BILLY BAT(ビリーバット)のネタバレ解説・考察まとめ

『BILLY BAT』とは、浦沢直樹による漫画作品。ストーリー共同制作は長嶋尚志。『モーニング』(講談社)にて、2008年から2016年にかけて数回の長期休載を挟みつつ連載された。
歴史の裏を描くSF大河作品。特定の人物に取り付き、未来を予言する「こうもり」の声を聞いた人々が、やがて歴史的な事件に大きく関わっていく様子を描く。

ゲイリー・デヴィヴィエ

ヘンリーの父。ロサンゼルスの刑事で、1924年の連続日系人殺人事件を捜査していたが、実はこの事件の犯人である。
幼い頃に父親が日系人の愛人を作り家を出て行ったというトラウマから日系人を恨んでおり、日系人の殺人を繰り返していた。彼が事件の犯人であるという事に気づいた妻・シシーを殺害しようとするが、それを止めようとした師匠と刺し違えて死亡する。

シシー

ヘンリー・チャールズ・デヴィヴィエの母親。1924年のロサンゼルスで花売りをしていた。ヘンリーを妊娠中に、偶然、夫であるゲイリー・エドガー・デヴィヴェエが連続日系人殺人事件の犯人であることを知ってしまった。

山下

1964年の光森村に住む少年。追っ手から身を隠す雑風の生活を支えている。雑風の作品のファンであり、彼の弟子を名乗っている。
1964年以降、青年時代はアルバイトとして「ビリーランド紀州」で働き、その後正社員となりビリーランド日本支部の社長に就任した。

トニー・グッドマン

ケヴィン・グットマンの父親。
大企業であるゴールデンコカコーラ社の御曹司であり、若いうちからゴールデンコカコーラ社工場のマネージャーを任せられていたが、気弱な性格で工場内のもめ事の処理などは大の苦手としていた。工場で働いていた黒人女性・ダイアンと出会い、彼女の勇敢さやリーダーシップに惹かれて次第に恋仲になる。
ダイアンと結婚しようとするも、ダイアンが黒人であることから親族中から反対されてしまい、彼女との結婚が破談になりかけてしまう。しかし、たまたま出会ったタクシー運転手のランディ・モモチの手助けを経て無事結婚する。その後ダイアンとの間に一人息子のケヴィンをもうけた。ゴールデンコカコーラ社の支社長を経て社長になる。
過去に漫画家を志していたことがある。ヤマガタ版「BILLY BAT」の熱心なファンであり、息子の名前もケヴィン・ヤマガタに由来する。息子であるケヴィン・グットマンが漫画家になり、「BILLY BAT」の続編を描いていることを嬉しく思っているが、その一方でゴールデンコカコーラ社を継いで欲しいとも思っている。
2018年には認知症が進み、ぼけかかっていた。

ダイアン・グッドマン

ケヴィン・グットマンの母でトニー・グットマンの妻。勇敢かつリーダーシップがある性格。
ゴールデンコカコーラ社の工場で働いていたことからトニーと知り合い、次第に恋仲になる。
トニーと結婚しようとするものの、トニーが白人でありダイアンが黒人であることからトニーの親戚一同から結婚を反対され、彼との結婚を諦めかける。しかし、偶然出会ったタクシー運転手のランディ・モモチに手助けにより無事結婚する。
その後、トニーとの間に一人息子のケヴィンをもうけ、成長後に漫画家として忙しく活動する彼を見守る。
2018年に心筋梗塞により倒れ、入院する。

シズコ

1949年の日本で娼婦をしていた女性。
友人のチャーリー・イシヅカの死に直面し、ショックを受けていたヤマガタと出会い、彼を心配して自分の家にかくまう。
しかし、その後ヤマガタが雑風からもらった、こうもりの予言が描いてある漫画を偶然読んだことで来栖らに殺害されてしまった。

来栖清志

こうもりを追っている謎の男。「下山事件」や「JFK暗殺」といった歴史的事件に陰で関わっている。
第二次世界大戦以前の日本にて、共産主義者の父親と母親の間に産まれ、少年時代には「アカの子」としていじめにあっていた。さらに父親を特高警察に殺害され、母親を父親の仇である刑事に寝どられてしまう。その後関東大震災にて母親を失い、世界や社会に対する憎悪を抱いたまま成長してこうもりに携わる組織に所属した。
晩年は願いを叶えることができるという「月にあるこうもり」を求めて月面着陸を目指すようになり、ソ連の協力で月面着陸に成功する。「月にあるこうもり」に人生のやり直しと人類の滅亡を願おうとするが、グッドマンがシナリオを描き替えたために何も願い事をしないまま月から見える地球の姿を眺めながら死亡した。

第二部

ケヴィン・グッドマン

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