The Legend of Heroes 閃の軌跡 Northern War(アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『The Legend of Heroes 閃の軌跡 Northern War』とは、敵国への内偵任務を命じられた小隊の活躍と、彼らから見た英雄たちの戦いを描く2023年冬のアニメ作品。人気RPG『英雄伝説 閃の軌跡』シリーズを原作としている。
母国の英雄にして裏切り者でもある男を祖父に持つラヴィアン・ウィンスレットは、「自分は祖父とは違う」ことを証明せんとしてノーザンブリア自治州の猟兵団に志願。仲間たちと共に様々な任務を遂行する中、ある日敵国エレボニア帝国への内偵を命じられる。

『The Legend of Heroes 閃の軌跡 Northern War』の概要

『The Legend of Heroes 閃の軌跡 Northern War』(ザ レジェンド オブ ヒーローズ せんのきせき ノーザンウォー)とは、敵国への内偵任務を命じられた小隊の活躍と、彼らから見た英雄たちの戦いを描く2023年冬のアニメ作品。
日本ファルコムから発売されている人気RPG『英雄伝説 閃の軌跡』シリーズを原作としており、同シリーズの物語と同時期に世界の別の場所で起きた事件とそれに関わった人々を追う内容となっている。

「塩の杭」事件と呼ばれる災害を機に、ノーザンブリア大公国が自治領となってから数十年の時が流れた。この革命の英雄の1人として数えられながら、後に仲間と国家を裏切った男を祖父に持つラヴィアン・ウィンスレットは、「自分は祖父とは違う」ということを証明するためにノーザンブリアの民のために戦う「北の猟兵」に志願し、その一員として様々な任務を遂行していた。
ある日、ラヴィは敵国たるエレボニア帝国への内偵を命じられ、小隊の仲間たちと共に敵地へと踏み込んでいく。

『The Legend of Heroes 閃の軌跡 Northern War』のあらすじ・ストーリー

英雄の孫

「塩の杭」事件と呼ばれる災害を機に、ノーザンブリア大公国が自治領となってから数十年の時が流れた。この革命の英雄の1人として数えられながら、後に仲間と国家を裏切った男ブラド・ウィンスレットを祖父に持つラヴィアン・ウィンスレットは、「自分は祖父とは違う」ということを証明するためにノーザンブリアの民のために戦う「北の猟兵」に志願し、その一員として様々な任務を遂行していた。グラーク・グロマッシュやジェイナ・ストームといった北の猟兵の幹部たちの中でも、ラヴィアンの高い能力は注目の的となっていく。
そんな折、偵察任務に出ていた北の猟兵幹部ローガン・ムガートが帰還。敵対するエレボニア帝国がクロスベル自治州を武力で併合したことを国中に報せ、より本格的な対策や自治領の議会の腐敗を正すため、今こそ新たな革命が必要だと国民に向かって語り掛ける。そんな折、偵察任務に出ていた北の猟兵幹部ローガン・ムガートが帰還。敵対するエレボニア帝国がクロスベル自治州を武力で併合したことを国中に報せ、より本格的な対策や自治領の議会の腐敗を正すため、今こそ新たな革命が必要だと国民に向かって語り掛ける。

ローガンのもたらした帝国の脅威に関する報告と「革命が必要」との宣言は、自治州政府の上層部にも少なからず衝撃を与えるも、なお彼らは静観という消極策を選ぶ。これに業を煮やしたローガンは、民を守るためにはさらなる情報が必須だと考え、帝国本土に内偵部隊を送り込む計画を進めていく。
ラヴィアンは古参兵のマーティン・S・ロビンソン、ラヴィアンに興味津々の女兵士イセリア・フロスト、真面目でストイックな性格のタリオン・ドレイクらと共にこの内偵部隊に選出される。彼女たちに与えられた任務の中でも特に重要なのは、「クロスベル自治州の守備隊をたった1機で殲滅した“帝国の機甲兵”のより詳細な情報を手に入れる」というものだった。

帝国の内偵

帝国に潜入し、内偵任務を進めていく中で、ラヴィアンは帝国がノーザンブリアとは比較にならないほど広くて豊かな国であることを知る。ローガンは徹底抗戦を主張しているが、いざ帝国との間に戦端が開かれたとしてノーザンブリアに勝ち目はあるのか、ラヴィアンは疑問を感じていく。
やがて彼女は、噂の帝国の機甲兵を発見し、それを操るのがリィン・シュバルツァーという自分と同年代の少年であることを知る。リィンはその活躍から帝国内では英雄として名高く、自分とさほど変わらない歳の少年が、“敵の立場”で英雄視されているという事実に、ラヴィアンは嫉妬と衝撃を受ける。

必要な情報は得たとノーザンブリアに戻ろうとするラヴィアンたちだったが、ここで帝国の特殊部隊に正体を見抜かれた上で捕捉され、マーティンがかつて北の猟兵の任務の一環として帝国の村を焼き払ったことが明らかとなる。タリオンから焼き討ちの件について尋ねられたマーティンは、それが事実であることを認めた上で、「北の猟兵の一員として、故国を守るためと説明されて命令されれば従うしかなかった」と語る。
「俺のように組織に従ったせいで後悔に潰されるのではなく、お前らは自分のやりたいことをやってみろ」と言い残し、マーティンはラヴィアンたちを逃がすために突撃。彼が囮となったことでラヴィアンたちは無事に離脱し、ノーザンブリア自治州へと帰還するも、それぞれがそれぞれの心の中に「帝国は強く、北の猟兵は必ずしも正義ではない。自分はこれからどうするべきなのか」という問いを抱くこととなった。

ノーザンブリアの危機

ラヴィアンたちが内偵から戻って間もなく、帝国はかつての焼き討ち事件のことを持ち出してノーザンブリアに莫大な賠償金を要求。拒否すればそれを口実に攻め込むという狡猾な策略だった。グラークは北の猟兵の決起集会を開き、そこでジェイナの協力で手に入れた人形兵器という自律型の新兵器のデモンストレーションを行い、帝国への徹底抗戦を主張する。
しかしそこまでやっておいて、グラークはなおも兵を動かさなかった。業を煮やして詰問するローガンに、グラークは周辺諸国と手を組んで帝国本国を落とす計画を進めていることを明かす。ブラドの裏切りが「北の猟兵を団結させるため、“裏切り者”という明確な敵を用意する」ための芝居だったことを教えられたラヴィアンは、グラークに協力して祖国を守ろうと考えていたが、その彼は何者かに毒殺されてしまう。

もともとグラークのやり方を「手緩い」と感じていたローガンは、これに乗じてノーザンブリアを掌握。グラークに与していたラヴィアンは政敵と見なされ、追い詰められた末にジェイナの部下となったタリオンによって銃撃され重傷を負う。
なんとか故郷に逃げ帰ったラヴィアンは、そこで療養の日々を送る中、かつてヴラドに「英雄とはなんなのか」について尋ねたことを思い出す。ヴラドは孫の問いに「自分にもよく分からない」と答え、「英雄とは“なるもの”ではなく、ただ行為と意思を積み重ねた末に“なっているもの”だ」との持論を語っていた。ただ英雄たらんとしていたラヴィアンは、傷を癒していく中で自分が考え違いを起こしていたことを悟り、憲兵の目を出し抜いて様子を探りに来たイセリナと共にノーザンブリアの都へと舞い戻る。

“行為”と“意思”が作りしもの

この頃、帝国はすでに攻撃を開始しており、ノーザンブリアはグラークの残した人形兵器の力でなんとか防衛線を維持している状態だった。しかしその人形兵器は徐々に北の猟兵の支配を受け付けなくなっており、これが本格的に暴走を開始した時がノーザンブリアが敗北する時であることは誰の目にも明らかとなっていた。
ラヴィアンはローガンの下へと赴き、今の状態で徹底抗戦しても最後は物量で押し切られること、戦うことが本当にノーザンブリアにとって最高の道だとは思えないと訴える。この国もそこに生きる人々も、自分たちが思っているより遥かに強いと主張した彼女は、「帝国だって北の猟兵と本気でやり合えば被害は大きい、全面的な戦闘は避けたいと考えているはず。今すべきことは帝国と戦うことではなく、彼らが躊躇している間に停戦を結ぶことだ」と提案。ローガンはこれを受け入れ、民に向けて帝国と停戦条約を結ぶことを宣言する。

人形兵器が不安な動きを続ける中、「1人でも多くの人命を救いたい」との決意と共にリィンがノーザンブリアの都に突入。ラヴィアンは彼に人形兵器の討伐と民の避難を依頼し、自身は姿を消したジェイナを探す。果たして彼女こそはグラークを暗殺し、人形兵器に誤作動を起こさせた張本人だった。ジェイナはノーザンブリアに「塩の杭」以上の惨禍を巻き起こそうと画策していたが、駆け付けたラヴィアンと反旗を翻したタリオンによってこれを阻止され、自らも絶命する。
帝国との間に和平が成立し、ノーザンブリアは彼らの属国の1つとなる。ローガンは故国を奪還するために部下を率いて姿をくらまし、イセリナ、タリオン、そして帝国から戻ってきたマーティンはそれぞれに新たな道を歩み始める。ラヴィアンもまた「英雄になる」という当初の目的をいったん忘れて、ヴラドの言っていた言葉の本当の意味を学ぶため、新たな旅に出立するのだった。

『The Legend of Heroes 閃の軌跡 Northern War』の登場人物・キャラクター

ラヴィアン・ウィンスレット

CV:小市眞琴

北の猟兵に所属する少女。ノーザンブリア自治領の出身。祖父は自治領が独立する時に活躍した革命闘士の1人だが、後に仲間と国を裏切っており、危険な猟兵の一員となったのも「自分は祖父とは違う」と証明したい気持ちがあったため。
猟兵団の中では「新人ながら優秀」と評価されており、見上げるほどに巨大な魔物に対しても臆せず立ち向かう。

ローガン・ムガート

CV:近藤孝行

北の猟兵の幹部。敵国エレボニアの圧力、首領グラークの消極策、腐敗した議会に危機感を覚え、ノーザンブリア自治領を存続させるためにも再び革命を起こす必要があると結論する。

『The Legend of Heroes 閃の軌跡 Northern War』の用語

ノーザンブリア自治領

ラヴィの故国。数十年前、「塩の杭」事件と呼ばれる災害に見舞われ、ノーザンブリア大公国から事実上見捨てられる。その後有志たちが革命を起こし、公国から正式に独立する形で誕生した。
望んで独立したわけでも、そのために十分な準備があったわけでもないため国力に余裕がなく、一方で議会は腐敗するなど多くの問題を抱えている。

「塩の杭」事件

物語開始の数十年前、突如天から降り注いだ白い柱により発生した大災害。柱の周囲にいた生き物は一瞬で塩の塊となって崩れ落ち、当時の公国を混乱と戦慄の中に叩き込んだ。柱の正体や塩化現象の原因については未だに分かっていない。

北の猟兵

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