英雄伝説 閃の軌跡(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『英雄伝説 閃の軌跡(えいゆうでんせつ せんのきせき)』とは、日本ファルコム株式会社の開発によるストーリーRPG(ロールプレイングゲーム)。PlayStation 3/PlayStation Vita専用ソフトとして2013年9月に発売。
ゼムリア大陸西部の大国「エレボニア帝国」では貴族派と革新派の2大勢力が帝国各地で暗闘していた。プレイヤーは、トールズ士官学院に入学することになった主人公リィン・シュヴァルツァーを操る。帝国全土で起きる様々なドラマを追体験していくゲームである。

『英雄伝説 閃の軌跡』の概要

『英雄伝説 閃の軌跡(えいゆうでんせつ せんのきせき)』とは、日本ファルコム株式会社の開発によるストーリーRPG(ロールプレイングゲーム)。PlayStation 3/PlayStation Vita専用ソフトとして2013年9月に発売され、その翌年6月には廉価版、2018年にはPlayStation 4専用ソフト『英雄伝説 閃の軌跡 I:改-Thors Military Academy 1204-』としてリニューアル版が発売された。また、「繁体字中国語版」と「韓国語版」もリリースされている。

同社から発売されている『軌跡シリーズ』の7作目に当たる作品で、前作までと世界観を共有した作品である。本作ではプラットフォームをPlayStation 3/PlayStation Vitaに一新、舞台を「エレボニア帝国」、新しい主人公「リィン・シュバルツァー」の視点で前作までのシリーズを知らなくても楽しめる新タイトルの1作目となっている。

2013年には「日本ゲーム大賞」のフューチャー部門、「PlayStation Awards」のユーザーズチョイス賞を受賞。2014年に「ファミ通アワード2013」の優秀賞を受賞している。

主人公リィンのトールズ士官学院の入学式から物語ははじまり、リィンとその仲間たちは他生徒達とは違った紅い制服が支給されていた。その制服は特別に創設されたVII組の制服。VII組は他生徒とは違う特別な授業が組み込まれていて、通常の授業とは別に特別実習として帝国各地に足を運ぶことになる。帝国の裏の情勢を目前とするリィンたちと知り立ち向かっていくストーリーとなる。

『英雄伝説 閃の軌跡』のあらすじ・ストーリー

トールズ士官学院入学編

トールズ士官学院のあるトリスタの町に、初めて降り立ったリィン

黒髪の青年「リィン・シュバルツァー」はトールズ士官学院へ入学のため、学院最寄りの町トリスタにやってきた。周りには同様に入学のために来た、制服姿の少年少女の姿がある。その中で、リィンのような紅色の制服を着ている生徒は稀に見る程度。ほとんどの生徒が白か緑の制服姿だった。入学式が終わると、紅色の制服の生徒は旧校舎に集まるように伝えられる。集められた生徒はリィンの他に金髪の女性「アリサ・ラインフォルト」。紅毛で細身の「エリオット・グレイス」。大剣を背負う女性「ラウラ・S・アルゼイド」。緑髪で眼鏡をかけた青年「マキアス・レーグニッツ」。眼鏡の似合う女性「エマ・ミルスティン」。金髪で凛々しい佇まいの「ユーシス・アルバレア」。小柄な少女「フィー・クラウゼル」。長身で長い槍を操る「ガイウス・ウォーゼル」の9名。集められた生徒は身分に関係なく選ばれた生徒であり、特科クラスVII組に所属する。オリエンテーションで9名は旧校舎の地下に落とされて、自力での脱出を求められる。リィンはエリオット、ガイウス、マキアスと合流して出口を目指す。他の仲間と顔を合わせをしながら最深部へ向かう。待ち構えていた魔獣との戦闘の中、予めVII組の生徒に配られていた戦闘能力を補助する力を持った戦術導力器(オーブメント)ARCUS(アークス)の力で互いの呼吸が合うような連携ができた。VII組の教官となる女性「サラ・バレスタイン」が現れ、ARCUSの適性がある9名がVII組に集められたのだと話す。旧校舎での強制オリエンテーションという入学初日を終えて、士官学院特科クラスVII組としての日々が始まる。

ケルディック編

入学式から2週間が経過した。次第にカリキュラムに慣れてきたVII組。身分の差から、貴族出身のユーシスと平民出身のマキアスはまだ相容れていない。そんな中、リィンはカリキュラムのない自由行動日に生徒会の手伝いをサラから命じられる。生徒会長の「トワ・ハーシェル」から手伝いとなる課外活動のリストをもらう。活動には校長直々に定期的な旧校舎の探索も含まれている。実技テストを終えて、VII組独自のカリキュラム、特別実習が発表される。特別実習ではVII組をA班とB班に分けて、帝国の各地で実習活動をする。リィン含むA班は交易の町ケルディックへ向かうことになった。同じA班に選ばれたのはエリオット、アリサ、ラウラの3人。ケルディックでの課外活動で魔獣の討伐をする4人。討伐を終えたその日の宿で、ラウラがリィンに「どうして本気を出さない?」と問いかける。武人として心得のあるラウラは、リィンが全力で戦っていないことに気づいていた。リィンはラウラに謝罪し、できる限りの力を尽くすと約束をした。実習2日目、ケルディックで開催されている大市でトラブルが発生する。本来なら解決に乗り出すはずの領邦軍が、なぜか出動しない。調査に乗り出したVII組は、トラブルが領邦軍が裏から手を回していることを突き止める。領邦軍の息がかかった夜盗たちを退けたVII組に対して、領邦軍はトラブルの罪を被せようとする。そこに現れたのは鉄道憲兵隊とそれを率いる「クレア・リーヴェルト」大尉だった。VII組は鉄道憲兵隊に窮地を救われて事件は解決に向かう。ケルディックでの課外活動を終えたVII組は帰路で「単に命令に従うだけでなく、使命感を持って状況に柔軟に対応する事」が課外活動では求められているのではないかと推測した。そして、1つの死線を潜り抜けたVII組の仲間にリィンは直接血がつながっているわけではないが、自身も貴族出身であるという秘密を明かしたのだった。

バリアハート編

初めての特別実習を終えたVII組。B班はA班のように打ち解けることはなかったらしく、マキアスとユーシスが互いに反発しあっている。生徒会の手伝いの中で、開発中の導力バイクを整備する「ジョルジュ・ノーム」、校風に緩い「クロウ・ブルースト」、4大名門の1つログナー侯爵家の令嬢でもある「アンゼリカ・ログナー」の3人の先輩と交流を深める。旧校舎の探索、実技テストを終えて次の特別実習先が発表される。リィンはB班でエマ、フィー、マキアス、ユーシスと共にバリアハートへ向かうこととなった。
今回の実習では良い成績を残すために、マキアスとユーシスはいがみ合いを一時休戦すると宣言して実習に臨む。
ユーシスの故郷でもある翡翠の都、バリアハートでVII組を迎えたのはユーシスの兄である「ルーファス・アルバレア」だった。ルーファスから課外活動のリストをもらったVII組はバリアハートを巡る。その最中で耳に入るのはユーシスの父でもあるアルバレア公爵が増税等の件で市民からの不満が高まっているという話題。
B班は魔獣討伐依頼で郊外へと向かう。しかし魔獣相手に連携の息が合わず、リィンが深手を負ってしまう。幸いエマの治療で大事には至らなかったが、連携が上手くいかなかったことにマキアスもユーシスも焦りを感じてしまう。討伐報告でオーロックス砦へ向かい、VII組が見たのは軍事拡張を続ける領邦軍の姿だった。領邦軍の軍備強化から、B班は革新派と貴族派の対立が水面下で拡大しているのを感じた。
1日の休息を宿で過ごすB班。そこで、リィンはユーシスと2人きりで話をする。ユーシスがアルバレア公爵の妾の子で、兄ルーファスの替えのような存在であると話す。リィンと同じように出自が少し特殊であることを、寝付けないマキアスも横になりながら耳にしていた。
翌朝、マキアスがオーロックス砦侵入の罪で突然領邦軍に逮捕されてしまう。貴族派と敵対する帝都知事の息子であるマキアスを利用しようとする、アルバレア公爵の企みだと考えられた。ユーシスも時を同じ公爵によって軟禁されてしまう。残されたリィン、エマ、フィーの3人でマキアス救出に動く。地下水路から捕らわれた場所を目指していると、同じようにマキアス救出に動くユーシスと合流。道中、フィーが戦争のプロである猟兵団に所属していた生い立ちを聞きながら、B班はマキアスの救出に成功する。追ってきた魔獣も撃退するが、領邦軍が事を荒立てようとさらに集まってくる。
そこに助けに現れたのはサラとルーファスの2人。ルーファスはトールズ常任理事の1人であることを告げて、士官学院生であるB班の安全を約束した。特別実習の中で革新派と貴族派の対立を目の当たりにしたB班は士官学院生としての将来の在り方を考えるのであった。

ノルド高原編

トールズ士官学院では中間テストが実施されていた。成績のトップはVII組のエマとマキアスが飾る。クラスの様子はマキアスとユーシスの態度が軟化し、ひとまず落ち着きを見せていた。しかし、今度はラウラとフィーがぎこちない。どうやらマキアスがフィーが猟兵団出身であるという事を話したことで、真面目なラウラだからこそ猟兵団という戦争に関わる出自に思うところがあるらしい。リィンが生徒会の手伝いと3回目の旧校舎探索を終えると、アリサの実家からメイドのシャロンが訪問。今後は管理人として寮でVII組の世話をしてくれることになる。実技テストではI組の貴族生徒のパトリックとその同級生が乱入。手強いパトリックだったが、結果はVII組の勝利。敗れたパトリックはリィンを浮浪児呼ばわりするなど、VII組の面々に対して雑言を飛ばす。そんなパトリックにガイウスが「そんなに貴族は偉いのか?」と問いを投げる。留学生故の、身分に慣れていない疑問に答えられる者はいなかった。そして次の特別実習先はガイウスの故郷であるノルド高原だと発表された。
A班のリィン、アリサ、エマ、ユーシス、ガイウスは大陸横断鉄道でノルド高原へ向かう。軍事施設のゼンダー門へ到着したVII組を迎えたのは帝国の将として名高いゼクスだった。ガイウスをトールズへ推薦をしてくれた恩人であるゼクスに挨拶をして、一行はゼンダー門から続くノルド高原を馬で駆ける。遊牧民集落へ向かい迎えてくれたのは、ガイウスの家族。ガイウスは久しぶりの家族との団欒を楽しむことができた。
夜を明かして特別実習が本格的に始まる。そんな実習の最中に行方知れずとなっていたアリサの祖父グエンとの出会いがある。グエンは各地を転々としていて、今はノルド高原で過ごしていた。そんな1日目の夜、アリサは自身の実家への思いをリィンに話す。ラインフォルトという帝国最大の軍事メーカーの娘として生まれたこと、亡くなった父に、利潤を追及する母親に、メイドのシャロンと過ごした日々。リィンもアリサも他のVII組もそれぞれ親の姿に思うところがある。
翌日、帝国軍は緊迫した状況となっていた。状況調査に動いたVII組は不審な行動を見せる人影を追い、そこで謎の小さい少女「ミリアム・オライオン」と出会う。ミリアムから手に入れた情報から一行は石切り場へ向かい、事件の犯人たちと対峙する。帝国と共和国の衝突はVII組の活躍で無事に回避される。ノルド高原を挟んだ帝国と外の情勢を学び、リィン達はトールズへ戻るのだった。

ヘイムダル編

エリゼを救出するために入った旧校舎で、獣じみた力を開放するリィン(中央)とそれに驚くクロウ(左)とパトリック(右)

ラウラとフィーの関係は依然としてぎこちない。そんな中、帝都からリィンの妹「エリゼ・シュヴァルツァー」がやってくる。リィンが送っていた手紙の「養子であるから家を継がない」と記されていたことを問いただしに来た。リィンを正当な兄と認めて慕うエリゼは、家督もいつか返上したいというリィンの考えを聞いて、憤りに飛びだして旧校舎へ迷い込んでしまう。リィンはクロウ、パトリックと共にエリゼを救出する。助け出したエリゼにリィンは、士官学院で過ごしながら家督のことも前向きに考えると告げる。エリゼは渋々納得した様子でトールズを後にした。
実技テストを終えて次の特別実習先が発表される。今回の実習先はA班、B班共に夏至祭を間近に控えた帝都ヘイムダル。A班に選ばれたのはリィン、ラウラ、フィー、マキアス、エリオットだ。
帝都ヘイムダルでの特別実習。ラウラとフィーはお互いにぎこちなさを改善しようと善処している。そして到着した帝都で迎えたのは、以前世話になった鉄道憲兵隊のクレアと、マキアスの父親であり帝都知事でもあるレーグニッツだ。レーグニッツもルーファスやイリーナと同じくトールズ常任理事だった。エリオットの実家にも挨拶して、旧ギルド支部を拠点に3日間の特別実習を開始する。B班と連絡を取りつつ、依頼をこなす。魔獣退治は戦術リンクが上手くいかないながらも、地力の高いラウラとフィーはなんとかこなしていた。リィン達は、エリオットの音楽に対する情熱を聞きながら、依頼を続ける。
実習が一段落したその夜、ラウラとフィーは互いの思いをぶつけ合う一騎打ちに臨む。結果は、フィーが負けを認め、改めて自身の生い立ちを詳しく話した。生きるために戦いのあらゆる技を鍛えていた話に、ラウラはフィーを認めて2人は強い絆で結ばれた。
実習2日目、地下道の隠し通路からオスト地区へ出る。マキアスの実家に立ち寄り、マキアスは姉を貴族派に奪われた過去を語った。大陸全土に名の知れた怪盗の事件を解決した矢先に、サラから連絡がある。聖アストライア女学院へ集まることになったVII組。エリゼの案内の先に待っていたのは、皇族の「アルフィン・ライゼ・アルノール」とその兄であり、トールズの理事の1人でもある「オリヴァルト・ライゼ・アルノール」だった。オリヴァルトがVII組を設立した人物であり、帝国の現状をあらゆる面から見られる視野の広い、帝国の未来に必要な人材を育てたかったと、その設立した理由を語る。そして今現在、夏至祭にテロリストの影が迫っていることも語られた。
夏至祭当日の実習3日目。VII組はテロ対策に駆り出された。トワ達生徒会も夏至祭に訪れていて情報を共有しながらVII組は巡回する。ノルド高原で出会ったテロリストのギデオンが再び魔獣を操って襲撃を開始。魔獣たちの波を抜けギデオンを追い詰めるも、帝国解放戦線を名乗るテロリストは仲間の助けで逃走してしまった。
帝国解放戦がもたらした被害は幸い大きくなく、帝都の夏至祭は無事に終わりを迎える。帝国政府代表「ギリオス・オズボーン」直々に労いの言葉をもらい、VII組は帝都を後にするのだった。

レグラム編

8月、通商会議という政治的に大きな物事が近づく中にVII組に2人の転入生がやってきた。1人は単位不足でやってきた先輩のクロウ。もう1人はノルド高原で協力した謎の少女ミリアムだった。ミリアムは帝国政府直属の情報局の人間だが、皇帝直属の指示でVII組に編入が決まった。明るい2人はすぐにVII組に馴染んだ。
旧校舎探索を終えた帰りに、ラジオパーソナリティーのミスティと出会う。帝都のオペラ歌手クロチルダと同一人物であり、どうやら息抜きにラジオで働いていることを知る。
そして実技テストを終えて今月の特別実習先が伝えられる。リィン含むA班の行く先は、ラウラの故郷でもあるレグラム。実習後はガレリア要塞で合流し、A班B班合同で実習をする日程だと伝えられた。
翌日、リィン達はレグラムへ向かう。A班のメンバーはリィン、ラウラ、エマ、ユーシス、ガイウス、ミリアムだ。レグラムに到着したリィン達は、遊撃士協会へ向かう。遊撃士のトヴァルから特別実習の課題リストを受け取り実習が始まる。依頼を終えてギルドに戻ると、そこにはラウラの父、光の剣匠と呼ばれるヴィクターがいた。ヴィクターの提案で、リィンは稽古をつけてもらう。リィンに眠っていた畏れる力を真っ向から受け止めるヴィクター。リィンは自身の力を畏れと共に踏み出すことに気づかせてもらった。
実習は続き、機械仕掛けの魔獣と出会う。トヴァルに魔獣のことを報告して、そのまま手伝いをしていると、ローエングリン城に子どもが迷い込んでしまったと情報が入る。リィン達は城の中へ捜索へ向かうが、入ったとたんに不思議な力で閉じ込められてしまう。幽霊のような魔獣たちを退けつつ途中子どもたちを見つける。リィン達は脱出の方法を求めてそのまま最上階へ向かう。最上階で待ち構えていた不死の王を撃退するも、残った力でリィン達は締め上げられてしまう。そこに謎の光の槍が不死の王を貫き、リィン達は九死に一生を得る。
翌日、リィン達はレグラムを後にしてガレリア要塞へ向かう。B班と合流して軍事演習の実地見学に参加する。エリオットの父である第4機甲師団を率いるクレイグに挨拶を済ませて軍事演習が開始される。軍事演習の戦車によるすさまじい火力戦に息を呑まれつつ、明日は列車砲を見学することが告げられた。
そして翌日、通商会議の襲撃が入る。それと同時にガレリア要塞にも帝国解放戦線の襲撃。ハッキングにより戦車が自動操縦で暴走。混乱する中、テロリストの狙いが列車砲だと気づいたVII組は阻止へ向かう。A班B班に分かれて、人形兵器を退けながら列車砲格納庫に向かう。帝国解放戦線の幹部を退けて列車砲も無事停止させることに成功した。VII組は他国すら巻き込む危機に帝国がさらされていることを実感したのだった。

ルーレ編

特別実習がテロリストとの対峙という危険に巻き込まれたため、中止を検討する会議が理事会で行われた。VII組の意向もあり、特別実習は続行されることが決まる。士官学院では学院祭が近づいており、VII組も出し物を決めなくてはならない。帰り道にトワと出会い、買い出しの手伝いをする。その際にトワが去年、演奏会をしたと話を聞く。トワに記録された去年の演奏会の映像を見せてもらう。翌日、演奏会の映像をVII組の仲間にも見せる。露出の多い衣装はもう少し調整するという話になったが、VII組の出し物はステージ演奏をすることに決まった。
そして実技テストはサラ教官との本気の戦闘。元A級遊撃士のサラの実力は確かなものだったが、息の合った連携でなんとか立ち向かう。そして学院祭前の最後の特別実習はアリサの出身地である鋼都ルーレ。リィン含むA班は、アリサ、フィー、マキアス、エリオット、クロウのメンバーで、ルーレに向かうことになった。
翌日の集合場所は士官学院のグラウンド。グラウンドに現れたのは高速巡洋艦カレイジャス。オリヴァルト皇子が開発を主導した新造艦だ。軍に属さない皇族の船という扱いで、ヴィクターを艦長に迎え、帝国の状況の牽制を担う目的があるらしい。お披露目を兼ねてリィン達を特別実習先へ送り届けてくれた。
ルーレに到着したリィン達はラインフォルト本社ビルへ向かう。シャロンの案内で「イリーナ・ラインフォルト」の下へ案内される。実習中の課題と夕食の約束、細々とした注意をしてすぐに面談は終わった。ルーレ工科大学での依頼を終えると、鉄道憲兵隊と領邦軍が治安維持の権利を主張していがみ合っていた。クレア大尉とルーファスが現れてその場を鎮めて事は治まった。RF社に戻ったリィン達は現れないイリーナを抜きに夕食を食べる。シャロンから昼間に目撃したいざこざについての話を聞く。帝国最大の軍事メーカーであるラインフォルト社を抱えるルーレは貴族派と革新派との間で微妙な立ち位置にあるという話だ。アリサからもラインフォルト家の過去について聞かされる。父親が亡くなり母親と祖父とで今後のラインフォルト社の衝突があり、アリサもラインフォルトの現状に憂いていた。
クレアから呼び出されたリィンとそれに気づいたフィーは、夜中にバーへ向かう。クレアから貴族派の勢力がルーレで何か事を起こそうとしている話を聞くことができた。
実習2日目は昨日得た情報を参考に、新たに見落としていた情報を拾い集めていく。午後、機械仕掛けの魔獣が軍需工場内部を襲う事件が発生した。VII組も解決に奮闘する。事が治まるも、続けてザクセン鉄鉱山がテロリストに襲撃されるという情報が入る。急行しようとするも、領邦軍が鉄鉱山の入り口を塞いでいた。テロリストと領邦軍がグルになって証拠の隠滅を図っている可能性が高いと推測された。アンゼリカとジョルジュもルーレにやってきて情報を共有する。アンゼリカの実家であるログナー家が、事件に関与している可能性が浮上した。アリサは母親であるイリーナに話をつけて、鉄鉱山への非常連絡通路への鍵を手にする。アンゼリカとVII組メンバーで鉄鉱山へ向かう。途中で発見した作業員の避難をクロウに任せて先へ進む。待ち構えていた帝国解放戦線の幹部を退けると、続いてそのリーダーであるCが現れる。残党を高速飛行艇に逃がして逃走を図るも、高速飛行艇は脱出途中に爆散。駆け付けたオリヴァルト皇子らによってルーレでの事態は収拾を迎えた。

士官学院祭編

士官学院に迫る機工兵の迎撃に出るVII組

学院祭が近づく士官学院。VII組は旧校舎でステージ演奏のリハーサルに挑んでいた。その後は課外活動に励むリィン。クロウからステージ衣装の調達が遅れていることを聞き、導力バイクを借りて、帝都へ受け取りに向かった。帰宅後、旧校舎で最後のステージ演奏の練習。練習に目途を付けた辺りで、ラジオに衝撃のニュースが流れる。クロスベル自治州で国家独立宣言が行われたというニュースだ。世界に驚きをもたらしたニュースであったが、学院祭はひとまず行われることが決定した。
トールズ士官学院の学院祭が始まる。各々1日目を楽しんだ後、旧校舎に妙な異変が現れる。旧校舎の周りに突如発生した不可視の障壁。VII組のメンバーはなぜか障壁に阻まれない。準備をしてVII組で旧校舎の探索へ向かう。その先で待っていたのは巨大な影の形をしたロア・エレボニウス。VII組の全力でロア・エレボニウスを撃退して、遂に旧校舎の最奥の扉が開く。扉の先にあったのは謎の灰色の騎士人形だった。
学院祭2日目。VII組の家族も訪れて賑わっている。リィンはエリゼを案内して、この後のステージの準備に入る。VII組のステージ演奏は盛況に終わった。
翌日、ガレリア要塞消滅の事件が帝国を震撼させる。授業は中止となり、士官学院ではオズボーン宰相の演説をラジオで聞くことになった。オズボーン宰相の演説が流れる中、全員の耳に飛び込んできた銃声。オズボーン宰相が狙撃された。深淵の魔女の2つ名を持つミスティ改め「ヴィータ・クロチルダ」の力によって、帝都が占拠される様子がリィン達の目の前に映し出され、混乱する帝都を目の当たりにする。そして帝都から士官学院に向けても機工兵が迫っているらしく、リィン達は士官学院を守るために戦いの準備を始めた。

『英雄伝説 閃の軌跡』のゲームシステム

基本的な流れ

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