怪物事変 / Kemono Jihen

怪物事変 / Kemono Jihen

『怪物事変(けものじへん)』とは藍本松による人気のダークファンタジー漫画である。「ジャンプスクエア」にて2017年より連載中。シリーズ累計発行部数は420万部を突破しており、2021年1月から3月までアニメも放映されている。
舞台は東京にある隠神探偵事務所、主人公である夏羽(かばね)が消息不明の両親を探すため、怪物による数々の怪異事件を仲間である隠神(いぬがみ)達と共に解決していく物語である。

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怪物事変 / Kemono Jihenのレビュー・評価・感想

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怪物事変 / Kemono Jihen
7

怪物事変の世界観について

藍本松さんの作品、怪物事変はアニメ化もされた人気作となっています。この作品の主人公はとある何気ない平凡な村で暮らす13歳の夏羽という少年です。
この少年は村中の人々から忌み嫌われていました。両親が夏羽が生まれてまもなく失踪し、親戚の旅館を営む叔母が引き取りその旅館で居候していました。小さな村なのでみんなから嫌われ、物心ついた時からなので感情を失ったかのように無心で旅館で働いていました。
そんな日常の中のある日、探偵事務所から来た隠神という方がその村にやってきました。依頼をしたのは夏羽の叔母らしく数日の間旅館でお世話になることから夏羽と隠神の出会いがあり、この物語が加速していくのです。
夏羽は唯一両親の形見である「石」を肌身離さず持ち歩いていました、隠神はそれを見てそれが何なのか知っているとのこと。夏羽は少しでも親のことが知りたいと思い、隠神にこの石は何なのか尋ねます。感情が無くなったのではなく13歳の普通の子どもであることがこの場面からとても良く読み取れます。
この場面は物語の1番最初です、自分はどんな漫画もとりあえず始まりだけは読んでみることを心がけていますのでこの作品も読んでいたらとてもこの藍本松さんの世界観に引き込まれていきました。それからはもうずっと読ませて頂いています。大筋は妖怪バトルファンタジーです。そちらの路線目線で読まれてももちろん面白いと思いますし、自分は夏羽の感情の起伏にもとても心打たれるので読んでみて欲しいです。

怪物事変 / Kemono Jihen
8

登場人物が全員魅力的!

鹿の子村に住んでいる泥田坊と呼ばれていた主人公・夏羽がさまざまな人(怪物)と関わっていくことで、人間らしい心の成長を成し遂げていくところが見どころです。また、人間の姿をした怪物たちがたくさん出てきますが、どの登場人物も設定や人物背景が魅力的です。
メインで出てくるのは、主人公の夏羽と蜘蛛(アラクネ)と呼ばれる怪物の半妖であるシキ、雪男子の怪物のアキラ。はじめて出会った頃はギクシャクしている場面もありますが、一緒に時間を過ごしていくうちに信頼関係が生まれていくところが心が温まります。それぞれの登場人物の背景も内容が詰まっており、みんなで解決していこうとするところに胸を打たれるシーンも多いです。また、敵である狐の一味の人物背景も濃く、読んでいてなかなか憎むことができません。敵の仲間の中にもきちんと友情や愛情があるんだなぁと考えさせられる内容です。主人公は屍鬼(クーラー)と呼ばれる怪物と人間の半妖なので死ぬこともなければ痛みも感じませんが、他人の痛みを理解しようとする優しい男の子です。それがとても魅力的だし、どこかぼんやりしているようですが、自分の考えもしっかり持っているなぁと感じます。
登場人物全員がとても魅力的なので、誰にもいなくなってほしくない…!どのように話がまとまっていくのか、とても楽しみな作品です。

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10

人との出会いが深く描かれている

この作品は主人公の少年がオカルト探偵と出会って物語が始まります。主人公は人間と怪物(けもの)の半妖で、村では周りの人間に嫌われていて学校に行かずに過ごしていましたが、村にやってきた探偵と出会って村を出て上京することになります。主人公はこの探偵との出会いによって人生が変わってどんどん人間らしい感情が出ていくのが面白いと思いました。最初の頃は友達がいなく周りから嫌われていた主人公の周りにどんどん友達ができて主人公自身も大切な人がたくさんできていく中で自分の生活も変わっていきます。キャラクターの感情の変化などが細かく描かれている作品で、主人公の感情の変化以外にも仲間たちが努力して強くなっていく様子や初めは主人公と敵対していたヒロインが主人公のことをどんどん好きになっていくところも見どころです。ヒロインも主人公と出会ったことで恋愛感情が出てきたり主人公の仲間になったりして、人との出会いが大きく描かれています。この作品には怪物(けもの)と呼ばれる存在がいて、それぞれ個性的なキャラクターが多数登場します。鬼の怪物や蜘蛛の怪物、狐や狸などいろいろな怪ものが登場してそれぞれの特徴を活かした能力で戦ったりして戦闘シーンが面白いです。
この作品は主人公や他のキャラクターの出会いや感情の変化が特に見どころの作品です。

怪物事変 / Kemono Jihen
9

泣けるメインストーリーに、コメディでスパイスを。

現代において妖怪・人外物の作品はたくさんありますが、その中でも「怪物事変」は特に面白い作品だと思います。
まず登場キャラクターに嫌悪感を抱くことがなく、全てのキャラに親しみを感じます。ストーリーは主人公が両親に再会するために、そのきっかけとなるであろう石を全て集める、というものなのですが、その端端でコメディな描写が多々あります。家族に会いたい、愛する人を守りたい、友達や大切な人ために戦う、などといった心が揺さぶられるメインストーリーに、キャラ同士の感情豊かで賑やかなコメディっぷりは、読んでいてとてもバランスがよいです。田舎暮らしで世間を何も知らない主人公 夏羽(かばね)が、いろいろな人たちと出会い触れ合うことで外の世界のことや人の感情などを学び、知っていく様子を読んでいても心がとてもほっこりします。これはおそらく主人公や仲間たちの年齢や見た目が若い子が多いため、親や姉、兄になった感覚で彼らの成長や活動を見守っているような感覚に陥るからなのでしょう。
漫画では作者の画力も高く、ストーリーももちろん面白いですが、イラストを見ているだけでも飽きません。アニメ化もされた作品なため、みなさんの目に触れる機会も多くなったと思います。ぜひ一度、手に取ってみてください。

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