アイシールド21 / Eyeshield 21

アイシールド21 / Eyeshield 21

『アイシールド21』とは、原作稲垣理一郎、作画村田雄介によって『週刊少年ジャンプ』に掲載されていた少年漫画、およびそれを原作としたテレビアニメ作品。パシリにより鍛えられた俊足を見込まれ、強制的に泥門高校のアメフト選手にされた小早川瀬名。選手登録名「アイシールド21」として日本のアメフト界の最高峰である全国大会決勝(クリスマスボウル)を目指し、仲間たちと共に様々な強敵を相手に奮闘する。

アイシールド21 / Eyeshield 21のレビュー・評価・感想

アイシールド21 / Eyeshield 21
10

ジャンプ史上最高のスポーツ漫画

この漫画は私立泥門高校に入学した主人公小早川瀬那がアメフト部主将のヒル魔からスカウトされ、アメフト部に入部するところから始まる。これまでパシリとして過ごしてきた主人公が、自分の武器である類稀な俊足を活かして成長していく物語。

この漫画の面白いところは、主人公のチームに誰1人として完璧なプレイヤーがいないながらも、戦略と知恵、そしてチームワークを武器に強敵をなぎ倒していくところにある。「ひ弱だけど俊足」、「ボールは投げれないけど天才的なキャッチ力」、「鈍足だけど怪力」などクセがあるメンバーを、司令塔キャラが天才的な頭脳を武器に奇策を仕掛けていく。アメリカンフットボールの戦略の深さとも相まって、読み進めながら少しずつのめり込んでいくのが分かるほど面白い。

本作品で一貫して描かれている「凡人はどう天才に立ち向かうか」は主人公チームばかりではなく、その他のチームでも描かれており、物語終盤になるとどのキャラクターにも感情移入してしまうほど、シナリオの描き方も秀逸なのもポイント。

スポーツ漫画によくありがちな非現実的な身体能力や必殺技が登場するわけでもなく、現実世界でも存在する技術やモデルとなるプレイヤーも存在するため、いつの間にかアメリカンフットボールファンになってしまうかもしれない。

既に完結している本作だが、根強いファンが多く、続編を書いてほしいという意見もあるほど。漫画を読みたいがどれにしようか迷っている人や、スポーツ漫画が好きな人にはぜひオススメしたい作品だ。

アイシールド21 / Eyeshield 21
10

なんでもありのスポーツ漫画

高校生がアメリカンフットボールにのめりこむ漫画です。
足が速いことが取り柄の地味目の高校1年生が、最強のアメリカンフットボーラーになるまでを描いた作品。それぞれが抱える人間模様も興味深く、スポーツだけでない面白さがあります。一つひとつの節目で壁にぶつかって、いろいろな方法で乗り越える、個人の力だけでなく周りの力も必要ということを教えてくれます。
リーダーとはどういうことか、弱いところを見せてはいけないのはなぜか、常に自分を手本とさせる様子やチームの作り方・モチベーションの上げ方といった、チームワークの作り方を学んだり、気づかされるきっかけにもなるような場面が満載のこの作品。
高校生離れした高校生や、武器を持つ者もいれば、ありえない技を繰り広げ、言葉の壁を越えたコミュニケーションをするなど、現実ではありえない設定もあります。しかし、物語の面白さにグッとのめりこんでしまう・引き込まれてしまいます。
作画もよく、本当にスタジアムで試合を見ているかのような気持ちに。
高校生たちが部活に青春をささげる、爽快なスポーツ漫画だと思います。

アイシールド21 / Eyeshield 21
10

才能とは何かを考えさせられた

アイシールド21はアメフトを題材にしたスポーツ漫画です。あらすじを簡単に紹介します。
高校生1年生でいじめられっ子の小早川瀬那という男の子が不良にパシられているうちに爆発的な走力を身につけ、それに目を付けた先輩が勧誘。最初はアメフトなんて危険だし嫌だと言っていたものの、徐々に魅入られていき、なんやかんやでアメフト部に入部。他校の化け物クラスの選手達と競い合う中で才能が開花し、大活躍…といった感じでしょうか。

ポイントは、この主人公、足が速い「だけ」という点。身体は貧弱でメンタルもひ弱ですが、高校最速レベルで足が速いのです。同じように、ボールのキャッチ力だけが秀でたキャラなんかも出てきます。私自身、歳をとる中で自分は大して才能のない人間なんだなとか、完全無欠ではないんだなとか気付き始めて、身の丈に合ったスモールな生き方を模索し始めていました。どうせ自分みたいなものが頑張ったって、元から才能に溢れていて、環境にも恵まれていて、努力を積み重ねてきた人には勝てるわけないんだと。しかし、この主人公は自分の中にある唯一の武器を、ブルブルガタガタと身震いしながらも試合の中で磨き続け、アメフトにこそ自分の居場所があるのだと信じ続けて、一から努力を積み上げ始めました。

漫画を読み進めるにつれて、「きっと私にも、彼のような才能の芽が存在しているのかもしれない。それなのに、失敗して惨めな思いをすることに怯えて、ただ事なかれ主義に甘んじてしまっていた」と、自分の中にある可能性に気付かせてくれました。それと同時に、才能という言葉に甘えていた自分に活を入れてもらいました。今の自分に自信が持てない、そんなあなたにおすすめしたい最高の漫画です。

アイシールド21 / Eyeshield 21
8

爽やかさと読み応えを兼ね備え、何度読んでも飽きない王道スポーツ漫画

この作品は、いじめられっ子の少年である小早川瀬那が、アメフトを通して人として成長していく物語。
この作品の魅力を、ストーリー、キャラクター、作画の3つに分けて解説していく。
まずはストーリーについて。王道スポーツ漫画らしく、章ごとに敵がでてきて、主人公たちの強化、敵を倒すという流れの繰り返しである。しかし、それぞれの章ごとのテンポがとても良く読みやすいのに加え、敵キャラの規模がどんどん大きくなっていく疾走感もあり、最終話まで飽きずに読み続けることができる。
次にキャラクター。主人公の小早川瀬那は元々いじめられっ子であるため、最初から心が強いわけではない。それが逆に読者は共感しやすい。また、主人公以外のキャラクターにも長所、短所や精神的な弱さがあり、それを克服していく姿は誰でも勇気が貰える。また、序盤の敵キャラなどを使い捨てにせず、しっかりとキャラクターを使い続けている。そのため、キャラクターに対して愛着が湧いていく。そして、愛着が湧いているキャラクターが増えていくと、ストーリーもより楽しむことができる。
最後に作画。アイシールド21は、原作を稲垣理一郎が担当し、作画を村田雄介が担当している。キャラクターとストーリーは稲垣理一郎が生み出した魅力だが、それを村田雄介の作画がさらに強化している。キャラクターの心理を表情でしっかりと伝えることで、よりキャラクターを好きになる事ができる。また、村田の描く必殺技には、まさに動いているかのような臨場感があり、漫画を読む中でマンネリを消し、爽快感を持たせてくれる。

アイシールド21 / Eyeshield 21
10

ルールがいつの間にか分かっている、不思議な体験

アメフトという日本ではマイナーなスポーツを扱った漫画でありながら、ルールが話かからない、なにが起こっているのか把握できない、というスポーツ知識がないことによる退屈を全く感じさせない漫画。
気弱な主人公が弱小チームと一緒に駆け上がっていくという王道ストーリーがとっつきやすさ、読みやすさを助け、漫画『ワンパンマン』で活躍中の村田雄介氏による美麗な作画と圧倒的なキャラの描き分けに感動する。
全国大会をかけた関東大会からは敵チームのキャラクター性にも深く踏み込んだアツい展開が続き、一時も目が離せない。
親子の軋轢や兄弟の不和など、スポーツ描写だけでなく読み手の心を揺さぶるようなバックボーンも丁寧に描かれ、キャラクターの多い作品ながらあらゆる人物に感情移入して読めるような作品構成も魅力的だ。
関東大会を制し夢のクリスマスボウルに進むメンバーの面々、そしてそのクリスマスボウルで無敗の関西に挑む姿には、まるで自分も一緒に戦ってきたような気がして胸に迫るものがある。
最後の締めくくりとして描かれる世界大会では、これまで戦ってきたチームの選りすぐりの選手でドリームチームを組んだ日本代表の試合を見られるのも、ファンの心をくすぐってくる。

アイシールド21 / Eyeshield 21
7

パシられていた男の子が高校でアメフトを始める物語

小早川瀬那は小、中学校とパシリをさせられていた。高校に合格した彼は、幼馴染で年上の美人なお姉さんの姉崎まもりと喜んでいました。そこへ、先輩らしき2人組がセナの元へ来ると、親へ連絡するといいと携帯を貸してくれました。その日から家にアメフトの勧誘の電話、チラシが大量に届くようになりました。
入学式当日、まもり姉さんに学校でいじめられたりしないかなど心配されていました。セナの学校には「悪魔」と呼ばれる程、恐れられている先輩がいるとも教えてもらいました。学校につき色々な心境のセナでしたが、お昼休みの時に教室の不良3人組にパシられてしまい、泣く泣く買いに行くますが、そこでセナのパシリで鍛えられた爆速ダッシュが炸裂します。
しかし頼まれた物が売っておらず不良達にそのことを話しましたが、あまりにも戻るのが早すぎて怪しまれてしまいました。そこで、セナのことをしめようとした不良達が、人目のつかなそうな建物を見つけ連れて行きました。そこはアメフト部の部室で、ふざけて防具などをつけていると部員の栗田良寛という大柄な男が入ってきて、不良達を新入部員と勘違いして投げ飛ばしセナは救われました。アメフト部には「悪魔」と恐れられている蛭魔妖一も入部しており、ここから3人のアメフト部の物語がスタートします。

アイシールド21 / Eyeshield 21
9

事前のアメフト知識必要なし!

熱い気持ちになるスポーツ漫画です。
個性的なキャラクターが自分に重なります。
低身長でだが光速の足を持つ。圧倒的に頭がキレるが身体能力に恵まれなかった。腕っぷしだけが取り柄。大好きな野球で活躍できなかった。不遜が許される天才。天才として生まれた上に誰よりも努力する孤高。幼少期の怪我のハンデを抱える。
などなど、キャラクターに深みがあり、気が付くと感情移入してしまいます。

アメリカンフットボールという日本人には馴染みが薄いテーマの漫画ですが、誰でも楽しめます。
細かな説明などは少なく、読者のルールの理解がストーリーに組み込まれています。
ストーリーに夢中になっていると、アメリカンフットボールのルールだけでなく、熱いポイントが知識でなく、心で理解できるといった感じです。

主人公だけなく、対戦相手のバックグラウンドにフォーカスされた上で試合は表現されています。
一つ一つの試合が熱く、好きなシーンが人によって様々な印象があります。
絵が上手く、展開も予測できないので、一度読み始めると止まらないタイプの漫画と言えるでしょう。

10段階評価で9点として、満点としなかった理由ですが、物語序盤は少し退屈します。
それは漫画の一番の良さがキャラクターの深みであるためですが、物語が進むにつれ面白くなっていくイメージです。

アイシールド21 / Eyeshield 21
10

こんなに心がアツくなれる漫画はほかにない!!

2000年初期に週刊少年ジャンプで連載が始まったアメフト漫画。
この漫画の題材となってるアメリカンフットボールは、日本ではあまり馴染みがなく読者を惹きつける要素としては弱く感じるが、この漫画の最大の魅力はそこではない。
弱い奴らが強い奴らを戦略と根性、そして仲間と一丸となってぶっ倒していく。ひたすらに読者の心をアツくさせてくれる漫画なのだ。
相手に対して挑発・嘘など勝つためならなんでもありの弱小アメフト部、泥門デビルバッツ。その司令塔「蛭魔妖一(通称ヒル魔)」は主人公の小早川瀬那(通称セナ)に、光速のランニングバック「アイシールド21」を名乗らせ、個性派ぞろいの部員たちと弱小校といわれていながらも「クリスマスボウル」を本気で目指していく物語である。
試合中にヒル魔の挑発・嘘ハッタリで相手を翻弄していく場面が見せ場と言っていいほど毎試合ごとに違う戦術・新しい技を繰り出していく描写には毎回ワクワクさせられるが、一番の面白さはそこではない。
ラスベガスで2000kmもの距離をトラックを押しながら進んだり、石を蹴りながら走りきるといった「スポ根」の一面を兼ね備えているからである。
嘘を本当にするべく、デビルバッツのメンバーたちは本当にきつい練習をして成長していく。嘘が本当になればヒル魔の考える戦術の幅が広がり、個々の成長と相まって強豪校を次々とぶっ倒していく。 また、試合中に成長していくのもこの漫画の面白さのひとつ。負けても諦めることなく打開策を考え一つ一つの壁を越えていくところがまたアツい!!!
私は、スポーツ漫画を王道と能力系の二種類に分類しているが、アイシールド21は「限りなく能力系に近い王道」に位置付けたい。
なぜなら、「リアルっぽくないけど本当にありそう」が詰まっている漫画であるからだ。技名がド派手でインパクト満載だが、やっていることは案外できそう。いや、できる技もある。(実際やってみたこともある。)そこにもヒル魔のハッタリが生きているようだ…。
王道のスポ根漫画ではないが、読むたびに心がアツくなる。自分を鼓舞したい、心オドル何かが欲しい…。そんな人にぜひ読んでほしい。

アイシールド21 / Eyeshield 21
7

ぶっ殺す!yeah(円陣の掛け声です)

週刊少年ジャンプで連載されていたアメフト漫画です。個人的にアメフトを知らなくて、この漫画で初めてアメフトの面白さを知りました。
主人公、小早川瀬那は気弱なタイプで、不良たちにパシリで走らされ足腰が鍛えられて足が速くなったというマンガらしい設定です。そこに目をつけた蛭魔妖一にアメフト部に無理矢理入れられ、その俊足を生かしてアメフト部のエースとなっていきます。
この漫画の特徴としては、
・まず絵が好きです。温かみがあり読んでて癒されます。回を重ねるごとに絵がどんどん良くなっていき、アメフトの試合の臨場感がよく出てると思います。
・このマンガを読んでアメフトが好きになりました。ルール解説やら戦術の細かい話など勉強になりました。
・ただ設定として高校一年の春からスポーツを始めて、その年のクリスマス(クリスマスボールという全国大会の決勝)までに全国優勝するというのは如何にもマンガらしくてちょっと嫌でしたね。いくら夏休みに超過酷な特訓をしたとはいえ、もとは弱小チームですからね…
・スポーツ漫画全般にありがちな今までの対戦相手と選抜チームで仲間になるというのは陳腐ですね。確かに見たい気はするんですが…
悪い所も書いてしまいましたが、ホントに面白い漫画なのでおすすめします。

アイシールド21 / Eyeshield 21
7

スポーツ漫画ならコレ!!

まじで面白い。スポーツ漫画ってルールわかんないから読む気なくなるとかそういうの多いけど、この漫画はそうじゃない。青春?とはまた違うけど熱い漫画。心からお勧めできる一作です。
自分もアメフトは知らなかったですが、この作品を読んでどんどん引き込まれていきました。友情あり、笑いあり、涙ありです。
そしてなんとアニメ版の主要キャラの1人の声優はなんと、あのロンドンブーツの田村淳さんが担当しています。私は個人的にはアニメで見るよりも漫画で一気に読みたいですね。スピード感があっていいですね!ただ、スポーツ漫画特有の、試合ばっかりでストーリーが、頭に入りにくい面はあるかもしれないですね。途中から見たらつまんないと、感じてしまうかもですね。その辺はギャグ漫画ではないのでご愛嬌を。
とにかく!スポーツ漫画好きなら、ジャンプ好きなら一度は読んでいただきたい漫画ですね。これまで私も沢山のスポーツ漫画を読んできましたが、なぜこの本がおススメなのか、ストーリー性さることながら、一番の魅力は絵ですね。何よりリアルが求められるスポーツ漫画でこの絵は素晴らしく綺麗です。この作画の人は他にもジャンプで作画担当していた作品があるのですがそちらもおすすめです。ぜひ見てみてください。、惚れ惚れします。

アイシールド21 / Eyeshield 21
8

アイシールド21

ジャンプ作品で10年以上前の作品ですがかなりの良作です。
主人公が自分と同じ誕生日というだけで読み始めました。
スポーツ漫画が好きでルールを知らなくてもジャンル関係なく読みます。
本作品はアメフトを題材にしていますが、試合が本格化していくのは20巻あたりからだなと個人的には感じています。
部員の少ない部活の発起人がチームを作り、やがて周りが触発されていく姿が何度読み返しても熱くなります。
発起人のヒル魔は非人道的ですが、頭が切れ賢い人間です。
一方、主人公は引っ込み思案でいじめられっこ。
その仲裁に入るヒル魔の同級生の栗田。
問題は部員が少ないだけでなく、目標が信じられないほど高いヒル魔は見ている尺度が常人とはかけ離れているようです。
大人になってから見ると、意志の強さは自分で気づき、鍛えていくことがいかに大切か、しみじみ感じてしまいます。
私がインパクトを強く感じたのは、ヒル魔の同級生で入部した先輩のエピソードです。
成績優秀だが体力がなく、スポーツをする環境がなかった先輩が憧れではじめたアメフト。
もちろん部活にはついて行けず、何度も何度もはいつくばって何とか続けているような状態。
諦めず努力を重ねるが、結果は圧倒的に後輩に劣る事実は変わりません。
そんな中、始まる試合。出場するメンバーを読み上げるヒル魔は残酷にも先輩の名前を呼ぶことはありません。
当然のことだと本人が一番感じているが、一人になったときに溢れる涙。
悔しくて、それでも諦めたくなくて、ついに心が折れそうな時、後輩たちの気遣いではない本音のエールがもう一度彼を奮い立たせます。
自分の武器は何だと考え尽くし、彼はやがてヒル魔の読むメンバーについに加わります。
『自分の武器は何だ?』今、改めて自分自身に言ってあげたい言葉です。