花咲くいろは(花いろ)のネタバレ解説・考察まとめ

『花咲くいろは』とは、P.A.WORKS制作による日本のオリジナルテレビアニメ作品、および、これを原作としたメディアミックス作品。舞台は石川県湯乃鷺温泉街。祖母が経営する温泉旅館「喜翆荘」に住み込みの仲居として働くことになった松前緒花が個性的な従業員に囲まれながらも、様々な経験を通して成長をしていく。

日渡洋輔(ひわたりようすけ)

CV:木村良平

緒花たちが宮崎への修学旅行で訪れた宿泊先の旅館「福洋」の跡取り息子であり、若くして番頭を務めている。結名とは遠い親戚で幼馴染みであり、許嫁。若くして旅館の番頭を務めるが、専業の仲居のかわりに機械を導入し、人件費を浮かせ、必要な時だけバイトで仲居を雇えばいいと考えていた。しかしアルバイトの仲居達に対する厳しい指導、待遇改善の要望を無視するなどアルバイト仲居たちとの間に軋轢が生じ、突然彼女たちがいっせいに辞めるという事態を招いてしまう。
もっと自分にあった仕事があるのになぜ旅館の仕事を続けるのかという結名に対し、旅館業にも大変なときもあれば楽しい時もあると言い、旅館の仕事が好きでないという結名とは許婚の関係を解消する。

『花咲くいろは』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

孝一「緒花が、それが一番だって信じてやったことならなんとかなるんだよ。これからもきっと。」(第9話)

いきなり増えた宿泊客の中に、湯乃鷺温泉街の特集記事を書くために潜り込んだ覆面記者が宿泊しているのではないかと疑いがかかる。女将不在の中、右往左往する喜翆荘の面々は、崇子の提案で覆面記者と思われるお客を優先に接客しようとする。しかし緒花はスイならば宿泊客全員に平等のおもてなしをすると崇子に対して反論する。
しかし店は多忙になるばかりで、友人の結婚式に出席して不在にしている徹を連れ戻すと言って緒花は一人で飛び出す。しかし徹が見つからず焦る緒花の携帯に、突然東京から湯乃鷺にこっそりと来ていた孝一から着信が入る。本当に自分のしていることは正しいのかとこぼす緒花に対して、電話で励ます孝一のセリフ。
周りを見ることに疎く、突っ走りがちな緒花。仕事をしていると緒花のように突っ走る人は敬遠されがちだが、事態を打開するには緒花のように突っ走る人が必要な場合もある。なかなか緒花に気持ちを気付いてもらえないが、一途で誠実な孝一の人柄がわかる。

皐月「私はこんな仕事を続けてきた。こんな仕事であんたを育ててきた。きれいな、人に胸張れる立派な仕事だけが仕事だと思ってる?」(第11話)

旅行雑誌の湯乃鷺温泉街の旅館ランキングを見た緒花たち。十年一律で何も変わっていないというコメントと共に喜翆荘は10点満点中5点だった。ショックを受けた緒花は喜翆荘を抜け出し、東京の出版社へと向かい、誰がこのような記事を書いたのかと出版社を殴りこみに行く。喜翆荘に悪い点数を付けた記事を書いたのは、フリーライターの母だった。ショックを受ける緒花は母に「今の喜翆荘を見ていないのに、なぜそんなひどい記事を書けるのか」「こんなひどい仕事のために自分は今まで我慢してきたのか」と詰る。そんな緒花に対して言った皐月のセリフ。
緒花は皐月は自由奔放で昔から娘との約束も守らない「ひどい」母親であり、皐月がしている仕事も「ひどい」と主張する。皐月は「人に胸張れる立派な仕事」ではないかもしれないが、緒花から「ひどい仕事」と言われる言われはないと突っぱねる。それまで皐月に対して自由奔放で母親として問題があるという目線でしか見えていなかったが、仕事に対する姿勢はスイと同様に真剣であるということがわかるシーン。

スイ「自分の進む道をすぐに見つけられる子もいれば、もっと高いところに登って、初めて道が見えてくる子だっているさ。回り道をしてもいい。間違った道で迷ってもいいんだ。それがあの子たちの特権なんだからね。」(第20話)

文化祭の準備で大忙しの緒花たち。緒花たちのクラスでは民子が調理班のチーフとなるものの、同じグループの女子とオムライスを作るかどうかで意見が合わず対立していた。しかし菜子の協力もあり、教室で使える調理器具でオムライスを作る方法を見つけ、丸く収まる。一方、喜翆荘では巴たちが民子のことを話していた。民子は毎月の給料の中から自分で使ったことのない食材を買ってきて練習をしていた。スイはそんな民子に対して「大した子だよ。中学の頃から板前になりたいと心に決めてて、卒業してすぐにうちに修行しに来たんだからね」という流れで出てきたセリフ。
民子のように道をすぐに決めて喜翆荘で板前修業をするという子もいれば、緒花のように喜翆荘に来て初めて自分が目指すものが見える子もいる。あるいは縁のように本当は映画監督になりたかったにも関わらず、姉と母の思いを汲んだ結果、番頭の仕事に就く人もいる。凛として近づきがたい雰囲気を醸し出すスイだが「迷うということ、間違うということが悪いことではない」というセリフからはスイの優しさがにじんでいるように思える。

スイ「結婚っていうのはね、本当の一人には絶対にならない。絶対にさせない。そういう約束なんだ。」(第21話)

縁との結婚を決めたものの、スイの反応がつれなく、悩んだ末に結婚を白紙に戻させてほしいとスイの部屋を訪ねた崇子。スイに自分は認められていないと思っていた崇子に対して言ったスイのセリフ。
スイは喜翆荘の女将になる前に別の旅館で仲居として働き、板前として同じ旅館で働いていた夫と出会い、結婚した。その後、夫と共に喜翆荘を一から立ち上げた。喜翆荘という旅館の名前には亡くなった夫が「スイが喜ぶ」という意味が込めてくれていたのだと崇子に告げるスイ。そんな崇子に対してスイは「縁を、あの子の喜びをよろしく頼みます」と頭を下げる。
「何のために結婚するのか」と改めて言われると、明確に応えることが難しいが、スイのこの一言に尽きるのではないかと思えるシーン。またスイ自身も喜翆荘を共に立ち上げた夫を既に亡くし、女手一つで喜翆荘の女将を務め、皐月と縁の子育てにも苦労をしている。そんな苦労を重ねてきたスイが言うからこそ、深く重みがある。

「四十万スイになりたい」(第26話)

皐月、スイの助太刀によって仕事がひと段落し、ぼんぼり祭りに行く喜翆荘の面々。
ぼんぼり祭りに下げられた願い事が書かれた「のぞみ札」の中に下げられた「四十万スイのようになりたい」という緒花の願いを見つけた皐月とスイ。
「女将さんのように仕事に誇りをもって、一生懸命になって、ちょっと子どもっぽくて、いつまでも一番最初の気持ち、最初の夢を忘れない」ようになりたいという緒花の願いが込められていた。
夜逃げした母に言われるがままに訪ねた喜翆荘。スイは祖母としてではなく喜翆荘の女将として緒花の前に立ちはだかり、厳しく接してきた。緒花の喜翆荘での日々は楽しいことばかりではなく時につらいこともあった。それでも緒花は喜翆荘で過ごした日々を大切にし、スイに対して尊敬の念を抱いていることが「四十万スイになりたい」という願いに込められている。

『花咲くいろは』の用語

ぼんぼる

第11話「夜に吼える」において、松前緒花が福屋旅館にて和倉結名とぼんぼりの洗浄をしている時に閃いた言葉である。
「ぼんぼる」→ぼんぼり祭りでのお願い→願いをかなえるために自分でがんばるの意味。第14話の緒花曰く 、「目標に向かって頑張りたいと思う、ざっくりした気持ち」。以後、ストーリーでは緒花の他の登場人物においも自分の目標に向かって頑張りたいと言う時に使われている。

ホビロン

主に民子から空気が読めない緒花に向け発せられる。元の口癖の「死ね!」では人に言うにあまりにもひどいと緒花から諭されて出てきた言葉。「ほ」んとに「び」っくりするほど「論」外の略。

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