英雄伝説 軌跡シリーズ(英伝シリーズ第3期)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『英雄伝説 軌跡シリーズ』とは、日本ファルコムが開発したRPGゲーム・英雄伝説(英伝)シリーズ 第3期の総称である。シリーズ作品全てがゼムリア大陸を舞台にし、七耀暦という暦を使っている。互いに関連し合うシナリオやキャラクターは、RPGとしてのクオリティとボリューム感の高みを実現しており、「イース」シリーズと並ぶファルコムを代表する作品として有名になっている。

「零の軌跡」「碧の軌跡」「暁の軌跡」の主な舞台となる、大陸西部に位置する自治州。西はエレボニア、東はカルバードとなっており、両国の領土争いの足掛かりとして狙われ続けてきた地域だったが、後に自治州として成立した。

中心都市のクロスベル市はゼムリア大陸でも屈指として知られる銀行「IBC」の本社が所在していることから大陸有数の貿易・金融都市として知られているが、その裏ではマフィアや犯罪組織が蔓延り、横行するなど犯罪都市としての危険な側面も内包しており、「魔都クロスベル」の悪名も持っている。

世界観・用語

導力

軌跡シリーズの作品を総じて登場する単語で、七耀石から取り出される神秘のエネルギー。消費しても時間が経つと自然と回復していくという特性を持つ。
そして、同じく軌跡シリーズの作品を総じて登場する、この導力によって稼働する「導力器(オーブメント)」は古い時代に作られた「古代遺物(アーティファクト)」と呼ばれる道具の研究から発明されたもので、照明・暖房・通信・兵器・乗り物と非常に幅広く使われるインフラストラクチャーとなっている。

ちなみに軌跡シリーズにおける魔法は「導力魔法(オーバルアーツ)」と呼ばれていて、戦術オーブメントと呼ばれる、魔法を発動する戦闘用の導力器によって使用できるという設定となっている。

七耀石(セプチウム)

鉱山などから採掘される天然資源の結晶体で、黄色、青、赤、緑、黒、金、銀の7色が存在し、それぞれに「地」「水」「火」「風」「時」「空」「幻」の7つの属性の導力が込められており、エネルギー資源として重宝されている。

そのため、商店や銀行などの施設でミラ(このシリーズでおけるお金)と換金でき、さらに導力器に組み込む「結晶回路(クオーツ)」と呼ばれるパーツに加工されるなど、様々な形で利用されている。ちなみに七耀石が砕けた欠片はセピスと呼ばれ、このセピスも換金することができ、さらにクオーツの原料となっている。

さらに軌跡シリーズで登場する「魔獣」と呼ばれるモンスターはセピスを餌として好む性質を持っており、戦闘で魔獣を倒すとお金代わりにセピスを入手できる仕組みとなっている。

戦術オーブメント

導力魔法を使うための戦闘用の導力器。7つあるスロットにクオーツをセットし、アーツを発動することができる。
ちなみに零の軌跡からは「エニグマ」と呼ばれる新型機が登場しており、このエニグマを携帯電話として使用することができる。

古代遺物(アーティファクト)

古い時代に作り出された導力器のようなもので、こちらも導力を使って動いたり、使用したりすることができる道具。この古代遺物の研究から導力器が生まれている。

その名前の通りに古代の遺物であり、多くはその力を失った状態で遺跡などから発掘されており、使い物にはならない。しかし、稀に力を失わずに残っているアーティファクトも存在しており、さらに強大な力を持つものもあるため、七耀教会はこれを恐れて無断所持・不法使用を禁止しており、力を持ったまま発見されたアーティファクトを回収・管理している。

七の至宝(セプト・テリオン)

古い時代の人々が、世界の創造神として語り継がれている《空の女神》エイドスから授かったとされる、強大な力を持った7つのアーティファクト。一つ一つが属性を司っている。

「空の軌跡」において空の属性を司る「輝く輪(オーリオール)」、「碧の軌跡」において幻の属性を司る「虚ろなる神(デミウルゴス)」がそれぞれ存在が確認されており、その他火・水・風・地・時の5つの至宝は確認されていない。

遊撃士協会(ブレイサー・ギルド)

様々な依頼を請け負う「何でも屋」として活動する一方、民間人の安全と地域の平和を守ることを第一の目的として活動する「遊撃士(ブレイサー)」たちで結成された民間団体。「空の軌跡」の主人公エステルとヨシュアも遊撃士であるため、この団体に所属している。
大陸中西部に位置するレマン自治州に本部を置いており、さらにゼムリア大陸各地に支部を置いていることで国家間交渉の仲介役を担う場合もある。

遊撃士はその人格・実績に応じて、最上級のAから最下級のGの7階級に区分されており、A級遊撃士は大陸全土で20数名程度しか存在しない。そして、非公式にはさらに特級となる「S級」が存在し、国家に大きく関わる事件などの解決という最も大きな功績を挙げた者に与えられている。
S級遊撃士は大陸全土で4人しか存在しなく、そのうちの1人にエステルの実父であるカシウス・ブライトが名を連ねている。

七耀教会

ゼムリア大陸で最も広い信仰を集める宗教団体で、空の女神エイドスを創造神として信奉し、500年もの間世界にその教えを広めている。大陸中央に位置するアルテリア法国に総本山を置いている。

さらに武装組織として「星杯騎士団」を擁しており、12人の「守護騎士(ドミニオン)」と呼ばれる上級クラスの騎士を筆頭とし、中級クラスの「正騎士」、下級クラスの「従騎士」の称号を持つ者たちが所属している。そして、この組織の主な任務はアーティファクトの捜索及び回収だが、死罪に値する行いを犯したことで教会より「外法」の認定を受けた者の抹殺といった任務を遂行する闇の一面も存在する。

身喰らう蛇(ウロボロス)

軌跡シリーズで主人公たちの敵役として登場する謎の秘密結社で、単に《結社》とも呼ばれている。
「盟主(マスター)」と呼ばれる人物を筆頭に、7人の幹部クラス「蛇の使徒(アソギス)」、超人揃いの実働部隊「執行者(レギオン)」で構成されている。さらに他の国家の追随を許さない圧倒的な技術力を有しており、戦車や飛空艇、そして「導力人形(オーバーマペット)」と呼ばれる機動兵器、そして「紅の箱舟(グロリアス)」と呼ばれる巨大な飛行戦艦をも所有している。

猟兵団(イェーガー)

戦場で名を馳せた傭兵部隊を呼ぶ称号で、作中で実際に登場する3つの部隊の他にも、名前だけだが様々な猟兵団が登場している。
報酬次第では非武装の民間人を虐殺するような汚れ仕事であっても請け負うため、民間人の保安を第一としている遊撃士協会とは対立関係にある。

北の猟兵

ゼムリア大陸北方に位置するノーザンブリア自治州に拠点を置く猟兵団。元々は「ノーザンブリア大公国」と呼ばれていた同自治州の正規の軍隊だったが、かつて「塩の杭」と呼ばれる謎の物体によって領土の大半が塩と化す事件によって国家が瓦解し、自治州となってから祖国復興資金として外貨を獲得するべく猟兵団として活動している。

元々は正規の軍隊なので強力な装備を持っており、さらに練度も高く、様々な勢力に雇われるほど知名度が高い。

赤い星座

大陸西部に最強の名を轟かせる猟兵団で、ランディの古巣であり、彼の実父である《闘神》の異名を持つバルデル・オルランドを団長に、そして叔父にあたる《紅の戦鬼》シグムント・オルランドを副団長に据えている。

ほぼ全ての団員が最強の名に恥じぬ実力を有しており、強力な装備を扱うことで、組織的な戦闘力は非常に高い。そして資金源として表向きは武器商会や高級クラブを経営している他、裏でも詐欺師紛いの武器商人と取引を行い、武装を貸し与えるなどして資金稼ぎを行わせている。

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