銀河鉄道999（Galaxy Express 999）のネタバレ解説・考察まとめ

「ありがとうよ鉄郎！！ おれは世の中には信用できるやつもいるってことがわかってうれしいぜ。 うれしくってもこの顔じゃ笑えもしないし涙も出せないんだよ鉄郎！！ もっと早く、血や肉のあるうちにおまえと会えたら…胸の骨だってなくならずにすんだろうになあ…うちあけられる友だちがいたら…。 もう手おくれなんだよ、おそかったんだよ、何もかも…」

第33話「白骨の歌」のゲストキャラクター、ホロホロのセリフ。 恋人に裏切られ、友達もなく、貧乏から抜け出せないうちに温かい心も血も肉も失い、骨だけの体になったホロホロ。 鉄郎と出会い他人を信じようと思ってみたが、どうしてもできずに恋人とその彼氏を殺害、鉄郎に罪を擦り付けた。 鉄郎はホロホロの悲しみを背負い、殺人犯の汚名を着たまま999で去っていった。

999に乗ってしまえば治外法権なので、鉄郎が二度とこの星に立ち寄らなければどうということはないし、元恋人とその彼氏を殺してもホロホロの心の空白が埋まることはない。 鉄郎のしたことは友情といえるのかわからないが、ホロホロが感謝をしたことだけは確かである。

こんなんじゃなかった おれの心の中のふるさとは こんな情けないもんじゃなかった…

「そこにいるガキよ…笑うなよなあ。 おれは自分のふるさとがもっとましなところだと思って列車の針路を変えさせてもどってきたんだ…それがこんな所だったとはな！ おれには立派なふるさとがある…それを誇りにして…それを支えにして星から星を戦いながら旅をしつづけたんだ。 かじりとられてなくなりかけている ふるさとなんて…みじめだぜ…あれでは今度帰ってくるころにはなくなっているぞ。 こんなんじゃかった、おれの心の中のふるさとはこんな情けないもんじゃなかった…おれは二度とここへは帰ってこない…くるもんか！！」

第38話「停時空間のかじられ星」のゲストキャラクター、名無しの戦士のセリフ。
方法は不明だが列車の針路を変えて故郷であるかじられ星に戻ってきたが、その星は地面が食料として売れるため、地面を採掘し続けた結果かじられたリンゴのようにぼろぼろになっていた。 自分の住む星がボロボロなのに住民は全く意に介さず、合成ではないラーメンも出せる普通の生活を送っていた。 母星が消滅しても土を売った利益で別の星に移住できるからであろう。

形あるものはいつか滅びる。 そして自分の住処が経済価値のある商品であり、新しい住処が確保されれば特に故郷というものに執着する必要はないかもしれない。 それでも、自分の故郷を簡単に金に換えてもいいのか？ 単なる環境破壊では片づけられない、人の生きる道の方向性を問いかけるエピソードである。

たった一人、かつてのふるさとの光景を胸に生きていた戦士。
現実を生きており、新しい生活に目を向けている住民。

どちらが正しいのかはだれにもわからない。
そしてかじられ星がいつなくなったのかは誰もしらない。

私は私の作るネジが宇宙のどこかで大事な役に立っていることを信じて永久にネジを造り続けるのさ。 だれかがネジを造らなきゃならないんだものね

第43話「ウラトレスのネジの山」のゲストキャラクター、ラセンのセリフ。
一介のネジ職人の女性だが、他にも「人間の文明の基本は火と車輪とネジ」「私自身も人間の文明を支える一本のネジ」「自分で決心して自分でネジになったらけっして泣き言を言わないのが本物のネジ」などと、知的なセリフを数多く語っているところからして、高い教養の持ち主であることをうかがわせる。

人間は一本のネジという彼女のセリフは、惑星大アンドロメダの「るつぼ」につけられるネジへの伏線でもあったのだ。

人間だけが永遠の命を持って動物はどうでもいいのか…

第46話「卑怯者の長老帝国」での鉄郎のセリフ。

第45話「ミー君の命の館」で死んだペットの魂と触れ合った後鉄郎がメーテルに、ペットとの悲しい別れも機械の体さえ手に入ればなくなるんだ言ったが、その時メーテルは何も答えなかったのだった。 その後機械伯爵は機械化馬を持っていることを鉄郎が思い出し、疑問が生まれたようだ。
メーテルは「そうね、少しおかしいわね」と答えたにとどめ、鉄郎自身が答えを見つけたかどうかは不明である。

気力さえあれば 気力さえあればこの世にできないことなんかないよ！！ あってたまるか！！

第47話「霧の都のカスミ」での影郎（かげろう）のセリフ。
地球人の1/100の体力しかなく、一生を惑星霧の都で生きなければならないという宿命に逆らい、恋人カスミとともに鉄郎とメーテルのパスを奪って999に乗り込む。 しかし999発車時の振動に耐え切れず、二人は心臓マヒを起こして死亡した。
メーテルは「気力があっても…勇気があっても…夢や希望の火が胸の中でいくら燃えていても…どうにもならない人もいる…」と言って、二人の死に涙した。

私は あなたの想い出の中にだけいる女…私は…あなたの少年の日の心の中にいた青春の幻影…

最終回で、メーテルが鉄郎と別れる時のセリフ。 劇場版での名台詞をそのまま流用している。
だが、メーテルは鉄郎との別れは永遠ではないとも示唆し「大アンドロメダは未来か過去の地球かもしれない」「遠く時の輪の接するところで…まためぐりあいましょう」と言って去っていった。

鉄郎とメーテルの旅はまだ終わらない。

『銀河鉄道999（Galaxy Express 999）』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

メーテルの謎について

メーテルの肉体

今の肉体は一見普通の生身の体に見えるが、それはカムフラージュ・ランジェリーをつけているからである。 時間を操る女性リューズが「何千年時間を進めてもメーテルには意味がない」と言っているのがどういう意味かは、エターナル編ではあいまいに説明されているが詳細はいまだ不明である。
たまにメーテルに言い寄る男が現れると彼女は本当の姿を見せては追い払ってきた。 それを見ると百年の恋が一瞬にして醒めるほど、すさまじいものであるということしかわからない。 最終回で鉄郎にも見せようとしたが鉄郎は見ることを拒んだ。

黒い服