デカダンス(アニメ)

デカダンス(アニメ)のレビュー・評価・感想

New Review
デカダンス(アニメ)
9

王道を貫いた「NUT」オリジナルアニメ デカダンス

この作品は今から見て未来の話になる。

突如現れた未知の生命体<ガドル>によって、人類は滅亡の危機に陥った。
ガドルからの脅威から身を守るために、人類は巨大な機動要塞<デカダンス>を建造しその中で暮らしていた。
主人公のナツメは、ガドルと戦う戦士である<ギア>になる夢を持った力のない<タンカー>の少女である。
無愛想なデカダンスの装甲修理人カブラギと出会い、世界に大きな影響を与えていく物語になっている。

この作品ではキーワードがあるそれは、「生きるとはなにか」だ。
カブラギはデカダンスというシステムの中でただ意思を持ったサイボーグであった。
空虚に死ぬのを待っていたカブラギが、ナツメに出合い自分の生きることの意味を考え直し、世界を変えるために奮起するのは王道だがとてもよかった。

この作品のオープニングテーマ鈴木このみさんの「Theater of Life」という曲が、物語の深みを増しているといっても過言ではない。「生きている ただその実感が欲しかった」というのが、カブラギの心情をよく表していてかなり刺さった。
戦闘シーンの気合の入り方が尋常ではなく、人体の構造を感じられるダイナミックな動きがとてもよかった。
12話完結でとてもきれいに終わっていたのでその点も高評価。これだけ完成度が高いので続きをもっと見たいと思えたいい作品だった。

SF、ファンタジー、ロボットなど刺さる人にはとことん刺さる最高の王道作品。