爽やかさと読み応えを兼ね備え、何度読んでも飽きない王道スポーツ漫画
この作品は、いじめられっ子の少年である小早川瀬那が、アメフトを通して人として成長していく物語。
この作品の魅力を、ストーリー、キャラクター、作画の3つに分けて解説していく。
まずはストーリーについて。王道スポーツ漫画らしく、章ごとに敵がでてきて、主人公たちの強化、敵を倒すという流れの繰り返しである。しかし、それぞれの章ごとのテンポがとても良く読みやすいのに加え、敵キャラの規模がどんどん大きくなっていく疾走感もあり、最終話まで飽きずに読み続けることができる。
次にキャラクター。主人公の小早川瀬那は元々いじめられっ子であるため、最初から心が強いわけではない。それが逆に読者は共感しやすい。また、主人公以外のキャラクターにも長所、短所や精神的な弱さがあり、それを克服していく姿は誰でも勇気が貰える。また、序盤の敵キャラなどを使い捨てにせず、しっかりとキャラクターを使い続けている。そのため、キャラクターに対して愛着が湧いていく。そして、愛着が湧いているキャラクターが増えていくと、ストーリーもより楽しむことができる。
最後に作画。アイシールド21は、原作を稲垣理一郎が担当し、作画を村田雄介が担当している。キャラクターとストーリーは稲垣理一郎が生み出した魅力だが、それを村田雄介の作画がさらに強化している。キャラクターの心理を表情でしっかりと伝えることで、よりキャラクターを好きになる事ができる。また、村田の描く必殺技には、まさに動いているかのような臨場感があり、漫画を読む中でマンネリを消し、爽快感を持たせてくれる。