とむぽん@tompon090

とむぽん
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とむぽん

とむぽんと申します。 よろしくお願いします。

とむぽんのレビュー・評価・感想

俺物語!! / My Love Story!!
7

男子が読める少女漫画

まず何より主人公がゴリラのような大柄で漢らしい男子高校生という、一般的な少女漫画とは一線を画す設定が特徴的な作品です。作中でも主人公のフィジカル面を全面押し出した展開が盛りだくさんで、良い意味で少女漫画の王道を外しながら読者を楽しませてくれます。そんな規格外な作風にも関わらず、ちゃんと主人公の恋愛を中心に物語はできています。コミカルなシーンではそこらのギャグ漫画以上にしっかり笑えるにも関わらず、登場人物の感情もとても繊細に描かれており、登場人物に共感しながら主人公達の恋愛模様を応援したくなる不思議な漫画です。
物語は正義感の強い主人公が電車で痴漢されていた女の子を助けたことをきっかけに動き出します。助けられた女の子は主人公に惚れて手作りお菓子などアプローチを図りますが、主人公は自分が女の子にモテるはずはないと思っているので、幼馴染(イケメン)と女の子のキューピッド役を買って出るなどすれ違いまくる掛け合いも面白いです。
後に主人公の勘違いは解消して無事に2人の交際をスタートし、付け入る隙がない純愛カップルが誕生します。このカップルのやりとりにもとても癒されること間違いなしです。周りの登場人物からは時に良くも悪くもリアルな反応をぶつけられるも、このカップルはとても人間ができており読者の心も洗われるという素敵体験もできます。
ぜひ一読ください。

さだまさし
9

心の琴線に触れる歌詞とメロディー

日本語の美しさやなつかしさを含む語彙が豊富な方である。
一人の人間としての自分を愛する気持ちを抱かせ、命の大切さを語らせると右に出る者はいない。
「精霊流し」のヒット曲は、愛する人を亡くした哀切をひしひしと伝えてくれている。
メロディ―は若くして失った夫を悼む妻をまるで慈しむかのように、包み込むかのように甘く切ない。
また夫の母親の着物の色を表現することで、姑を気遣う若いお嫁さんの気遣いを忘れない細やかな優しさをもにじませている。
自分は夫を失い、母親は愛する一人息子を失った。夫を思い、一人息子を思う、妻として母親としての哀切を謳っている。
さだの作詞作曲は、こうした人間模様を巧みに歌いあげている所である。
若いカップルの甘酸っぱい恋を描いたり、「防人の歌」のように自然界にある無常を歌い上げ、山は死ぬのか、川も地も死んでいくのか?と問いながら、人の苦しい歩みに儚い夢や希望が託され終わって行く切なさを謳っている。
さだの歌には、生きる私たちに、本当の人間らしさ、ぬくもりがどういったもので、どのように相手に示されて行くのかを伝えようとしているかのように見える。
人の気持ちに寄り添う優しさや機微が感じられ、細やかな心のヒダにメロディーとともにそれらが沁み込んでくるような感じがする。
時には淋しい、時には面白い、時には情緒たっぷりに、その美しい日本語の表現と音楽に癒されて、至福の喜びに満たされていくのである。

ゴールデンカムイ / Golden Kamuy / 金カム
9

変態×北海道アイヌ史×グルメのインパクト!!

ゴールデンカムイは、日露戦争帰りの兵士・杉本と、アイヌの少女・アシリィパが、アイヌの金塊の謎を印した入れ墨人皮をめぐって、北海道全土から樺太を旅していく物語です。

が、それだけでは、この漫画の魅力と濃ゆさは、語りつくせません。

まずは、この作品に登場する、数々の変態。

現在の貨幣価値に換算すると、3千億円にものぼるといわれるアイヌの金塊の在りかを、囚人たちに入れ墨として彫った…というだけでも、戦前の乱歩などの推理小説を彷彿とさせます。

ですが、入れ墨を彫られている囚人たちが、濃くて、魅力的な変態!!ばっかり!!なんです。

女好きでちゃらんぽらんな脱獄王の白石。
不敗の柔道王、なぜか額にはんぺんをつけてる牛山。
女装の食人老人医師・家永。
「勃起!」と連呼する200頭以上の熊を撃ち殺してきた猟師・二瓶。

ほかにも、ヤングジャンプで連載していいのか…!?と心配になるくらい、際どい変態ぞろい。

もちろん(?)変態は囚人だけではありません。
杉元・アシリィパたちと入れ墨人皮を奪い合うのは、新選組の生き残り・土方歳三一派と、第七師団の鶴見中尉とその配下たち。

息もつかせずストーリーがどんどん進んでいきますが、きっちりしっかりアイヌと北海道史を押さえてあって、そのあたりも読みごたえがあります。

また、アイヌ文化、とりわけ食べ物についての描写が多く、この作品を読んで、「アイヌ料理食べたい〜〜!」と思った方は少なくないはず(笑)。

昔の小説とかマンガってこれくらいぶっ飛んでましたよね。
いつからこんなにお上品になっちゃったんでしょうね?

ちなみに、史実のキャラクターがモデルになっていることが多いので、探してみると、さらに作品を楽しめるかもしれません。

おススメです!

怪物事変 / Kemono Jihen
10

人との出会いが深く描かれている

この作品は主人公の少年がオカルト探偵と出会って物語が始まります。主人公は人間と怪物(けもの)の半妖で、村では周りの人間に嫌われていて学校に行かずに過ごしていましたが、村にやってきた探偵と出会って村を出て上京することになります。主人公はこの探偵との出会いによって人生が変わってどんどん人間らしい感情が出ていくのが面白いと思いました。最初の頃は友達がいなく周りから嫌われていた主人公の周りにどんどん友達ができて主人公自身も大切な人がたくさんできていく中で自分の生活も変わっていきます。キャラクターの感情の変化などが細かく描かれている作品で、主人公の感情の変化以外にも仲間たちが努力して強くなっていく様子や初めは主人公と敵対していたヒロインが主人公のことをどんどん好きになっていくところも見どころです。ヒロインも主人公と出会ったことで恋愛感情が出てきたり主人公の仲間になったりして、人との出会いが大きく描かれています。この作品には怪物(けもの)と呼ばれる存在がいて、それぞれ個性的なキャラクターが多数登場します。鬼の怪物や蜘蛛の怪物、狐や狸などいろいろな怪ものが登場してそれぞれの特徴を活かした能力で戦ったりして戦闘シーンが面白いです。
この作品は主人公や他のキャラクターの出会いや感情の変化が特に見どころの作品です。

HOMEFRONT the Revolution
8

奪われた故郷を奪い返せ!

ストーリーはPS3で発売された前作より4.5年ほど後の話という位置付けと言われているがPS4でやってみた限りどちらかと言うとアナザーストーリー感があります。北の天才発明家がスマートフォンをきっかけ最新コンピュータ、医療機器、家電製品を開発していったことにより経済成長を越え、株が上がったことでアメリカの株価は大暴落。そして北を頼らざる得なくなりそれらの機器を生活だけでなく軍事で使用していることでバックドアが仕掛けられ国の機能が停止してそこで北が進駐してきたところに立ち向かうと言う物語になります。復興の裏で行われてある人権侵害、自由の制限、違う思想を持った者への弾圧行為に立ち向かうべく主人公が戦う話にもなります。面白かったところは各拠点を制圧することで自分達レジスタンスの陣地になり、食料、医療、武器の供給に繋がり装備のアップグレードも容易にできるようになるところです。比較的平穏だが日々、人々が連行される街イエローゾーン、常にドンパチが行われている廃墟の街レッドゾーンの2箇所で戦闘や破壊工作をしたり連行されている市民を救出して仲間を増やしたりできてやり込み要素が多く楽しみがいのあるゲームになります。他の人はクソゲーだと言っていますが僕には理解できないぐらいオススメです。

ゴッド・オブ・ウォー / God of War
7

倭刀術・ザ・ビギニング! こうして始まったあの剣術

実写映画版『るろうに剣心』がいよいよ完結を迎えようとしています。雪代縁は倭刀術を使い、剣心とぶつかりあいます。でも、中国にどうして日本刀が伝わったの?その起源を知る予習としておすすめできる作品です。
昔日本史の時間に習った、倭寇という海賊がいました。その時代の明までには、中国ではああいう両手剣は廃れていたのですね。でも倭寇が無茶苦茶強いから、取り入れたってワケ。
中国では悪者扱いをされてきましたが、この映画ではその背景がきっちりと描かれています。彼らなりに武士道があるし、交易をして経済を回したい。ただの悪党でなくて、顔の見える敵であり、尊敬すべき存在として出てくるのです。
倭寇の中でも最強の将を演じる倉田保昭さんは、かつて千葉真一さんと並び称され、日本を沸かせたアクションスターです。香港映画界で活躍しており、国際的にも伝説の存在です。どうして倉田さんがそこまで敬愛されているのか、なんといっても、アクションがスゴイ!キレッキレです、大迫力です!
サモハンや趙文卓といった共演者も豪華で、日中最高のカンフー対決が楽しめます。こうして中国に伝わった剣術で、雪代縁が戦うのかと思うと胸アツ!『るろうに剣心』の予習には欠かせない作品です。

青の祓魔師 / 青エク / Blue Exorcist
10

忘れていい記憶なんてない(青の祓魔師 ―劇場版―)

大人気漫画の「青の祓魔師」の劇場版です。
劇場版で鑑賞したのですが、本当にアニメなのかと目を疑うほどの、ため息が漏れてしまうようなダイナミックで美しい背景が素敵です。
原作もテレビシリーズも見てないという方も、背景だけでもこの作品を見る価値は十分にあると思います。
作品は、原作やアニメの長編と長編の隙間にスッと入るような時系列の話で、導入までがとても自然です。
悪魔の王・サタンの息子でありながら、その悪魔を戦うべく毎日修行に勉強に大忙しな主人公の少年・奥村燐はひょんなことから、時を操ったり、人の記憶を食べてしまう能力を持つ悪魔・うさ麻呂の面倒をみることになってしまいます。
とにかくワガママで見た目通り子供っぽいうさ麻呂に手を焼きながらも、だんだんと兄弟のように心を通わせていくのは仲睦まじく、とても微笑ましいものでした。
しかし、重い過去をもつ燐が、寝ていた際に過去の夢にうなされているのを見かねたうさ麻呂は、良かれと思って燐の辛い記憶を食べてしまおうとするのですが、映画としてはまだ途中なのに、クライマックスかな?と思うほどに大泣きしてしまいました。
「燐、うさ麻呂は忘れないぞ」というセリフを最後に存在ごと消滅してしまううさ麻呂ですが、燐の心の奥底にはずっとうさ麻呂が残っている、というラストはまさに号泣ものです。

ドント・ブリーズ
3

全然怖くない

舞台はアメリカ・デトロイト。経済破綻しゴーストタウン化が進む街で、養育放棄の両親と暮らす不良少女ロッキーはいつの日か共にここから抜け出そうと妹に約束していたが、そのために必要な逃走資金を得られるあてはなかった。ボーイフレンドのマネーから地下室に金庫を持っているらしい視覚障害者宅への強盗を持ちかけられた彼女は、マネーと友人のアレックスの3人で真夜中に盲目の男性の屋敷に押し入る。だがその男は元・軍人であり、盲目でも超人的聴覚と怪力を持ち、侵入者の殺害も厭わない恐ろしい人物だった。という内容となっています。
ホラー映画やホラーゲームの動画をたくさん見てきました。それと比べた結果、正直言って全く怖くありません。だからといって、アクション要素で楽しめるかと言ったら微妙です。何でそこまでこの映画が人気なのか全く理解できません。追手である盲目の元軍人は超人ではありますが、怖くはありません。せめて、エンジンカッターやハンマーやチェンソー類の武器もって追いかけてくるのならまだしも、持っていたのが拳銃でしたし、それではせっかくの超人的な能力もほとんど生かされません。なにより正直、全体的に地味です。
結論をいうと、あんまりお勧めしません。

ヴァイオレット・エヴァーガーデン / Violet Evergarden
9

アニメ版を見た人は必見。涙なしには見られません。

まずアニメを見たことがない人はアニメから見ることを強くおすすめします。アニメ版の時に描かれた世界観はそのままに、主人公が愛する人への想いの強さを見事に表現した劇場版でした。登場人物間の関係性や愛情をアニメ版から見てきたからこそ、この映画は強く感情を揺さぶるものでした。「手紙の代筆」というひとつの職業を通して、人と人との想いのやりとりをここまで豊かに表現できる世界に脱帽です。深く慕い、愛しつづけた人と結ばれるという定番のラブストーリーのような結末ですが、そこに至るまでの登場人物たちの苦悩や葛藤が丁寧に描かれているからこそ、涙なしに観ることはできませんでした。また主人公の恋愛模様だけでなく、手紙を通して紡がれる感動的なストーリーも散りばめられていて、「愛」をテーマにした人と人とのつながりを描く物語を楽しむことができます。アニメ版でも使われたエンディング曲が作中で使用されるなど、やはりアニメ版を見た人を対象にした映画だと感じるので、まずはアニメから見ることをおすすめします。また、以前アニメを見たという方も映画を見る前にあらすじを見直すことで(私は映画館に向かう途中であらすじサイトを読みました)、登場人物や各ストーリーを振り返り劇場版を更に楽しむことができると思います。

ビューティフル・マインド / A Beautiful Mind
8

栄光と挫折を味わった方に

今まで数々の映画を観てきた筆者には大きな衝撃を受けた作品でした。

主人公は実在する人物、ジョン・ナッシュ。ミクロ経済学を学ぶとナッシュ均衡理論というのが出てくるくらいに有名かつ天才数学者。
しかし彼の半生は順風満帆な人生というよりも病気に悩まされる…挫折の方が大きかったかもしれません。
その病名は統合失調症。現在かなり増えているようですが、この病気は陽性症状と陰性症状がありますが、彼は前者に悩まされます。

当時の統合失調症は重度…と言えるかもしれません。学者になれるほどの能力がありながら…その現実は病に振り回される。エリートほど挫折した時のショックは大きいものと感じました。
ただこの映画には史実と異なるとの指摘もあります。かなり脚色されたのでしょうか。そこまで病気に悩まされていないとの説もあります。
そんな彼は1994年にノーベル経済学賞を受賞します。この頃は寛解に向かったとの史実があります。
ちなみに日本人が唯一受賞していないのがノーベル経済学賞です。
21世紀のスタートの名作を今一度鑑賞してみるのはいかがでしょうか。

レジェンズ / レジェンズ 甦る竜王伝説
10

笑いがありながら最終回で涙腺が崩壊

最初は眼中にも無かったのですが、一話目を見て、中々に面白そうで、笑いながら見ていました。しかし、ある話を境に今までのギャグ展開が嘘のようにシリアスな展開に突入し始め、考えさせられたりもしました。
子供達やレジェンズ達の心理描写がとても細かく描かれ、一人一人の気持ちになって考えたりしました。主力キャラクターだけではなく、脇役にも丸々一話スポットを当ててみたりと、扱いが非常に良いです。忘れ去られるキャラクターというのが基本的に居ないのです。
そして何より主人公のシュウが、主人公としてはあまり居ないタイプのキャラクターで面白いです。何を考えてるのか分からないし本当にお調子者で、それでも持ち前の明るさと元気で、どんなシリアスな状況でもシュウが居るだけで周りの環境が大きく変わるのです。自分的にはこう言った人のタイプの人には憧れます。
それから、レジェンズ達は保護者のようであり子供達にとっては暖かい存在です。しかし、次第に明らかになるレジェンズ達の存在理由、そのことでレジェンズ達と子供達は葛藤します。
一緒に居たいけど巻き込みたくないと思うレジェンズ達の複雑な気持ちがあり、これらの事が積み重なってきたからこそあの最終回があったのだと思います。最終回は泣きました。