才能とは何かを考えさせられた
アイシールド21はアメフトを題材にしたスポーツ漫画です。あらすじを簡単に紹介します。
高校生1年生でいじめられっ子の小早川瀬那という男の子が不良にパシられているうちに爆発的な走力を身につけ、それに目を付けた先輩が勧誘。最初はアメフトなんて危険だし嫌だと言っていたものの、徐々に魅入られていき、なんやかんやでアメフト部に入部。他校の化け物クラスの選手達と競い合う中で才能が開花し、大活躍…といった感じでしょうか。
ポイントは、この主人公、足が速い「だけ」という点。身体は貧弱でメンタルもひ弱ですが、高校最速レベルで足が速いのです。同じように、ボールのキャッチ力だけが秀でたキャラなんかも出てきます。私自身、歳をとる中で自分は大して才能のない人間なんだなとか、完全無欠ではないんだなとか気付き始めて、身の丈に合ったスモールな生き方を模索し始めていました。どうせ自分みたいなものが頑張ったって、元から才能に溢れていて、環境にも恵まれていて、努力を積み重ねてきた人には勝てるわけないんだと。しかし、この主人公は自分の中にある唯一の武器を、ブルブルガタガタと身震いしながらも試合の中で磨き続け、アメフトにこそ自分の居場所があるのだと信じ続けて、一から努力を積み上げ始めました。
漫画を読み進めるにつれて、「きっと私にも、彼のような才能の芽が存在しているのかもしれない。それなのに、失敗して惨めな思いをすることに怯えて、ただ事なかれ主義に甘んじてしまっていた」と、自分の中にある可能性に気付かせてくれました。それと同時に、才能という言葉に甘えていた自分に活を入れてもらいました。今の自分に自信が持てない、そんなあなたにおすすめしたい最高の漫画です。