レ・ミゼラブル / レミゼ / Les Misérables

レ・ミゼラブル / レミゼ / Les Misérables

『レ・ミゼラブル』(原題: Les Misérables)は、2012年12月21日公開のイギリス・アメリカ合作のミュージカル映画である。 ヴィクトル・ユーゴーによって1862年に出版されたフランスの歴史小説を基に、世界各国で上演されてきたミュージカルを映画化したものである。 トム・フーパーが監督を務め、主演は、ヒュー・ジャックマン。他にはラッセル・クロウ、アン・ハサウェイ、アマンダ・セイフライドらが出演している。
1本のパンを盗んだ罪で19年間も投獄ジャン・バルジャン。彼が仮出獄後に助けてくれた司教の優しさに触れ、改心して成長していく姿を描いた作品。コゼットという少女の面倒を見たり、他人が自分と間違われて逮捕されたことを知り自ら名乗り出たり、自分本位だったバルジャンが他人を思いやる心を身につけていく様が、見る者を感動させる。
第85回アカデミー賞でファンテーヌを演じたアン・ハサウェイが助演女優賞に輝いた。その他制作陣がゴールデングローブ賞作品賞(ミュージカル・コメディ部門)、ヒュー・ジャックマンが主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞した。

レ・ミゼラブル / レミゼ / Les Misérablesのレビュー・評価・感想

レ・ミゼラブル / レミゼ / Les Misérables
10

世界中で愛される不朽の名作ミュージカルを映画化!舞台を観ているような臨場感と圧倒的な歌で魅了される。

『レ・ミゼラブル』はヴィクトル・ユゴーの同名小説を原作に、世界各国で上演されている名作ミュージカルを映画化した作品。原作小説は日本では『ああ無情』という邦題でも知られており、タイトルを1度は目にしたことがある人も多いのではないだろうか。

イギリスとアメリカ合作で作られた本作は、主演のヒュー・ジャックマンの脇を、ラッセル・クロウやアン・ハサウェイといった実力派豪華キャストが固めている。また『英国王のスピーチ』でアカデミー監督賞を受賞したトム・フーパーがメガホンを獲り、ミュージカルの制作陣も映画化にスタッフとして携わっている。

ミュージカル映画なので舞台さながらに全編を通してミュージカル・ナンバーが出演キャストによって披露されており、ミュージカル畑の出身ではない俳優・女優たちが、吹き替えなしで熱演しながら歌い上げる様は圧巻の一言!
本人たちの歌声であることはもちろんのこと、後からスタジオで録音したものを被せるのではなく、実際にその場で演技しながら歌っている音声が使われているため臨場感もたっぷり。

混沌とした時代を背景とした重いストーリーながら、理不尽さへの苦しみ、恋愛の切なさや葛藤、そして全てを包み込むような高揚感溢れるラストと、観ている人達に様々な感情を与えてくれる。
本作でアン・ハサウェイが第85回アカデミー賞の助演女優賞に輝くなど、話題性も充分。ミュージカルファンも映画ファンも必見!
日本でも定期的に舞台で上演されており、舞台を観に行く前の入門編としてもピッタリ。きっとお気に入りの曲が見つかるはず。

レ・ミゼラブル / レミゼ / Les Misérables
10

時代の波に翻弄されたフランス市民を描く歴史超大作

19世紀初頭、1人の男が司教館を訪れる。男の名は「ジャン・バルジャン」
家族の為に、パンを一本盗み、その罪で長い間服役していた男だ。様々な人に虐げられていた彼だが、司教の人としての暖かさに初めて触れ、改心しようと考える。
時は経ち、ジャン・バルジャンは「マドレーヌ」という名前で身分を偽り、市長として街をおさめていた。そんな中、仕事を解雇され路頭に迷っていたファンティーヌから娘コゼットを託される。コゼットとの生活の中で、この娘を守ることを人生の生きがいにしようとしていた矢先、フランス革命の波が彼らを襲うことになる。
革命の主導者の名前は「マリウス」 若く、情熱に溢れる青年だ。恋など無縁で、フランスの為に己の身を尽くそうと考えていた彼の前に偶然、バルジャンに手を引かれたコゼットが現れる。一目でお互い恋に落ち、マリウスの幼馴染「エポニーヌ」の力も借りながら、ついに二人はお互いの気持ちを伝えあい結ばれる。
「恋か革命か」 マリウスの心は揺れ動くことになるが仲間の姿を見て、革命を選ぶことになる。しかし、さらに革命は激化。国王軍がすぐ近くまで迫っていた。バルジャンは「コゼットを守りたい気持ち」と「マリウスの革命を後押ししたい気持ち」が複雑に交錯する。そしてついに、マリウスら学生と国王軍が激突するのだった…。

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10

一度犯してしまった過ちがあったとしてもどん底にも幸せにもなれる。

時はフランス革命期。貧富の差がとても大きく、貧困に悩む人々は毎日の食べるもの、仕事を探していた。主人公ジャン・バルジャンはまだ幼かった妹にご飯を食べさせるため、パンの1つを盗んでしまう。たったその一つの罪で19年間投獄されてしまう。その後仮釈放の際に再び窃盗をはたらいてしまうが、神父に救われ、これからは人の役に立とうと決意する。その後市長にまで昇り詰め、ある女の子に出会う。その子はシングルマザー家系で、母が働きに出ている間は親戚の家でこき使われていた。母は子どもにご飯を食べさせるため、自分の体や髪などを売り、子に愛情を注ぎ続けるも、身も心もボロボロになってしまう。そのことに気づいたジャン・バルジャンは貧困に悩むその子と母を助けようとするが、母はやがて亡くなってしまい、その娘を大きく育てるため、自分が過去罪人だったことを隠しながら市長を続け、子育てに奮闘する。その後、娘に愛する人ができるも、自分の身を隠すことに精一杯になり、親子関係が崩れそうになるも、娘が愛する人に全てを打ち明け、その人に全てを託し、ジャン・バルジャンは亡くなってしまう。本作品は愛する誰かのために這いつくばって生きたり、人のために自分を投げ打つなど、いいことばかりでない日々の中に愛情や幸せを感じていく物語である。

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ミュージカルの最高峰作品の一つ、レ・ミゼラブルをレビューしてみた!!

今回はレ・ミゼラブルのレビューをしていきたいと思います。
この映画は、1815年のフランスを舞台としたミュージカル映画です。

この頃のフランスは「フランス革命」が何年も続いており、民衆が新しい国を作るために革命を起こそうとしている時代です。
主人公は、有名俳優のヒュー・ジャックマンが演じる、ジャン・バルジャンという男で、ジャン・バルジャンは妹のためにパンを一つ盗み、それがばれてしまい何と19年間も牢獄に入れられておりました。

その主人公、ジャン・バルジャンが保釈され、新たに生きていくという物語です。

フランス革命という時代背景とともに、秩序を維持するために働く警官、フランスを変えようと戦う若者達、人々を騙しお金を稼ぐ夫婦、
様々な登場人物が出てきて、その人達の思いが交差して様々な出来事がおきます。

レ・ミゼラブルはミュージカル映画ということもあり、登場人物のセリフは歌であり、俳優が現場で本当に歌っています。
たくさんの人が交わっていく中で、死がおとずれたりと少し重い映画ではありますが、出演者たちの圧倒的な歌唱力、や音楽が心に響きます。

登場人物の、演技や歌声、カメラワーク、テンポの良いストーリー展開、作り込まれた世界観、終始キャラクターの感情が移入してきて、胸が熱くなるおすすめの作品です

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10

いつまでも心に残る圧巻の演技と歌唱

ユゴーの小説『レ・ミゼラブル』、日本語版『ああ無情』のミュージカル映画。この映画が大好きで、年に1回は見て毎回毎年感動し毎年悲しみ喜び泣いています。俳優陣の演技力と歌唱力がすごすぎて、小説を読むような気持ちで見終えてしまう作品。歌っているのか喋っているのか、彼らは歌手なのか俳優なのか、そんなことを考える暇はありません。音楽や歌は言うまでもなく素晴らしく美しい。アン・ハサウェイ演じるファンティーヌのシーンははじめと終わりにしかないものの、圧巻です。語るように歌い、歌詞ではなく言葉として胸に響くのです。また、ヒュー・ジャックマン演じるジャン・バルジャンをはじめとする、いわゆる作品の中で"善"とされる人々は勿論、"悪"もしくは"敵"とされる、ジャン・バルジャンを追い続ける警察ジャヴェールや、幼き日のコゼットをいじめていたテナルディエ夫妻など、すべての人々に感情移入し寄り添う事ができる作品です。"善"とされる人々のシーンだけではなく、"悪"("敵")とされる人々のシーンが印象的なのが、この作品の特徴でもあると思います。特に私が胸を打たれたのは、ジャヴェールが川に身を投げるシーン。前半では自信に満ち溢れ己の正義を信じて警察としての仕事を全うしてきた彼。少しずつ迷いが生じ、やがてジャン・バルジャンを故意に見逃した事で己の正義に反してしまい、自ら身を投げるのです。本来であれば、主人公のジャン・ヴァルジャンやマリウスが助かったのですから喜ばしいシーンですが、単純にそう思えないのがこの作品の奥深さや魅力であると思います。ストーリーというのは原作に基づいたものではありますが、人々にどのように思わせるか、考えさせるかという演出はこの作品独自のものであり、特に、考えさせることに長けた作品です。また、このシーンをはじめ作品中でかなりの人が亡くなってしまいます。ただ、どのシーンも印象的で、決して無駄ではない死のシーン。ひとりひとりに正義があり、人生があり、葛藤がある。善悪で終わらせずに一人一人の人生を歌い、演じあげ、見た者に思いを巡らせ考えさせる作品です。

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8

自分の中の悲しい気持ちを肯定したいときに見る映画

ヒュー・ジャックマン主演のミュージカル映画です。9割以上が音楽にのせてのセリフなので、2時間みっちり音楽に接していることになります。
歌声を聞くことが耳に心地良いです。少年少女から、10代のティーン、青年期、壮年期、晩年とさまざまな世代の心情を歌に乗せて聞くことができます。

舞台はフランス革命後のパリなので、世相に人生を翻弄されます。その中でも愛する人のために自ら動く様子に心打たれます。いちばんスケールの大きさを実感するシーンは、『STARS』から『囚人の歌』への流れです。主人公ジャンバルジャンを捕らえることを決意するジャベール刑事の歌で黒黒とした夜空から、困窮したパリの民衆のシーンへと変わっていく様子は、この映画ならではだと思っています。
貴族たちは貧困に苦しむ民衆を馬車から見ながらも、手を差し伸べることはありません。日本に暮らしている以上、自分は民主側の人間です。毎日仕事をしながら、少しでも良い暮らしができればと思っています。でも、世界に目を向けるとどうでしょう。その日暮らしをしている人たちに囲まれたとき、自分はあの貴族のような態度を取ってしまうのではないだろうかと怖くなります。

愛する人のためにどれだけのことが出来るのか、を問いかける映画です。何度も見返しますが、その様子に毎回泣いてしまいます。

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10

3回泣けます

ヒュー・ジャックマン主演で2012年に公開された「レ・ミゼラブル」はミュージカル映画で、号泣必至の作品です。この作品は、何と言ってもキャストがすごく豪華です。主人公のジャン・ヴァルジャン役にヒュー・ジャックマンを始め、主人公が経営する工場で働く女性であるファンティーヌ役にアン・ハサウェイ、彼女の娘のコゼット役にアマンダ・サイフリッド、コゼットに心を惹かれる青年マリウス・ポンメルシー役にエディ・レッドメインと、話題作の主役を務める俳優陣がずらっと勢揃いしています。ストーリーは、とても悲しい運命を辿る人々がたくさん出て来て、愛する人を思いながら息を引き取っていくシーンが何度も出て来ます。特に、涙が止まらない号泣必至のシーンが3つあり、1つ目はファンティーヌが工場で不当な解雇にあい、幼い娘にお金を送るために情婦になるのですが、そこでもまた酷い扱いを受け、苦しみの胸の内を歌に乗せて表すシーンです。絞り出すようなアン・ハサウェイの歌声から始まり、だんだんと運命を呪うような怒りと絶望を露わにした歌い方に、涙が出て来ました。2つ目はそんなファンティーヌが病気になり、床に伏せているなか、ジャン・ヴァルジャンがファンティーヌの元にやってきて娘のコゼットを自分が引き取り育てると約束し、ファンティーヌが息を引き取るシーンです。ファンティーヌの意識が朦朧とするなか、コゼットの幻覚を見て、優しい母親の顔で笑いかけ手を伸ばすシーンは、悲しくもあり、大きな母性愛に触れたシーンでした。そして、3つ目はラストにジャン・ヴァルジャンが息を引き取るシーンです。自分がかつて犯した罪を悔いて、コゼットの元を去っていたのですが、ジャン・ヴァルジャンの危篤を知り、夫となるマリウスとかけつけるシーンが印象的です。「まだ逝かないで」と涙を浮かべて懇願するコゼットに看取られながら、ジャン・ヴァルジャンが穏やかに息を引き取っていくシーンは、とても悲しいのですが美しく、琴線に触れました。

レ・ミゼラブル / レミゼ / Les Misérables
10

これは原作の良さなのか?リメイクの勝利なのか?どちらにせよ文句なしの名作映画。

ヴィクトル・ユゴーの小説「レ・ミゼラブル(ああ無情)」を原作としたミュージカルの映画化。こういうのを三次制作というのでしょうか。元作品がどちらも名作なので、この映画も外れようがないと思って観に行きましたが、期待以上の出来でした!
「夢やぶれて」「オン・マイ・オウン」「民衆の歌」といった名曲は、曲そのものもそうですが物語のヤマとなるシーンに使われていて余計に印象的。特に何度も繰り返し歌われる「民衆の歌」は感動で涙が止まりません。TVで放送されたのを録画して何度も見返してますが、その都度泣く自分…。本当にいい映画って、何回観ても良いものなんだなぁと思いました。

「レ・ミゼラブル」の映画化は2回目らしく、私は前作を見ていません。ですのでこの映画独自の良さと言っていいのかはわかりませんが、ミュージカルにありがちな「唐突に歌が始まり、終わったら普通の劇に戻る」といったことがなく、終始登場人物が歌い続ける一つの音楽作品になっています。
ジャン・バルジャンとジャベール警部の剣闘シーンでは(ここ大好き!)、歌い手同士の掛け合いが見事に演技に取り込まれており、最後まで違和感なく観ることができました。ミュージカルという作品の性質上字幕版しかありませんが、吹き替え派の人も是非一度ご覧ください!