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nakamura0713のレビュー・評価・感想

デカダンス(アニメ)
9

王道を貫いた「NUT」オリジナルアニメ デカダンス

この作品は今から見て未来の話になる。

突如現れた未知の生命体<ガドル>によって、人類は滅亡の危機に陥った。
ガドルからの脅威から身を守るために、人類は巨大な機動要塞<デカダンス>を建造しその中で暮らしていた。
主人公のナツメは、ガドルと戦う戦士である<ギア>になる夢を持った力のない<タンカー>の少女である。
無愛想なデカダンスの装甲修理人カブラギと出会い、世界に大きな影響を与えていく物語になっている。

この作品ではキーワードがあるそれは、「生きるとはなにか」だ。
カブラギはデカダンスというシステムの中でただ意思を持ったサイボーグであった。
空虚に死ぬのを待っていたカブラギが、ナツメに出合い自分の生きることの意味を考え直し、世界を変えるために奮起するのは王道だがとてもよかった。

この作品のオープニングテーマ鈴木このみさんの「Theater of Life」という曲が、物語の深みを増しているといっても過言ではない。「生きている ただその実感が欲しかった」というのが、カブラギの心情をよく表していてかなり刺さった。
戦闘シーンの気合の入り方が尋常ではなく、人体の構造を感じられるダイナミックな動きがとてもよかった。
12話完結でとてもきれいに終わっていたのでその点も高評価。これだけ完成度が高いので続きをもっと見たいと思えたいい作品だった。

SF、ファンタジー、ロボットなど刺さる人にはとことん刺さる最高の王道作品。

スピッツ / Spitz
10

ライブの光る日本を代表するロックバンド

デビュー30周年を迎えてもなお、向上心を持って秀逸な作品を世の中に送り続ける、日本を代表するロックバンドであるスピッツ。
テレビやメディアへの露出は少ないものの、CMや映画、ドラマのタイアップ曲も未だに耐えることがない。またその楽曲の完成度から、ミュージシャンからの支持も高く、多くのミュージシャンにカバーされている。
ボーカルであり、殆どの曲の作詞作曲を手掛ける草野マサムネの才能の豊かさは言うに及ばず。美しいメロディの楽曲もさることながら、彼の書く詞の世界は、ファンタジーと毒性を併せ持ち、スピッツらしい世界観を紡ぎだしている。またややハスキーでありながらも、伸びやかで透明感のあるハイトーンボイスもまた、唯一無二である。他のバンドメンバーも、それぞれに才能を発揮している。ドラム崎山の龍男ダイナミックかつリズミカルなビートや、ギター三輪テツヤのアルペジオ、ベース田村明浩のうねりのあるベースラインは、どれも定評があり、草野のソフトなボーカルとメロディアスな楽曲を、完成度の高いロックへと導いている。
また、スピッツはライブバンドであるとメンバー自身も語っており、そのライブパフォーマンスはバンド最大の魅力でもある。アリーナクラスよりもホールクラスの会場を好み、自身で主催するフェスもライブハウスで開催をしている。そのためチケットは当然入手困難であることで有名だ。テレビや音源だけでは感じ得ないパワフルでロックなスピッツのステージは、まさに日本を代表するロックバンドとしての真骨頂と言える。
これまで一度もメンバーチェンジすることなく、日本のロック業界を牽引してきたスピッツ。彼ら自身もそう望んでいるように、これからもできる限り長く、バンド活動そしてライブ活動を続けてほしいと心から願っている。

鬼滅の刃 / Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba
9

この映画は現代を表しているのではないか。(劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編)

この映画の夢を見せる鬼は、スティーブジョブズを表しているのではないかと思う。
スマホの中で人々に夢を見せて、辛い現実を忘れさせる。現実と戦わずにスマホに夢中にさせる。
夢を見せる鬼を見て、そのようなことを連想した。
イノシシの嘴平伊之助の「そんなことで死ぬな」というのは、そんな機械のようなもので病気になって死ぬなと言っている風に聞こえた。
主人公竈炭次郎の心の正しさ、美しさが、どうしようもない出来事から人々を救うといった内容だったように思う。
この映画には、「良かった」といいながら星を4つつける人が多いのではないかと思う。
上弦の鬼の登場が、唐突すぎて、構成に違和感を感じるのだ。
そこで、この映画が星5つになるためにはどうしたらいいのか考えたのだが、列車のシーンに、ワンカットでも、上弦の鬼が山などから列車を眺めている後ろ姿を入れれば、星5つになるのだと思う。
しかし、それを入れてしまったら、上弦の鬼が出てきたときの感動(或いは動揺)がないので、作品としてはおもしろくなくなるのかもしれない。
しかし、色々な物語を見ても、大体、「いいやつはいきなり現れる。」「悪いやつは徐々に表れる。」というのがセオリーだったりする気がしている筆者は、やはり、伏線で後ろ姿のワンカットを入れてもよかったのかもしれないと思うが、たぶん制作側は、構成の美しさよりも映画としてのおもしろさの方を優先したのだろう。

ダンベル何キロ持てる? / ダン持て / How Heavy Are the Dumbbells You Lift?
7

ダンベル何キロ持てる?

タイトルのインパクトが強く、興味をそそられました。オープニングの曲が話題になっていたことも見てみようと思ったきっかけです。「お願いマッスル」という曲で、歌詞は一度聴いたら忘れられないようなとても面白い単語が並んでいます。合間に入る合いの手のようなセリフが特に秀逸です。
初めはキャラクターデザインがあまり好みではないし、全体的に男性向けなのかと思っていましたが、どんどんとハマっていきました。主人公の女子高生がジムに通うことになり、筋トレにハマるというストーリーで、思った以上に本格的な筋トレ要素が含まれていて驚きました。ストーリーの間に突然入ってくる「筋肉講座」では、やり方や注意点などをしっかりと解説してくれます。エンディング後にも一緒にやってみようというコーナーがあり、カウントに合わせて視聴者も筋トレができるようなおもしろい構成になっています。この作品がきっかけで筋トレを始めた人も多いらしく、私もちょっと頑張ってみようと思って、最近サボり気味だったジム通いに力を入れています。日常でもオープニングの合いの手セリフを思い出してニヤッとしてしまうほどに中毒症状があるアニメなので、おすすめです。

ボヘミアン・ラプソディ / Bohemian Rhapsody
10

もう誰が見ても感動します!

多くの方の話題の中心だった映画で今更語る必要がないほどのものです。
フレディ・マーキュリーが生き返ったのかと思うほど、ラミ・マレックが生き写しのように再現しており本当に衝撃を受けました。元々の風貌はフレディーとはかけ離れているのに。付け歯(形容詞があっているかはわかりませんが)をして演じていたそうですが相当研究したんだろうなぁと思いました。
一青年が栄光を掴み、掴んだ後自らその栄光を手放すような生活の描かれ方に涙。しかもほぼ実話です。
スターの孤独はスターしかわからないのでしょうね。クイーンのメンバーからの信頼を失って軋轢が生まれるところは特に涙です。
何より実際当時ライブエイドを観た人間としては、そのライヴの再現性の高さには目を見張るものがありました。本当にフレディが歌っているようで大号泣!
またフレディ・マーキュリーのHIV感染の報道がされた時のことを覚えていますが、当時HIV感染の問題が頻繁に叫ばれており、大スターが公表することでとても勇気をもらった人が多いと感じます。療養中は最後のパートナージムハットンに色々とかいがいしく面倒を見てもらうんですよね。最後のとても幸せな時間だったと思います。
実際そのあとにすぐにフレディが亡くなってしまう報道が当時あり、そのことをかなり思い出しながら観ていました。こう書いてしまうとクイーンファン以外は興味がもてない映画なのかなと思われそうですが、フレディ・マーキュリーもクイーンも知らない方が観ても何かを感じ、何かを思う素晴らしい映画だと思います。

レインマン(映画)
10

レインマン

タイトルからして不思議。レインマン雨男。何のことだと思いながらビデオを買い、キャストがトム・クルーズ、ダステイン・ホフマンという豪華共演に魅せられて映画を見始めた。
トムの役は若き詐欺師でとんでもない悪党。ある日トムのところに電話がかかって来る。親が死んだ、急いで帰れと。遺産相続の話があると言われ帰ってみると、君には兄がいるとの話にびっくりぎょうてん。兄がいるとは今まで知らず、いきなり言われて戸惑うトム。実は兄は訳ありである施設に入っていると聞き、てっきり遺産は自分のものと思っていたトムだが、相続は兄の承諾と兄弟仲良く暮らすという条件付きであった。しかし兄のことは何も知らないで育ったトム、もちろん兄の方も条件は同じだ。トムはさっそく施設に会いにいったものの兄の病気は想像を絶するもので、自分のことすらわからない、ましてトムのことなど分かりようもない状態。頭を抱えるトム。このままでは遺産を手にすることはできない、と考えた末に兄を施設から連れ出して行動をしながら策を練ろうと考えた。兄の病気はサバン症候群というやっかいなもので、意思の疎通ができないのだ。
この映画の魅力は、病気の兄と弟に少しずつ肉親の情が芽生えていく過程が丁寧に描かれていて、心に沁み込んでくるところだ。30年に1本の名作。

ダンサー・イン・ザ・ダーク / Dancer in the Dark
10

観終わったあとの喪失感、最高です

大好きなマツコ・デラックスが1番好きな映画としてオススメをしていたので観ました。
全体的に明るい映画ではないのですが、映画の中で急に始まる、主人公であるセルマ(ビョーク)が踊りながら歌うミュージカルのようなシーンには引き込まれます。
息子を女手一つで育てるセルマですが、セルマは生まれつき目に病気があり視力がどんどん悪くなっている状況で、いずれ見えなくなるとのことでした。残念なことにこの病気は息子にも遺伝していたのですが、手術を受けることで失明を回避できることを知り、セルマは息子の視力を守るために必死に働いてお金を貯めていました。セルマの優しい性格に惹かれてセルマの傍にいる人もいて、きっと最後は息子の手術が出来てセルマの目は見えなくなるのかもしれないけども幸せハッピーエンドで終わるのだろうなんて考えていました。
途中の内容をいろいろと省きますが特に衝撃的なのは最後の処刑台に登るシーン。怖くて足が進まないセルマでしたが息子がかけていたメガネを渡され、息子の手術が成功したことをしります。そのことで安心したのかセルマは再び歌い始めます。映画を観終わった後、1週間は立ち直れませんでした。
でも何度も観たくなる映画です。