北北西に曇と往け(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『北北西に曇と往け』とは、入江亜季によるアイスランドを舞台にした探偵活劇の漫画である。17歳の少年で主人公「御山 慧(みやま けい)」は両親を亡くし、祖父の「ジャック」がいるアイスランドで探偵稼業をしている。慧は機械とコミュニケーションが取れる不思議な能力を持っており、その能力を活かして人探しや物を探すという仕事をしている。2016年に『ハルタ』にて連載開始し、2021年からは『青騎士』へ移籍となった。2021年7月より単行本と比べ画面のサイズが大きくなっているワイド版が刊行されている。

慧の親友「清(きよし)」がアイスランドへ観光しにやってきた。慧は清をアイスランドの観光名所に案内したり、ジャックと一緒に温泉やハイキングに行ったりして清をもてなしていた。清が日本へ帰る前日、レイキャビクにあるジャックの家の前でとても大きなオーロラを見ることができた。清はまだ荷造りの途中であったが、慧は嬉しそうに「町なかでこれだけ見えるんだから、外行ったらすごいぜ」と清をドライブへと誘う。清はワクワクしているような顔で「…行こうかな」というので、慧は「よし!コーヒー取ってくる」と楽しそうに準備をするのであった。

リリヤ「ケイの足音、喋るよりもずっといい音。こんな風に話してよ」

リリヤは慧に胸のことを言われたので、イライラして楽器が弾けなくなってしまった。リリヤの気分転換のためにラキに観光に来る慧とジャックとリリヤだが、リリヤが山を登っているときに足をくじいてしまい、慧がおぶってラキを巡ることになった。霜柱の上をザクザクと歩く慧の足音がリリヤには心地よかったようで、リリヤは「ケイの足音、喋るよりもずっといい音。こんな風に話してよ」と言い、慧には直接見せたことのない笑顔を慧の背中で見せる。この後、ラキを見たリリヤは歌い、「スッキリした。帰ろう」と笑顔で言うのであった。

三知嵩の不思議な能力

三知嵩にも何か不思議な力があるようだが、詳細はまだ明らかになっていない。三知嵩が関わると不審な死や不思議な行方不明者が出ることが多く、そのことになんとなく気づいた人たちはみんな三知嵩から離れようとした。だが、離れようとすると三知嵩がそれを察して触れてくる。三知嵩が体に触れると、体が切断されたような感覚に陥り、意識を失ったり死んでしまったりする。外傷はないため、心臓発作などの病死として扱われることが多い。
慧やジャックは三知嵩のこの力のことは知らず、三知嵩が人殺しをするはずはないと信じている。

『北北西に曇と往け』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

慧は肉が大好き

慧は肉が大好きで、弟の三知嵩と無理やり離されて不機嫌になっていても、肉を見ればたちどころに上機嫌になるほどである。肉であれば何でも好きで、肉を食べているときは年相応の少年のような顔になる。貴重な肉をまずくするのはもったいないと、肉を焼くのは上手になった。肉ばかり食べる慧の食費が嵩むと、ジャックがよく嘆いている。

慧の苦手なものは美女と酒

慧はお酒が弱く、舐めただけでも酔ってしまうほどであった。寒いところでは体を温めるためにウイスキーを飲んだりするため、雨に振られてびしょ濡れになった慧にウイスキーを飲ませるが、軽く1杯だけで体中を真っ赤にして倒れてしまった。
また女性も苦手である。高身長で顔も整っているため女性に言い寄られることが多々あるが、慧は全く嬉しそうではなく、困っている様子がよく見られる。

ジャックは女好き

慧の祖父、ジャックは美女が大好きである。流されたカトラの水着を見つけた時も「ンッフッフ。美女のにおいだ」と嬉しそうにしていた。美女をナンパし、何か探しものなどがあれば慧を紹介するなど、仕事を持ってくることも多い。

清はアプリを制作しているエンジニアでもある

清は日本で高校生だが、アプリ制作をして企業に売っているエンジニアでもある。アイスランドに来る飛行機の中でも仕事をしており、清の作ったアプリを買いたいと申し出てくる企業とのやり取りに「いちいち手際が悪い」と文句を言っていた。慧と旅行をするときもパソコンを肌見放さず持ち歩き、景色を見た時の覚え書きなどをしている。

『北北西に曇と往け』の制作背景

単行本1巻の巻末に『北北西に曇と往け』の制作背景が書かれている。作者は「次の連載は、土を描こう。地面の下の物語にしよう」と考え、様々な学術本を読むなかで「火山と氷河の島アイスランド」に惹かれるに至ったと言う。作者は、前回の連載作品『乱と灰色の世界』が終わった後、休暇を使って各国を巡ることにした。そこでアイスランドでのドライブが一番の思い出となり、「アイスランドの自然と、生活と、車」を描こうと思い、本作を描き始めることになった。

kuroking5554
kuroking5554
@kuroking5554

目次 - Contents