのジャンケン、もとい野球拳をしていた為だった。その後、成り行きでタンクの準備を手伝うことになった伊織を、寿は改めてピーカブーに勧誘する。
寿「ダイビングに興味は?」
伊織「ありますよ」
寿「そうか!」
伊織「でも、やる気はありません」
寿「何故だ? やってみたくないのか?」
伊織「……俺、泳げませんから」
寿「ハハッ! さてはお前、国語が苦手だろ?」
伊織「何ですか急に」
寿「だって『やりたい』か『やりたくない』に、『出来る』『出来ない』で答えるなんて!」
伊織「でも、海に潜るのに泳げないなんて」
寿「そんなもんどうにでもなる!」
伊織「どうにでもって、そんな……」
寿「最初から自分が出来るものだけ選んでたら何も始まらない。大事なのは、お前が興味をいだいているかどうかだろ?」

従姉妹の菜々華と会うのも10年ぶり
タンクを運搬する道中、伊織の従姉妹・古手川菜々華がウエットスーツ姿で海から上がってきた。伊織の姿を見てすぐに駆け寄ってきた菜々華に対し、伊織は10年ぶりに見る彼女をすぐには自分の従姉妹と認識できず、思わず「初めまして」と返事をしてしまう。
伊織「すみません、気がつかなくて」
菜々華「10年ぶりだもんね。千紗ちゃん(菜々華の妹)にはもう会った?」
伊織「いえ、まだです」
菜々華「会ったらビックリするよー、とびっきり可愛くなったんだから。さっきまで一緒に潜ってたんだけど」
伊織「あっ、もしかして……(最初に見た女の子を思い出す)」

野球拳を勧められるも、断固拒否の姿勢を見せる伊織
菜々華「時田くん達のサークルに入るの?」
伊織「いえ」
菜々華「ダイビングは嫌い?」
伊織「嫌いじゃないと思いますけど……」
菜々華「じゃあ、なんで?」
伊織「せっかく男子高を卒業したんで、距離を取りたいんですよ」
菜々華「距離? 何から?」
伊織「それは……こういう男子校のノリってやつからですよ!」
ウエットスーツの洗濯を終えた伊織と菜々華がグランブルーへ戻ると、店内では相変わらず半裸ないし、全裸の男たちがジョッキを片手に盛り上がっていた。平然としている菜々華を他所に、伊織は時田と寿によって強引に酒の席につかされる。
寿「取り敢えずこれ(ビール)を飲んで、野球拳から始めてみるべきだろう!」
時田「何事も経験だ」
伊織「それ絶対必要のない経験ですよね!?」

結局ノリで野球拳に混じってしまう伊織と、そこにタイミング悪く帰ってきた千紗(奥)
その夜、菜々華の妹・古手川千紗がグランブルーに帰ってくると、10年ぶりに会う幼馴染の伊織が半裸でジョッキを掲げている光景が飛び込んできた。酔った勢いで野球拳を楽しんでいた伊織も、千紗の冷めた目つきを見ると思わず固まってしまう。
伊織「よお、久しぶりだな千紗。俺のこと覚えてるか?(千紗の肩に触れる)」
千紗「(伊織に触られた服を菜々華に差し出しながら)これもう捨てないとダメみたい」
伊織「俺の手そんなに汚いのか!?」
千紗「伊織がこんな頭の悪い人間になってるとは思わなかった」
伊織「違うんだああああ……くっ! 何でこんなことに!」
千紗に汚物扱いされた上、唯一の癒やしだった菜々華が重度のシスコンであることを時田たちから知らされた伊織は、家でのドラマを諦め大学生活の充実を誓うのだった。

起きたら既に大学構内で、しかも大勢の視線を浴びていた
その後、時田が二次会を提案するも、終電や翌日のバイト等を理由に帰るメンバーがいた。解散ムードに便乗して自分も離脱しようとする伊織だったが、時田や寿は案の定それを許してくれなかった。
寿「お前は終電とか関係ないだろ?」
時田「家はここだもんな」
伊織「いやいやいや、明日の9時から初日のガイダンスですから!」
時田「なーに、大丈夫だ。任せておけ」
寿「絶対に遅刻しないようにしてある」
翌朝、時田や寿と共に何故か野外で寝ていた伊織は、頭痛を覚えながらも起き上がってスマホの時計を確認する。遅刻寸前であることに焦る伊織だったが、スマホを向けてくる大勢のギャラリー、そして自分の背後に建つ講堂を目にする。伊織は自分が既に大学構内にいることを理解するのだった。

服を取りに帰るため、千紗に道案内を頼む伊織
ガイダンスが終わり、伊織は服を取りに帰るため千紗に道案内を頼もうとする。半裸の男と一緒に歩くことを当然のように嫌がる千紗に対し、あろうことか伊織は彼女の着ている服を要求しだした。
伊織「お前が一緒に帰りたくないのは分かった。でも俺も困っているんだ、だからお前の服をくれないか?」
千紗「(そばを通りがかった教員に対し)半裸の変態が着ているものを寄越せと迫ってきていて」
伊織「待ったー! 従姉妹だよな俺達!? 俺の困りごとはお前の困りごと、お前の服は俺の服、そういう助け合い関係だろ!?」
千紗「ちょっとやめて……そういうことを大声で言わないで」
伊織「そういうこと?」
千紗「その、『従姉妹』とかそういう」
伊織「なるほど。それじゃあ……服をくれなかったら、俺とお前が一緒に暮らしていることを言いふらす」
千紗「っ……分かった。脱ぐ、脱ぐから……お願いします。家のことは言いふらさないで下さい」
伊織「ちょっと待った。そのセリフって傍から見るとスゲー犯罪臭が……」
そんな話をしているさなかに警備員が現れ、連行されそうになった伊織はたまらず外へ逃げ出した。

伊織に助け舟を出そうとする耕平
伊織が警備員から身を隠している所に、同級生の今村耕平が現れる。ガイダンスで同席した際には、アニメ系のTシャツを着ているのを見て「コイツとだけは関わるまい」と思っていた伊織だが、耕平が自分に助け舟を出そうとしているのを知ると、一転して彼への評価を改める。
耕平「事と次第によっては助けてやらんでもないが」
伊織「お前実は良い奴だったんだな!」
耕平「今村耕平だ。で、何があったんだ?」
伊織「聞いてくれ。千紗の奴、俺を家まで連れて行かない上に、服すら脱がないんだ!」
耕平「警備員さーん!」
伊織「ワンモアチャンスプリーズ!」
耕平「ストーカーに強制わいせつ、話を聞く余地なんか無いだろ!」
伊織「それには事情が!」
耕平「なら、その事情ってやつを留置所で話すこった。じゃあな」
伊織「待った、話はもういい。その代わり……着ているものを脱いでくれ!」

サークル宣伝中の寿に服を要求する伊織
耕平にぶん殴られ、再び警備員から追われる立場に戻った伊織は、最終的にサークル勧誘をしている寿らに匿ってもらう。警備員を撒いた後、懲りずに服を要求する伊織に対し、寿は服を貸す代わりに新メンバーを一人連れてくるという条件を突きつけた。

言葉巧みに耕平をピーカブーへ連れて行こうとする伊織
「自分が中心の女子高生美少女ハーレムサークル」が見つからないことに落胆していた耕平のもとに、ピーカブーに新人を一人連れて行くというミッションを背負った伊織が現れる。
伊織「諦めるなよ耕平。諦めなければ夢は叶う、世の中ってのはそういうもんだろ?」
耕平「だが、現実は冷たいんだ……っ! どいつもこいつも『寝ぼけるな』だの『大学に女子高生が居るか』だのと、訳の分からないことばかり! 大学に来たら新世界が広がって、夢のような生活が待っていると思ったのに……」
伊織「あるさ、新世界も夢の生活も。ただお前はその入口に気づいてないだけなんだ」
耕平「そう……なのか?」
伊織「どうだ、一緒に夢の入り口に踏み込んでみないか?」
口八丁で耕平を言いくるめ、自分に同行させることに成功した伊織。大男2人に拘束される耕平を他所に、伊織は服を着れる喜びを噛み締めていた。
時田、寿「ウェルカーム!」
耕平「謀ったな貴様ーっ!」
伊織「ふう。服は人類の叡智の1つだなー」

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