ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒(平成ガメラ)のネタバレ解説・考察まとめ
『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』とは、大映制作の平成ガメラシリーズ第3弾。前2作を受けての完結編として作られた。1999年3月東宝系公開。監督は前2作に引き続き金子修介。前作『ガメラ2 レギオン襲来』から3年後の世界を舞台に、ガメラによって両親を殺された少女の憎しみが生んだ謎の生命体イリスとガメラとの壮絶な戦いを描く。京都駅での最終決戦は怪獣映画史上初の屋内決戦となった。キャッチコピーは「わたしはガメラを許さない。」
体長:99メートル
体重:199トン
翼長(展開時):199.9メートル
触手最大到達距離:1,999メートル
最高飛行速度:マッハ9
特徴
南明日香村の山奥の祠から覚醒した謎の生命体。南明日香村の八代(社)の沢に「柳星張」の名で遥かな昔から卵の状態で封印されており、仮に復活を果たすことがあれば世界を終焉に導くと恐れられていた。そのため守部一族が代々封印の防人を務めていた。劇中ではギャオス変異体と断定されてはいるものの、いつから存在しているのか、どういった経緯やきっかけでギャオスから変異したのか等は明らかにされておらず、多くの謎に包まれている。
かつてのガメラと同様に勾玉(形状は鋭く尖った装飾で色は黒、交感時には青みがかった発光を伴う)を用いて人間と精神交感を行う。捕食時に相手の体液から遺伝子情報を読み取り即時解析することで、相手のDNAを自分のDNAに組み込んで相手の能力や特性をコピーし、染色体レベルで無限に自己進化したり、腹部の中心の発光体部分が開いて、強力な吸引力で生き物を吸い込み、体内に取り込んでしまうというような能力を持っている。
4本の触手の先端は矢じり状になっていて、ギャオスより遥かに高出力の超音波メスを放つほか、生き物に突き刺して、獲物の体液を吸い尽くしてしまう。また、この部分には独立した中枢器官(副脳)があり、それぞれ個別に自己判断を下し、敵からの攻撃に対処する。
両肩の翼から発生させた半透明の膜で軌道をとり飛行。攻撃の際は1本ないし、2本閉じて攻撃に使う。また、両肩にある突起の付け根部分から、ジェット噴射のような役割を担う部分があり、ここでも機動調整を行っている。飛行速度はマッハ9で、この際脚も触手状に変化している。
イリスには3つの形態が確認されている。
第1形態
南明日香村の祠で覚醒した際の状態、いわゆる幼体の状態であり、体長1メートル程の巨大なカタツムリのような外見で頭部には二つの黒い瞳は認められるが口は存在しない。体を覆う殻からは触手が何本か出ており、その先に収納されている鋭くとがった爪のようなものをエサとなる対象に突き刺し、体液を吸い取ることで捕食を行う。
第2形態
山中にて綾奈と融合を試みた際の状態。幼体であった第1形態が山中の野生動物を捕食した結果、殻を開き触手が更に増え、発光する部分が形成されるなどの成体時の特徴が表れ始めている。人間との精神交感を試みるため対象の人間との生体融合をしようと、自身の繭の中に取り込み神経系統の融合を図る。融合の際は触手と薄い皮膜で取り込み、粘液状の物質で覆われた繭を形成する。この段階の大きさは体長3メートル程度で、融合途上段階までは目の形状は幼体同様、黒目の両眼であり、繭の中に見えるその姿からでも確認できる。更に頭の3本の突起も少し、大きく成長している。
第3形態
成体となった状態。体色がオレンジに変化し、無数にあった触手も槍腕や脚に姿が変わり直立二足歩行を行うなど、人間的な特徴の体を持った状態となる。頭部の形は僅かにギャオスの面影を残してはいるが新たに発光する単眼とそれを覆う外骨格が旧頭部の上部に形成されている。身体的な特徴として単眼の他にも両肩から2本ずつ計4本生えている伸縮自在の触手、両腕の鋭利な槍状の手甲、部分的に発光する胴体、背面の4枚の翼状の突起などが認められる。背中には、ガメラの甲羅によく似た外殻が存在する。ギャオス同様、超音波メスを攻撃手段としてはいるものの、全体的な形態は上記の通り人型であり、頭部を除いてギャオスの原型はおろか面影を認めることすら困難である。鳴き声はギャオスのような甲高い声では無く、フクロウやキジバトなどの鳥類の声を濁らせたような低い声で発声する。
ギャオス・ハイパー
プロフィール
体長:88メートル
翼長:190メートル
体重:78トン
特徴
劇中では単に「ギャオス」と呼ばれている。
ガメラがレギオンとの戦いで大量の「マナ」を消費した影響で、世界中にある耐久卵が一斉に孵化したことが示唆されており、世界中に大量発生したとされる。
『ガメラ 大怪獣空中決戦』のギャオスと比較すると、体格はよりシャープかつ動物的なものとなり、体色も黒っぽくなっている。また、飛行能力のみならず繁殖力も大幅に増大している。前作までのギャオスにはなかった肘が形成されており、被膜を支える指のうち2本が肘の先から生えているほか、翼の皮膜のない3本の指の1本が親指のように生えている。
『ガメラ3 邪神覚醒』の主な登場人物・キャラクター
長峰 真弓(ながみね まゆみ/演:中山忍)
本作の主人公で、鳥類学者。
4年前にギャオスを発見して以来、今やその研究の第一人者となった。
日本政府が設置した「巨大生物被害対策委員会」にも出席し、ギャオスに関する事柄をまとめた『怪鳥と遭遇した日』『ギャオス生存の可能性』という著書を出版している。(その著書が私室に置かれている)
浅黄から地球の生命エネルギー「マナ」について聞かされ、3年前のレギオンとの戦いで、それらを使ったことがギャオス大量発生の要因であったことを知ると同時に、奈良県の南明日香村でイリスの存在を知ることになり、やがてガメラとイリスとの戦いに関わっていく。
比良坂 綾奈(ひらさか あやな/演:前田愛)
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目次 - Contents
- 『ガメラ3 邪神覚醒』の概要
- 『ガメラ3 邪神覚醒』のあらすじ・ストーリー
- 復讐を願う少女
- 渋谷の惨劇
- 新種怪獣の脅威
- 大空中戦
- 決戦の京都
- 『ガメラ3 邪神覚醒』に登場する怪獣
- ガメラ
- プロフィール
- 特徴
- イリス
- プロフィール
- 特徴
- 第1形態
- 第2形態
- 第3形態
- ギャオス・ハイパー
- プロフィール
- 特徴
- 『ガメラ3 邪神覚醒』の主な登場人物・キャラクター
- 長峰 真弓(ながみね まゆみ/演:中山忍)
- 比良坂 綾奈(ひらさか あやな/演:前田愛)
- 草薙 浅黄(くさなぎ あさぎ/演:藤谷文子)
- 守部 龍成(もりべ たつなり/演:小山優)
- 守部 美雪(もりべ みゆき/演:安藤希)
- 朝倉 美都(あさくら みと/演:山咲千里)
- 倉田 真也(くらた しんや/演:手塚とおる)
- 大迫 力(おおさこ つとむ/演:螢雪次朗)
- 比良坂 悟(ひらさか さとる/演:伊藤隆大)
- 日野原 繁樹(ひのはら しげき/ 演:堀江慶)
- 斉藤 雅昭(さいとう まさあき/演:本田博太郎)
- 桜井(さくらい/ 演:八嶋智人)
- 繁樹の両親( 演:斉藤暁、根岸季衣)
- 綾奈の両親( 演:三田村邦彦、かとうかずこ)
- 野尻 明雄(のじり あきお/ 演:川津祐介)
- 大野一等陸佐(おおのいっとうりくさ/演:渡辺裕之)
- 八洲海上保険・応対の社員(演:生瀬勝久)
- 医師(演:田口トモロヲ)
- 女性キャンパー(演:仲間由紀恵)
- 守部家の刀自(演:清川虹子)
- 航空総隊・司令(演:津川雅彦)
- 知美、早苗、夏子(演:竹村愛美(知美)、藤崎安可里(早苗)、山口日記(夏子))
- 『ガメラ3 邪神覚醒』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「ガメラの墓場…?」
- 「あんたもガメラに家を壊されて、大事な人を踏み潰されてみなさいよ!」
- 「私らが知ってるギャオスとはだいぶ様子が違うごとありますな」
- 「それじゃ誘拐じゃないですか!」
- 「あいつも京都へ向かうかもしれん…」
- 「朝倉さん、それが死か…」
- 『ガメラ3 邪神覚醒』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 本作には第1作へのオマージュが詰まっている
- 今回も各局のアナウンサーが出演している
- 渋谷での大規模なロケーションを予定していた
- 本編の舞台となった「南明日香村」は架空の村
- 前作のヒロイン・穂波碧が登場予定だった
- ガメラの必殺技に悩んだ
- 映画本編後の展開
- 『ガメラ3 邪神覚醒』の主題歌
- ED(エンディング):ユリアーナ・シャノー「もういちど教えてほしい」
- 『ガメラ3 邪神覚醒』の関連映像
- 予告編映像