パシフィック・リム(Pacific Rim)のネタバレ解説・考察まとめ
日本のマンガやアニメ、特撮作品への造詣も深いギレルモ・デル・トロ監督による2013年公開のアメリカ映画。巨大怪獣と人型巨大ロボットとの戦いを圧倒的スケールで描き出したSFアクション超大作。太平洋の海底から巨大怪獣が現れ、全世界の大都市を襲撃する。人類滅亡の危機を救うため、名パイロットのローリーと日本人研究者の森マコがペアとなって操縦する人型巨大ロボット"イェーガー"で、怪獣に立ち向かう姿を描く。
イェーガー「ストライカー・エウレカ」のオーストラリア人パイロット。
元オーストラリア空軍のパイロットで、これまでに数々の歴戦を勝ち抜いてきたエリートでもあり、息子のチャックと共に「ストライカー・エウレカ」に乗り多くの怪獣を倒す。上司であるペントコストとは無二の親友であり、終盤では負傷した自分に代わって息子とペアを組み決死の覚悟で出撃していくペントコストから環太平洋防衛軍の指揮を託され、親友と息子を失った哀しみを胸に秘めながらも任務を完遂、新たな司令官として終戦を宣言した。
チャック・ハンセン(演:ロバート・カジンスキー)
イェーガー「ストライカー・エウレカ」の後期パイロットで、ハークの息子。
血気盛んな若者で完璧主義者。実の父親であるハークをライバル視している。ハークと共に多くの怪獣を倒してきた優秀な兵士であるが、殊に実力がないと見做したパイロット達には厳しい態度を取ったりもする。だが根は仲間想いで悪い人間ではない。ペットとしてブルドッグの「マックス」を飼っている。最期はマックスの世話を父に託し、ペントコストとペアを組んで出撃する。
ハンニバル・チャウ(演:ロン・パールマン)
名前は偽名で本名は不明。
香港を拠点に、怪獣の死骸を解体し臓器を万能薬として売りさばく闇商人のボス。左目を失明しており、普段はサングラスで隠している。
幅広い人脈を持っており、幾つもの闇ルートに精通している。環太平洋防衛軍に対し、怪獣の死骸を独占する条件で資金援助をしている。貴金属と宝石をこよなく愛し、特に黄金で飾り立てた靴がお気に入り。豪勢な柄のバタフライナイフが得物。
活躍する5体のイェーガー
ジプシー・デンジャー
パイロット:ローリー・ベケット、ヤンシー・ベケット(改修前)、森マコ(改修後)
アメリカで建造されたイェーガー。近距離格闘戦を主に設計されている。旧式の機体で動力は原子力。
格闘戦で怪獣にダメージを与えたのち、左右腕部に内蔵されたプラズマ砲「プラズマキャスター」を至近距離で撃ちこんで倒すという戦法を取る。
2020年の戦いで大破したが機体は後に回収されており、5年後には香港で修復と改修が行われた。その際、新たな武装として肘部にパンチ力を増幅するためのロケット推進機「エルボー・ロケット」と、普段は蛇腹剣である「チェーンソード」が両腕に追加装備されている。
ストライカー・エウレカ
パイロット:ハーク・ハンセン、スコット・ハンセン(前期)、チャック・ハンセン(後期)、スタッカー・ペントコスト(ハークと交代)
オーストラリアで建造されたイェーガー。登場するイェーガーの中では最新鋭の機体である。
パワー、スピード、装甲共に最高クラスの性能を持ち、背部には姿勢制御用のスタビライザーである「エンジェル・ウィング」、両腕に収納されている二股の刃で怪獣の甲殻を焼き切る「スティング・ブレード」、拳にはイオンにより怪獣を麻痺させる「メリケンサック」、胸部に内蔵された高い火力を持つ6連発ミサイルランチャー「エア・ミサイル」が装備されている。最新型ゆえにデジタル回路主体のため、EMP(電磁パルス)に弱いのが最大の弱点。
クリムゾン・タイフーン
パイロット:タン3兄弟(チャン、ジン、フー)
中国で建造されたイェーガー。劇中登場するイェーガーの中ではストライカー・エウレカに次いで新しい新型機で、3人乗りという珍しい操縦システムのイェーガー。
右腕部を二股に分離させることで腕が3つに増えるのも特徴。機動性とジャンプ力に優れており、更に腰部が360°旋回できるためトリッキーな戦闘が可能である。武装は左腕に内蔵されたプラズマ砲と右の2本の腕にそれぞれ装着された回転ノコギリ。左の胸には『暴風赤紅』と書かれている。
チェルノ・アルファ
パイロット:サーシャ・カイダノフスキー、アレクシス・カイダノフスキー
ロシアで建造されたイェーガー。過去に多数製造されたイェーガーの中では初期型で最古参にあたる。
近接戦闘型でウラジオストクの拠点を6年に渡って防衛し続けた実力を持ち、重装甲とパワーで相手を叩きのめす。武装は腕部に装備された高圧電流発生装置で、腕部を伸縮させて電撃をのせたパンチを叩きこむ「テスラ・フィスト」。
コヨーテ・タンゴ
パイロット:スタッカー・ペントコスト、タムシン・セビア
日本で建造されたイェーガー。過去に多数製造された初期型の1体。
過去にマコが家族を失った原因である東京の怪獣襲撃の際に出撃(本作ではマコの回想シーンに登場)し、3時間に渡って戦闘を繰り広げ、討伐を成功させたという過去を持つ。中距離戦型で武装は背部に装備された2門のエネルギー砲である「モーター・キャノン」。
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目次 - Contents
- 『パシフィック・リム』の概要
- 『パシフィック・リム』のあらすじ・ストーリー
- 『パシフィック・リム』の主な登場人物・キャラクター
- ローリー・ベケット (演:チャーリー・ハナム)
- 森マコ (演:菊地凛子)
- スタッカー・ペントコスト(演:イドリス・エルバ)
- ニュートン・ガイズラー(演:チャーリー・デイ)
- ハーマン・ゴットリーブ(演:バーン・ゴーマン)
- テンドー・チョイ(演:クリフトン・コリンズ・Jr)
- ハーク・ハンセン(演:マックス・マーティーニ)
- チャック・ハンセン(演:ロバート・カジンスキー)
- ハンニバル・チャウ(演:ロン・パールマン)
- 活躍する5体のイェーガー
- ジプシー・デンジャー
- ストライカー・エウレカ
- クリムゾン・タイフーン
- チェルノ・アルファ
- コヨーテ・タンゴ
- 登場する怪獣(Kaiju)とは
- 『パシフィック・リム』の名シーン・名場面&見どころ
- ローリーとマコの迫力の格闘シーン
- 幼いマコを演じ、ハリウッドデビューを果たした芦田愛菜
- スタッフロールの途中で生還するハンニバル
- 『パシフィック・リム』の関連動画
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- 独占インタビュー/菊地凛子