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栄光と挫折を味わった方に
今まで数々の映画を観てきた筆者には大きな衝撃を受けた作品でした。
主人公は実在する人物、ジョン・ナッシュ。ミクロ経済学を学ぶとナッシュ均衡理論というのが出てくるくらいに有名かつ天才数学者。
しかし彼の半生は順風満帆な人生というよりも病気に悩まされる…挫折の方が大きかったかもしれません。
その病名は統合失調症。現在かなり増えているようですが、この病気は陽性症状と陰性症状がありますが、彼は前者に悩まされます。
当時の統合失調症は重度…と言えるかもしれません。学者になれるほどの能力がありながら…その現実は病に振り回される。エリートほど挫折した時のショックは大きいものと感じました。
ただこの映画には史実と異なるとの指摘もあります。かなり脚色されたのでしょうか。そこまで病気に悩まされていないとの説もあります。
そんな彼は1994年にノーベル経済学賞を受賞します。この頃は寛解に向かったとの史実があります。
ちなみに日本人が唯一受賞していないのがノーベル経済学賞です。
21世紀のスタートの名作を今一度鑑賞してみるのはいかがでしょうか。