モノノ怪(アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ
「モノノ怪」とは、2006年にフジテレビのノイタミナで放送されたアニメ「怪 〜ayakashi〜」の中の「化猫」編をスピンオフし、「モノノ怪」というタイトルで2007年に同じくノイタミナで放送されたオリジナルアニメーション。シリーズディレクターは「中村健治」で、スタイリッシュな和製ホラー作品。
人間の情念に憑いたあやかしが「モノノ怪」となり、主人公「薬売り」が退魔の剣でモノノ怪を斬っていく。
化猫から自らの真と理を見せられる薬売り。
珠生に頭を撫でられる猫と薬売りが同調するシーンは、猫にとって珠生がどんな存在であったのか、薬売りの表情から見て取れる。
また化猫になった猫の瞳から黒い涙のような物がポタポタと落ちるシーンもあり、化猫側に感情移入してしまい、何故薬売りが化猫を斬るのか憤る視聴者も多い。
しかし薬売りが斬ったことで、猫と珠生は情念から解放され魂は屋敷から出て行けたのである。
そして阪井家でただ1人生き残った元凶である伊行は、財産も家族も従う者も威厳も何も無い状態でただ命だけを残され、阪井家に縛られたまま余生を1人で生きなければならないという罰を受けた。
志乃と赤ん坊
赤子たちの赤い腹掛けは裾が長く、母親のお腹へと繋がっている臍の緒の象徴のように描かれる。
志乃の前に幾度か現れた黄色い赤子の腹掛けは志乃へ繋がっており、志乃の子供として生まれてくるかどうか考え、観察している所であった。
恐らく先に母親が身籠り、そこに魂が入っていくという順番になっていて、座敷童子達は志乃から生まれてこられるこの1枠を狙っていた。
しかし全員で志乃を取り合いするのではなく、屋敷へ来る前から志乃を見ていた黄色い赤子が志乃の子供となる事を赤子たちはを祝福した。
そして黄色い子供は志乃に、「僕はこの人が良い。いつも撫でてくれる。優しい…優しい…」「体を大変にして、ごめんなさい」「いつも頑張ってくれて有り難う」と声をかけ、「僕は貴方が良い」とお腹に抱きついた。
志乃も私を選んでくれてありがとうと声をかけるのであった。
綺麗な源慧
薬売りに斬られた後、目が覚めた源慧は美しい僧侶の姿をしていた。
これが本来の源慧の姿なのであった。
50年もの長い間自分の醜さを隠し続けた結果、姿まで醜いものに変わってしまったのであろうか。
また、源慧の声優を勤める中尾隆聖のこのシーンの演技が非常に表現豊かで、醜い姿の源慧と美しい姿の源慧で声色を変えている。
まるで本当に憑き物が落ちたかのような透き通る声で「お庸?」と言うシーンは鳥肌物。
お蝶と仮面の男
「のっぺらぼう」の話は全てお蝶の内面で起こった出来事である。
つまり、狐面の男もまたお蝶の一部なのである。
しかしお蝶から生まれた狐面の男は人格を持ち、本心からお蝶に惚れお蝶を助けようとした。
だが狐面の男がお蝶の心を救い、且つ自分という存在を保つためには、お蝶を佐々木家に繋ぎ止めるしかなかったのである。
また一部の考察では面が操っていた褐色の肌に白髪の男性は、変身した薬売りなのではないか?という説もある。
「うっかりうっかり」
「鵺」の話しの中で、薬売りが香を出す際、自信が元から持っていた「夾竹桃」が香の中に混ざってしまったと言い出す。
夾竹桃とは燃やした枝の煙を一嗅ぎしただけで死んでしまう猛毒である。
いつもの真顔「うっかりうっかり」と可愛らしいアクションをする薬売り。うっかりでは済まされない。
実際には夾竹桃なんて高価な植物は持っておらず、大澤たちが自分が死んだことを理解するために一芝居打っていたのである。
しかし大澤達は自分達が死んだことを知らないため、夾竹桃の混入にざわめき、本心から慄いていた。
物語を最後まで見れば、成仏できずに屋敷を彷徨う大澤たちのために取った行動なのであるが、しれっと一芝居打つ白々しさが実に薬売りらしい。
猫と薬売り
「化猫」のラスト且つ「モノノ怪」のラストシーンでもある、薬売りが猫と戯れるシーン。
猫と薬売りは前作の化猫でもモノノ怪の化猫でも因果のある関係のようである。
しかし作中で一番穏やかな表情をする薬売りと、薬売りに安心して撫でられている猫を見ていると、これまでの悲しい話も全て報われるようなそんな終わり方である。
そして、薬売りの「人は世に生まれるもの、あやかしは世にあるもの。生まれるものとあるものが真と理を伴えば、形を得る。形を得て、あってはならぬモノノ怪が生まれる。モノノ怪を絶やす事はできぬ。されど、モノノ怪を斬り、払う事は出来る。故に剣があり、剣を使う手がある。さて皆様、貴方様の真と理、お聞かせ願いたく候。モノノ怪が人の世にある限り」という台詞で最終回は終了する。
『モノノ怪(Mononoke)』の主題歌・挿入歌
OP(オープニング):小松亮太×チャーリー・コーセイ『下弦の月』
「下弦の月」
作詞:香和文
作曲・編曲:小松亮太
歌:小松亮太×チャーリー・コーセイ
ED(エンディング):JUJU『ナツノハナ』
「ナツノハナ」
作詞:はしもとみゆき
作曲:谷口尚久
編曲:CHOKKAKU
歌:JUJU
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目次 - Contents
- 『モノノ怪(Mononoke)』の概要
- 『モノノ怪(Mononoke)』のあらすじ・ストーリー
- 怪 〜ayakashi〜 化猫
- 座敷童
- 海坊主
- のっぺらぼう
- 鵺
- 化猫
- 『モノノ怪(Mononoke)』の登場人物・キャラクター
- 薬売り
- 天秤
- 退魔の剣
- 封印が解けた薬売り
- 怪 〜ayakashi〜(化猫)編
- 坂井伊顕(さかい よしあき)
- 坂井水江(さかい みずえ)
- 坂井真央(さかい まお)
- 坂井伊國(さかい よしくに)
- 坂井伊行(さかい よしゆき)
- 加世(かよ)
- 小田島(おだじま)
- 珠生(たまき)
- 猫(ねこ)
- 「座敷童子」編
- 志乃(しの)
- 久代(ひさよ)
- 徳次(とくじ)
- 直助(なおすけ)
- 赤ん坊
- 「海坊主」編
- 加世(かよ)
- 柳幻殃斉(やなぎ げんようさい)
- 源慧(げんけい)
- 菖源(そうげん)
- 佐々木兵衛(ささき ひょうえ)
- お庸(およう)
- 海座頭
- 「のっぺらぼう」編
- お蝶(おちょう)
- 仮面の男
- 「鵺(ぬえ)」編
- 大澤廬房(おおさわ ろぼう)
- 室町具慶(むろまち ともよし)
- 半井淡澄(なからい たんすい)
- 実尊寺惟勢(じっそんじ これなり)
- 瑠璃姫(るりひめ)
- 「化猫」編
- 福田寿太郎(ふくだ じゅたろう)
- 門脇栄(かどわき さかえ)
- 森谷清(もりや きよし)
- 木下文平(きのした ぶんぺい)
- 野本チヨ(のもと チヨ)
- 山口ハル(やまぐち ハル)
- 小林正男(こばやし まさお)
- 市川節子(いちかわ せつこ)
- 『モノノ怪(Mononoke)』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 珠生と猫
- 志乃と赤ん坊
- 綺麗な源慧
- お蝶と仮面の男
- 「うっかりうっかり」
- 猫と薬売り
- 『モノノ怪(Mononoke)』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):小松亮太×チャーリー・コーセイ『下弦の月』
- ED(エンディング):JUJU『ナツノハナ』
- 『モノノ怪(Mononoke)』のコミックス
- 『モノノ怪(Mononoke)』のサウンドトラック
- 『モノノ怪(Mononoke)』のBlu-rayBOX
- 『モノノ怪(Mononoke)』の公式HP